Part1
女「人様のお墓に立ちションですか」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1481802625/
1 :
◆uw4OnhNu4k :2016/12/15(木) 20:50:25.85 ID:
d1cHdyE/0
男「アルコールで自分を慰めるような友人だったんだ。ビールが三度の飯よりも好きでさ」
男「"ビールのつまみにビールを飲みたい"そんなことを口癖のようにいつもつぶやいていたよ」
男「こいつの命日になると、俺は毎年ビールを奢ることにしているんだ。未成年だけど、死後にお酒を飲んだって法律違反じゃないだろ?」
男「こうやって、夜闇の中だと君の位置からはよく見えないかもしれないけど、俺は彼に」
女「小便ですよね?」
男「ん?」
女「かけてるの小便ですよね?」
2 :
◆uw4OnhNu4k :2016/12/15(木) 20:56:06.46 ID:
d1cHdyE/0
女「なんかいい話を咄嗟に創作して誤魔化そうとしてるんだと思いますけど」
女「墓標に立ちションしてますよね?」
男「ふ、不謹慎な!」
女「不謹慎で不衛生ですね」
男「そんなに離れた位置から断言するのか」
女「確かにこんな真夜中だと視覚はあまり働きませんが」
男「においは暗闇でも伝わってきますし」
男「今臭いで判別したと言ったのか?」
女「そ、そうですけど」
3 :
◆uw4OnhNu4k :2016/12/15(木) 20:58:16.69 ID:
d1cHdyE/0
男「君は自分以外の人間の小便の臭いを嗅いだことはあるのか」
女「あるわけないじゃないですか」
男「なのにどうして小便の臭いだと判別できたんだ」
女「あの、何を言いたいのでしょうか…」
男「僕の小便の臭いと、君の小便の臭いが同じだと言いたいわけなんだな?」
女「!?」
男「つまり、こういうわけだ」
男「”私は、私が生まれてから垂れ流してきた汚水の臭いと一致する臭いを、あなたに見出しました”」
男「おそろいだというわけか」ニヤリ…
女「き、気持ち悪い!!」
4 :
◆uw4OnhNu4k :2016/12/15(木) 21:02:17.80 ID:
d1cHdyE/0
女「そもそも、手にビール瓶も缶も持ってないじゃないですか!ここからでもそれくらいわかりますよ」
男「じゃあ何を持っていると思ったんだ」
女「えっ?」
男「臭いだけが判断材料ではなかったということだろう?」
男「君は僕の手にしている何かを見て、私が墓標にかけた液体がビールではなくて小便だと主張するのなら、私が手に持っていたものは何だと思ったんだ?」
女「べ、べつにここからじゃ、遠いですし…」
男「何だと言うんだ?」
女「月明かりくらいしかないから暗いですし…」
男「さぁ、答えよ!私が今持ってるこれは!」
女「えっ!今も持ってるんですか!」
男「さぁ!!さぁ!!!」
女「と、とにかくビール瓶はここから見えないほどそんなに小さくありません!!」
男「 」
5 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/12/15(木) 21:02:38.39 ID:UJll4nTd0
ワロタwwwwwwww
6 :
◆uw4OnhNu4k :2016/12/15(木) 21:13:54.35 ID:
d1cHdyE/0
男「 」
女「まだ持ってるならしまってください」
男「 」
女「先にセクハラしてきたそっちが悪いんですからね」
男「 」
女「というか、墓標に小便してたあなたがわるいんですよ」
男「 」
女「自分が何をしたかわかってます?どれだけ心の闇抱えてるんですか」
男「 」
女「私が通報してないだけありがたいことだとおもってください」
女「今のあなたを見て、あなたの全てが異常だとは思いません。私だって心が苦しい時に、理性の欠片もないありふれた犯罪をしたこともあります」
女「悪いことををしても心が満たされないということもわかってます。だから、今のあなたが異常な人でも、昨日と明日は友人の前で笑い笑わせてる関係であると言われても信じます」
女「あなたの気持ちも少しはわかります。だから今日はもう帰って……」
男「立ちション趣味あるんですか!?えっ!?えっ!?」
女「どんだけ食いつきいいんですか気持ち悪い!!心のはなしです!!」
7 :
◆uw4OnhNu4k :2016/12/15(木) 21:18:19.46 ID:
d1cHdyE/0
男「それにしても、惜しいな。今日がスーパームーンだったら、もっと明るかった。君も私に生まれつきついているビール瓶の大きさにさぞ驚いていたと思う」
女「何を今更見栄張ってるんですか。というか認めましたね。見栄をはるためにわかりづらい例えを用いながら小便かけてたこと認めましたね」
男「男は狼だというし、狼男は月明かりを見ると狼になるというが、女性は月の日に限って交尾ができないという矛盾についてどう考える?」
女「よくわかりません。言葉の意味はわかりますが、そういうことを日頃から考えているあなたの思考回路が」
男「それをいうなら君だってどうしてわざわざ丑三つ時にこんな墓地で露出プレイをしようとしたんだ。冬にコート一枚では火照りも冷めてしまうだろう」
女「しようとしてません!」
8 :
◆uw4OnhNu4k :2016/12/15(木) 21:22:49.55 ID:
d1cHdyE/0
女「律儀に会話に付き合っているのが不思議に思えてきました」
男「俺も、凄い怒られるんじゃないかって内心びびってた。立ちションしてないけど」
女「まだ認めないんですか。さっきの友人のエピソードだって全部即興の妄想じゃないですか」
男「あれは本当だ。ただ、本当は小便が好きな友人だったんだ。ただその事実をありのままに女性に伝えるというのは亡き友人に悪いと思って、ビールという文字に置換していただけなんだ」
女「何をめちゃくちゃな。ありのままを告げたらどうなっていたと思いますか」
男「どうなってただと?」
9 :
◆uw4OnhNu4k :2016/12/15(木) 21:25:47.40 ID:
d1cHdyE/0
男「小便で自分を慰めるような友人だったんだ。小便が三度の飯よりも好きでさ」
男「"小便のつまみに小便を飲みたい"そんなことを口癖のようにいつもつぶやいていたよ」
男「こいつの命日になると、俺は毎年小便をかけることにしているんだ……」
男「って男になんてこと言わすんだ///痴女か!!」
女「小便かけてた部分は本当ですね」
男「だから何を根拠に」
女「その墓標にかかれている名前見てみてください」
10 :
◆uw4OnhNu4k :2016/12/15(木) 21:28:55.25 ID:
d1cHdyE/0
男「見た」
女「どんな名前でした?」
男「女性の名前だな」
女「男性であることを前提として話していましたよね」
男「そうだったかな。どうだったかな。こうだったかな」
男「というか、そこから名前が見れるなら俺のアレも本当は見てたんじゃないか?」
女「それは見てません!」
男「……」チッ
女「どうして今舌打ちしたんですか。あなたこそ露出狂なんじゃないですか」
11 :
◆uw4OnhNu4k :2016/12/15(木) 21:33:03.25 ID:
d1cHdyE/0
女「墓標に小便かけるのは犯罪ですよ。もっと後ろめたそうにしたらどうですか」
男「墓標に小便かける精神状態の時点で、もう底なしの状態にいってるのを承知して欲しい。かけてないけど」
女「犯罪者になるほどつらい目にあったから犯罪するのを許してくれってかなりおかしなはなしですよ」
男「むぅ……」
女「かわいくないです。もう見逃してあげますから去ってください」
男「去ったあと警察に通報しませんよね?」
女「こんな時間にお墓に訪れるほど私も世界に失望しているので、世界がどうなろうが知ったこっちゃありません」
12 :
◆uw4OnhNu4k :2016/12/15(木) 21:34:26.95 ID:
d1cHdyE/0
男「墓標に小便かけるほど俺も世界のこと知ったこっちゃない。かけちゃいないけど」
女「お墓は手始めなんじゃないですか?そのうち無差別小便かけ魔になって逮捕されてしまえばいいんです」
男「そんな発想が……」
女「え、ちょ、本当にやんないでくださいよ」
男「世界に関心がないんじゃなかったのか?」
女「…………」
女「世界に未練たらたらなのを無関心って言い聞かせてごまかしてる乙女心くらい読み取ってほしいです」
男「俺だってそうだよ」
女「…………」
男「俺だって、乙女だよ」
女「えっ、そこが同じなんですか」
13 :
◆uw4OnhNu4k :2016/12/15(木) 21:43:14.45 ID:
d1cHdyE/0
男「というか、そっちこそ去らないの?」
女「はて」
男「こんな時間にお墓うろついている男がいるだけで怖くない?」
