Part6
561 名前:
ちゃぴぃ ◆jse.PorBNE :[] 投稿日2008/12/16(火) 21:14:26.84 ID:uvFmIGTf0
中島「お前か……お前がやったのか?」
伊「馬鹿言っちゃいけないよ、タマを殺したのは僕じゃない、タラちゃんなんだろ?
僕は何もしていない」
中島「で、でも……」
伊「って言えば、私は永遠に安全な位置で暮していける」
中島「やっぱりっっ何をした?」
伊「おいおい呪術なんてそんな大層なもんじゃないんだ・・・・
まあ大袈裟に言えば私は物事の確率を少しだけずらすことが出来るのさ」
中島「確率を……ずらす?」
伊「そう、つまらん能力だがね、さらに言えば少しだけ人を不幸にすることが出来る。
もしかすれば、ペットが死んでしまうかもしれない程度の影響力
悪戯な確率を少しだけ不幸な方へ、その揺らぎを生み出す力。
普通に皆が生活してたんじゃあそんな揺らぎは大した結果を生まない。
中々上手くはいかないけれど、 最近仕事も無くて暇でね、
辛抱強く毎日毎日呪いをかけてね、頑張っていたんだよ」
565 名前:
ちゃぴぃ ◆jse.PorBNE :[] 投稿日2008/12/16(火) 21:21:57.93 ID:uvFmIGTf0
中島「ま、まさか」
伊「タマ死んじゃったねえ、可哀想に・・・まあ別に何処の畜生が死のうが正直良かったんだけどね」
中島「お前……」
伊「君があの墓を上手くPRしてくれたおかげで私も助かったよ、いくら畜生を殺したところで、
あの獣塚に埋めてくれなきゃ墓守の呪術は発動しないからね……
ペットセメタリーって言うんだろ?
元々伊佐坂家が広めていた救済の墓なんていう空々しいものよりか全然良いね響きが、
若い感性とでも言うのかな」
566 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[] 投稿日2008/12/16(火) 21:24:10.64 ID:LJRWglnU0
なんという悪人・・・
567 名前:
ちゃぴぃ ◆jse.PorBNE :[] 投稿日2008/12/16(火) 21:25:18.52 ID:uvFmIGTf0
中島「救済の墓?」
伊「ああ、伊佐坂家はその呪術の性格から人に噂を流すのが上手くてね、
それは単にペットの命を救うという良い噂なんだけれど、あまり効果は高くなかったね」
中島「そんな話、聞いたこともないよ」
中島は吐き捨てるように言った。
伊「ハハハ・・・ともあれ昔からあった話と相まって随分と有名にしてくれたもんだ、
しばらくは馬鹿な人間が出て来るんじゃないかな……
わざわざ鴨を誘い込んでくれたんだよ君は、笑いが止まらんよ」
中島「クソっ」
僕の……僕のせいだっていうのか。
たまの死から始まった全ての事件それらの全てに・・・僕が関わっていると言うのか。
568 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[sage] 投稿日2008/12/16(火) 21:27:25.68 ID:abEoLjb70
兄があんな嘘さえつかなければ・・・
570 名前:
ちゃぴぃ ◆jse.PorBNE :[] 投稿日2008/12/16(火) 21:30:49.54 ID:uvFmIGTf0
涙を流す中島を見て伊佐坂は笑った。
伊「いやいや、私も常々思ってはいたんだよ。呪術ってのは卑怯者のやることだなあってね」
中島「よくも抜け抜けと」
伊「いや、本当そう思うよ、自分ではまるで手を下さずに、勝手に偉大なご先祖様が
作り出したシステムが魂を刈り取ってくれる。
最初に人が死んだ時は怯えた、
次は震えた、
その次に奇妙な興奮が起こってね、
それから後はただただ笑いが止まらなかったよ」
伊佐坂はそう言うと、包丁を研ぎだした。その煌く白刃に自分の顔を映す。
573 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[sage] 投稿日2008/12/16(火) 21:35:48.94 ID:FecFVgBZO
包丁!し、死ぬのか?中島あああぁぁぁぁぁ
574 名前:
