Part5
359 名前:
ちゃぴぃ ◆jse.PorBNE :[] 投稿日2008/12/16(火) 18:14:51.59 ID:uvFmIGTf0
吉良氏は南北朝時代に奥州探題として東北地方に拠ったがのち奥州を去り、
各地を転々としたのち、鎌倉公方に属して関東に入り、
吉良頼高が室町時代後期から戦国時代初期までには
小田原の北条氏に属して武蔵世田谷に入りました。
こうして戦国時代には小田原北条氏の許、氏朝まで5代に渡って繁栄したのである。
勉強ゾーン 終
366 名前:
ちゃぴぃ ◆jse.PorBNE :[] 投稿日2008/12/16(火) 18:19:42.63 ID:uvFmIGTf0
「……これじゃあキリが無いよ、兄貴、前に話してくれた戦国時代のペットセメタリーって話あったろ?
それについて載っている箇所を教えてくれよ?」
「……出来ることなら俺はお前に成り立ちから知って欲しいんだけどな、
継ぎ接ぎの知識なんて何の役目にも立たないぞ」
兄はぶつぶつと小言を言いながら、
棚に収められた膨大な資料の山を繁々と眺めた。
367 名前:
ちゃぴぃ ◆jse.PorBNE :[] 投稿日2008/12/16(火) 18:22:08.05 ID:uvFmIGTf0
「頼むよ兄貴、薀蓄には今度付き合うからさ」
兄は思い出したように笑う。
「そう思えば、お前は随分あの話気に入ってくれていたな。
でもな、あの話は
・・・・・・・ただの俺の作り話だぞ」
兄は弟にとってとても重大なことをサラリと言ってのけた。
「え?」
この兄は突然何を言い出すのだろう。
中島は此方の熱の伝わらぬ兄にやきもきしていた。
370 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[] 投稿日2008/12/16(火) 18:23:50.33 ID:gUzVTIsAO
なんですと?
372 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[] 投稿日2008/12/16(火) 18:24:10.05 ID:O/8mFpbzO
・・・・・・え?
373 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[] 投稿日2008/12/16(火) 18:24:18.34 ID:KtL+S+3oO
おいおい……
375 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[] 投稿日2008/12/16(火) 18:25:19.47 ID:ThMEUq/SO
ざわ・・・ ざわ・・・
379 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[] 投稿日2008/12/16(火) 18:31:04.25 ID:eCFoNQr50
ではあのペット・セメタリーは・・・・・
381 名前:
ちゃぴぃ ◆jse.PorBNE :[] 投稿日2008/12/16(火) 18:33:06.41 ID:uvFmIGTf0
兄「そんな顔しなくても、少し考えれば分かるだろう?
世田谷の郷土資料に何でペットセメタリーなんて語句が飛び出すのさ?
此処は暦とした日本国だぜ?」
中島「じ、じゃあ何で……そんな、嘘だろ?」
兄「嘘じゃあないさ、原作はかの有名なスティーブン・キング。
ホラーとしちゃあ中々の傑作さ。お前も見てみると良い」
中島「嘘だったのかよ、だって兄貴……あそこに英語でペットセメタリーって――」
兄「ありゃスティーブン・キングのいちファンとしての俺の可愛い暴走だよ意外に良く出来てたろ?」
382 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[] 投稿日2008/12/16(火) 18:34:11.86 ID:eCFoNQr50
なんという
384 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[] 投稿日2008/12/16(火) 18:35:02.68 ID:ThMEUq/SO
ここにきて謎をッッ!!!
