お嬢様「お手洗いで食べるご飯がこんなに美味しかったなんて!」
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Part1
お嬢様「お手洗いで食べるご飯がこんなに美味しかったなんて!」
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/14562/1342666536/
1 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/19(木) 11:55:36 ID:
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お嬢様「それとも、あなたと一緒だからかしら?」
男(出てってくれないかなぁ・・・)
2 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/19(木) 11:56:00 ID:
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お嬢様「どうかした?」
男「ここ、個室なんだけど・・・」
お嬢様「そうね」
男「しかも、男子トイレの」
お嬢様「知ってるわ」
男「・・・あの、出てってくれない?」
お嬢様「イヤよ」
3 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/19(木) 11:56:46 ID:
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男「・・・・・・」
お嬢様「・・・・・・だいたい」
お嬢様「鍵を掛けない、あなたがいけないのではなくて?」
男「掛けようとしたら、キミが駆け込んできたんだけど」
お嬢様「そうだったかしら?」
男「それにここ、ご飯食べるところじゃないから」
4 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/19(木) 11:58:38 ID:
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お嬢様「あら、あなただって、お弁当広げているじゃない」
男「・・・僕は、いいんだよ」
お嬢様「そんなの納得いかないわ」
お嬢様「なんであなたは良くって、わたしはダメなの?」
お嬢様「あなたがよそへ行かない限り、わたしもここにいますから」
男「・・・じゃー、わかったよ。いいよもう」
男「隣の個室が空いてるから。そっちで食べていいから、ね」
5 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/19(木) 11:59:09 ID:
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お嬢様「ここで食べるわ」
男「狭いじゃないか」
お嬢様「気にしないわ」
男「僕が気にするんだよ」
お嬢様「器量の小さい男ね」
男「・・・」
6 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/19(木) 11:59:45 ID:
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お嬢様「時間、なくなってしまうわよ?」
男「・・・いただきます」パカ
お嬢様「・・・」ジー
男「なに?」
お嬢様「その・・・玉子焼き、美味しそうね」
男「べつに。ふつうだよ」
お嬢様「少しわたしに・・・、あ」
7 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/19(木) 12:00:28 ID:
.ifnVuEU
お嬢様「こ、交換っことか・・・しない?///」
男「え?」
お嬢様「いいでしょ、ね、ねっ?」
男「キミのその・・・、えぇと」
お嬢様「クラブ・サンドウィッチよ」
男「それ、サンドイッチなんだ」
8 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/19(木) 12:01:00 ID:
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お嬢様「食べたこと無い?」
男「サンドイッチはあるけど・・・」
男「それ、中身なに?」
お嬢様「ハムと卵とお肉と、トマト」
お嬢様「あと、トリュフよ」
男「トリュフ?」
お嬢様「ただのキノコよ」
男「サンドイッチにキノコ?」
9 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/19(木) 12:01:28 ID:
.ifnVuEU
お嬢様「はい、どうぞ」
男「・・・・・・」
お嬢様「それじゃあ、わたしはこれいただくわね」
お嬢様「・・・!わぁ、おいしいっ」
男「・・・」モグモグ
お嬢様「玉子焼きって、こんなに甘くてとろ〜ってしてたのね」
男「うん」