ちゃぴぃ ◆jse.PorBNE :[] 投稿日2008/12/16(火) 21:36:12.06 ID:uvFmIGTf0
伊「それにしても君、大したものだよ。今までで君だけだここまで辿り着いたのは、
呪術信仰の根強かった昔々ならともかく、
良くそんな夢物語みたいな話を信じて良くここまでやってきたね」
中島「その夢物語は実在したじゃないか」
伊佐坂は困ったような顔をして言う。
伊「私だって最初は信じていなかったさ、実際人が死ぬまでね。
いや人が死んでもまだ何処かで疑心はあったが……
やっぱり若いっていうのは良いねえ、真っ直ぐで、突きつけられた現実を
キチンと受け止めることが出来るんだから。
頭の硬い大人じゃ、私に喰ってかかる奴なんて居よう筈も無いんだ」
伊佐坂は少し残念そうな顔をしてそう言った。
582 名前:
ちゃぴぃ ◆jse.PorBNE :[] 投稿日2008/12/16(火) 21:41:45.88 ID:uvFmIGTf0
伊「まあ、私もそろそろ引退さ、息子の甚六に墓守の力を譲り渡そうと思っている。
あれも親泣かせの遊び人だが、
自分の高貴な血統を知り、その役目を知れば変わってくれるだろう」
中島「何で、何でそんなことをする必要があるんだ」
伊「知りたいかい? 天下をね……統一するんだ」
中島「天下を……」
伊「そう、数え切れないほどの人の魂をもって、
偉大なるご先祖様の伊佐坂氏胤の悲願は達成されるのさ」
中島「氏胤はそんなことを思ってあの塚に呪いをかけたんじゃないっっ
娘を殺されて……」
591 名前:
ちゃぴぃ ◆jse.PorBNE :[] 投稿日2008/12/16(火) 21:46:25.66 ID:uvFmIGTf0
伊「そうだそうだ、誰に吹き込まれたのか知らないけど、君そんな馬鹿みたいな持論を展開してたね、
違うよ、別に氏胤は娘なんてどうでも良かったんだよ」
中島「嘘だっ」
伊「嘘じゃないよ、何処で歴史なんて曲げられるか分からないよねえ
まるでおとぎ話だ」
中島「歌が……当時氏胤を皮肉ったっていう、歌があったじゃないか……」
伊「あれは氏胤が娘の前で、娘に向けて歌ったものだよ」
中島「な……」
伊「歴史っていうものは受け取る人によってその姿を歪めてしまうのさ」
伊佐坂は刃文を指でなぞり、うっとりとした顔を見せた。
596 名前:
ちゃぴぃ ◆jse.PorBNE :[] 投稿日2008/12/16(火) 21:51:32.54 ID:uvFmIGTf0
伊「もう良いだろう聞きたいことあるかい?
私も一応作家を生業としているものでね、君の好奇心には理解があるし、
ここまで来たことへの尊敬の念もある。可能な限り受け付けよう」
中島「まだ二つ言いたいことがある」
伊「よし、聞こうじゃないか」
中島「何で僕を殺そうとする、お前のいうとおり、いくら声を大にして言っても、
僕の夢物語なんて誰も真面目にとりあいはしない。
こうして僕を殺そうとすること事態がお前にとって、自ら危険を冒すことになる」
伊「うーーーーーーーーん、良いな。最期に良い質問だ。それには三つも答えがあるぞ」
中島「言ってみろよ」
伊「一つ目、完全に単なる趣味。人をこの手で殺したかったんだ」
伊「二つ目、君は夢物語って言うけどねえ。
僕は心配性なのさ。資料もあるとなると、黙ってはいられないねえ」
伊「三つ目、最近本業の方が芳しく無くてね、表現の幅を広げる為に仕方なく、君を解体しようと、
私の崇高なる作品の為に死んでくれるよね?」
603 名前:
ちゃぴぃ ◆jse.PorBNE :[] 投稿日2008/12/16(火) 21:54:44.86 ID:uvFmIGTf0
伊「さて、もう一つは何かな?」
中島「……やろ……」
伊「えっ良く聞こえないよ、なんだって?」
中島「死んじまえっこの糞野郎って言ったんだっっ」
伊「何を馬鹿なことを死ぬのは君だよ」
伊佐坂が刃を振り上げた時、その背中に調子外れの声がかかった。
「あれれ、お取り込み中ですかね?」
605 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[] 投稿日2008/12/16(火) 21:55:47.50 ID:dEfHEJeB0
だれよ!!!!
