Part1
1 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[] 投稿日2008/12/15(月) 08:24:21.75 ID:
goTjjm+k0
タラオ「おじいちゃんから譲り受けたこの銃でこの悪夢を・・・・終わらせるです」
三河屋のサブ「あれえーおっかしいなあ・・・
たらちゃーん・・・何処にいるのかなぁ・・・参っちゃうなあもう・・・
出て来いよっっっこのクソガキッッ!!」
3 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[] 投稿日2008/12/15(月) 08:28:35.89 ID:
goTjjm+k0
サブ「良いのかなあタラちゃーん
出て来ないとワカメちゃん死んじゃうよーーーー?」
その一言がタラオの決意を揺さぶる
大好きなお姉ちゃんが友達の家から帰って来てしまったのだ
タラ(三郎に捕まってしまったですか?)
カツオの机の下からするりと出て、タラオは襖に近寄りそっと開いて
三郎の声のする台所を見た
4 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[] 投稿日2008/12/15(月) 08:31:59.62 ID:
goTjjm+k0
三郎が頭を掴んでいる。おかっぱ頭の女の子だった。
しかしその少女には胴体が無かった。
血をボタボタと垂れ流すその球体がクルリと此方へ振り向いた
信じられない物を見た顔・・・・恐怖というよりかは驚きの表情
タラオ「わ・わかめ・・・」
サブ「そこかいタラちゃん・・・・」
9 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[] 投稿日2008/12/15(月) 08:37:44.98 ID:
goTjjm+k0
三郎はゆらゆらと体を揺らしながら
ゆっくりとした動きで近付いてくる
タラオ「う・・・・ううう」
叫び声を上げながら逃げ出すタラオ、その時手に掴んでいた銃を落としてしまった
タラオは息を上げながらサザエ達の寝室の押入れに逃げ込んだ。
(もう駄目です、全部僕のせいです。銃も取られたです僕も皆の後を追うです)
タラオはついさきほどまで幸せだった家庭を想い涙ぐんだ。
磯野家連続殺人と呼ばれる幻のこの回の切っ掛けはペットであるタマの死から始まる
10 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[sage] 投稿日2008/12/15(月) 08:38:50.69 ID:euuzuRdAO
プロローグだと・・・
11 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[] 投稿日2008/12/15(月) 08:40:00.86 ID:
goTjjm+k0
タラオ「うわーーーーーーーん、タマがーーーータマが死んじゃったですーーーーーーーーー」
カツオ「ど、どうしたんだいタラちゃん?あっタマッッタマどうしたんだっっ・・・・・」
そこには頭から脳漿を垂れ流している一匹の猫が居た
タマ「に・・・・にゃあ・・・・」
16 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[] 投稿日2008/12/15(月) 08:45:19.02 ID:
goTjjm+k0
タラオ「うわああああっっどうしようーーー」
カツオ「うっっいったい誰がこんな酷いことを??」
カツオは込み上げる吐気を抑えながらタラオに聞いた
タラオ「僕です、ちょっとタマを脅かそうと思ってあの・・・タマを乗せたベッドの上で跳ねていたら」
カツオ「ベッドって・・・」
それは昔赤ん坊だったタラオを寝かす為の乳幼児の為のベッドだった
脚が折れ、使われていた木材が散乱している
20 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[] 投稿日2008/12/15(月) 08:48:07.96 ID:1/xX15rjO
犯人はタラヲかぁ
21 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[] 投稿日2008/12/15(月) 08:50:21.57 ID:
goTjjm+k0
タラオ「近くのタンスの上に乗せてあったダンベルがタマの・・・タマの頭の上に・・・」
カツオはバラバラに分解されたそれに近付く、その中に黒光りするダンベルがあった
紐のような物体とともにどす黒い血がダンベルについている
カツオ「・・・これは・・・」
中嶋「おい磯野ーーー何やってんだよ野球遅れ・・・・」
待ちくたびれて玄関からいけないと知りつつも勝手に入ってきてしまった中嶋は激しく後悔した
冷たい汗を背にかき、中嶋はゆっくりと口を開いた
中嶋「ど・・・どういうことだよ・・・」
23 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[] 投稿日2008/12/15(月) 08:53:24.68 ID:
goTjjm+k0
中嶋は次の瞬間充満する獣特有の臭気と汚物にまみれたその
光景を目にして吐いてしまった。
タラオ「カツオにいちゃーん、まだ。。まだタマは生きてるです。タマは・・・タマは・・・・」
カツオ「残念だけど・・・・悲しいけどもうタマは駄目だよ」
タラオ「嫌ですっっ絶対に嫌ですぅぅぅああああああああああん・・・」
カツオは生まれて来て初めて姉の息子である目の前の子供を憎らしいと思っていた。
27 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[] 投稿日2008/12/15(月) 08:57:51.40 ID:
goTjjm+k0
一瞬の激しい憎悪。しかし、すぐに我に返りカツオはタラオを抱いて言った
カツオ「仕方ないことだよ、これは誰のせいでもないよ」
タラ「ううううううう・・・・」
その時ふすまが開いた。タラオとカツオは驚いて見る
洗面所で口をゆすいだ、中嶋だった
カツオ「お、驚かせるなよ、姉さんかと思ったじゃないか・・・」
タラオ「見つかったら不味いですか?やっぱり怒られるですか・・・」
その言葉にタラオは過敏な反応を示した。
そしてまた泣き出すタラオにカツオは顔をゆがめた。
29 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[] 投稿日2008/12/15(月) 09:02:00.83 ID:
goTjjm+k0
中嶋の顔に精気がない。恐らく洗面所でまた吐いたのだろう
カツオはそう思った
タラオ「たま・・・たま・・・」
タマは異常に早い呼吸を繰り返し、目の焦点が合っていない
カツオはそれをなるべく見ないようにしていた
カツオ「どうしよう・・・・まだ生きているし病院に連れて行ってもこれじゃあ・・・・」
中嶋「磯野・・・あれ・・・試してみたらどうかな?」
カツオ「あれって何だよ中島?」
中嶋「ペ ッ ト セ メ タ リ ー だよ」
30 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[] 投稿日2008/12/15(月) 09:02:30.44 ID:WDPdzmWZ0
・・・ゴク・・・
33 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[] 投稿日2008/12/15(月) 09:07:15.55 ID:
goTjjm+k0
カツオは驚いていた。こんな状況を見て中嶋がおかしくなったとそう考えた。
カツオ「おいおい中嶋、あれはただの噂話じゃないかそんなのにタマを預けられるか」
中嶋「でも・・・このままにしておくわけにはいかないし
いずれ死ぬんだ。どっちにしろ埋めるならペットセメタリーでも構わないじゃないか」
カツオ「・・・確かにそうだけど・・・」
タラオ「・・・ペットセメタリーって何ですか?」
憔悴しきったタラオがカツオに聞いた。
目の周りが蜂にさされたように赤く腫れている
カツオ「ペットセメタリーっていうのは・・・・」
カツオは昔から学校で噂になっている。裏山に存在するという
その墓地について語り始めた
38 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[] 投稿日2008/12/15(月) 09:13:36.59 ID:
goTjjm+k0
