Part1
まる子「女子VS男子の野球対決!の巻」
http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1408284045
1 :
以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/08/17(日) 23:00:45.74 ID:
mET3pBoz0
公園。
バレーボールに興じている まる子達。
男子の集団「おい、おまえら」
まる子「何さあんた達、見ない顔だね」
男子A「今から野球(三角ベース)やるんだよ。邪魔だからそこどけ」
城ヶ崎「はあ? 何言ってんのよ」
冬田「私たちが先に遊んでたのに……」
笹山「本当、酷い……」
男子B「ああん!?」
男子C「何か文句でもあんのかよ!」
城ヶ崎「あるわよ!」
まる子「大ありだね!」
たまえ「ちょ、ちょっと、まるちゃん、城ヶ崎さん……!」
[
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2 :
以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/08/17(日) 23:01:46.69 ID:
mET3pBoz0
まる子「あんた達ね、いきなり割り込んできて何なのさ!」
男子A「野球やるからどけっつってんだよ」
城ヶ崎「先客がいるんだから他あたりなさいよ!」
男子B「女子の遊びなんて隅っこで十分だろ?」
男子C「そうだそうだ」
男子D「井戸端会議でもしてろ!」
まる子「ふざけるんじゃないよ! 野球なら広い校庭ですりゃいいじゃん!」
男子A「うるせえ、学校はサッカーやってて使えねえんだよ!」
かよ子「どうせ杉山君と大野君がいるから怖くて口出せないんでしょ」
冬田(大野くん……///)
城ヶ崎「図星みたいね」
まる子「かぁ〜、だからってか弱い女子に噛みつくなんて、清水の男が廃るねぇ」
キートン「あんたは図太いだろ」
3 :
以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/08/17(日) 23:02:40.21 ID:
mET3pBoz0
男子A「ゴタゴタうるせえ奴らだな! 出ていかねえならこうだ!」
男子たち、女子を囲むように散らばり、勝手にキャッチボールを始める。
たまえ「きゃー!」
かよ子「あわわっ」
城ヶ崎「危ないじゃないの!」
まる子「あんた達いい加減にしなよ! 大人呼ぶよ!」
男子A「でました女子お得意の他力本願〜」
男子B「チクリ魔チクリ魔〜」
男子C「俺達キャッチボールしてるだけだもんね〜」
男子D「早くどかないと当たっちゃうぞ〜」
城ヶ崎「野球やる奴らって何でこう横暴なのかしらっ!」
4 :
以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/08/17(日) 23:02:44.05 ID:ALcZ68HT0
いいぞ
5 :
以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/08/17(日) 23:02:57.06 ID:7UeGSjHQ0
いいね
6 :
以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/08/17(日) 23:03:29.75 ID:
mET3pBoz0
男子A「ま、女どもには到底理解できない高度なスポーツだからなー」
男子B「そうそう、男にしか出来ない複雑な競技だもんなー」
城ヶ崎「何よ、野球ぐらい私達にだって出来るわよ!」
まる子「そうだよ! あんた達みたいなバカ面にも出来るんならあたしらにも出来るね!」
男子達「なんだとぉ……!」
笹山「二人共、落ち着いてっ」
たまえ(ああ、どうしよう……また、まるちゃんが余計なこと言って
男子を刺激しちゃってる……。タミーどうすればいいの!?)
