2chまとめサイトモバイル
お嬢様「お手洗いで食べるご飯がこんなに美味しかったなんて!」
Part10


433 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/17(金) 09:47:03 ID:WXjwtAew
メイド「あなたたち、いいですね?」
メイド「空港までお嬢様のこと、しっかりとお送りするように」
黒服A・B「はっ」
メイド「御曹司様は?」
黒服A「もう、むこうの車で待機しています」
メイド「そうですか・・・」

434 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/17(金) 09:47:32 ID:WXjwtAew
メイド「わたくしは、御曹司様と、少し話をしてきます」
メイド「あなたたちは、お嬢様を送る車に乗って待っていなさい」
黒服B「は・・・? しかしですね、雨天の影響で、多少の混雑が・・・」
黒服A「――了解です」
黒服A「ただ、あんまり余裕はないんで、早めに切り上げてくださいね」
メイド「ええ、そんなに時間はかけませんから」
スタスタ

435 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/17(金) 09:47:57 ID:WXjwtAew
黒服B「おい、どういうつもりだ? 時間は・・・!」
黒服A「まだ間に合う。・・・そんなに急ぐ必要もないだろう」
黒服A「・・・車で待機だ」
黒服B「チッ・・・!」
コンコン
・・・ウィーーン
メイド「御曹司様、少しよろしいですか?」

436 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/17(金) 09:48:34 ID:WXjwtAew
御曹司「なんだい? なにかトラブルでも?」
メイド「いいえ。わたくしが、御曹司様と個人的なお話をしたくてお伺いました」
御曹司「キミがオレに?」
メイド「はい」コクリ
御曹司「珍しいな、なんだい?」
メイド「・・・わたくしと、賭けをいたしませんか?」
御曹司「は?賭け? ・・・オレとか?」
メイド「はい。わたくしと、御曹司様で、です」

437 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/17(金) 09:50:17 ID:WXjwtAew
御曹司「そりゃあオレは構わないが、一体何を賭けるんだ?」
メイド「シンプルなことです」
メイド「今日、御曹司様とお嬢様が飛び発つまでに、あの方が・・・」
メイド「男様が現れたら、お嬢様との婚約の件は、無かったことにして頂きたいのです」
御曹司「・・・・・・本気か?」
メイド「わたくしは、冗談は苦手でございます」

438 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/17(金) 09:51:09 ID:WXjwtAew
御曹司「それで、オレが仮に頷いたところで・・・事はそう単純じゃあない」
御曹司「大旦那さんへはどう説明するつもりだ? ハイ、ソウデスカとはいかないだろ?」
御曹司「オレが、一方的に話を取り下げたら終わるような問題じゃない」
メイド「もちろん、大旦那様にも、わたくしからお話しを」
メイド「必ず承諾していただきます」
御曹司「・・・」
御曹司「そもそも、オレにメリットはあるのか?」

440 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/17(金) 09:54:41 ID:WXjwtAew
メイド「ございません」
御曹司「なんだと?」
メイド「ですが、このままお嬢様と一緒になられても、幸せにはなれません」
メイド「お嬢様はもちろん・・・御曹司様も」
御曹司「・・・ハッ・・・。メイド風情が、随分と・・・」
メイド「不敬は承知のうえで申し上げております」
御曹司「やたら強情に出ているが、使用人如きにそこまで口を挟まれるのは不快だな」

441 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/17(金) 09:55:48 ID:WXjwtAew
メイド「御曹司様の仰りようは、当然でございます」
メイド「この件がどちらに転んだとしても、わたくしのことは、どうぞお好きになさってください」
御曹司「たかだかメイド一人の人生と、彼女との婚約を秤にかけろと?」
メイド「はい。・・・どうか、お願い致します」フカブカ
御曹司「・・・なぜ、そこまで真剣になれる?」
メイド「こうすることが、お嬢様のためなのだと、心から思っているからです」
御曹司「・・・信じているのか?」
御曹司「キミは、あの男は来ると・・・」
メイド「ええ」

442 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/17(金) 09:56:26 ID:WXjwtAew
御曹司「・・・理解に苦しむな。まともに言葉を交わしたこともない人間を、どうして・・・」
メイド「そうですね・・・わたくしは、男様のことは何も知りません」
メイド「ですが、お嬢様が信じた・・・好きになった方です」
メイド「わたくしにはそれだけで、十分信じるに足る理由です」
御曹司「・・・」
メイド「・・・御曹司様」
メイド「受けて、いただけますか?」
ザアアァァァァ・・・

