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大野(16)「さくら!!」まる子(16)「おっ、大野君!?」
Part2


15 : ◆wIGwbeMIJg :2016/09/05(月) 00:52:51.62 ID:lPa3ox8s0
ーーー
たまえ「あ!まるちゃんたち!」
杉山「え?どこだ?」
たまえ「あそこだよあそこ!」
杉山「あ、ほんとだ。…ん?あいつら手、繋いでねぇ?」
たまえ「あ、ごめんそこまでは見えない…浴衣と髪型ぐらいはわかるけど」
杉山「あ!まじで手繋いでるぜあいつら!」
たまえ「えーっ!やるねぇ、大野くん」
ーーー
まる子「あ、射的あったよ」
大野「お、やるか…あの、1回」
おじさん「お、イケメンな彼氏連れてるねお嬢ちゃん」
まる子「か、彼氏!?」
大野「やっ、違…はぁ。」
まる子「馬鹿!否定しなよ!」ヒソヒソ
大野「一々否定すんのもめんどくせぇだろ」ヒソヒソ
おじさん「はい、じゃ玉5個ね。」
大野「よーし…おいさくら、なに欲しい?」
まる子「とってくれんの?そうだねぇ、だったらあのクマちゃんがいいかな」
大野「子供だな」
まる子「うるさいなぁ、ほっといてよ!」
大野(つっても射的なんて全然得意じゃないんだよなぁ俺)
まる子「がんばれ!」
大野「よし、」ガチャン
ポコ
まる子「あっ、あたった!…でもやっぱ落ちないねぇ」
大野「何回か当てれば落ちるかもしれない」
まる子「やっぱぬいぐるみなんで落ちそうにないよ、ねぇ、他のにしない?」
大野「うるせぇ!なんて言われたって俺はやるんだよ!」
まる子「げ、この人変なとこで負けず嫌い発揮し始めたよ」

16 : ◆wIGwbeMIJg :2016/09/05(月) 00:53:37.39 ID:lPa3ox8s0
大野「うりゃー」ポコ
まる子「あちゃー、ビクとしないね。」
大野「あたりどこがわりぃんだよ」
まる子「よしっ、がんばれ!」
大野「おりゃっ」ポコポコ
まる子「あぁ!ちょっとズレたね!」
大野「あと1発しかねぇけど…ま、やるしかねぇ!」ポコ
カタッ
大野「」
まる子「あ、なんか黒いDVDケースみたいなのが落ちたよ」
おじさん「…はい、これ」
大野「」
まる子「え、なにそれ」
大野「見なくていい」
まる子「なにそれー!」
大野「もういいっ!行くぞ!おっさん、それいらねーっす!」
おじさん「まいどあり〜」

17 : ◆wIGwbeMIJg :2016/09/05(月) 00:54:41.56 ID:lPa3ox8s0
まる子「はー、急に何なのさ、せっかく貰ったもん返しちゃうなんて」
大野「あんなもん杉山ん家に持って帰れるわけねぇ」
まる子「?」
大野「…一回座るか」
まる子「そうだね」
ーーー
大野「はー」
まる子「ねぇ、どう?向こうは」
大野「ん?あぁ…楽しいけど、こっちの方が気楽だよ。」
まる子「えー?なんでー?いいじゃん東京!行きたいなぁ」
大野「…じゃあ今度はお前がこっちくればいいんじゃないか」
まる子「ほんと!?大野くん家にお邪魔になろうかな〜」
大野(コイツマジかよ)
まる子「あ、でも…向こうに彼女いるんじゃない?そしたら彼女に怒られちゃうよ…」
大野「かっ、彼女なんていねーよ!」
まる子「え?いないの!?」
大野「おう」
まる子「そっかー、そっかそっか〜」

18 : ◆wIGwbeMIJg :2016/09/05(月) 00:56:00.65 ID:lPa3ox8s0
大野「お前こそ、いるんじゃねーの」
まる子「あたしがぁ!?いるわけないじゃんっ!」
大野「そ、そうなのか?」ほっ
大野「彼氏じゃなくても、好きな人とか…」
大野(って俺なに聞いてるんだ!)
まる子「好きなひと…ならいるけど」
大野「えっ」ガーン
まる子「いやでも私なんかじゃ釣り合わないし!絶対むり…」
大野「いや、そんなこと…」ガーン
まる子「…もう諦めてるから」
大野「あ、そ、そうなの?」ガーン
まる子「うん…。もともと私が恋愛なんて柄じゃないしね」
大野「そ、そうか」ガーン
大野(これは失恋に入るのだろうか…っていやいやなんで俺が!)ゴーン
まる子「大野くんは?」
大野「えっ俺?」
まる子「うん」
大野「い、いねぇけど」
まる子「じゃ、じゃあ今まで付き合ってた人は?」
大野「…それもいねぇけど」