男子A「おもしれえ、そこまで言うなら実際に証明してみせろ!」
男子B「そうだな……1週間ぐらいの猶予はやるよ。それでここの使用権利を賭けて勝負ってのはどうだ!」
まる子「臨むところだよ!」
たまえ「まるちゃん……」
男子C「逃げてもいいぜ〜? その時は敗北と見なして俺達がずーっと占拠するけどな!」
城ヶ崎「誰がっ……!」
こうして女子軍と男子軍による壮絶な闘いの幕が開き、
男子達は勝利を確信したかのように、歓喜の笑みを浮かべながら公園をあとにした。
8 :
以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/08/17(日) 23:03:55.49 ID:WgEIzUGp0
わろた
9 :
以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/08/17(日) 23:04:34.44 ID:
mET3pBoz0
かよ子「な、何だか大変なことになっちゃったね」
たまえ「うん……」
笹山「私、野球知らない」
冬田「私も」
かよ子「私は、その、杉山君とキャッチボールしたことはあるけど……///」
キートン「アニメ540話『杉山君とキャッチボールの巻』参照」
まる子(実はあたしもよく知らないんだよねぇ……よくお父さんが観戦してるのは見かけるけど)
城ヶ崎「か、簡単よ。投げて叩いて点を取ればいいのよ!」
城ヶ崎「とりあえず棒状の物を探しましょ」
12 :
以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/08/17(日) 23:05:51.64 ID:
mET3pBoz0
たまえ「なかなか良さそうな物見つからないねえ」
笹山「浜崎くん達から貸してもらうのはどうかな?」
まる子「ダメダメ、あいつらケチだから絶対無理だよ」
キートン「何もあんたに言われたくはない」
かよ子「じゃあ、すすす杉山君!///」
冬田「大野君……///」
キートン「まーた、この人達は……」
城ヶ崎「それだけは嫌よ、男子になんて頼み込みたくないわ」
13 :
以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/08/17(日) 23:06:57.32 ID:
mET3pBoz0
かよ子「これ、どうかな? バットらしくて使えると思うんだけど!」
まる子「かよちゃん、それビール瓶だよ……」
たまえ「確実に血まみれになるね……」
かよ子「あぁ……」
まる子「ちょっと、おっちょこちょいにも程があるよ」
一同「うん」
かよ子(私って一体……)白目ポカーン
14 :
以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/08/17(日) 23:07:31.80 ID:
mET3pBoz0
城ヶ崎「ねぇ皆、グローブの事なんだけど、鍋つかみはどうかしら」
一同「鍋つかみ!?」
まる子「確かに、それらしいと言えばそれらしいかねぇ」
笹山「でも、お母さんに叱られないかな」
城ヶ崎「すぐ洗濯してすぐ乾かせば大丈夫よ」
冬田「嫌よ、お料理の時に使う物なのに、汚すなんて嫌!」
城ヶ崎「じゃあ、ウチのを使うと良いわ。余分にあるから」
まる子(この人本気だよ。何がなんでも勝つつもりだね……)
キートン「まる子よ、責任者としての自覚はないのか」
15 :
以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/08/17(日) 23:09:09.83 ID:
mET3pBoz0
探索していると、街路樹の世話をしている佐々木のじいさんに遭遇。
まる子「あっ、佐々木さん、こんにちは」
佐々木「おや……まるちゃんに皆、こんにちは」
佐々木「今日はやけに大勢だねぇ」
まる子「そうそう佐々木さん、何か棒状の物知らない?」
佐々木「棒状の物? はて……」
じいさんに事情を打ち明ける一行。
佐々木「なるほど、それは面倒な事になったものだねぇ」
たまえ「うん、本当に……」
佐々木「……何故だろうねぇ」
一同「え?」
16 :
以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/08/17(日) 23:10:06.48 ID:ZlnHxwdT0
なんかデジャブ
17 :
以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/08/17(日) 23:10:15.35 ID:
mET3pBoz0
佐々木「なぜ、野球のバットは木製なのだろうねぇ」
佐々木「テニスや卓球ならまだしも……あんなに硬いボールを木にぶつけるなんて狂気の沙汰だと思わんかね」
一同「はあ……」ポカーン
佐々木「剛速球で粉々にへし折れた時なんて目も当てられん」
佐々木「ワシは甚だ遺憾に思っとるよ……」
♪『佐々木のじいさんの木の生命力をたたえる歌』
https://www.youtube.com/watch?v=nrSjwT5MRbY
まる子「その、佐々木さん……木の尊さは痛いほど分かったけどさ」
佐々木「ああ、そうじゃった。孫が昔使っておったから、それを持っていきなさい」
18 :
以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/08/17(日) 23:12:07.33 ID:
mET3pBoz0
再び公園。
とりあえず入手できたのは木製バット1本、軟球3つ、グローブ2つ。
まる子「思わぬところで手に入ったね」
城ヶ崎「じゃあ早速、特訓しましょ!」
冬田「まず何をどうすればいいの?」
笹山「私も全然分からない……」
かよ子「ま、まずは基本のキャッチボールやってみよう!」
まる子「お、いいね〜さすが経験者」
かよ子「えへへっ///」
19 :
以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/08/17(日) 23:12:57.95 ID:
mET3pBoz0
ドジッ子かよちゃんの提案で、まずは二人で実演することになった。
まる子「じゃ、かよちゃん行くよー」
まる子投球、一応放物線を描きながらかよちゃんの元へ飛んでいくが……。
かよ子「あわわわっ(高い高いっ)」
ポコンッ
かよちゃん、あたふたしながら見事な脳天キャッチを披露。
ふむふむと頷く笹山さん。
笹山「そっか、あんな風にすれば良いのね」
たまえ「ち、違うと思う。ちゃんとグローブで捕らなくちゃ……」
城ヶ崎「点を取るにはボールを飛ばさないと……やっぱり打つ練習よ!」
20 :
以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/08/17(日) 23:13:44.74 ID:
mET3pBoz0
城ヶ崎「じゃあ、さくらさん、遠慮せず投げて」
まる子「とりゃ」ヒョイッ
城ヶ崎「えいっ」
パカーン!!