620 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[] 投稿日2008/12/16(火) 22:00:39.19 ID:3YNQi2lS0
ノリスケか!?
614 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[sage] 投稿日2008/12/16(火) 21:57:25.45 ID:+H5jEPE30
∧_∧
(0゚・∀・) ワクワク
oノ∧つ⊂)
(0゚(0゚・∀・) テカテカ
∪(0゚∪ ∪
と__)__)
621 名前:
ちゃぴぃ ◆jse.PorBNE :[] 投稿日2008/12/16(火) 22:00:41.43 ID:uvFmIGTf0
中島「あ、兄貴っっ・・・」
ピンクのマフラーにハンチング帽をかぶったいつものダサい兄貴がそこにいた。
兄「どういうことですかね、これは……伊佐坂先生」
伊「勝手に人の家に入ってくるなんて、感心せんなあ・・・いつからいたんだい?」
兄「先生の話は大体聞きましたよ。靴があるのに、どこにもいない。
おかしいと思ったらこんな趣味の悪い地下室作っちゃってまあ」
兄「まあ可愛い弟をそんな風に縛り付けているってんで、おあいこってことで」
伊佐坂は高笑いをして、包丁の切っ先を兄に向けた。
伊「中々ユーモアのある青年だが、君みたいなありふれたキャラクターは
今日び担当にも読者にもウケが悪いんだよ」
625 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[] 投稿日2008/12/16(火) 22:03:25.84 ID:GY+bvmHTO
兄ちゃんキタ───(゚∀゚)───!!
632 名前:
ちゃぴぃ ◆jse.PorBNE :[] 投稿日2008/12/16(火) 22:06:33.58 ID:uvFmIGTf0
兄「先生の便所の落書きにも劣る作品に登場予定はありませんよ」
伊「なん……だと……」
伊佐坂の雰囲気が変わったのが中島には分かった。
兄「聞こえなかったのかな?何冊か読ませてもらったけどね、まるで駄目。
古典は古典だから面白いんだよ、お前みたいな一応現役がいくら模倣したところで
単に古臭くて回りくどいだけだ、分かるか老害?
そんなんだからいつまで経っても――」
「黙れーーーーーーーーーーーっっっっ」
猛る伊佐坂を兄は鼻で笑う。
兄「本が売れやしないのさ」
635 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[] 投稿日2008/12/16(火) 22:08:56.13 ID:uN08EG9H0
中島兄がここまで輝いてるスレがあっただろうかwww
642 名前:
ちゃぴぃ ◆jse.PorBNE :[] 投稿日2008/12/16(火) 22:12:43.37 ID:uvFmIGTf0
弟を助けにやってきた勇ましい兄が、隠すように握り込んだ手の中は多量の汗で溢れ、
搾れそうな程だった。
伊「許さん……許さんぞ」
兄「何がですか、そうだ。売れない作家はニートと同じって、僕の友人が言ってましたよ」
伊「まとわりつく羽虫の分際でこの伊佐坂を愚弄することは許さんぞっ
たかが浪人がっっ凡庸で、
痘痕で凸凹のメレンゲのような中身を持つその頭を垂れろっ
私の伊太利職人手製の洒落た革靴を、その不健康に脂ぎった頬で磨けっ
私の前で醜く悪臭を放ちながら晒すその存在を許して欲しいとただただひたすらに哀願しろっ」
兄「それが、あなたの隠していた本性ですか?」
伊「五月蝿い五月蝿い五月蝿い、黙れ、貴様を微塵に刻んで
その死肉をフードに混ぜて庭のハチに喰わせてやるっっ」
切りつけようと振り回すその刃先を、