388 名前:
ちゃぴぃ ◆jse.PorBNE :[] 投稿日2008/12/16(火) 18:35:41.80 ID:uvFmIGTf0
中島「そんな……じゃあ初めからあの場所は……ただの何でもない裏山だっていうの?」
中島は心の奥底から笑いが込み上げてきた。
ただの自分の勘違いだったのだ。
が、次に兄が発した一言によって、
すぐに、笑ってはいられないということを中島は理解する。
390 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[] 投稿日2008/12/16(火) 18:36:26.26 ID:X/7q2dJr0
ゴクリ……
394 名前:
ちゃぴぃ ◆jse.PorBNE :[] 投稿日2008/12/16(火) 18:37:30.25 ID:uvFmIGTf0
兄「いやそれも違う。あの裏山の歴史とスティーブン・キングのペットセメタリーには
面白い共通点がいくつかある。だからこそ両方のファンである俺が目をつけた訳だ」
兄は取り出した分厚い本を中島に手渡した。
兄「ほら、あったぞ。この本の……確か百二十五ページから先だ」
兄は何かを言いたげな弟を制して、とりあえず呼んでみな。と促した。
その内容は戦国時代世田谷を統治した、吉良氏の呪術研究について記された本だった。
397 名前:
ちゃぴぃ ◆jse.PorBNE :[] 投稿日2008/12/16(火) 18:40:03.01 ID:uvFmIGTf0
第三節、人身御供となった領民
戦国時代、呪術の力をもって、
戦国の世を我が物にしようと画策していた吉良氏は
呪術師の進言により、地位の安定、ひいては向上を図るため、
毎年領土から神に捧げる生贄を
鴎神社と呼ばれた神社に供え、
その神社の裏の山を獣塚と呼び、纏めて埋めていた。
400 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[] 投稿日2008/12/16(火) 18:42:14.21 ID:LJRWglnU0
獣塚・・・!
402 名前:
ちゃぴぃ ◆jse.PorBNE :[] 投稿日2008/12/16(火) 18:44:17.28 ID:uvFmIGTf0
その役目を課された獣追い祭では、
その年の災厄を祓う為という表面上の目的を担い、
「獣追人(けものおうひと)」と名付けられ、
そう呼ばれた一部の村人達を使って、
道端や街道に居た獣や畜生を片っ端から集めては殺していた。
403 名前:
ちゃぴぃ ◆jse.PorBNE :[] 投稿日2008/12/16(火) 18:46:04.74 ID:uvFmIGTf0
しかし、いくら獣を殺しても、
吉良氏が強大な小田原の北条家を越えることは出来なかった。
このままでは天下を取ることは出来ぬ――。
焦った吉良氏の許で、獣追い祭りは段々とその性格を歪めていき、
単なる獣、畜生では神がお怒りになるとした吉良氏は、
一部の有力者達の助力を得て、
ついには動物の代わりに人を立てることにした。
405 名前:
ちゃぴぃ ◆jse.PorBNE :[] 投稿日2008/12/16(火) 18:50:18.12 ID:uvFmIGTf0
同じ呼び名だが、持つ意味はまるで違う……
追う側から追われる側の意味を指すことになった言葉、
畜生の代わりにその責任を負わせる
「獣負人(けものおうひと)」
として生贄を立て始めたのである――。
406 名前:
ちゃぴぃ ◆jse.PorBNE :[] 投稿日2008/12/16(火) 18:55:36.89 ID:uvFmIGTf0
獣負人には誰がなるのかまったくわからなかった。
名前を変えた毎年の獣負い祭りは最早、村人達にとって単なる災厄だった。
往還の村人を無差別的に捕えてくるという獣負い捕りが行われた。
獣負人を誰にするかという選択は獣負人を捕えに行く集団が
最初に出会った者という偶然性に委ねられていたのである。
409 名前:
ちゃぴぃ ◆jse.PorBNE :[] 投稿日2008/12/16(火) 18:57:12.72 ID:uvFmIGTf0
そこでは槍や刀で武装した者達が、集団となって獣負人を捕えに向かい、
そして運悪く獣負人として捕えられた者は、彼らに殴る、蹴る、刺す、切るの暴力を受けながら
神社まで無理やり連れて行かれるのだ。