放たれたボールは快音とともに上へ上へと飛翔し、前方に見えるブランコを越え、先に位置する砂場へと着弾した。
一同「おおおおおおおお」拍手喝采
まる子「凄いじゃん城ヶ崎さん! ありゃ完璧ホームランだよ!」
城ヶ崎「ホームラン……///」
冬田「これなら男子に勝てるかも!」
たまえ「うん、いけるね!」
まる子「さあ、みんなも城ヶ崎さんを見習って練習だよ!」
一同「おー!!」
城ヶ崎(今の感触、気持ちよかった……)
21 :
以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/08/17(日) 23:14:23.47 ID:
mET3pBoz0
城ヶ崎さんが放った特大飛球に希望を見出し、士気を高める女子一同。
光明が見えたかに思えた打撃練習だが……。
笹山「えいっ!」スカッ
たまえ「また空振り……」
冬田「城ヶ崎さん以外まったく前に飛ばせないなんて……」
まる子「城ヶ崎さん、ここはひとつ、コツか何か教えとくれよ」
城ヶ崎「へ? え〜っと……」
城ヶ崎「バッと来たのをグッと待ってはボンと打つ」
たまえ「何か抽象的というか」
冬田「内容が要領を得ないわね」
笹山「やってみる」
22 :
以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/08/17(日) 23:16:12.76 ID:
mET3pBoz0
スカ、スカ、スカーン
まる子「だぁ〜もうっ、全く当たりゃしないよ! どうなってんのかね!」
たまえ「まるちゃん……」
さっきまでいけそうだと思ってただけに落胆も大きいね。
みんな意識が散漫になっちゃってるよ……。
まるちゃん……今回ばかりは流石に付き合いきれないかもしれないよ。
どうせこのままの状態で試合に臨んでも、早々に限界がきて惨敗しちゃうもの。
城ヶ崎さんはともかく、まるちゃんのていたらくには不安が募るばかりだよ。
……
ううん、駄目よタミー!
いくらなんでも友達を見捨てるなんてあんまりじゃないの!
どこの馬の骨とも知れない輩に笑われて自尊心をズタズタにされようと、私とまるちゃんは親友!
傍観なんて以ての外、それにこういう修羅場に直面しては凌いできたでしょ!?
私だって一度やる気を見せたんだから、一蓮托生を覚悟するのが親しき友としてベストな選択……!
たまえ「まるちゃん落ち着いて。もう一度みんなで良い案を考えよう!」
23 :
以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/08/17(日) 23:18:23.82 ID:
mET3pBoz0
[
写真を見る]
いつも黒子として徹していた彼女だからこそ、
普段見せないその能動的な姿勢が一際輝いて映った。
眼鏡の奥で青く揺らめく力強い眼差し……。
まるで引火するように、各々の瞳にもより一層の光が宿る。
気が付けば、先刻まで発想すら至らなかった助言を交えたり、
徐々に一つ一つの挙動に意識を向けて練習に打ち込むようになっていた。
24 :
以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/08/17(日) 23:19:25.13 ID:
mET3pBoz0
冬田「えいっ」スカッ
笹山「えいっ」スカッ
かよ子「ええいっ!」ポテッ
一同「あっ!」
かよ子「かすった……」
ぶふっ!
面々からしてみれば至極感動的な瞬間。
その光景を見て噴飯するように、何者かの不気味な笑い声が木陰から飛び出した。
???「飛びやしない、飛びやしないよ」
城ヶ崎「だ、誰!?」
???「慣れないうちは短く持ちな」
一同「……!」
???「目を瞑ってちゃ打てやしないよ……」
まる子「あ、あんた……」
一同「野口さん!?」
キートン【どこからともなく現れた野口さん、この人が何をもたらすというのか、後半へ続く】
25 :
以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/08/17(日) 23:21:11.46 ID:
mET3pBoz0
野口「ふんっ……」ビシュッ
パァーンッ!!
まる子「痛たたたた!」
野口「クックックッ、捕っただけでも大したもんだよ。一つ言うなら、
利き手は後ろに据えときな……ファールチップで大怪我するよ」
城ヶ崎「あ、あんなに精密な投球ができるなんて……」
笹山さん「野口さんすごい!」
まる子「こりゃもう百人力だよ!」
冬田「でも、野口さんが野球できるなんて意外ね」
たまえ「うん! 器用なのは知ってたけど」
野口「伊達に箕島恨んでないよ」
一同「???」
野口「それはそれとして、問題は打撃だね。はっきり言ってあんたら論外だよ」
一同「……」