Part6
125 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/12/30(金) 00:50:53.14 ID:
5wohteYJ0
男「もう、一体何なんだよ。世捨て人が集まる場所じゃなかったのかここは。青春コーナーにに分類されている本も映画も一切避け続けてここまで逃げてきたってのに」
女「あなたが好きだった人が今現れて、そして明日には地球が滅亡するとしたらどうしますか?」
男「強引にキスをしたあと、金属バットで街中の窓ガラスを割ってやるさ」
女「思ってもないことばかり」
男「告白出来るほど親密だったことなんてない。会話なんて数えるほどしかない。向こうは俺のことなんて覚えてないかもしれない」
男「幻想だよ。あの子の本当の姿なんて知らない。あの子よりも美人で、あの子よりも性格が良い女の子なんて、失礼だけどやまほどいるはずだ」
男「なのにあの子が1番だと思ってるのは、脳の錯覚だろ。好かれてるわけでもないのに、好きになってるのは、やっぱり勘違いだろ」
男「あの子のこと、好きになっちゃいけなかったんだよ……」
126 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/12/30(金) 01:11:47.62 ID:
5wohteYJ0
男「…………」
女「気は済みましたか?」
男「疲れた…」
女「じゃあメールを送りましょう。会って喋りたいと」
男「あんたはさ、どうしてそこまでして」
女「質問は質着応答の時間にお願いします!!!!!!」クワッ!!
男「は、はい……じゃなくて。せめてクリスマスイブが過ぎるまで待ってくれないか。さっきも言ったけど記念日を過ごす相手探しだと思われるって」
女「メールは明日にでも送って、会うのは年末とかにすればいいじゃないですか」
男「俺が明日送信ボタンを押すと思う?」
女「押したらかっこいいですよ」
男「押さなかったら?」
女「特に何も」
男「じゃあ押さなくても良さそうじゃん」
女「特に何もない今までの人生どうでした?」
男「……クソクソ、アンド、クソ」
女「クソクソ、アンド、クソ、ですか」
男「親の愛も、友達との笑いも、恋が実っていればもっともっと素直に感謝出来ていたと思う」
男「けれど今から一発逆転ホームランなんか、そんな都合のいい話あるとは思えないんだよ」
女「数年間に及んで毎日落としてきた後悔の水滴の粒が、今やっとコップから溢れて勇気に変わったんですよ。一発逆転なんかじゃありません」
127 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/12/30(金) 01:42:19.27 ID:
5wohteYJ0
男「はぁ……」
男「疲れた。心が疲れた」
女「元気を出しましょ。こんな言葉を例の先生から聞いたことがあります」
女「"他人に幸福を求めて話しかけてはいけない。自分が幸せな時に他人に話しかけなさい"」
女「いい言葉でしょ?」
男「その先生はしばらくしてからきっとこうも言ってたぜ。『疲れた。心が疲れた』」
女「それは先生のせいじゃありません……」
男「疑問に思うんだけど、そんなに素晴らしい先生をいじめようとしたやつらって一体どんな」
女「質問は質着応答の時間にお願いします。今考えるべきはメールの文章の内容ですよ」
男「人のプレゼンネタパクるなって。反省しましたよ。俺もいつか人にものを教える立場になったら『質問がある人』ってちゃんと聞く人になるよ」
女「さぁさ、早くかきましょう」
男「あんたが考えてくれるよな?」
女「何を言ってるんですか」
男「女性の方が女性の気持ちがわかるだろう」
女「女性を口説くのは女性ではなく男性ですよ。ほら、今も夕陽を背景に、イタリアで8人の男が情熱的な告白をしました。あっ、今はフランスで男が3人告白をしていて、二人が告白準備中です。おや、デンマークでは既に告白を終えた男が3人いるみたいです」
男「墓地で考えたメールの文章を送って数年越しの片想いが実った男性は?」
女「…………」
女「涙とともにパンを食べたものにしか、人生の本当の味はわからないとゲーテがおっしゃっていました」
男「不吉な未来を名言で覆おうとしたよね。しかも振られたら何も喉を通らないからな」
女「その調子でどんどん文章も考えて下さい」
男「それができたら苦労しないよ」
女「苦労しましょう。今までそれが足りなかったんですから」
男「耐え忍んできただけだったな」
女「過去も偲んでいましたよ。オセロみたいに、連なった黒が全部白にひっくりかえるといいですね」
128 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/12/30(金) 01:55:22.11 ID:
5wohteYJ0
男「…………どうかな?」
女「いいと思います」
男「うまくいくかな」
女「どう思いますか?」
男「付き合えたらどうしようって思う」
女「そうですね」
男「同時に、脳内で今までの自分が言い訳をしまくっている」
男「パーフェクトベビー願望っていって、出産に苦労した母親は、生まれた子供に過度な期待を抱くらしい」