19 : ◆wIGwbeMIJg :2016/09/05(月) 00:56:41.19 ID:lPa3ox8s0
まる子「じゃあもしかして大野君って童貞!?」
大野「どどどど童貞ちゃうわ!」
まる子「え!?」
大野「…う、うっそーん。てかそんな言葉どこで聞いたんだよアホ!」
まる子「はまじがいってた」
大野「浜崎…」
まる子「ちょっと学びたての下ネタを使ってみたくなって」
大野「そ、そうかビックリした…」
まる子「…」
大野「…」
まる子「しあさってまでは居るんだよね?こっち」
大野「おう」
まる子「…東京帰っても、またまる子と遊んでくれる?」
大野「別にいいぜ」
まる子「ふふふ」
大野「なんだよ」
まる子「なんでもなーい」
大野「はぁ?…なぁ」
まる子「なに?」
大野「お、お前の好きな奴って、どんな奴?」
まる子「え!?…えっ、えっとーや、優しくて強くてかっこいい人、かな。」
大野「…」
まる子「やっぱあたしなんかじゃ釣り合わなー…」
大野「お」
まる子「お?」
大野「俺と…」
まる子「な、なに」
大野「俺とどっちがかっこいい!?」
まる子「…はっはぁああ!?」
大野「い、いやお前があまりにも俺のことをイケメンイケメンイケメンイケメンイケメンイケメンイケメンイケメンって言うから気になっただけだ。」
大野(なに言ってんだ俺…)
キートン『別にそんなに言ってない』
まる子「こ、答えようがない…」
大野「ですよね…変なこと聞いたな、すまねぇ。」
まる子「うん」
大野「…出店回るか」

20 : ◆wIGwbeMIJg :2016/09/05(月) 00:57:15.34 ID:lPa3ox8s0
まる子「!そうだねっ」
大野「じゃ、手だせ」
まる子「う、」
大野「お前がはぐれると困るんだよ!」
まる子「わ、わかったよ。」
大野「あと」
まる子「…ん」
大野「さっきは、馬子にも衣装なんで言って悪かったな。
その髪型も浴衣も結構いけてると思うぜ」
まる子「!!」
大野(あー、なんでこんなことに)
まる子「こっち向いてよ、大野君」
大野「無理!早く行くぞ」
まる子「わわ、ちょっとまってよ!」
大野(この空気恥ずかしすぎるだろ…耐えられない)
大野(あー…でもさくらかわいいよな、やっぱ。)
大野(チクショー…気でも狂ったみたいだぜ)
ーーー
杉山「おう、お帰り。遅かったな。」
大野「…あいつ帰り道で転びやがって。
おぶって家に送りに行ってた。」
杉山「ぶふー!おまえやるなぁ」
大野「はーっ、疲れた」
杉山「んで、どうだったんですかー?祭りは」
大野「…おい」
杉山「ん?」
大野「お前の学校のイケメンで優しくて強いひとってなぁ誰だ」
杉山「ど、どうした急に」
大野「いいから答えろ」

