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お嬢様「お手洗いで食べるご飯がこんなに美味しかったなんて!」
Part2


50 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/21(土) 13:21:53 ID:l24p3bmI
男「・・・」
お嬢様「・・・そ、そんなにイヤなら、鍵を掛けてしまえばいいでしょう・・・!」
男「鍵は・・・」
男「最初はああ言ったけど、掛けたことなんてないよ」
お嬢様「どうして?」
男「・・・」
お嬢様「・・・」

51 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/21(土) 13:22:35 ID:l24p3bmI
男「・・・・・・」
男「怖いじゃないか」
お嬢様「え?」
男「・・・」
お嬢様「怖いって、なにが?」
男「・・・」
お嬢様「ねえ」

52 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/21(土) 13:23:15 ID:l24p3bmI
男「言っても、きっと分からないよ」
男「キミみたいな、世間知らずのお嬢様には」
お嬢様「!わたっ、・・・!」
お嬢様「そう・・・、わかったわ。・・・そうよね」ガチャ
男「あ・・・」

53 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/21(土) 13:23:38 ID:l24p3bmI
お嬢様「立ち入ったことを聞いてしまって、ごめんなさい」
お嬢様「悪気はなかったのよ・・・・・・、許して頂戴」
男「・・・」
男「・・・もう、来ないかな」
男「ううん、これでいいんだ」
男「・・・これで、いいんだよ」

58 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/24(火) 08:11:34 ID:oqeNWKgs

友「なるほどね、そんなことがあったのか」
男「うん・・・」
友「そうか。だから、そんなに落ち込んでるんだな?」
男「え?」
友「男が、だよ」

59 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/24(火) 08:13:02 ID:oqeNWKgs
友「その子のこと、気にしてるんだろう?」
男「べつに僕は・・・」
友「・・・実はさ、ここ最近、聞こうか聞くまいか迷ってたんだ」
男「なにを・・・?」
友「男、自分のことをよく話すようになったろ?」
友「どんなものを食べたとか、今日はこんなことがあったとか」
友「自分じゃ、気付いてなかった?」

60 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/24(火) 08:13:38 ID:oqeNWKgs
男「・・・」
友「不思議に思ってたんだけどさ、良い傾向だからって、ずっと訊き損ねてたんだ」
友「でも、今の話を聞いて合点がいったよ」
友「お嬢様ちゃんか・・・」
友「変わった子だと思えるけど・・・、男が普通に話せる女の子なんて、珍しいんじゃないか?」
男「図々しいだけだよ」
友「はは。男が、そんな風に他人の事を言うなんてさ」

61 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/24(火) 08:14:29 ID:oqeNWKgs
男「友、からかってるでしょ?」
友「まさか。・・・まあ、ちょっと無遠慮だったよな」
男「そうだよ、だから僕は」
友「言いすぎたって、思ってるんだろ?」
男「っ・・・」
友「・・・謝らないのか?」
男「・・・」

62 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/24(火) 08:15:39 ID:oqeNWKgs
友「・・・男がどうしてもイヤに思ってるならさ、俺から改めて言ってやるぞ?」
男「え?」
友「男はあなたのことを、とても不快に思ってるので、金輪際近づか――」
男「そんな、だめだよ! ・・・あっ」
友「・・・なーんてな」
男「う・・・」

63 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/24(火) 08:18:31 ID:oqeNWKgs
友「謝るんだろ?」ニコッ
男「ぼ、僕は・・・」
男子生徒A「おい! 正門のとこ見てみろよ、黒塗りのすンゲー車が停まってるぞ!」
男子生徒B「すっげぇ、マジだ! しかも、あれメイドか!?」
女子生徒A「あたし、本物のメイド初めて見た・・・」
男子生徒A「ていうか、メイドの左右で仁王立ちしてるの、SPとか黒服ってヤツか・・・?」
女子生徒B「ねえ、あそこで大声で揉めてるのって、お嬢様さんだよね?」
女子生徒A「ホントだ・・・。やっぱり、あの子って普通じゃないんだ・・・」