要するに、この獣負い祭は、確実に死に至る獣負人に誰がなるのかわからないという
領民全ての人達の恐怖と緊張の上に成り立っていたのである。
411 名前:
ちゃぴぃ ◆jse.PorBNE :[] 投稿日2008/12/16(火) 18:58:40.26 ID:uvFmIGTf0
兄「読んだか?」
中島「うん、こんな風習があったなんて」
兄「そしてな……こっちの文献はもっと貴重だぞ」
そういうと中島の兄は古めかしく埃を被った本を取り出した、
文献と呼びはしたが、厚さはそれ程無い。
中島「それは……」
兄「歴史の裏に隠されたエピソードだ。この兄が中身について教えて進ぜよう」
結局兄の薀蓄からは逃れられないのか、と
中島は諦め、兄の話に耳を傾けることにした。
416 名前:
ちゃぴぃ ◆jse.PorBNE :[] 投稿日2008/12/16(火) 19:03:06.21 ID:uvFmIGTf0
兄「それは悲しい事故、って言っても自業自得なんだけどね、
ある年のこと、いつもの如く祭りによって家来に捕らえられた娘が居てね、
なんとその娘は吉良氏御付きの呪術師の娘だったのさ」
中島「でも助かったんでしょ?」
兄「そう、家来も勿論助けるものだと思ったから捕らえてはみたものの、
傷つけることなく神社へと連れて行き、吉良氏に聞いたんだ」
418 名前:
ちゃぴぃ ◆jse.PorBNE :[] 投稿日2008/12/16(火) 19:07:03.32 ID:uvFmIGTf0
兄「この娘、隣に坐る呪術師の娘にして、一人娘に御座います。如何いたしましょうってね」
中島「その時、呪術師は?」
兄「そりゃあ吉良氏の隣で怒り狂ったさ、娘を獣負人とするなんて何たる不届きっ、てね……だけど」
中島「まさか……」
兄「そう、そのまさか」
「貴賎の別無し、例外は一人として許さぬ、それは神に対する冒涜行為だ」
420 名前:
ちゃぴぃ ◆jse.PorBNE :[] 投稿日2008/12/16(火) 19:09:23.06 ID:uvFmIGTf0
兄「呪術師は吉良氏の言葉に耳を疑い、困惑した。しゃがれた声で慌ててこう言ったんだ」
「お……お願いします、何かの間違いです。娘を生贄にするなど、親の私の気持ちを考えてください。
たのみます、たのみます」
兄「膝をつき、額を地面につけて、呪術師は泣きながら何度も何度も頭を下げた」
421 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[] 投稿日2008/12/16(火) 19:09:24.55 ID:/j39UziA0
我魂魄百万回生まれ変わろうとも
422 名前:
ちゃぴぃ ◆jse.PorBNE :[] 投稿日2008/12/16(火) 19:13:20.45 ID:uvFmIGTf0
兄「その時さ、家来の一人が即興で歌ったんだよ、
普通そういう場で歌を詠むなんてことは考えられなかった。
畏れながら、なんてもんじゃない、打ち首覚悟の独り歌さ」
中島「な、なんて言ったの」
中島はゴクリと重い唾を飲み込んだ。
「犬は 野良 人は 畜生 区別なし
いとしい娘は 誰ぞも 知らん
何の違いも ありゃせん ありゃせん」
423 名前:
ちゃぴぃ ◆jse.PorBNE :[] 投稿日2008/12/16(火) 19:14:57.31 ID:uvFmIGTf0
中島「それって……」
兄は顎に手をやり、短い髭を撫でた。
兄「飼い犬は野良犬のような扱いを受け、人である筈の者も畜生のような扱いを受ける。
そこに区別は無い。例え愛しい娘であっても、誰も知らない、知ったことではない。
いったい何の違いがあるのだろうかっていう意味さ」
中島「す、凄い歌だね。それ」
兄「ああ、その呪術師を皮肉ったフレーズは節をつけられ、
二番、三番と歌詞も練られてその当時流行ったらしい。
余程恨みをかっていたんだろうね、
もしかしたら歌った家来の娘も捕り殺されていたのかもしれない」
424 名前:
ちゃぴぃ ◆jse.PorBNE :[] 投稿日2008/12/16(火) 19:17:57.53 ID:uvFmIGTf0
兄「そして……親である呪術師の前で娘の拷問は始まった」
娘の白く柔らかい肉は刀で容易く削げ落ち、
進みを止めるとその肉は腿から垂れ下がるようにして宙で揺れた。
骨を粉々にするように叩き、限界まで間接を伸ばし舌を抜き、目を穿り、指を取る。