七不思議などではない。何故か古くから存在が噂される裏山の墓地
・・・ペットセメタリー・・・
そこに埋葬された生物は魂を取り戻し蘇ると、そう言われていた
カツオ「でも・・・その噂にはキチンとついてくるおまけがあってね」
タラオ「なんですかそれは・・・」
中嶋「ペットセメタリーに埋められた生物は生き返るが
その時引き連れてきた魂は決して生前のものとは限らない」
不気味な噂話だった。しかし、カツオは中嶋の言うとおり、
例え生き返らなくてもタマを埋葬することが出来るし、何より言い訳になると思った。
早く、早くこの血なまぐさい部屋をどうにかしなくちゃならない
カツオは姉の悲しい顔を見たくなかった
39 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[] 投稿日2008/12/15(月) 09:21:02.75 ID:
goTjjm+k0
カツオ「行こう中島・・・・」
カツオはタマを抱きかかえた。激しい臭気に顔をしかめる
潰れた頭を撫でてやった。血に塗れる手。
こうすることがカツオが出来るタマへの最期の愛情表現だった
タマは静かになっていた。
中嶋「もう野球どころじゃないな・・・」
タラオ「僕も・・・僕も行くです・・・・」
カツオはタラオを制し言う
カツオ「良いんだタラちゃん・・・タラちゃんは家で待っていて」
タラオ「でも・・・」
カツオ「誰が悪い訳じゃない。最期にタマに挨拶して」
タラオ「タマ・・・タマ・・・・ごめんなさい・・・・」
カツオ「最期まで謝ってたらタマも悲しむよ」
タラオ「うう・・・ありがとうですタマ・・・今まで・・・」
こうして、カツオと中嶋の二人は学校の裏山へと向かった
40 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[sage] 投稿日2008/12/15(月) 09:23:11.66 ID:jo8u1kNU0
がんばれよ
43 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[] 投稿日2008/12/15(月) 09:28:18.76 ID:
goTjjm+k0
裏山に到着した二人は早速その場所を探し始めた
中嶋「でも本当にそんな場所あるのかな」
カツオ「お前が言い出したんだぜ」
中嶋「いや・・・でもあの時はああするしか」
カツオ「分かってる、感謝してるよ・・・見つからなかったら見つからなかったで、此処に墓を立てるよ」
中嶋「磯野・・・・」
二人は茂みの奥の奥へと歩を進めていく
低木を越え、高く生い茂る草木をかきわけ、その場所を探す
カツオ「ないな・・・まあ初めからそんな感じはしたけれど」
中嶋「仕方ないな、じゃあ此処ら辺に埋めてしまおうか」
カツオ「ああ・・・スコップ貸してくれ。あそこ少し土が見えているから、あそこにしよう」
腐葉土と枯れ木を掘り進み、二人は造った穴にタマを寝かせた。
タマはその時もう死んでいた。
カツオ「安らかに眠ってくれ」
今までの日々が思い起こされカツオは泣いた。
その泣き声は長く山に響いた。タラオの前では我慢していたのだ。
中嶋「磯野・・・」カツオ「ああ・・行こう」
中嶋に寄り添われて、カツオはタマの墓を後にした
47 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[] 投稿日2008/12/15(月) 09:32:01.58 ID:
goTjjm+k0
外はもう暗くなり、月が出ていた。
それほどまでに濃縮された時間を過ごしていたのだ。
月は盛り土だけの墓を照らす。
少し離れた場所に古く朽ち果てた木の立て札が転がっていた。
そこには英語でこう書かれていた
ペット・セメタリー
52 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[sage] 投稿日2008/12/15(月) 09:35:08.59 ID:KOTg3Gfg0
なん・・だと・・・・?
48 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[] 投稿日2008/12/15(月) 09:33:50.04 ID:SobPgEpBO
お・・おい
裏山なんかあったか・・・?