64 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/24(火) 08:19:38 ID:oqeNWKgs
男「・・・あの子がいる」ポカーン
友「へえ、どれどれ? ・・・って、すごい可愛いじゃないか!」
友「あの子が本当に、お前と一緒に二週間も、トイレでランチを?」
男「うん」コク
友「人は見かけによらないな・・・」
男「・・・」

65 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/24(火) 08:22:54 ID:oqeNWKgs
友「で?」
男「え?」
友「行くんだろ?」
男「ええっ!? ・・・ど、どうしよう、友?」
友「俺は、彼女とは何の関係も無いよ。・・・男が決めるんだ」

66 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/24(火) 08:24:00 ID:oqeNWKgs
男「・・・・・・。い、行くよ」
友「よし! なら、行こうっ」ポンッ
男「子供の頃はさ・・・いつも、友が前で、僕はその後ろを付いてってたよね」
友「はは、そうだな。たまには、逆もいいだろ?」
男「・・・そうかも」
友「男、後ろにいるからな」
男「うん・・・!」

67 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/24(火) 08:36:54 ID:LKsI6dkE
俺もトイレでメシ食えばこんな出会いが出来ますか?
支援

68 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/24(火) 12:16:47 ID:eO/bEgv2
待ってたよー
>>67
まずイケメンになるところからだな

69 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/24(火) 16:59:28 ID:kVRf/Hig
無理げーだった
あきらめて一人で食うわ

71 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/25(水) 07:22:12 ID:/IvFmpgc

メイド「お嬢様、何度も言わせないで下さい。これは、大旦那様の言いつけなのですよ?」
お嬢様「そっちこそ、何度も言わせないで! 嫌だって、言ってるでしょう!?」
メイド「・・・あまり子供のような我侭を申されて、困らせないで下さいませ」
メイド「今日、この日のことは、以前からお聞きなさっているはずではありませんか」
お嬢様「そんなの・・・っ! わたしは、承諾した覚えはないもの!」
お嬢様「ぜったい、絶対にイヤよ!」

72 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/25(水) 07:25:37 ID:/IvFmpgc
メイド「お嬢様・・・・・・」
メイド「わかりました、仕方ありませんね」
お嬢様「・・・」ホッ
メイド「あなたたち、お嬢様をお車へお連れして」
お嬢様「! うそ、やめてよっ!」
黒服A「失礼します、お嬢様」
お嬢様「やっ・・・――!」

73 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/25(水) 07:26:42 ID:/IvFmpgc
男「あのっ!」
お嬢様・黒服A「!」
メイド「・・・なにか?」
お嬢様「っ、離しなさい、よ!」バッ
お嬢様「・・・!」トタタッ
男(僕の後ろに隠れた・・・)
黒服A「!」ギロリ

74 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/25(水) 07:27:26 ID:/IvFmpgc
メイド「申し訳ありませんが、いま立て込んでおりますので」
男「その、嫌がってますよ・・・彼女」
メイド「・・・失礼ですが、どこのどなた様でしょうか?」
男「あの、おれは、」
お嬢様「お付き合いしている方よ!」
男「・・・え?」

75 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/25(水) 07:30:55 ID:/IvFmpgc
メイド「・・・・・・お嬢様、今、なんと仰いましたか?」
お嬢様「この方と、こっ・・・、交際していると言ったのよ!」
メイド「それは、友人としてではなく・・・男女の関係、という意味でしょうか?」
お嬢様「そうよ!」
メイド「・・・・・・本当でしょうか?」
お嬢様「ほ、本当よ!」

76 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/25(水) 07:31:32 ID:/IvFmpgc
メイド「お嬢様ではなく、そちらの方に訊いております」
お嬢様「あっ・・・」
メイド「どうなんですか?」
男「お、おれは、その・・・」
お嬢様「っ・・・」ギュッ
男(あの子の、小さく震えた手が僕の腕を・・・)
男「・・・・・・」