兄はかわし、円を描くように距離を取る。
646 名前:
ちゃぴぃ ◆jse.PorBNE :[] 投稿日2008/12/16(火) 22:20:20.21 ID:uvFmIGTf0
慌ててはいけない。冷静にことを運ばなくては――。
兄(包丁を持っているよぼよぼの爺さんと、運動不足の浪人生は比べたらどっちが強いのかな)
この答えは実はもう出ていた。
この狭い室内という状況において、一対一で相対した時、リーチのある刃物を持たれた時点で
兄の勝率は限りなく低かった。それは兄も良く分かっていた。
さらに加えて、捕らえられている弟の無事を確保しなくてはならない為、
上手く挑発をしなくてはいけなかった。
実は中島を人質に取られた場合、兄の敗北は決まっていたのだ。
しかし、伊佐坂はどうにかして
目の前の生意気な若造に一太刀入れてやろう――と、
既に頭の中はそのことで一杯だった。
そんな怒り狂った伊佐坂を前に、中島兄に確固たる勝算はなかった。
649 名前:
ちゃぴぃ ◆jse.PorBNE :[] 投稿日2008/12/16(火) 22:23:57.95 ID:uvFmIGTf0
中島「兄貴・・・兄貴」
伊「死ね・・・氏ね・うっ」
兄を追いかけ包丁を振り回していた伊佐坂が態勢を崩した瞬間、
中島の兄はその懐へと飛び込んだ――
655 名前:
ちゃぴぃ ◆jse.PorBNE :[] 投稿日2008/12/16(火) 22:31:07.04 ID:uvFmIGTf0
手は首に届いていた――
湯葉のような薄皮一枚で守られた伊佐坂の首・・・
一撃で捻ればことは足りた・・・・・・が・・・・
中島の兄の腹部には伊佐坂の持つ包丁が突き立っていた。
兄「あ・・・ああ・・・」
伊「馬鹿な奴だ。少し隙を見せてやったら自分から飛び込んできおって・・・それ・・」
伊佐坂が拳を半周回そうとする度、引っ掛かる肉が音を立てて血とともに削げて落ちた。
伊「やはり刺突には向いているが・・・こうしてかき混ぜるには不便だな・・・そら・・・」
兄「ぐあああああああああああああああああっっっ」
658 名前:
ちゃぴぃ ◆jse.PorBNE :[] 投稿日2008/12/16(火) 22:31:49.54 ID:uvFmIGTf0
手は首に届いていた――
湯葉のような薄皮一枚で守られた伊佐坂の首・・・
一撃で捻ればことは足りた・・・・・・が・・・・
中島の兄の腹部には伊佐坂の持つ包丁が突き立っていた。
兄「あ・・・ああ・・・」
伊「馬鹿な奴だ。少し隙を見せてやったら自分から飛び込んできおって・・・それ・・」
伊佐坂が拳を半周回そうとする度、引っ掛かる肉が音を立てて血とともに削げて落ちた。
伊「やはり刺突には向いているが・・・こうしてかき混ぜるには不便だな・・・そら・・・」
兄「ぐあああああああああああああああああっっっ」
659 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[] 投稿日2008/12/16(火) 22:31:58.87 ID:uN08EG9H0
兄貴いいいいいいいいいいいいい
660 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[sage] 投稿日2008/12/16(火) 22:33:01.44 ID:Mvqu1OAC0
大事な出来事なので2回書きました
661 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[] 投稿日2008/12/16(火) 22:33:44.43 ID:KfS87P2hO
兄貴は二度死ぬ
670 名前:
ちゃぴぃ ◆jse.PorBNE :[] 投稿日2008/12/16(火) 22:40:17.33 ID:uvFmIGTf0