男「俺も、数年間自分を呪ってきた恋が終わるなら、それはとてつもないハッピーエンドになるものだと思いこんでしまっている」
男「と、自分を自分で客観的に把握していることを意識して、プライドを保とうとしている。聞きかじった知識さえ盾にしようと必死だ」
女「明日送信ボタンを押しさえすれば、あなたは過去に打ち勝つのですよ。昨日まで生きてきた18年間のあなた全てに」
女「それとも、時間指定して送信する方法でも探しますか?携帯電話でできるかはわかりませんが」
男「いや、自分で送るよ」
女「そう思ってました」
男「申し訳が立たないからな」
女「誰に対してですか?」
男「過去の自分に」
129 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/12/30(金) 02:16:10.41 ID:
5wohteYJ0
女「そろそろ夜がふけます」
男「さきほどのイタリア男はどうなった?」
女「5人振られて、3人成功しました」
男「そうか」
女「でもその3人も、"あの時告白していれば"という後悔をすることはなくなりました」
男「告白しなければよかったとはならないかな」
女「そんなの未来次第です。成功した5人の中でも"告白しなければよかった"と将来結婚してから後悔する人もいるかもしれませんからね」
男「さすが、未来を描いていた女だけある」
女「どうも。あなただって宿題でそうしてきたように、過去の思い出は楽しい思い出で塗り替えてしまえばいいんですよ」
男「なんだか今日は、久々に生きてるって感じがするなぁ。緊張するけど」
女「ふふっ、私もです。なんだか生きてるって感じです。他人事なので緊張はしません」
男「おのれ、楽しみおって。私は、現代に蘇りし小便小僧なるぞ」
女「ふふふ。我は、をのこ と めのこを繋ぐ月の橋姫なるぞ」
男「をのこって何?」
女「男の子って意味です」
男「あー、中3のとき覚えたかも」
女「……恋が終わったら受験勉強もはじめましょう」
男「おう!なんだか、勉強でさえやる意味が感じられてきた。やる気はおきないけど」
女「共学よりも男子校や女子校のほうが概して勉強してますからね」
男「まぁいいんだよ勉強なんて。明日地球が滅亡するなら、勉強じゃなくて恋をするからな」
女「もう、調子に乗って」
男「頭の中は、ちゃんと不安でいっぱいで、フラグメーカーにならないようにかなり緊張してるから大丈夫」
女「どうなんでしょう、それ」
130 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/12/30(金) 02:25:25.03 ID:
5wohteYJ0
女「それでは、今夜はこのへんで」
男「今日は本当にありがとう。おやすみ。気をつけて帰ってね」
女「そちらこそ気をつけてくださいね」
男「お墓で立ちションする以上に、暗い未来なんてないよ」
男「再会して幻想を崩されても、気味悪がられて振られてショックで寝込んでも、それは誰もが経験するようなありきたりな痛みじゃないか」
男「あり得たかもしれない幻想をずっと抱き続けていること以上に、つらいことなんてきっとないよ」
女「……そうですね」
131 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/12/30(金) 02:39:17.55 ID:
5wohteYJ0
男「これが一段落着いたら、次はそっちの番だからな」
女「えっ」
男「お墓に来てた理由。ちゃんと話して貰うからな」
女「私は、いいですよ、別に」
男「楽しんでいるわけじゃないよ。あんたの抱えてるものは、死、だから」
男「好きな人に告白できずにうじうじしてた、なんてのとは比較にならない出来事だろうから」
男「だけど、できることをしてあげたい。それが無理なら、できないことを見守ってあげたい」
男「それは、今まで俺が他人に求めていたことで、そっちが求めていることとは違うかもしれないけどさ」
男「誤っていた俺の過去をあんたは正してくれた。だから、あんたが送りたいと思ってる未来に導けるように少しでも役に立ちたいんだ」
男「迷惑、かな?」
女「…………」
女「迷惑じゃないですよ。ましてや不謹慎でもない」
女「そうですね。お気持ちうれしいです」
女「けれど、今はあなたのことに集中しましょう。早く寝て、携帯も充電しましょう」
女「あなたがうまくいったら私も励まされますから」
男「そうか。そうかもな。ありがとうな、ほんと」
男「おやすみ。またな」
女「はい。おやすみなさい。素敵な明日を」
132 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/12/30(金) 03:10:08.89 ID:
5wohteYJ0
今日の分見返したらイタリア人告白成功人数とか誤字がありますね。気を付けます。
読んでくれていつもありがとうございます。
おやすみなさい。
133 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/12/30(金) 09:58:31.84 ID:
5wohteYJ0
男「……うあっぁあああああ!!!!」
男「おくちったおくちったおくちったぞ!!」
男「ぎにゃああああ」
生徒A「なにあの人……」
生徒B「電話でもしてるんじゃない?」
男「(結局、昼間に送る勇気は起きなかった)」
男「(付き合ってという文言はいれなかったけど、会って話したいということは書いた)」
男「(深夜のお墓に来る女性に恋の応援をしてもらうこと以上に、好きだった人と会って話すというのは可能性の低いことなのだろうか)」
134 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/12/30(金) 10:06:01.47 ID:
5wohteYJ0
男「それにしても、久しぶりの学校だったな」
男「30人のクラスなのに、8人しか来てなかった」
男「出席日数を今まで律儀に稼いでいた真面目な生徒が、入試直前になって今更ワアワア喋りだす実力不足の担任や教師に嫌気がさして、ほとんど家か予備校で自習してるんだよな」
男「真面目な学級崩壊とでも呼べばいいのか」
男「数十人の思春期の学生を束ねることなんて、やっぱり難しいことなんだよな」
男「俺はろくに勉強すらしてないけど」
男「…………」
男「なりたかった自分に本当になろうとすることの大切さこそ、毎日授業してもらいたかったよ」
男「けれど、それを教えられる自信を持っている大人の絶対数が、とても少ないんだろう」
135 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/12/30(金) 10:12:07.22 ID:
5wohteYJ0
男「メールはちゃんと送信できた。相手には届いているはずだ」
男「嫌だな。さっきから無意味なところをずっとあるきまわってる」
男「もう帰ろう。昼間から登校したとはいえ少し眠い。仮眠をとって夜中あの子に会いにいこう」
男「成功に終わっても、失敗に終わっても、あの子に尽くそう。そんな自分に生まれ変わろう」
男「今からやり直せるかな。まだ取り返しがつくのかな」
男「こんなに心が騒ぎながら人生について考えるのなんて、いつぶりだったかな」
136 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/12/30(金) 10:28:41.50 ID:
5wohteYJ0
男「放課後の学校は、やっぱり青春って感じがするな」
男「校舎には吹奏楽部の練習の音が響き渡る。校庭ではサッカー部が走り回っていて、グラウンドでは野球部がノックをしてる」
男「俺は、この人達を見下していた。自分にとっては叶わぬ恋が人生の全てで、それ以外のものなんて無価値だと思ってたから。その無価値なものに熱中している人たちを見て、否定してあざ笑っていたんだろう」
男「いつの間に、そんな人間になっていたんだろうな。ちゃんと、自分に積み上げられるものを積み上げていればよかった」
男「どっちも、やってればよかったな。もっと早くにメールも送って、卓球も続けてればよかったな」
男「2つの選択肢があるときには、2つの選択肢をちゃんと追うべきだった」
男「二兎を追うものは一兎も得ないこともあるかもしれないけれど。一兎だけを追って捕まえた人だって、もう片方の兎も追っておけばよかったと後悔するかもしれない」
男「恋ともう一つの選択肢が与えられた時に、いつも自分に都合の良い方を選んでいた。今は○○があるからって言って、好きな人から向き合うことを避け続けた」
男「そうやって片方のものだけを積み重ねてきても、本当に一番欲しかったものに挑戦してこなかったことを思い出して、虚しくなって、今まで積み重ねてきたものの価値さえ否定してしまっていた」
男「両方のものを追えばよかった。ほしいもの全部を手に入れようとすればよかった」
男「仮に、2つの選択肢が与えられた時に、2つとも得る実力が自分にないことがわかっていたとしても。その時に諦めるものが、決して恋であってはならなかった」
男「ダメだ。一人だとズブズブ沈んでいきそうだ。はやく、かえって、お墓に行こう」
137 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/12/30(金) 10:35:16.86 ID:
5wohteYJ0
男「家に帰ったけどそわそわがとまらない」
男「うううううう。携帯が手放せない」
男「まだ20時か。あと6時間って、半日もあるじゃないか」
男「いつもお墓にいったらあの子が先に待ってるよな。もっと早くから来てるのかな」
男「夜も危険だし、俺が先に着いているべきだったのかな。でもあの子に大切にしたい独りの時間もあっただろうし」
男「あああああああああ」
男「ダメだ。お墓に行こう」
男「将来コピーライターになったら、このセリフを広告にしよう」
男「うん。ダメだ。お墓に行こう」
138 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/12/30(金) 11:07:19.98 ID:DF1TeaM8O