女「大丈夫ですよ。だってこんな時間にお墓にうろついてるんですよ?」
男「ん?」
女「そんなの、幽霊に決まってるじゃないですか」ニヤニヤ
男「えっ?どういうこと?この人怖い」
14 :
◆uw4OnhNu4k :2016/12/15(木) 21:58:38.35 ID:
d1cHdyE/0
女「触れようにも触れられないんですもん。掴もうが殴ろうが」スタスタ
男「(あれ、俺幽霊だと思われてる?)」
男「(たしかに卓球部の幽霊部員ではあるが)」
男「(A.幽霊だから殴ろうがかまわない)」
男「(B.卓球部員の幽霊部員だから殴ろうがかまわない)」
男「(多分Aの思考回路だろう。Bなら人間として最悪だ。いずれにせよ俺は殴られそうになっている)」
男「というか、普通幽霊であること自体に恐怖を感じないか?幽霊と生者間で暴力が通じる通じないの話の前にさ」
女「何をしても何も起こらないから何をしてもいいって最低の贅沢ですよね」
男「ちょ、うわ、近い近い!怖い」
女「えへへ。何してみようかな」
15 :
◆uw4OnhNu4k :2016/12/15(木) 22:07:09.63 ID:
d1cHdyE/0
男「落ちつけ!!卓球部員は触れられるし痛覚もある!!」
女「あ、当たり前じゃないですか!何を馬鹿にしたようなこと言ってるんですか!!」
男「気づいてくれたか!!よかった!!さぁその拳を下ろ…」
女「か、身体つきでわかるものなんですかね…でも私途中で部活行かなくなったし…もしかして雰囲気とか…」
男「ん?」
女「べ、別に卓球だっていいじゃないですか!バドミントンをやるだけが女の子の全てじゃないですよ!!」
男「(卓球部員だったのか…しかも幽霊の)」
16 :
◆uw4OnhNu4k :2016/12/15(木) 22:10:24.61 ID:
d1cHdyE/0
女「あなたみたいな人は目潰しされればいいんです」
男「ちょ、うわ、落ち着け」
女「全国の幽霊卓球部員に謝罪して下さい」
男「身体を180度曲げればいいのかな!っていうか足元!!」
女「足元?幽霊に足がないっていうのはある時期を境に流行り始めた演出なんだそうですよ」
女「幽霊なら蹴ろうが踏もうが……」ビチャッ
男「あっ」
17 :
◆uw4OnhNu4k :2016/12/15(木) 22:20:51.70 ID:
d1cHdyE/0
男「大丈夫。大丈夫大丈夫」
男「大丈夫だよ」
女「…………」
男「だってそれ、ビールだから。あんたが今踏んでる液体」
女「…………」
男「だってそれ、ビールだと思えば、ビールだから」
女「…………」
男「うん。雨水だって元はくじらや人間のおしっこが蒸発したようなものだしね」
男「まぁ、どっちにしろそれビールだからね。雨水を濾して水にして、麦とか使って発酵させたビールだからね」
男「だから、ビールももとをたどればおしっこみたいなものなんだ。ビールを飲んだ人間が放尿して生まれた雨水によってできたビールだから。うん、よくわかんないね」
女「…………」
男「さっ、そろそろ帰ろうか。丑三つ時ももう過ぎた。昼夜逆転した幽霊部員もお家に帰る時間だよ」
男「ということで、さよなら。ビールを踏んだお嬢さん」
女「ちょっと」
男「おっと?」
18 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/12/15(木) 22:27:15.88 ID:9uj/xJfDo
わろす
19 :
◆uw4OnhNu4k :2016/12/15(木) 22:30:20.01 ID:
d1cHdyE/0
男「いてぇええええええ!!!!」
女「いたぁあいぃいいい!!!!!」
女「ちょっと!!なんで殴れるんですか!!しかも硬い!!」
男「俺ただの幽霊部員だからね!!幽霊部員も頭蓋骨はかたいからね!!まぁあんたも幽霊部員だけど……っていてぇえええ!!!!」
女「馬鹿にしないでださい!!しかもまた痛いです!!」
男「そりゃあお前が殴って来るからな!!右の頬をうたれたら左の頬をさしだすまでもなく、殴った方の拳も痛いからな!!」
女「うぅううう、もう帰ってください!!!」
男「帰ります!!!そちらこそお気をつけて!!」
女「あなたといる以上に危ない目になんてあいません!!」
男「そりゃどうも!!小便踏みつけたお嬢さん!!」
女「ああああっ!!ついに認めました!!!認めてほしくなかった最大の瞬間に認めました!!!」