伊佐坂は首を傾げると、突き刺した腹から下腹部へと切りすすんでいく。
拡張された腹部からは千切れた臓物が溢れ出てきていた。
伊「ふむ、良く切れる」
兄「・・・がっ・・・・・・あ・・ああ」
中島「兄貴・・・兄貴・・・・・アニキーーーーーーーーーー」
伊「もっとだ、もっと。。。ハハハ・・・凄いぞ・・・この色・・・・本物だ・・・艶めくピンクなどではない
これは何と表現したら良いのだ・・・ああメモ帳が欲しい。。この興奮を今すぐ書き殴りたいっっ」
刹那――兄が気を失おうかというその時、無意識に兄の手は伊佐坂の口の中に入っていた
伊「ひゃ・・おえ・・・」
伊佐坂は慌てて包丁を捨て、
その手を掴み、引きずり出そうとしたが、
死に際の兄の力は・・・老人ではかなわなかった。
兄「・・・・」
678 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[sage] 投稿日2008/12/16(火) 22:44:50.81 ID:FecFVgBZO
あ、兄貴ぃぃっ!!(;ω;)
676 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[] 投稿日2008/12/16(火) 22:42:51.02 ID:/u44aBR/0
俺の兄貴はここまでしてくれないと思う
681 名前:
ちゃぴぃ ◆jse.PorBNE :[] 投稿日2008/12/16(火) 22:47:30.63 ID:uvFmIGTf0
伊「ご・・・ごごご・・」
伊佐坂は眼球が天井を向いたまま動かせなかった。
手が・・・喉を通っているのだ
じたばたと体を動かし、口から腕の隙間を通して血液と胃液が漏れ出ていた。
鈍く光る赤色が混じった糞尿を撒き散らした時、伊佐坂は口を手に突っ込まれながら絶命した
中島「あ・・・・アニキ・・おいアニキ・・・」
兄はもう返事をしなかった。目を開いたまま、膝を崩し、体を倒した。
中島「兄貴ーーーーーーーーーーーーーっっ」
684 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[] 投稿日2008/12/16(火) 22:48:42.92 ID:3YNQi2lS0
壮絶だな…
686 名前:
ちゃぴぃ ◆jse.PorBNE :[] 投稿日2008/12/16(火) 22:50:16.28 ID:uvFmIGTf0
そして物語は――磯野家へと戻る・・・
サブ「ア バ ヨ −−−−−−−−−ハハハ」
サブが引き金を引いた瞬間。
タラオの眼前が光り輝いた。
690 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[] 投稿日2008/12/16(火) 22:52:42.17 ID:e84mr5PWO
そろそろクライマックスか!?
699 名前:
ちゃぴぃ ◆jse.PorBNE :[] 投稿日2008/12/16(火) 22:57:08.98 ID:uvFmIGTf0
サブ「ハハハハハ・・・ハ? えっ・・・」
サブが銃を握っていた筈の右手・・・・が、無い。
手首から先にかけて、裂け崩れた肉の花が咲いていた。
タラオは酷い耳鳴りにこめかみを押さえた。
サブ「て・・・てめえ・・・・こんな粗悪品掴ませやがって・・・・・コロシテやるっっ」
サブはその小さなタラオの顔を片手で持ち上げた。
タラオ「痛い・・・痛いですっっ」
703 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[] 投稿日2008/12/16(火) 22:58:23.51 ID:3YNQi2lS0
暴発か!