10 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/19(木) 12:02:11 ID:
.ifnVuEU
お嬢様「・・・そっちは、あまり口に合わなかったかしら?」
男「そんなことないよ」
男「ただ、いつも食べてるサンドイッチと全然違ったから」
お嬢様「そう・・・次は、もっとあなたの口に合うものを作らせるわね」
男「うん。・・・ん?」
11 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/19(木) 12:02:53 ID:
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お嬢様「ごちそうさま」
男「あれ、もう? まだサンドイッチ残ってるよ」
お嬢様「あなたの玉子焼きで、おなかいっぱいになっちゃったのよ」
男「! ぜんぶ食べてるし・・・」
お嬢様「よかったらこれ、食べてくれないかしら?」
お嬢様「もし食べ切れなかったら、棄ててしまって構わないから」
12 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/19(木) 12:06:35 ID:
.ifnVuEU
お嬢様「それじゃ、またね」バタン
男「・・・」パク
男「・・・・・・」モグモグ
男「うん」
男「サンドイッチにキノコ、意外にイケるね」
13 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/19(木) 12:57:08 ID:oXlukW9w
トイレフードって青春だな
16 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/19(木) 18:00:30 ID:W0fTGEPw
>>13
おしゃれっぽく言っても結局は便所飯だからな
21 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/20(金) 12:37:21 ID:
O4CR8UtI
□
女子生徒A「昨日のドラマみたー?」
女子生徒B「見た見た、キモタク超ヤバかったよねー!」
・・・
男子生徒A「帰りゲーセン寄ってかね?」
男子生徒B「いいねー。今日は隣街の、1ラインシャッフルのとこ行こうぜ」
22 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/20(金) 12:37:57 ID:
O4CR8UtI
・・・
女生徒C「え〜、それってほんとー?」
女生徒D「マジマジ、あたし卒業した先輩から聞いたんだから」
・・・
男子生徒C「Pubで一緒になったクソ外人のせいで、俺のHCウィズ子ちゃん(Lv58)がお亡くなりに」
男子生徒D「だから、ワンパンマンなんかと組むのは止めとけって言ったろ」
・・・
23 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/20(金) 12:38:31 ID:
O4CR8UtI
お嬢様「・・・」
男(見事に孤立してるなぁ・・・)
男(そうだ。たしかあの子、一週間前に転入して来た、お嬢様さんだ)
男(自己紹介で盛大にやっちゃってからこっち、そのままズルズルきちゃったんだな)
男(この特別教室での授業にしたって、お嬢様さんの周りだけ人が座ってないし)
男「・・・それは、僕も一緒か」ボソ
24 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/20(金) 12:39:10 ID:
O4CR8UtI
お嬢様「・・・」ガタッ
男「ん?」
お嬢様「・・・」スタスタ
男「あれ?」
お嬢様「・・・」トスッ
男「え・・・」
25 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/20(金) 12:39:37 ID:
O4CR8UtI
お嬢様「ここ、座ってもいいかしら?」
男「もう、座ってるじゃない」
お嬢様「空いてるんだから、いいわよね」
男「自分で訊いて、自分で答えちゃったよ」
生徒たち「・・・・・・」ジーー
お嬢様「・・・」
男「・・・」
26 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/20(金) 12:40:20 ID:
O4CR8UtI
ガラッ
教師「全員、席に着けー」
お嬢様「・・・・・・テキスト」
男「え?」
お嬢様「忘れてしまったのよ。・・・見せてくれないかしら?」
男「いや、さっきの席に置――」
お嬢様「見せてくれるわよね?」
27 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/20(金) 12:42:22 ID:
O4CR8UtI
教師「よし、授業はじめるぞー」
お嬢様「・・・」
男「・・・いいよ」スッ
お嬢様「少し、見にくいわ」
男「ちゃんと真ん中に置いてるよ」
お嬢様「もっと、こっちに寄ってくれない?」
男「え?」
お嬢様「いいわ。わたしがそっちへ行くから」