54 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[] 投稿日2008/12/15(月) 09:37:10.54 ID:UVae7qK7O
>>48
な、ない・・・・
56 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[] 投稿日2008/12/15(月) 09:39:33.15 ID:
goTjjm+k0
暗い面持ちで玄関を開けたカツオをワカメが出迎えてくれた
ワカメ「ああーどこ遊びに行っていたのー?怒ってるよおとうさん」
カツオ「あ・・・そう・・・」
タマの件で叱られるのだろう。そう思っていた。
夕食はもう始まっていた
波平「ばっかもーーーーーーーーん、今まで何処ほっつき歩いておった?お前は晩飯抜きじゃ」
カツオ「えっ・・・・うん・・・ごめんなさい」
カツオは頭を下げ、自室へと帰っていった
その様子を見た皆は一人を除き、皆驚いていた
サザエ「何かあぅたのかしら・・・・」
波平「おい、サザエ」
サザエ「はい、何ですか」
波平「あとで夕食持っていってやれ・・・それで何かあったのか聞いてみろ」
サザエ「はい分かりました」
サザエはウフフと笑った。
フネ「あなたが聞いたらどうです?」
波平「いや、ワシはいい・・・」
フネ「まったく素直じゃないんだから」
タラオ「もう、ご飯いらないです」
サザエ「どうしたのタラちゃん」
タラオ「カツオ兄ちゃんを元気づけてくるです」
サザエ「そう、偉いわねえ」
57 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[] 投稿日2008/12/15(月) 09:46:35.46 ID:JXH5uAvm0
波平かっこいい
61 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[] 投稿日2008/12/15(月) 09:48:47.17 ID:
goTjjm+k0
カツオは黙って机に座っていた
「カツオ兄ちゃん」
突然そう声を掛けられ、振り向くとそこにはタラオが居た
カツオ「タラちゃん」
カツオは肩で息をすると、声を低くした。
カツオ「皆には・・・まだ言っていないんだね・・・・」
タラオ「綺麗にしておきました、臭いは何とかなったです・・・」
カツオ「こびりついた血は・・・・」
タラオ「僕がもっと汚したです、ダンベルは隠しておいたです」
カツオ「そうか・・・・でもそんなことをしてもいずれバレるんだから
早めに父さんたちに言った方が良いよ」
タラオ「嫌です」
カツオ「えっ?」
タラオ「タマは死んでいないです、ペット何とかで生き返るんです」
カツオ「タラちゃん」
タラオの声の調子はやけに明るかった。
しかし、以前とは違い、感情の色がない。恐らく現実を受け入れることが出来なかったのだろう。
あんなに可愛がっていたタマを故意でないとはいえ自らの手で殺してしまったのだ仕方ない。
カツオは深い溜め息を吐いた。
63 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[] 投稿日2008/12/15(月) 09:54:46.91 ID:
goTjjm+k0
サザエ「入るわよーー」
サザエは部屋にいる二人を見て思わず夕飯を乗せた盆を落としそうになった。
振り向いた二人の顔が、今までに見たことのないほどに暗く、
しかし目はギラギラと張り裂けそうなほどに見開かれ、光っていた。
サザエ「ど、どうしたの二人とも」
カツオ「いや、何でもない・・・ねえタラちゃん」
タラオ「何も無いですー」
サザエ「そ、そう?」
カツオ「あっ姉さん今日は春巻きだったね食べて良いの」
カツオは飛びぬけるような声を出し、椅子から立ち上がって舌なめずりをした。
サザエ「父さんが反省してるようだから許すって、明日もう一度謝っておきなさい」
カツオ「はーい」
サザエ(気のせい。。。だったみたいね・・・・)
カツオ「美味しい・・・・本当に美味しいよ・・・」
66 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[] 投稿日2008/12/15(月) 09:57:38.89 ID:
goTjjm+k0
深夜・・・・
月が雲に隠れ、街明かりが落ちる頃。
引き摺るような音とともにそれはやってきた。
71 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[] 投稿日2008/12/15(月) 10:02:41.17 ID:
goTjjm+k0
物語に関係のない、男が一人。
愚痴を垂れ流しながら家路をのらりくらりと歩いていた
男「ったくよーーーざけんじゃねえよ」
会社で残業をおしつけられ、腹が立った男は一人憤っていた。
腹の底に溜めたアルコールが揺れる。
男「ちっつまんねえなあ毎日よ」
そう言いながら、男が家路につながる角を曲がろうとした時のことだった。
ズルッペチャッズルッペチャッ
引き摺る音に続いて地面を叩く音、交互に繰り返されるリズム
男は首を傾げた。月が隠れた深夜、それは暗くて良く見えない。
77 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[] 投稿日2008/12/15(月) 10:11:47.70 ID:
goTjjm+k0
街灯が無機質な明かりを道路に向けて投げている。
男は目を凝らした。ただの犬か猫の類だと思っていた。
街灯が作り出す舞台にそれは現れる。
頭がパックリと割れ、片方の目は崩れ落ち、顔半分がえぐれている。
引き摺っているのは折れた左の前足だった。
男は声も出せなかった。体は凍りつき動かない
その男の脇をゆっくりとそれは通り過ぎていった。
体中泥だらけで男はそれが何か分からなかった。
タマ「に・・・・にゃあ・・・・」
97 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[] 投稿日2008/12/15(月) 10:45:58.75 ID:
goTjjm+k0
・・・さて次のサザエは
「マスオ、行為を邪魔され立腹」
「カツオ、本気出す」
「勉強家、中嶋」
の三本です。
131 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[sage] 投稿日2008/12/15(月) 13:04:22.05 ID:DMsy/Fh40
プロローグの書き方はうまいと思って、ついここまで読んでしまった。
171 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[] 投稿日2008/12/15(月) 14:54:38.66 ID:
goTjjm+k0
同刻、寝室で夫婦の営みが今行われようとしていた。
マスオ「サザエ、綺麗だよ」
サザエ「いやだ、あなたったらウフフ」
その愛しく、しなやかな肢体をマスオは指でなぞる。
両指は二つの突起を撫で上げ、やがて濡れた丘に至る。
マスオ「サザエ、準備が出来てるみたいだね」
そう言うと、サザエは処女のように頬を染め、
恥ずかしさを噛み殺すようにして言い返す。
サザエ「あなたのだって・・・こんなになってる」
母の顔、磯野家の長女の顔。その二つを脱捨てた
サザエは妖艶な笑みを浮かべて
マスオのいきり立ち、充血したソレを包むように握り込んだ
マスオ「サザエ・・・・もう・・・」
マスオの息子が悲鳴をあげそうなほどに怒張した時のことだった
突然音がした、金属質・・・・ガラスの割れる音。
サザエ「えっ・・・・何かしら?」
マスオ「サザエ、そんなことより・・」
サザエ「駄目よ、あなたちょっと見てきて」
マスオ「はい・・・」
マスオのモノは萎れてしまった。
172 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[] 投稿日2008/12/15(月) 14:57:53.72 ID:R9ORRnAkO
良いところだったのに
173 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[] 投稿日2008/12/15(月) 14:59:35.60 ID:
goTjjm+k0
タラオ「どうしたですか?」
眠気の混じった声でタラオが聞いた。
サザエ「あっタラちゃん起きちゃったの?何か音がしたから今パパが見に行ってくれてるの」
タラオ「おしっこ行ってくるです」
サザエ「してきなさい」
タラオ「ねえママ?」
サザエ「なあに?」
タラオ「どうして裸ですか?」
サザエ「・・・・・・」
タラオは襖を開け、足早に駆け出した。
タラオ(タマです。。。タマが帰って来たんです)
177 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[] 投稿日2008/12/15(月) 15:11:57.36 ID:
goTjjm+k0
マスオが辿り着いたのは縁側だった。ガラスの破片が辺りに飛び散っている。
マスオ「危ないなあ・・・誰がこんなこと。。」