709 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[] 投稿日2008/12/16(火) 22:59:21.04 ID:egcTlmMl0
なみへいが絶対撃つなと指示しただろ?そういうことだ
713 名前:
ちゃぴぃ ◆jse.PorBNE :[] 投稿日2008/12/16(火) 22:59:53.96 ID:uvFmIGTf0
こめかみを通して圧迫される眼球が浮き上がり、
今にも飛び出しそうになっていた。
タラオ「いたいーーーーーー痛いですーーーーーーーー」
サブ「ここで終わりですーーーーフフっっ・・・
ハハハハ・・・・
あーーーーーーっはっはっはっ」
716 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[] 投稿日2008/12/16(火) 23:00:51.00 ID:dmhcjmzjO
あの巨大な頭を片手で…
720 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[] 投稿日2008/12/16(火) 23:02:45.25 ID:4KQImdtiO
>>716
お茶吹いたw
731 名前:
ちゃぴぃ ◆jse.PorBNE :[] 投稿日2008/12/16(火) 23:11:32.65 ID:uvFmIGTf0
タラオが意識を失いかけた時、体は畳みの上に放り出された。
タラオ「え・・・・」
サブが体を変な方向にまげて、光の無い瞳孔でタラオを見つめていた。
タラオ「こ・・・これは・・・・どういうことですか・・・」
伊佐坂が死んだことによって・・・人形はその効力を失っていた。
氏胤のかけた呪い・・・その本当の仕組みに気づいている者は誰一人として居なかったのである。
動物を獣塚に埋葬することによってその動物は鍵となり、人を襲う
鍵に襲われた人間は埋葬しなくてもその呪力を取り込み、人形と化す。
人形は人形を一体ずつしか生み出せず、
また新たな人形を誕生させた以前の人形は自らを埋葬し、その魂を伊佐坂家に捧げる・・・
人に永らくばれぬよう・・・それは氏胤が考え出したルールだった。
これこそが獣塚にかけられた呪術だった。
733 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[] 投稿日2008/12/16(火) 23:17:43.37 ID:3YNQi2lS0
なんと!!
中島の兄貴がタラオを救ったのか!
741 名前:
ちゃぴぃ ◆jse.PorBNE :[] 投稿日2008/12/16(火) 23:20:34.21 ID:uvFmIGTf0
しばらく腰を上げることが出来なかった。
それほどの恐怖とショックをタラオは受けたのだ。
その時、玄関の開く音がした――。
タラオは這いながら部屋を出て、その来客者を確認した。
743 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[] 投稿日2008/12/16(火) 23:21:46.83 ID:3YNQi2lS0
誰だ!?
757 名前:
ちゃぴぃ ◆jse.PorBNE :[] 投稿日2008/12/16(火) 23:38:46.51 ID:uvFmIGTf0
その姿を目に映した時・・・タラオの目から涙が溢れた・・・。
いつものパーマ、派手な色だが単色の安っぽいスカート
地味な刺繍のセーター・・・
サザエ「あら?どうしたのタラちゃん?泣いちゃって」
タラオ「ママーーーーー」
タラオは母の胸に飛び込んだ。
懐かしくて、優しい母の匂いがした・・・。
サザエ「どっどうしたのっ体中傷だらけじゃない?」
タラオ「怖かった・・・怖かったですーーーー」
サザエ「あら・・・皆はどうしたの?」
タラオ「皆・・・皆・・・あ・・・おじいちゃんが・・・おじいちゃんが・・・・」
サザエ「おじいちゃんがどうかしたの?」
タラオは波平の無事を願った。
796 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[] 投稿日2008/12/17(水) 00:46:59.83 ID:YzChc0Bi0
伊佐坂死んだだけで呪い解けちゃったら
どうやって今まで続いてたんだと
797 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[] 投稿日2008/12/17(水) 00:50:51.11 ID:b9uvmKkyO
>>796
子供がいればいいんじゃね
758 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[] 投稿日2008/12/16(火) 23:58:58.07 ID:3YNQi2lS0
サザエ帰ってきた!!
・・・しかしタイミングが良過ぎはしないか?
