2chまとめサイトモバイル
幼女「お医者さんごっこするれす」 メイド「嫌です」
Part5


69 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/01/16(月) 21:12:32.49 ID:2Fo7mvAb0
「12日目」
「メイドが冷たいのれす」
「酷いのれす、私1人にこんな事をさせて」
「何時も助けてくれたのに」
「何時も支えてくれたのに」
「ひどいのれす、ひどいのれす、ひどいのれす」
「たたいたのれす、何度もたたいたのれす」
「けど、起きてくれないのれす」
「寂しいのれす、辛いのれす、怖いのれす」
「おねがいします」
「おねがいします」
「たすけてください」
「おねがいします」
「1人はいやです」
「1人はいやだ」
「おねがいします」
「おねがいします」
「おねがい……」

70 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/01/16(月) 21:15:54.64 ID:2Fo7mvAb0
「13日目」
「驚いたのれす」
「メイドが起きたのれす」
「起きたのれす」
「え、なんで」
「そう問いかけてもメイドはフラフラしてるだけで応えてくれないれす」
「物凄く顔色が悪い」
「大丈夫なのれす?」
「そう聞くと、コクリとうなずきます」
「……」
「そうか、そうなのれす」
「メイドは変な実験の被験者だったのれす」
「もしかしたら、病気への耐性も強かったのかもしれないれす」
「きっとそうれす」
「良かった……」

71 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/01/16(月) 21:19:38.81 ID:2Fo7mvAb0
「15日目」
「それでもメイドは疲弊してるようだったのれす」
「ゆっくりしか動けないのれす」
「喋る事も出来ないみたいなのれす」
「けど、それでもちゃんと家事をしてくれるのれす」
「凄く助かるのれす」
「それだけでも、頑張ろうって気力がわくのれす」
「今日も、お母様にご飯を上げて、患者さん達に会いに行ったのれす」
「みんな、苦しそうだったけど、それでもご飯を食べて、少しだけ動いてくれたのれす」
「31軒目にいる女の子は、私の手を握ってくれたのれす」
「凄くうれしかったのれす」

72 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/01/16(月) 21:28:20.89 ID:2Fo7mvAb0
「20日目」
「今日は何時もより寒かったのれす」
「だから、お勤めがすんだあと、メイドの布団にもぐりこんだのれす」
「久しぶりに、お医者さんごっこをしたのれす」
「メイドはだるそうにしながらも、ちゃんと応えてくれたのれす」
「ぎゅっと、メイドの腕を握ったのれす」
「ぎゅっと、メイドに抱きついたのれす」
「……」
「意地悪をされたのれす」
「メイドに意地悪をされたのれす」
「折角お医者さんごっこをしてるのに、それを邪魔するのはやめて欲しいのれす」
「酷いのれす」
「……」
「けど、許してあげるのれす」
「メイドは私にとって、大切な人なのれすから」

73 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/01/16(月) 21:33:05.69 ID:2Fo7mvAb0
「25日目」
「もうじき、もうじき、寒気が去るはずなのれす」
「お母様にそういうと、コクンと頷いてくれたのれす」
「メイドは相変わらず辛そうだけど、きっと医療師団が来れば良くなるのれす」
「まだまだ油断はできないれすけど、これならきっと」
「これならきっと、皆助かるのれす」
「心配事と言えば、私が回ってない家々の人達れす」
「無事れしょうか」
「無事だといいな」
「けど、流石に全部の家を回るのは不可能なのれす」
「ここは仕方ないと区切るしかないのれす」
「さあ、今日も患者の所へ行ってくるのれす」

74 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/01/16(月) 21:41:02.49 ID:2Fo7mvAb0
〜30日後〜
〜隣町〜
〜医療師団駐屯所〜
シスター「侵攻します」
蝙蝠娘「いや、戦争みたいに言わないでほしいデス」
シスター「戦争ですよ、大自然との!」
蝙蝠娘「はいはい、判ったデスよ……」
蝙蝠娘「数日前に吹雪が止んだので、先ほど上空から偵察したデス」
蝙蝠娘「雪はまだ大分残ってますが、進めるルートを発見したデス」
シスター「本当ですか!?」
蝙蝠娘「はい、まあ滞在期間1日で行って帰ってくるなら安全カト」
シスター「い、行きましょう、いますぐに!」
シスター「移動準備は整ってますね!?進みますよ!町を、女医さんを救うのです!」
部下「はっ!」
蝙蝠娘「くれぐれも1日で戻ってきてクダサイね」
蝙蝠娘「それ以降は、また嵐がくるみたいデスから」

75 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/01/16(月) 21:45:39.92 ID:2Fo7mvAb0
〜女医の部屋〜
幼女「……あれ、寝ちゃってたみたいれす」ゴシゴシ
女医「……」
幼女「お母様、おはようなのれす」
女医「……」
幼女「雪がやんで、数日が経ったのれす」
女医「……」
幼女「きっと、寒気は去ったのれす」
女医「……」
幼女「もう少しなのれす、もう少しだけ、我慢してほしいのれす」