それでもその娘は父である呪術師に恨み言の一つも告げず、
血の華を咲かせながら最期を迎えるその時まで微笑を浮かべていたそうだ。
427 名前:
ちゃぴぃ ◆jse.PorBNE :[] 投稿日2008/12/16(火) 19:21:09.60 ID:uvFmIGTf0
その呪術師は三日三晩泣き通し、叫び、怒り狂ったと言われる。
そして四日目の朝、吉良氏の枕元に立ち、恨みがましくこう云ったと伝えられている。
「獣にもこころあるやふ、哀しその御霊を、我がいとしきまなむすめの御霊によりそひ、
あわせて叶へたまへ、人追ひ、まさしく負わせたまへ」
429 名前:
ちゃぴぃ ◆jse.PorBNE :[] 投稿日2008/12/16(火) 19:23:49.37 ID:uvFmIGTf0
中島「どういうこと?」
兄「殺された獣にも心がある。その魂を集め、あの世でも寂しくないように愛しい娘に寄り添わせよう。
そしてその魂を、人に遭わせて、人を追わせ、罪を負わせてくれってことかな?」
兄「墓地に埋められた魂が罪を負いに人を追う……
どうだい?スティーブン・キングの名作そのものだろう?」
431 名前:
ちゃぴぃ ◆jse.PorBNE :[] 投稿日2008/12/16(火) 19:27:22.43 ID:uvFmIGTf0
中島「もしかして……その神社の裏の獣塚って……」
兄「まあ俺の拙い推理ではあるが、お前の通っている学校の裏山に位置していると睨んでいる。
まあだからこそ、あそこにペットセメタリーなんていう看板を立てた訳だけどな」
中島「なら……学校は」
兄「お前が想像している通りだ。
縁起が良くないって取り壊された鴎神社のあとに建てられたのが……
お前の通う、かもめ第三小学校さ」。
447 名前:
ちゃぴぃ ◆jse.PorBNE :[] 投稿日2008/12/16(火) 20:05:47.40 ID:uvFmIGTf0
しばらくの間、室内を重苦しい空気が流れていた。
中島は何も知らなかった。自分達の住む街に存在した悲しい歴史を。
中島「……でも、でもそんなの逆ギレじゃないかっ
自分で大量の人を殺しておいて」
兄は意味ありげに口許を緩めた。
兄「ところが、この兄から言わせると、少し違った話が見えてくる」
中島「どういう事?」
449 名前:
ちゃぴぃ ◆jse.PorBNE :[] 投稿日2008/12/16(火) 20:07:20.47 ID:uvFmIGTf0
兄「想像してごらんよ、お前なら愛する我が娘を祭の日に
簡単に捕らえられるようなところに置いておくか?」
中島「そ、それは」
兄「恐らく、吉良氏は天下統一を諦め、北条家に完全に恭順することを誓った時、こう考えた」
兄「この祭の真の意味を知られてはならぬ……ってね」
兄「元々呪術なんてのは相手を呪い殺す為のものだ、国を挙げてそんな物騒なもんやってたなんて、
呪っていた相手に知られたりしたら困るのさ」
中島「ってことは口封じ?」
兄「そう、吉良氏は全ての責任を結局呪術師に背負わたのさ」
中島「でも、自分から提案したんでしょ」
450 名前:
ちゃぴぃ ◆jse.PorBNE :[] 投稿日2008/12/16(火) 20:09:02.02 ID:uvFmIGTf0
兄「人をいくら殺してもかまわないなんていう暴虐な王様に、
何か方法を捻り出せと言われたらお前も困るだろ」
中島「で……でも」
兄「まあそれ以上は分からない、でもそう考えるだけで浪漫が生まれると思わないか」
中島「ちっともロマンチックなんかじゃないよ」
兄「イイや、浪漫を感じずにはいられないよ、きっとお前は」
中島「何だよ兄貴、言いたいことがあるなら言えよ」
兄は悪戯っぽく笑った。この兄はいくつになってもこの調子だ。
454 名前:
ちゃぴぃ ◆jse.PorBNE :[] 投稿日2008/12/16(火) 20:14:25.13 ID:uvFmIGTf0
兄「びっくりするぞーーお前、吉良氏についていた。その呪術師の名前……分かるか?」
中島「分かる訳ないだろう」
兄「いや、お前も知っているさ苗字だけなら」
中島「えっ嘘?教えてくれ兄貴、それ誰のこと?」
455 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[sage] 投稿日2008/12/16(火) 20:15:05.58 ID:abEoLjb70
!?