「にゃあ・・・」
マスオ「タマかい?何処にいるの?」
「にゃ・・・・」
タラオ「パパー」
マスオ「あれこんな夜更けにどうしたのタラちゃん?」
タラオ「タマは・・・タマは・・・」
マスオ「ああ、どうやら縁の下にいるみたいだね、泣いているよ」
タラオは涙を零した。生き返ったのだ。噂は本当だった。
マスオ「えっタラちゃん・・どうしたんだい?」
タラオ「ううん・・・ちょっとトイレに行ってくるです」
マスオ「そうかい?・・・それにしてもこのガラスは・・・・」
マスオが拾い上げたその破片にはうっすらと赤黒いものが付着していた。
タラオ「カツオ兄ちゃん」
タラオはワカメを起こさぬように声を潜めて襖越しに語りかけた。
カツオ「ん・・・どうしたんだいタラちゃん」
タラオ「帰って来たです、タマが」
カツオ「ハハハ・・・・何を言っているんだい?」
タラオ「パパが今迎えに行ってるデス」
カツオ「何処に・・・いるの・・・」
カツオは心の何処かでもしかしたら・・・という願いがあった。
タマが帰ってくれば誰も悲しまずに済む。
その時、庭の方から音がした。
カツオ「行ってみよう・・・タマを迎えに行こう」
タラオ「ハイですーーー」
180 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[] 投稿日2008/12/15(月) 15:17:40.55 ID:
goTjjm+k0
マスオ「タマどうしたんだい?そんなに怒って」
タマの悲しい泣き声は止み、軒下からは激しく唸るような威嚇が続いていた。
マスオ「大丈夫、怖がることは無いよ、タマおいで・・・」
マスオはそのタマの声のする闇に手を伸ばした・・・・。
182 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[] 投稿日2008/12/15(月) 15:21:34.51 ID:x9bCc36RO
マスオ兄さあああああああああん
186 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[] 投稿日2008/12/15(月) 15:27:33.72 ID:
goTjjm+k0
タラオとカツオが縁側に到着した時、目にしたのは月明かりの下もつれ合う
異形の物体とマスオの姿だった。
マスオ「ぐっ・・・・・・クソっっ」
か細いその獣の腕を振り払うことは造作も無いように二人には初め見えたが、
実際上に乗りかかられているのはマスオの方だった。
マスオの腕からはおびただしい量の血液が流れ出ている。
カツオ「マスオ・・・兄さん・・・・」
マスオ「ああ助かった・・・頼むカツオ君!こいつを・・・」
マスオは言葉を上手く発することが出来ないようだった。
それ程必死にマスオはその獣の両腕を抑えているということだ。
迫る獣の腕はマスオの首目掛けて爪を伸ばしていた。
カツオはすぐに状況を理解し、走り寄ってその獣の背中を掴んだ。
ガサリとごわついた毛、その感触の下はタイヤのように硬い体。
動いている筈なのに生をまるで感じない冷たさだった。
まるで死体のような・・・・
192 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[] 投稿日2008/12/15(月) 15:37:18.28 ID:D1p736vnO
怖くなってきた
193 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[] 投稿日2008/12/15(月) 15:38:16.24 ID:
goTjjm+k0
マスオ「カツオ君・・・・カツオッッ」
マスオ兄さんの小さく、悲鳴に似た懇願がカツオの耳にも
届いていた。
しかし、いくら力を込めても獣は引き剥がせない。
カツオ「畜生っこうなったら・・・」
カツオは心の何処かに遠慮があった。
そう・・・もう理解していた。この黒くて硬くて冷たい獣はタマだ。
しかし、もう余裕は無かった。
カツオは力一杯に首の根元を掴み、爪に力を込めた
カツオ「マスオ兄さんから離れろっっ」
タマであった獣の首が少しづつ、少しづつ浮き始めた。
マスオ「よし、良いぞカツオ君、もう少しだ」
しかし、なおも獣は低く唸りながら、その体をマスオから離そうとはしない。
見た目の体積に比べ、ずっしりとその体は重かった。
カツオ「もう少し。。。。頑張ってマスオ兄さん」
カツオが腰を入れてその首をもぎ取ろうかという時、
カツオの腕に二本の腕がかかった。
カツオ「タラちゃん?・・・・・・・何するんだ・・・・・・・・離せよ」