851 名前:
ちゃぴぃ ◆jse.PorBNE :[] 投稿日2008/12/17(水) 03:28:03.50 ID:udVOJUHR0
タラオ「おじいちゃんが死んじゃうですーーーーっっ」
サザエ「そう・・・でも・・・・
あ な た も も う シ ぬ の よ 」
壊れたテープレコーダーのようにゆっくりとした・・・
低く口の中で反響するような声だった――
854 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[] 投稿日2008/12/17(水) 03:29:55.82 ID:YzChc0Bi0
やっぱりかー!www
856 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[] 投稿日2008/12/17(水) 03:34:24.25 ID:YZhREqyLO
もう来週からサザエ見れねぇよ…
860 名前:
ちゃぴぃ ◆jse.PorBNE :[] 投稿日2008/12/17(水) 03:48:52.70 ID:udVOJUHR0
タラオの瞳は現在を映すのをやめた
その濡れた瞳は・・・今もなお焼き残る。
優しかった母と・・・大好きな家族を思い出していた――
タラオ「ママ・・・・マ・・・マ・・・」
次々と光景が目の前に蘇っていく。この玄関で迎えた皆・・・大好きだった家族・・・。
カツオ「ただいまタラちゃん」
ワカメ「ただいまーーーあら? タラちゃん ただ今」
マスオ「ただいま、おおタラちゃん、元気にしてたかい?」
フネ「ただいま、タラちゃん」
波平「おお・・・お出迎えしてくれたのかい? タラちゃん」
サザエ「ただい・・・タだ・・・・・い・・マ・・」
幸せな過去をタラオは最期見た。
その映像は途切れ・・・変わり果てた母の声が聞こえてきた時・・・
カキッカキッと・・タラオは自分の首の骨が折れる音を聞いた
口から血を含んだ泡を吐き、白目を向いたタラオは既に事切れていた
サザエ「ウフフフ・・・ウフフ・・・フフフフフフフフフフフフフフフフフフフ・・・・フフフ・・・ハハハ。。。」
サザエはねじ切った我が子の顔を右手で胸に抱き、左手で脇に抱えると、
また元の塚に戻るべく・・・・その足を裏山へと向けた・・・。
870 名前:
ちゃぴぃ ◆jse.PorBNE :[] 投稿日2008/12/17(水) 04:09:00.83 ID:udVOJUHR0
その後・・・息子の甚六によって通報され、
世田谷署の警官が向かった地下室で中島の兄と伊佐坂の死体は発見された。
そこで四肢を固定され、惨劇を目の当たりにしたと見られている
警察に保護された中島は正常な意識を保ってはいなかった。
中島「あ・・・あは・・・あにき・・アニギ・・・」
救急車に搬送されようとした時、集まった警察官のうちの一人が無線に向かって何かを言っている
・・・それは薄れゆく自我の中で中島の耳にも届いた
警官「殺人?そっちもか?ガイシャは?家の中に三人も?え・・・ホシは・・・死んだ・・・?
おい・・・死んだってどういうことだ?まさか殺したのか・・・えっ・・・
初めから死んでいたって・・・?」
中島は思った。
獣塚に行かなくちゃ駄目だよ・・・
きっとあそこに残りの人が埋まってるんだ・・
でも、もう僕は声をあげることは出来ない・・・
すぐに皆見つかって大量の死体を警察が発見した時・・・
もう誰も、あの塚に近付く者はいないだろう・・
もう誰も・・・誰も・・何故なら・・・
真犯人は兄貴が・・あ・・アニギ・・・
中島「うううああああああ・・・・
あああああああああああああああああっっっ
あああアアアアあああああああああああああああああああ
あああああああああああアアあああああアああああっっっtぅtっ」
861 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[sage] 投稿日2008/12/17(水) 03:50:43.57 ID:blxr1Hgl0
生存者・・・中島だけか?
872 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[] 投稿日2008/12/17(水) 04:11:09.10 ID:5Oe5Sj8j0
一家は全滅か…
868 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[] 投稿日2008/12/17(水) 04:05:16.21 ID:c9N3UOb6O
終わりなのか…?