28 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/20(金) 12:43:19 ID:
O4CR8UtI
男「な・・・」
男(腕が触れそうなくらいくっついてきた・・・)
お嬢様「こ、これでいいわ///」
お嬢様「・・・い、いいわよね?」
男「・・・うん」
生徒たち「・・・・・・」ポカーン
教師「こら、お前らよそ見してるんじゃない!」
男(はやく終わらないかなぁ・・・)
29 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/20(金) 17:40:43 ID:mAGbTKcM
全力でCする
30 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/21(土) 07:52:38 ID:
l24p3bmI
□
友「男、いまから帰りか?」
男「友・・・うん、まぁ」
友「なら、俺も帰ろうかな」
男「でも・・・」
友「坂を下るまでは一緒だろ?」
男「うん」
31 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/21(土) 07:53:50 ID:
l24p3bmI
後輩「友せんぱぁ〜い!」
友「ん?」
後輩「あのぅ、いまから友達とみんなでカラオケ行くんですけどぉ〜、よかったら・・・」
友「ワリ。今日は、こいつと一緒に帰るから」
後輩「えぇ〜・・・」チラ
男「あ、おれはべつに・・・」(「おれ」のイントネーションは語尾上がり)
32 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/21(土) 07:54:52 ID:
l24p3bmI
友「また今度誘ってくれよ、な?」
後輩「友先輩、いっつもそう言って、一緒してくれないんだもん〜」ムスー
友「今度は都合のいい日に、こっちからメールするから」
後輩「絶対、約束ですよぉ〜?」
友「ああ」
男「・・・」
33 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/21(土) 07:56:58 ID:
l24p3bmI
友「んじゃ、行くか!」ニッ
男「・・・僕に気を使うことないのに」
友「ハハ、そんなんじゃないって」
友「俺が、お前と一緒に帰りたかっただけだよ」
男「・・・うん」
男「ねえ、友」
友「ん?」
34 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/21(土) 07:57:48 ID:
l24p3bmI
男「県大会、残念だったね」
友「またその話かー? ははっ、お前こそ、俺に気を使いすぎだって」
男「ごめん」
友「確かに惜しかったんだけどな。・・・甲子園かー」
友「でも、後悔はしてないぜ。未練も。野球は、そりゃあ好きだけどさ」
友「俺には、もっと大事な、夢があるからな」
35 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/21(土) 08:00:46 ID:
l24p3bmI
男「それって」
友「男は知ってるだろ?」ニコッ
男「プロレーサー、でしょ。でも、とんでもなくお金がかかるって」
友「ん、まぁな。お金だけじゃない、コネも必要だし、何より才能だ」
男「才能なら、きっとあるよ。僕が保証する」
友「そりゃ、心強いな」ハハ
36 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/21(土) 08:06:05 ID:
l24p3bmI
男「幼馴染の僕は、小さい頃から見てきたから」
男「たくさんのカートレーシングの大会で、表彰される友を」
男「それだけじゃないよ」
男「どんなスポーツも、勉強でも、いつだって友は、人よりも結果を出してきたもの」
男「だから、きっと大丈夫だよ」
友「おだてすぎだって。・・・結局、全日本カートで特別ライセンスは取れなかったんだ」
男「・・・」
37 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/21(土) 08:09:05 ID:
l24p3bmI
友「でもな、腐ったりしないぜ?」
友「どんなに狭き門でも、一部の特権者が幅を利かせる世界だって」
友「ここを走るんだって、自分で決めた、俺の道なんだ」
男「自分の道、か」
男「羨ましいな。僕には・・・」
友「男だって、なんだってできるさ」
38 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/21(土) 08:16:07 ID:
l24p3bmI
男「僕は、友みたく器用にはできないし、そんな風には思えないよ」
友「そんなことないさ、腕も足も二本ずつ、目と口もちゃんと付いてる」
友「しっかり見れて、はっきり喋れて、元気に走れる。俺も男も変わらない、同じ人間だ。違いなんか無いさ」
男「・・・」
友「そうだ」
友「運転免許な、今週末にセンターへ試験を受けに行って、取りに行く予定なんだ」
男「うん」