77 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/25(水) 07:34:30 ID:/IvFmpgc
男「本当、です」
お嬢様「!」
メイド「・・・そうですか。お嬢様、今のご自分のお立場は、分かっておられますよね?」
メイド「まさかとは思いますが・・・、これは大問題ですよ」
メイド「大旦那様が知ったら、きっとただでは済まないでしょう」
お嬢様「立場・・・問題・・・? なら、いいわよ」ギュ

78 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/25(水) 07:36:05 ID:/IvFmpgc
お嬢様「わたし、家には戻らない」
メイド「なにを仰って・・・冗談はおやめください」
お嬢様「冗談なんかじゃないわ」
メイド「それでは、戻らなければ、どこに行かれるのですか?」
メイド「今のお嬢様は、現金どころか、身分を証明するもの一つだってお持ちではないでしょう?」
メイド「これは冗談ではなく・・・お嬢様一人では、どこへも行けませんよ」
お嬢様「わたしにとっては、このまま家に帰ることも、結局おなじことなのよ!」

79 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/25(水) 07:40:09 ID:/IvFmpgc
お嬢様「だから・・・! お願いだから、放っておいて!」タッ!
男「わっ!?」グイッ
メイド「! お待ちください、お嬢様!」
お嬢様「追ってこないで!」
メイド「そうはいきません! あなたたち、すぐに連れ戻して!」
黒服A・B「はい」
友「おっと、ストップ」

80 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/25(水) 07:41:34 ID:/IvFmpgc
友「忘れてるかもしれませんけど、ここ、学校の敷地内ですよ?」
メイド「なんなんですか、あなたは!」
友「あなた達が、どれくらいの無茶ができるかは分かりませんけど」
友「もうすぐ教師たちがやってきます。そうしたら・・・」
友「少なくとも、状況説明をする必要は、あるんじゃないですかね?」
メイド「! お、お嬢様っ・・・、もう、あんな遠くへ!?」

81 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/25(水) 07:43:26 ID:/IvFmpgc
メイド「あなたたち、なにをしているんです! 押し退けて行きなさいッ!」
黒服A・B「はッ!」ダッ
友「だから、通行止めだって」スッ
ズシャッ!!
黒服A「足を引っ掛けやがった!?」
黒服B「この、ガキ・・・ッ!」

82 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/25(水) 07:44:23 ID:/IvFmpgc
友「後ろを、任せてもらったんでね」
メイド「お嬢様、ああっ・・・!」
黒服B「そこをどけッ!」
友「・・・教師たちが来るまで、あと2、3分てところか」
友「男、時間稼ぎをしてやるからな」

83 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/25(水) 08:39:44 ID:PM./pUPQ
友がかっこよすぎて漏れた

84 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/25(水) 10:10:34 ID:oSF3j.2M
この友になら俺のケツ穴処女を捧げてもいい

87 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/26(木) 07:36:32 ID:9IMSg2cg

男(僕の手を牽いて駆け出した、お嬢様さんは・・・)
男(しばらくすると立ち止まって、息をつくと、こんどは早足で歩きはじめた)
男(・・・その間、彼女は一度も振り返らずに、前だけを見ていた)
男(そうして今も、僕の前を歩いている。 ・・・繋いだ手は、そのままに)
お嬢様「・・・」トタトタ
男「・・・」スタスタ

88 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/26(木) 07:38:25 ID:9IMSg2cg
男「・・・あの」
お嬢様「っ!」ビクッ
お嬢様「な、なによ・・・?」
男「いや、どこまで行くのかなって」
お嬢様「そんなの知らないわよ」
お嬢様「こんなところ、歩いたことなんてないんだから・・・」

89 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/26(木) 07:40:05 ID:9IMSg2cg
男「・・・そう」
お嬢様「ええ・・・」
お嬢様「・・・」トタトタ
男「・・・」スタスタ
男「・・・あの」
お嬢様「今度はなによ!」

90 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/26(木) 07:42:32 ID:9IMSg2cg
男「その、手・・・いつまで繋いでるのかなって」
お嬢様「て・・・っ!?///」
お嬢様「ちがうのよ!」バッ
男「なにが?」
お嬢様「これは、そういう・・・あの。 とにかく、違うからねっ?///」
男「あ・・・うん」
お嬢様「わかればいいのよ・・・!」コホン