873 名前:
ちゃぴぃ ◆jse.PorBNE :[] 投稿日2008/12/17(水) 04:15:38.05 ID:udVOJUHR0
事件が明るみになる晩――。
衝撃的な磯野家の惨事が速報で、日曜のお茶の間に届けられる頃。
かおりと花沢の二人は暗い山道を登っていた。
花沢「ったくもう、辛気臭いトコなんだからん」
花沢はスカートの裾を気にしながら、枝木を手で払い、足にかかる根を蹴り退けた。
かおりはその後を泣きながら追う。
花沢「かおりちゃん、泣いていたって何も始まんないんだから、ねっ、元気出して行こうよお」
かおり「でも……でもピーちゃんが、私・・・大切にしていたのに」
花沢「そのインコちゃんが死んだのはかおりちゃんのせいじゃないってばあ」
かおり「でも、私が……目を離していたから……」
花沢「んもう、仕方ないでしょ、死んじゃったんだから」
花沢の人の心を踏み荒らすような励ましは、傷ついたかおりの心をさらに砕いた。
かおりは俯き、立ち止まってしまう。
花沢は苛立ちを隠そうともせずに言う。
花沢「ああ、もうメンドクサイ。あんたの為にここまで来てあげてるんだからね。
大丈夫よ、前に中島君も言ってたじゃない鼻を高くしてさ・・・・・・」
「ペ ッ ト セ メ タ リ ー に入れれば大丈夫って……」
――――――――――――――――――――――――――――――完
882 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[sage] 投稿日2008/12/17(水) 04:22:05.61 ID:hauWHWt9O
悲劇は繰り返される、か。
893 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[sage] 投稿日2008/12/17(水) 04:39:39.97 ID:1dpPraLC0
ちゃぴぃお疲れ様!
894 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[] 投稿日2008/12/17(水) 04:40:30.94 ID:94HIUojV0
サブは止まったのに何でサザエは止まらなかったんだ?
>>894
鍵に殺された奴は動く、つまりタマに殺されたサザエとマスオは埋めなくても動くことが出来る。
動きを止めるのは新しく埋められた人形だけっていう取ってつけたような設定
927 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[] 投稿日2008/12/17(水) 05:35:14.44 ID:G4ZJLnpDO
まだ全部見てないけど完結したみたいなので今のうちに言っとく
>>1お疲れ様です!
凄い楽しかったです、しかもこれが初だとは
>>1は本当に才能があると思う
728 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[] 投稿日2008/12/16(火) 23:04:40.05 ID:jvnR+rr/O
亀ですまないが吉良の話はちゃぴぃの創作なのか?
それともソースになった文献があったりするの?
>>728
最初の説明は資料から、それ以外は作った。
大変だったのに不評だったwwwww泣けるwww
750 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[sage] 投稿日2008/12/16(火) 23:33:21.12 ID:zUAJBkT/O
>>748
いや、おもしろかったよ、うん
753 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[] 投稿日2008/12/16(火) 23:33:44.26 ID:o54ySqyo0
つくった部分もあるのか、すげえ
945 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[sage] 投稿日2008/12/17(水) 07:17:22.78 ID:HdisKkpn0
兄貴か波平のスピンオフ読みてぇ
950 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[] 投稿日2008/12/17(水) 07:30:49.78 ID:HVxpyFUNO
でもさ、いささかが死んだんだから、かおりちゃんがインコ埋めても特に問題なくね?
獣塚というのはその名の通り、まず獣を埋めないと効果が始まらない。
そして埋められたその獣は墓守の呪いの鍵となる
その鍵は伊佐坂の呪力ナシでも存在することが可能である。
そして鍵となった獣は埋めた人物のいる家庭へと向かう
(これは動物の帰巣本能を若干利用している)
重要なのは鍵となった動物が殺した人間は特別ってこと。
その人間は墓に埋められなくても動けるし、伊佐坂が死んでも動ける。
つまりタマに殺されたサザエとマスオは伊佐坂が死んでも行動出来る。
因みにサザエは囲まれた警官に取り押さえられ暴れた挙句・・・・極秘に処理された。
その話は警視庁未解決事件ファイルに今も保管されている。
962 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[] 投稿日2008/12/17(水) 07:59:33.74 ID:aGI5XaYhO
戦慄が走った
986 名前:
ちゃぴぃ ◆jse.PorBNE :[] 投稿日2008/12/17(水) 08:49:49.39 ID:udVOJUHR0
>>1->>1000
thank you for reading!
prezented by ちゃぴぃ
「BOW!BOW!」
[
写真を見る]
987 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[] 投稿日2008/12/17(水) 08:52:17.42 ID:8FsaWTf3O
この小説は東芝と御覧のスポンサーの提供でお送りしました
1000 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[] 投稿日2008/12/17(水) 09:24:35.73 ID:Xedbn6JR0
1000なら>>1は犬