443 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/17(金) 09:57:11 ID:WXjwtAew
・・・・・・
ザアアァァァ・・・
友「止まなかったな、雨・・・」
友「男は、今朝も学校には来ていないか・・・」
友「男・・・」
友「来るよな・・・?」
教師「よーし、じゃあ次ページの英文を訳してもらおう」

444 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/17(金) 09:57:42 ID:WXjwtAew
教師「だれにやってもらうかな? そうだなー・・・」
ガラガラッ
男「・・・」
教師「――ん? うおっ!?」ビクッ
生徒A「! げッ、なんだあいつ!?」
生徒B「か、顔・・・ボコボコじゃねえか・・・全身ずぶ濡れだし・・・!」
ザワザワザワ・・・!

445 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/17(金) 09:58:44 ID:WXjwtAew
男「・・・」
スタスタ・・・
生徒C「きゃあ!?」
生徒D「ひぃっ!」
教師「お、おい! おまえ・・・どこのクラスの生徒だ!?」
教師「いまは授業中だぞ!? 自分の教室・・・いや、まずは保健室にだな・・・!」
スタスタ・・・

446 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/17(金) 10:00:24 ID:WXjwtAew
男「友」
友「・・・へへ。なんだ、随分男前になったじゃないか?」ニッ
男「彼女を、迎えに行く」
男「車を貸して」
友「・・・・・・」フゥ
友「先生!」
教師「な、なんだ?」
友「すいません、早退します」

447 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/17(金) 10:01:07 ID:WXjwtAew
教師「なんだと?」
友「こいつ、病院に連れて行かないと」
教師「あ、ああ・・・? しかし・・・」
男「友、僕は・・・」
友「貸してってな、お前、免許持ってないじゃないか」
友「だいたい、場所とか、飛行機の時間とか知ってるのか?」
男「・・・あっ」

448 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/17(金) 10:01:44 ID:WXjwtAew
友「おいおい・・・」
男「僕はとにかく、あの子のところ行かなきゃって、それだけで・・・」
友「・・・そうか、お前らしい」クス
友「気持ちは、固まったんだな?」
男「・・・うん」コク
友「よし。なら、俺が連れてってやる」

449 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/17(金) 10:02:27 ID:WXjwtAew
友「おっと、『でも・・・』はナシだからな?」
友「まったく、ヤキモキさせやがって・・・」
男「友・・・」
男「・・・・・・うん」
男「僕を、彼女のところへ連れて行ってくれ!」
友「ああ、任せておけ!」ニッ

450 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/17(金) 10:03:08 ID:WXjwtAew
・・・・・・
ザアアァァァ・・・
大旦那「・・・」
コンコン
大旦那「・・・だれだ」
メイド「メイドです、大旦那様。 ・・・入ってもよろしいですか?」
大旦那「・・・ああ」

451 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/17(金) 10:03:32 ID:WXjwtAew
ガチャ
メイド「失礼します」
大旦那「・・・」
メイド「間もなく、お嬢様たちが空港へ到着するそうです」
大旦那「・・・そうか」
メイド「・・・」
大旦那「・・・雨は、止みそうにないな・・・」
メイド「はい」

452 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/17(金) 10:05:19 ID:WXjwtAew
大旦那「・・・・・・『よろしくお願いします』、か」
大旦那「二人して同じ事を言って・・・」
大旦那「ふふっ・・・、これでは、私が悪者のようではないか・・・」
メイド「大旦那様・・・」
大旦那「メイド、お前はどう思う?」
大旦那「私が間違っていると思うか?」
メイド「・・・わたくしは・・・」
大旦那「無作法だと思うことはない。遠慮は要らんから、素直な意見を聞かせてくれ」

453 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/17(金) 10:07:39 ID:WXjwtAew
メイド「・・・大旦那様の仰った通り・・・」
メイド「気持ちというものは、ひどく不安定に揺れ動くものです」
メイド「愛しているから、と・・・」
メイド「言葉にするのは容易ですが、それを幸せという形にするには、とてつもない労力が必要でしょう」
メイド「・・・ですが、わたくしも女です」
メイド「立場や価値観を飛び越える、一生に一度の恋、運命の出会いというものには憧れますし」
メイド「そういうものが、きっと現実にもあって・・・」
メイド「そうして幸せになった人もいるのだと、信じております」