女と付き合えばいいのになあ
139 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/12/30(金) 11:33:41.26 ID:
5wohteYJ0
男「この時間だと真夜中ほど寒くないな。会社帰りの人なのか、通行人もちらほらいる」
男「もうお墓にいるんだろうか。そしてメールの返信はくるんだろうか」
男「昨日まで虚無の人生だったのにな。それはそれで楽だったな」
男「ああ嫌だな。嫌だ嫌だ」
男「幸せが目の前にある時が、1番苦しいな」
140 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/12/30(金) 11:44:58.31 ID:
5wohteYJ0
男「着いた。さすがに民家から離れてるだけあって、この時間でもここには誰もいないな」
男「入口付近にはいないな。もしかしたら、あの子が祈っていた墓の所にいるかもしれない」
男「いろんなことをはなしたい。幸せの定義とか、恋と愛の違いとか、答えのない問題について一緒に考えて欲しい」
男「それとも。今の俺の恋が成就したら、そんなことどうでもよくなってしまうのかな」
男「あの子ならなんていうかな」
男「幸せとは、幸せについて考える必要のない状態ですよ。恋と愛の違いは、受け取ることを喜びとするか、与えることを喜びとするかの違いですよ」
男「うーん、なんだか俺っぽい答えかな」
男「メールの返事、まだかなぁ。ああ、そわそわするなぁ」
男「あの子もやっぱり。あと何時間待てば……ん?」
141 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/12/30(金) 11:51:34.53 ID:
5wohteYJ0
男「花だ。花が供えてある」
男「あの子が置いたのだとしたら、もうここには来ていたのか」
男「やっぱり、毎日お祈りしていたのかな。俺が来る前にいつもお祈りしていたのかな」
男「今夜聞いてみよう。わざわざ、俺が来てる時に隠してるなら、そんな必要ないって」
男「まだまだあの子についても知らないことが多いからな」
男「それでも。何年間も思い続けてきたあのひとよりも、今ではあの子のほうが……」
男「って、着信が来た。メールだ」
男「…………」
男「やばい。あの人から返信が来た」
142 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/12/30(金) 11:53:48.40 ID:
5wohteYJ0
ちょっと席を外します。
143 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/12/30(金) 12:20:56.50 ID:/KO1/2Udo
立ちションの癖に読ませやがって
144 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/12/30(金) 13:53:46.76 ID:/0QVOv0K0
立ちションした所に虹が架かりそうなss
145 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/12/30(金) 18:07:01.79 ID:
Eh2UZ+zYO
女「…………」
男「…………」
女「あの、何してるんですか?」
男「何してるって、墓ニーだよ」
女「何の略ですか」
男「お墓に寄生するニート」
女「寝袋の中でガサゴソしてたので」
男「あんたが想像してることも今してるかもな」
女「……そうだとしても、墓標にはかけないでくださいね」
男「墓標、には?」
女「にも」
146 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/12/30(金) 18:23:57.74 ID:
Eh2UZ+zYO
女「じゃあ、改めまして、こんばんは」
男「あんた3日も来なかった」
女「今夜も寒いですね」
男「おかげで寝袋まで準備して長時間待つ羽目になった」
女「風邪引いちゃいますよ」
男「あんたのせいだな」
女「男さんにだって責任はあります」
男「はじめて二人称以外で呼ばれた」
女「この間好きな人へのメールを作成する時に、冒頭にご自分の名前を書いてたじゃないですか」
男「俺はあんたの名前を知らないぞ」
女「話しましたよきっと」
男「聞いてたら忘れるか。好きな食べ物も、出身地も、心に残った映画さえも知らない」
女「私の友達はそれらを知っているかもしれませんね。でも、今夜私がここにくるであろうことは、全世界であなたしか知らなかったんですよ」
男「来なかったかもしれない」
女「来ますよ。気になりますから」
男「駄目だったよ」
女「駄目でしたか」
男「当たり前の結果だよな」
女「結果は予想できたことです。でも、勇気ある行動はご自身でも予期せぬ出来事だったんじゃないですか」
男「結果より過程か。聞き飽きたよその言葉」
女「でも本気で体験したのは初めてでしょう」
男「まぁ、そうだな」