39 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/21(土) 08:17:25 ID:
l24p3bmI
友「取れたら、どこかドライブでも行かないか?」
男「僕と二人で?」
友「華が無いかな? なら、妹か姉貴を連れてこう」
男「いや、そうじゃなくて・・・」
友「たまにはパーっと外でさ、遊ぶのもいいだろ? なっ?」
男「・・・僕は、いいよ」
男「代わりに、さっきのほら・・・あの女の子誘ったら?」
友「お前の代わりなんか、どこにもいねーよ」
40 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/21(土) 08:17:53 ID:
l24p3bmI
男「・・・」
友「・・・」
友「なぁ男、まだ・・・一人でメシ食ってるのか?」
男「・・・」
友「時間が解決してくれる、なんて思ってたけどさ」
友「もう、そろそろさ、いいんじゃないか」
友「そうだ。明日は、俺と一緒に食べないか?」
41 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/21(土) 08:22:37 ID:
l24p3bmI
男「でも・・・」
友「いや、もちろん、いきなりはハードル高いから、他のやつはナシで」
友「俺とお前二人でよ、屋上にでも出てさ・・」
男「友」
男「ありがとう。・・・でも、ごめん」
友「・・・」
男「やっぱり、まだ・・・」
42 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/21(土) 08:25:16 ID:
l24p3bmI
友「・・・そか。無理強いは、よくないよな」
友「っ、なら、せめてさ! 今日の晩御飯、ウチでどうだ!?」
友「いやほら、妹も姉貴も男に会いたがってるし、母さんも・・・!」
男「友」
友「おうっ!?」
男「着いたよ」
43 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/21(土) 08:27:50 ID:
l24p3bmI
友「あ、もう・・・坂の下か」
男「僕、こっちだから」
友「・・・ああ」
男「今日は・・・無理だけど、いつか行くから」
友「いつかっていつだよ・・・」ボソ
男「妹ちゃんや、おばさんに、よろしくね」
友「・・・ああ。伝えとく」
44 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/21(土) 08:29:07 ID:
l24p3bmI
男「・・・」
男「そうだ、友」
友「なんだ?」
男「あのさ、トリュフって食べたこと、ある?」
友「チョコレートの?」
男「じゃなくて、キノコの方」
45 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/21(土) 08:30:04 ID:
l24p3bmI
友「ないけど・・・、なんでまた?」
男「今日初めて食べたんだけど、けっこう美味しかったんだ」
友「へ、へぇ、そうなんだ?」
男「うん。白くて・・・クラブサンド、だっけな? それに挟まってて・・・」
友「・・・」
男「あ、それだけなんだけど・・・」
友「そっ、そうか」
46 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/21(土) 08:30:24 ID:
l24p3bmI
男「うん。それじゃ・・・」
友「ああ」
友「・・・」
友「男が自分の事を、自分から話すの、久しぶりだな・・・」
友「ていうか、クラブサンドに白トリュフ?」
友「・・・」
友「プラチナ・クラブ・サンドウィッチ?」
友「・・・はは、まさかな」
47 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/21(土) 13:19:08 ID:
l24p3bmI
□
お嬢様「やっぱり、あなたの玉子焼きは美味しいわね」
男「・・・そう」
お嬢様「家では、わたしが言って作らせても、こうはならないのよ」
お嬢様「なにが違うのかしら?」
男「・・・さあ」
48 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/21(土) 13:19:57 ID:
l24p3bmI
お嬢様「なにか、特別な調味料でも入れているの?」
男「砂糖と塩と醤油しか入れてないと思うけど」
お嬢様「そんなはずないわ。・・・でも、じゃあ、作り方に秘密があるのかしら?」
男「ていうかね・・・」
お嬢様「? どうかした?」
男「今日でもう、二週間だよ」
49 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/21(土) 13:20:22 ID:
l24p3bmI
男「キミがこうして僕の所に・・・二週間、ずっとだよ」
お嬢様「あら、もうそんなになるの?」
男「あのさ・・・いい加減、なんとかならないかな?」
お嬢様「そうは言っても、あなた全然ここから動かないんだもの」
男「僕はずっと、ここで食べてきたんだよ」
お嬢様「わたしも、ずっとここで食べることにしたのよ」