454 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/17(金) 10:08:40 ID:WXjwtAew
メイド「お嬢様にとって、それがあの方だと・・・男様なのだというのなら・・・」
メイド「わたくしは全身全霊をかけて、それを応援するだけです」
大旦那「・・・人を好きになる、か・・・」
大旦那「私とてな、木の股から生まれたわけではない」
大旦那「アレは・・・お嬢様の母もな、一般の家庭に生を受けた女だったのだ」
大旦那「笑った顔が向日葵のような、とても印象的な女でな」
大旦那「アレが笑うと、不思議と私まで温かい気持ちになれて・・・いつの間にか、どうしようもなく惹かれていた」

455 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/17(金) 10:10:15 ID:WXjwtAew
大旦那「・・・だが私の家は、父も母も、それは厳格な人だったからな」
大旦那「当然、私たちの関係が許されることはなかった」
メイド「・・・」
大旦那「そして、二人で遠くへ行った」
大旦那「色々な物を棄てて、親の手の届かないところへ」
大旦那「そしてお互い、死ぬ気で働いて・・・」
大旦那「ふふっ・・・当時は、自分がもし子供を持ったら『こんな想いは絶対にさせない』と誓ったものだが・・・」
大旦那「時の流れというものは皮肉で、残酷なものだ」

456 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/17(金) 10:12:38 ID:WXjwtAew
大旦那「・・・・・・アレが、病気で亡くなって・・・」
大旦那「私は、立ち止まることをやめた」
大旦那「振り返ってしまったら、彼女と過ごした日々を想ってしまったら・・・」
大旦那「そこから、二度と動けなくなりそうだったからだ」
メイド「大旦那様・・・」
大旦那「・・・パパ、か・・・ふふふっ」
大旦那「いつの間にか、わたしのことを『お父様』と呼ぶようになったお嬢様は・・・」
大旦那「笑った顔が、アレにそっくりに見えるくらい成長していた」

457 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/17(金) 10:13:48 ID:WXjwtAew
大旦那「・・・だから、怖くなったんだな、私は」
大旦那「また家族を・・・失ってしまうのでは、と・・・」
大旦那「仕事に一層傾倒し、娘と接する機会を出来るだけ削った。予防線のつもりだったんだろう」
大旦那「まったく・・・ダメな親の見本というやつだな」
大旦那「それに、娘から母親を奪ってしまったという負い目もあった」
メイド「それは・・・! 大旦那様せいでは・・・!」
大旦那「ああ・・・」

458 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/17(金) 10:14:53 ID:WXjwtAew
メイド「大奥様が亡くなられたのは、ご病気のせいであって、大旦那様は何も・・・!」
大旦那「みな、そう言うのだ」
大旦那「だがな、やはり思ってしまうのだ。当人としてはな・・・」
大旦那「あの時、あんな風に根を詰めるような働き方をさせるべきではなかった、と」
大旦那「・・・」
大旦那「逃げたりせず、トコトン・・・父と母が折れるまで、二人で話し合っていれば・・・と」
メイド「・・・」

459 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/17(金) 10:16:04 ID:WXjwtAew
大旦那「・・・お母様がいれば、か・・・」
大旦那「きっと、私はこっぴどく叱られるだろうな。『何を考えているの?』と・・・ふふっ」
大旦那「私は・・・間違ってしまったのかもなぁ・・・」
大旦那「もっと娘とゆっくり・・・時間をかけて、話すべきだったのだ」
大旦那「・・・家族、なのだから」
メイド「・・・・・・まだ」
メイド「まだ、間に合います」
大旦那「・・・」

460 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/17(金) 10:17:04 ID:WXjwtAew
メイド「お嬢様に、大旦那様の気持ちを伝えましょう」
大旦那「しかし・・・」
メイド「たとえ家族でも、言葉にしなければ伝わらないことはあります」
大旦那「娘を避け続けてきた私に、できるだろうか・・・」
メイド「・・・お嬢様が、仰ってました」
メイド「人は、変われるのだと」
大旦那「・・・あの子が・・・」

462 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/17(金) 10:18:07 ID:WXjwtAew
大旦那「私も、変われるだろうか。いまからでも・・・」
メイド「はい、きっと・・・!」
大旦那「・・・そうか」クス
大旦那「メイド、娘のいる空港まで車を出してくれ」
メイド「!」
大旦那「それから・・・」
大旦那「今日の仕事は、全てキャンセルだ」
メイド「・・・はいっ!!」パァ