456 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[] 投稿日2008/12/16(火) 20:15:09.23 ID:X/7q2dJr0
ま、まさか……
462 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[] 投稿日2008/12/16(火) 20:16:33.02 ID:wjij41RtO
クリリン……だと
472 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[] 投稿日2008/12/16(火) 20:26:06.37 ID:dEfHEJeB0
まさか・・・そんなまさかな・・・しかし・・・・そのまさかか?!!!!
477 名前:
ちゃぴぃ ◆jse.PorBNE :[] 投稿日2008/12/16(火) 20:30:01.29 ID:uvFmIGTf0
兄「その名を伊佐坂氏胤――……もう分かるだろ?」
中島「兄貴、それ……その伊佐坂って……」
兄「ああそうだ。伊佐坂さんのトコだよ。あの家は呪術師の血を受け継いでいるのさ。
良いよなあ、戦国から脈々と続く呪術師の家系なんて
ロマンチックだと思わないかい?」
中島「この本借りるね。ちょっと僕、伊佐坂さんの家行って来る」
兄「おい、どうしたんだよお前いったい?」
引きとめようと弟の腕を掴んだ兄は、見せた事の無い真剣な彼の眼差しに気圧され、すぐに離した。
479 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[] 投稿日2008/12/16(火) 20:30:39.39 ID:X/7q2dJr0
いささかwwwwwwwwww
487 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[] 投稿日2008/12/16(火) 20:33:22.52 ID:dEfHEJeB0
まさかいささかそうさいささかだ
491 名前:
ちゃぴぃ ◆jse.PorBNE :[] 投稿日2008/12/16(火) 20:35:03.42 ID:uvFmIGTf0
中島「行かなきゃいけないんだよ、
ここまで来たら僕は全てを明らかにして磯野に報告しなくちゃいけない」
兄「そうか、なら一つだけ言わせてくれ」
中島は黙って頷いた。
兄「浩、お前が何を考えているか知らないが、俺は民俗学や郷土史に興味があるし、
ペットセメタリーなんていうホラーも大好きさ、
でもだからと言ってホントに人を殺せるくらいの呪術があるだなんて思えないよ……
本当にあるとするならそれは……
心理的に追い詰められた人間の単なる暴挙なんじゃないかな?」
中島は何も言い返さなかった。
そして、「行ってくるよ」と声をかけ、兄の部屋を後にした。
495 名前:
ちゃぴぃ ◆jse.PorBNE :[] 投稿日2008/12/16(火) 20:37:19.70 ID:uvFmIGTf0
伊佐坂家――
伊「いやいや、これは突然どうしたのかな?」
中島「先生にお話があるんです」
伊「学校はどうしたんだい?良いのかい?」
中島「・・・・大事な話なんです」
その様子から伊佐坂は何かを感じ取った。
伊「そうか、まあ入りなさい」
503 名前:
ちゃぴぃ ◆jse.PorBNE :[] 投稿日2008/12/16(火) 20:43:57.90 ID:uvFmIGTf0
中島は今までのことを全て包み隠さず話した。
伊佐坂は子供の言う事と笑わず、真剣に話を聞いてくれた。
伊「成る程、しかし驚いたな。その資料は今何処にあるんだい?」
中島「僕が今、持っています」
伊「ほう……成る程……ここまで詳しく書いてあるとは……」
中島「何か知っていることがあったら教えてください」
伊「ああ、教えてあげよう・・・・全てを・・・ね・・・」
506 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[sage] 投稿日2008/12/16(火) 20:46:14.54 ID:KTt8rrc/0
逃げてぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ
508 名前:
ちゃぴぃ ◆jse.PorBNE :[] 投稿日2008/12/16(火) 20:47:36.35 ID:uvFmIGTf0
中島は自身の体の異変にこの時初めて気がついた。
目の前が霞む、まるで眼鏡をかけていないように、目の前の人物がぶれる。
強烈な眠気、中島はテーブルに頭を打ちつけてしまう。
まどろみの中で、中島は気づく。
目の前にいる伊佐坂は間違いなく悪だということを。
中島が飲んでいた温かい緑茶の底に、白く輝く粉が溜まっていた。
511 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[] 投稿日2008/12/16(火) 20:48:46.05 ID:X/7q2dJr0
中島まで……