91 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/26(木) 07:47:13 ID:9IMSg2cg
男「あのさ」
お嬢様「なにかしら?」
男「さっきのことなんだけどね」
お嬢様「・・・・・・べつに、なんでもないわよ」
男「僕は、なにも訊かないよ」
男「何か、込み入った事情があるんでしょ?」

92 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/26(木) 07:49:12 ID:9IMSg2cg
お嬢様「事情なんて・・・!」
男「いいんだ。ただ、その・・・これから、どうするの?」
お嬢様「どうするって?」
男「家には戻らないって言ってたよね?」
お嬢様「ええ、そうよ。 べつにいいでしょう?」
男「行くところ、あるの?」
お嬢様「・・・・・・」

93 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/26(木) 07:52:37 ID:9IMSg2cg
男「あのさ」
お嬢様「イヤよ。家には戻らないわ、戻りたくない」
男「そうじゃなくって、その・・・」
男「・・・僕の家、くる?」
お嬢様「え?」
男「さっきの様子だと、もう一度話し合うにしても、日を跨いだ方が良さそうだし」
男「今日一日くらいなら、僕は構わないよ」

94 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/26(木) 07:54:45 ID:9IMSg2cg
お嬢様「・・・いいの?」
男「うん」
お嬢様「でも、わたしはあなたに・・・」
男「ごめんね」
お嬢様「えっ・・・?」
男「キミに、悪気があったわけじゃないのは分かってたのに・・・」
男「あんな、突き放すような言い方しちゃって」

95 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/26(木) 07:56:24 ID:9IMSg2cg
お嬢様「・・・」
男「ひどいこと言って、ごめん。 ・・・許してくれる?」
お嬢様「・・・」フルフル
男「だめってこと?」
お嬢様「・・・」フルフル!
男(どっちなのかなぁ・・・)

96 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/26(木) 07:58:36 ID:9IMSg2cg
お嬢様「それじゃあ・・・」クルッ
お嬢様「二人とも、配慮に欠けてたってことじゃない。 お互いさまでしょ・・・」
お嬢様「許すも許さないも、ないわよ・・・っ」
男「・・・ありがとう」
お嬢様「・・・っ、・・・」グスッ

97 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/26(木) 07:59:45 ID:9IMSg2cg
男「・・・」
お嬢様「・・・ぅ、・・・っ?」ゴソゴソ
男「ハンカチ、使う?」スッ
お嬢様「っ」
男「持ち物、全部置いてきちゃったもんね」

98 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/26(木) 08:01:45 ID:9IMSg2cg
お嬢様「ちがうのよ・・・っ、あなたが変なことを言うから・・・!」
男「うん」
お嬢様「わたしは・・・、泣いてなんかっ、ないんだから・・・」
男「うん」
お嬢様「ぅ・・・く・・・」
男「ごめんね」

99 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/26(木) 08:04:24 ID:9IMSg2cg
お嬢様「・・・」ゴシゴシ
男「・・・で、どうしようか?」
お嬢様「・・・・・・行く」
お嬢様「今日だけ、・・・お世話になるわ」
男「わかった」

100 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/26(木) 08:06:39 ID:9IMSg2cg
男「ところで、僕の家なんだけど・・・」
男「ここからだと、ほとんど反対側になっちゃうんだよね」
お嬢様「それじゃあ、なんでこんなところを歩いているのよ」
男「キミが引っ張ってきたからでしょ」
お嬢様「わたしのせいだって言うの?」
男(そうなんだけどなぁ・・・)

101 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/26(木) 08:08:25 ID:9IMSg2cg
男「・・・とにかく、日が暮れる前に帰りたいから。 こっちだよ」
お嬢様「待ちなさいよ」
男「・・・」
お嬢様「み、道が・・・分からないわ」
男「大丈夫だよ、何回か通ったことあるから」
お嬢様「そうじゃなくて・・・!」