男「今度はスーパームーンの時にあいましょう!」
女「この変態!!」
20 :
◆uw4OnhNu4k :2016/12/15(木) 22:48:31.36 ID:
d1cHdyE/0
学校に行かない日は、趣味でもないのに映画を観ていた。
名作と呼ばれる映画のヒーローとヒロインの出会いはどれも最低か最悪だった。
例えば雪の上を裸足で立っているところや、いじめっこに見立てた大樹をナイフで刺しているところを見られる、等。
私と彼の出会いがそれ以上に滑稽だったのは、私はヒロインではなく、彼もヒーローではなかったからなのだろう。
けれど。
救う人のいない世界で、救われない二人が出会ったことは、丑三つ時の墓地に到底似合わぬ明るいはじまりを迎えた。
雨のあとの、虹のように。
次回「そんなにカリカリするなよ。もしかして今日……、スーパームーンの日?」
お互いを救い合おうとした丑三つ時のはなし。
21 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/12/15(木) 22:51:22.90 ID:8kZf8VeUo
続きはよ
22 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/12/15(木) 23:23:56.69 ID:lYuDSqi3o
なんといい雰囲気なんだろう
23 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/12/16(金) 07:55:39.19 ID:xy0bzTBl0
スーパームーンの日wwwwwwwwwwww
24 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/12/16(金) 11:47:52.50 ID:r+OhL0Yso
いろいろとひどいww
25 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/12/16(金) 15:44:22.05 ID:lvr9Exdpo
こういうの好き
26 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/12/16(金) 20:10:01.02 ID:
Ode0qC0A0
男「社会人1年目の女性を二日間監禁してさ、パソコンとプロジェクターを使ってプレゼンテーションをしてみたいんだ」
女「おまわりさんこいつです」
男「う、うわ!な、びっくりした!今の独り言聞いてたの!?」
女「今の独り言だったんですか!?」
男「さすがに女性に自分の性癖をぶちまけたりしないよ」
女「なかなか欲求を満たすのが大変な趣味をおもちですね」
27 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/12/16(金) 20:24:09.12 ID:
Ode0qC0A0
女「というか、なんでまたいるんですか。こんな真冬の、こんな夜中の、こんな墓地に」
男「今の因数分解したほうがはやいよ。『こんな カギカッコ 真冬の 夜中の 墓地に』」
女「わかりづらいですよ」
男「数字のマジシャンと呼ばれているからな」
女「数学が得意なんですか?」
男「嫌な奴足す嫌な奴、つまり18782足す18782をしてみな」
女「皆殺しってやつですよね。テレビでやってました。というか、知らない人5桁も暗算できないですよ」
男「それでだ、黒色のワンボックスカーに乗って、深夜帰りの新入社員をだな」
女「もう数学の話題終わりなんですか。また性癖の話題に戻るんですか。これ以上下がらないと思ってた高感度が現在進行形で下がり続けています」
男「現在進行形とは話が違うが、enjoyとfinishという単語にかぎってTo不定詞の目的語にはなれず、動名詞ing形しか用いない理由をしっているか」
女「高校入試でよくみかける問題ですね。ただ暗記してました。どういった理由なんですか?」
男「目が覚めると薄暗い部屋の中にいて、手首を鎖でつながれているんだ」
女「またすぐに性癖の話しに戻っちゃっいましたよ。この人5教科の話題に飽きるのはやすぎですよ」
28 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/12/16(金) 20:34:07.81 ID:mSJj9G8Mo
きたー