516 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[] 投稿日2008/12/16(火) 20:50:13.84 ID:lseO/8AK0
中島はいつも通りに野球に誘ってれば・・・
518 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[sage] 投稿日2008/12/16(火) 20:51:47.30 ID:abEoLjb70
中島「伊佐坂〜、野球しようぜ!」
これならうまくいったのに・・・
521 名前:
ちゃぴぃ ◆jse.PorBNE :[] 投稿日2008/12/16(火) 20:54:32.48 ID:uvFmIGTf0
中島「こ、ここは」
中島は黒いパネルで囲まれた部屋の中心で寝かされていた。
部屋のあちこちに中島が見たことの無い奇妙な物が転がっている。
中にはピンク色にぬめぬめと光る逞しい男性器を模した物もある。
伊「ああ、起きたかね。いや中々調整が難しくてね、あの薬。
私が楽しむ前に君に死なれでもしたら悔やんでも悔やみきれないところだったよ」
着物の袖を捲くった伊佐坂のその手には輝く包丁が握られていた。
伊「真実に近付くということは、それだけ危険も多い。そうは思わないかね?」
伊佐坂は中島にそう語りかけた。
525 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[] 投稿日2008/12/16(火) 20:56:25.03 ID:3YNQi2lS0
((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル
527 名前:
ちゃぴぃ ◆jse.PorBNE :[] 投稿日2008/12/16(火) 20:58:10.75 ID:uvFmIGTf0
中島「せ、先生」
体を起こそうとした中島は愕然とした。両手足首を縛られ、ベッドの上に固定されている。
中島「先生?」
伊「ううん、中島君は知っているかな?SMっていうんだよ。私と家内は嵌っていてね。
そこらに転がっているのも昔からの愛用品だ」
中島「え……えすえむ?」
528 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[] 投稿日2008/12/16(火) 20:59:33.77 ID:zrpqJSySO
え?wwwwwwww
530 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[sage] 投稿日2008/12/16(火) 20:59:53.60 ID:vpssIqPd0
驚 愕 の 展 開
540 名前:
ちゃぴぃ ◆jse.PorBNE :[] 投稿日2008/12/16(火) 21:02:01.34 ID:uvFmIGTf0
伊「そう、あれはあんな顔して相当の好きモノでな、薄くなった皮に鞭うってやると、
馬のように涎を垂らして良く鳴くのさ」
伊佐坂は両手に拳をつくり挙げると、馬の鳴き真似をした。
伊「ひとつどうかね君も・・・?痛みと恍惚は隣合わせの感情だ家内はそれを良く分かっている」
伊佐坂が拾い上げたシリコンのペニスが
スイッチを入れると同時に激しい振動を開始した。
むいぃぃいいいいいいいいいいいぃいいいい
伊「うむ、良い音だ」
546 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[] 投稿日2008/12/16(火) 21:03:33.49 ID:e7kh3rHmO
むいいいいwww
551 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[] 投稿日2008/12/16(火) 21:04:44.67 ID:LJRWglnU0
作者よ、本気か?
552 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[sage] 投稿日2008/12/16(火) 21:05:15.21 ID:hJAvuzos0
いささか先生いささか特殊な性癖
556 名前:
ちゃぴぃ ◆jse.PorBNE :[] 投稿日2008/12/16(火) 21:08:55.52 ID:uvFmIGTf0
中島「先生はやっぱり……悪い奴だったんだ」
伊「悪い奴って……語彙が貧弱だねえ、何だか可哀想だよ。ああ、そうそう
今頃磯野さん家は大変なことになっているだろうね、
さっき波平のやつがサブロウに骨折られて苦しんでいたよ。ハハハ」
中島「な、何だって」
伊「おや、まだ半信半疑だったのかな、というよりか、もしかして君、カマをかけたのかいこの私に。
てっきり全てを知っているものだと思っていたよ。
磯野さん家は今頃全滅だよ」
中島「嘘を吐けっっ」
伊「嘘じゃあないったら、本当のことだよ」
558 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[sage] 投稿日2008/12/16(火) 21:09:51.54 ID:1UCYxYjUO
( ゚д゚)!?
(つд⊂)ゴシゴシ
(;゚д゚)・・・・
(つд⊂)ゴシゴシ
( ゚Д゚ )!!