21 : ◆wIGwbeMIJg :2016/09/05(月) 00:58:07.74 ID:lPa3ox8s0
杉山「ん、んー?強いかはよくわんねーけど、花輪とか?」
大野「花輪ってまだ公立通ってんのか」
杉山「友達いるしなぁ、金持ちで私立入れたがる親なら小学校から入ってるんじゃね?」
大野「確かに…」ガーン
杉山「あ!その条件当てはまるヤツ一人だけいるぜ」
大野「えっ、誰だ!?」
杉山「俺」
大野「確かに…」
まる子『諦めてるから…』
大野「合点がいったぞ…」
杉山「どうした大野!」
大野「なんでもねぇよ!お前氏ね!」
杉山「理不尽すぎねぇ?」
大野「あーもう寝てやる!」
杉山「風呂ぐらい入れよ」
大野「…確かにそうだよなぁ」
杉山「おう、早く行ってこい。」
大野「行ってくらァ」
杉山「うーい」
杉山「…あの様子だと進展もないかんじか。それどころかこんがらがってるようだな」
ーーー
大野「さくらの好きなヤツって杉山だったのか…」
大野「くそー、駄菓子屋でさくらにでくわしちまったのが運の尽きだったんだ」
大野「…でも杉山には彼女がいるしな」
大野「あの条件なら俺もあてはまってっし(?)」
大野「東京にもどる前に伝えとかないと男じゃねえな…。」
ーーー
大野「でた」
杉山「おうー…あ、そうそう明日なんだけど穂波とさくら誘って宿題やるから」
大野「お、おう」
杉山「ヨーロシクークークー」
大野「なんだよそのテンション」
杉山「別にいいじゃねえか」
大野「俺は…俺は今猛烈に辛い」

22 : ◆wIGwbeMIJg :2016/09/05(月) 00:58:43.96 ID:lPa3ox8s0
杉山「なにがあった!!」
大野(はぁ…俺さくらに振られるんだろうな…あの食い意地張ってる間抜けなさくらに)
ーーー
まる子「わっかんないよー!」
大野(昨日の浴衣もなかなかだったけど今日の薄着も…)ゴクリ
杉山「理数なら大野に教えてもらえよ」
まる子「あっ、そうだね!教えておくれよ〜」
大野「どれだ?…あぁ、これなら」
まる子「ふむふむ…おー、こういうことかー」
まる子(大野くんって勉強もできるんだ。)
大野(勉強もできるんだぜ、俺。杉山は出来ないんだぞ。)
たまえ「なんか大野君がこわいんだけど」ヒソヒソ
杉山「なんだろうな…まぁ仕掛けるとしたら今日だよな。明後日帰るし。」ヒソヒソ
たまえ「1日くらいは恋人としてそばに入れる日を作っといた方がいいもんね」コソコソ
杉山「じゃ、俺らちょっと穂波ん家行ってくる。」
大野「は!?意味わかんねーよ!家主が居なくてどうする!?」
杉山「おい、仕掛けるなら今日しかねぇぞ。明日あいつ予定あるから」(嘘)コソコソ
大野「!?…わかった、腹くくるぜ…」ヒソヒソ
杉山「お前なら行けるから。堂々としてろよ」ヒソヒソ
たまえ「じゃっ、またね!」
まる子「はぁーい。あたしはまだ宿題やってくけどいいよね?大野君」
大野「あぁ、見てやるよ。そのかわり…後で俺の話聞いてくれ」ドキドキ
まる子「あっ、うん。」
大野(よし。落ち着け大野健一。)
まる子「ねぇ、大野くん。」
大野「なんだ?」
まる子「サッカーってもう2度とやんないの?」
ーーー
杉山「はー、大野のやつ大丈夫かな。あいつピュアピュアだからなぁ」
たまえ「きっと大丈夫だよ!痺れ切らしてまるちゃんから言うかもだし」
杉山「まぁ最悪の場合俺らが直接何とかするか」
たまえ「2人のためにもできるだけ避けたい選択肢だけどね」
ーーー

23 : ◆wIGwbeMIJg :2016/09/05(月) 00:59:21.72 ID:lPa3ox8s0
大野「サッカー…ね。急にどうしたんだ?」
まる子「まる子、サッカーやってた大野君好きだったから。」
大野「!?」
まる子「いや、変な意味じゃなくて…本当に楽しそうでさ。あたし運動神経悪いから羨ましくて」
大野「そうか」
まる子「変なこと言ったね、ごめん…」
大野「…さくら」
まる子「はい?」
大野「俺…実はサッカー辞めたの、飽きたからじゃねぇんだ。」
まる子「…うん。知ってるよそんなこと…」
大野「え?」
まる子「だって大野くんがサッカーに飽きるわけないじゃんか」
大野「…部活入ってすぐ怪我、したんだ。足に」
まる子「…」
大野「足自体はすぐ直した。…けど、それから思うようにボールを蹴れなくなった。
恐かったんだよ俺、前みたいにサッカーできない自分が」
まる子「そっか…」
大野「お前、サッカーやってない男は嫌いか?」
まる子「へ?」