463 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/17(金) 10:18:49 ID:WXjwtAew
・・・・・・
ザアァァァ・・・
友「男、もうすぐ着くぞ」
男「うん」
友「・・・腫れ、少しはひいたか?」
男「どうだろう・・・? よく、わかんないや」
男「でも、右目はどうにか開けれるようになったよ」
友「急場しのぎに、プレートアイス砕いたヤツ当てるだけでも、違うもんだな」

464 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/17(金) 10:19:58 ID:WXjwtAew
男「・・・あとでおばさんに、ちゃんとお礼言わないとだね」
友「その時は、お嬢様ちゃんと二人、一緒に来いよ」
男「そうだね・・・」
男「服も、ありがとうね」
友「男が着てたの、ビショビショの上に泥だらけだったしなぁ」
友「何より、一世一代の大勝負に出るんだ。おめかしくらいはな?」
男「だから、スーツなの?」
友「わかりやすくていいだろ?」

465 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/17(金) 10:20:39 ID:WXjwtAew
男「・・・」
友「・・・お嬢様ちゃんに、何て言うんだ?」
男「・・・」
男「・・・・・・夢でね」
男「父さんと、母さんのこと、少し思い出したんだ」
男「ずっと、思い出すの辛かったけど・・・」
男「いまなら、僕は二人に愛されていたんだって」
男「素直にそう、思えるんだ」

466 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/17(金) 10:22:31 ID:WXjwtAew
友「男・・・」チラ
男「父さんは、今も結局帰ってこないまま」
男「母さんも、僕を置いて逝ってしまったけど」
友「・・・空港に入るぞ」
男「子供の頃の僕は、自分のことを不幸だなんて思ったこと、なかったよ」
男「いつだって、写真に映る僕のように、笑顔でいれたんだ」

467 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/17(金) 10:24:49 ID:WXjwtAew
男「だから僕は・・・もっと、自惚れていいのかなって」クス
男「世界中の誰よりも、彼女のことを幸せにできるんだって」
男「彼女に会って、もう一度、今度は胸を張って言うよ」
男「好きだ、って」ニコ
友「・・・そっか」
友「もう、俺に手を牽かれなくても、男は一人で歩いていけるんだな」
友「・・・こういうの、寂しいって言ったら・・・ダメなんだろうなぁ」
男「友・・・」

468 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/17(金) 10:26:02 ID:WXjwtAew
友「よし、着いたぞ」
男「・・・うん。時間、何とか間に合いそうだ」
男「ここまで、いろいろありがとう」
友「ああ」
男「友は、これからどうするの?」
友「男は、男にしかできないことをするために行くんだろ?」
友「俺は俺で、自分にしかできないことをやるさ」

469 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/17(金) 10:26:28 ID:WXjwtAew
友「だから、後ろは俺にまかせて、お前は真っ直ぐ進め」
男「うん・・・!」
友「ここで、『無茶するな』なんて言わないぜ」
友「後悔しないように、思いっきり暴れてこい」
男「・・・行ってくる、友」
友「ああ。行ってこい、親友!」
ザアアァァァ・・・

470 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/17(金) 10:28:36 ID:WXjwtAew
・・・・・・
御曹司「A-29、A-29・・・ここか」
御曹司「さあ、座って」
お嬢様「・・・」トス
御曹司「ふむ。思っていたほどの窮屈さは感じないな」
お嬢様「・・・」
御曹司「・・・なにか珍しいものでも見えるのかい?」
御曹司「窓から外を見ているが・・・」

471 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/17(金) 10:29:58 ID:WXjwtAew
お嬢様「・・・」
御曹司「もしやと思うけど・・・」
御曹司「あの男を、待っているわけではないだろうね?」
お嬢様「・・・」
御曹司「来るわけないだろう」
お嬢様「・・・あの人は、来ます」
御曹司「なんで、そう言えるんだ?」

472 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/17(金) 10:30:46 ID:WXjwtAew
御曹司「・・・あの男とオレと、一体なにが違うっていうんだ?」
御曹司「オレは絶対に、あなたに不自由などさせない」
御曹司「あなたを、必ず幸せに・・・」
お嬢様「――御曹司様は」
お嬢様「わたしの、どのようなところに惹かれたのですか?」
御曹司「・・・」
お嬢様「幸せにしてくださると、言っていただけましたが・・・」
お嬢様「これから十年、二十年・・・五十年経っても、わたしのことだけを愛してくださいますか?」