76 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/01/16(月) 21:47:46.38 ID:2Fo7mvAb0
幼女「メイドー、何処れすか、メイドー」
幼女「いないれすねえ」
幼女「また部屋の掃除をしていてくれてるのれすか」
幼女「メイドもまだ治りきってないれすから、そんなに頑張らなくていいれすよ」
幼女「メイドー」
猫「ニャア」
幼女「お前、メイド知らないれすか」
猫「ニー」トコトコ
幼女「あ、何処行くれすか」トコトコ

77 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/01/16(月) 21:50:52.62 ID:2Fo7mvAb0
幼女「ふう、結局屋根裏まで来てしまったのれす」
猫「ニーニー」ガリガリ
幼女「何れすか、お外に行きたいれすか」
幼女「……そうれすね、お前もずっと家の中れしたし、晴れの日くらい外に出ても」
猫「ニャー」
ギィィィ
幼女「ついでに、患者達の様子を見てくるれすかね」
幼女「……」
幼女「……」
幼女「あ……」

78 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/01/16(月) 21:53:25.02 ID:2Fo7mvAb0
「町の入口に、共和国の旗が見えたのれす」
「ザワザワと人の声が聞こえてくるのれす」
「あれは、あれはもしかしたら……」
「……」
「……」
「……」
「……」
「こうして、私のお医者さんごっこは、終わったのれした」
「終わったのれした」

79 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/01/16(月) 21:58:27.14 ID:2Fo7mvAb0
〜町の入口〜
シスター「総員、除雪準備!」
シスター「雪を掘り返して家屋への侵入経路を確保します!」
シスター「物資輸送班は治療薬の管理を徹底しなさい!」
シスター「ここまで運んできて割れとしまったでは言い訳が聞きませんよ!」
隊員「隊長!」
シスター「どうしましたか」
隊員「あ、あれを!」
シスター「あれ……は」
シスター「……」
シスター「女の子?」

80 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/01/16(月) 22:02:10.96 ID:2Fo7mvAb0
幼女「はぁ……はぁ……はぁ……」
シスター「貴女は……この町の子ですか?」
幼女「は、はいなのれす、私は、女医の娘で……」
シスター「……!」
幼女「あ、あなたたちは医療師団の人達れすよね!?お母様を助けて欲しいのれす!」
シスター「女医さんが、女医さんがどうかしたのですか!?」
幼女「はいなのれす、1ヶ月くらい前に昏睡症状が発症したれす!」
シスター「一か月……前に……」
シスター「そ、それで、どうなったのですか女医さんは!」
幼女「何とかお世話して、今日まで頑張ったのれす!」
幼女「お願いします、助けてください!」
シスター「わ、判りました、案内して下さい!」

81 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/01/16(月) 22:07:26.27 ID:2Fo7mvAb0
シスター「それで、貴女のほかに無事な人は?」
幼女「私だけなのれす」
シスター「……は?」
幼女「うちのメイドも何とか動けてるのれすけど、発症してるれす」
シスター「……では、貴女一人で女医さんの世話をしていた、と?」
幼女「あと、お母様の患者の人達の世話もしてたのれす」
シスター「そ、それは……凄いですね」
幼女「それほどでもないのれす!」フンッ
幼女「あ、この屋根を上るのれす、他の入口は埋まってしまってるれすから」ヒョイヒョイ
シスター「ううう、えらく機敏な子ですね、こんな傾斜をひょいひょいと……」ズルズル
幼女「はやくはやく!」
シスター「ま、待って下さい」

82 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/01/16(月) 22:11:11.26 ID:2Fo7mvAb0
〜女医の部屋〜
女医「……」
幼女「お母様お母様!医療師団が来てくれたのれす!もう大丈夫なのれす!」
シスター「はぁ、はぁ、お待たせしました女医さん」
女医「……」
幼女「はやく、はやくお薬ください!」
シスター「少し待っていてください、今診察しますので」フー
女医「……」
シスター「……あれ」
幼女「ど、どうかしたれすか」
シスター「……」
女医「……」
幼女「あの……」
シスター「……どういう事ですか、これは」
幼女「何がれすか?」

83 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/01/16(月) 22:11:48.08 ID:2Fo7mvAb0
「女医さん、ゾンビになってるじゃないですか」

84 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/01/16(月) 22:17:08.89 ID:2Fo7mvAb0
幼女「ゾン……ビ?え、何……」
女医「……」
シスター「どうして?なぜ?」
シスター「奇妙です、不思議です、どうしてゾンビ化したのでしょう」
シスター「例の昏睡症状でゾンビになるなんて話は聞いていません」
シスター「いえ、それ以前になぜ」
幼女「何を言ってるのれすか……?」
シスター「何故、この子供はゾンビに襲われていないのです?」
シスター「何故、このゾンビは大人しくベットで寝ているのです?」
シスター「何故、何故、何故、何故……」
幼女「そんなはず、無いのれす、お母様は確かに、確かに」
幼女「こないだも、私の話を聞いて、頷いてくれたのれす」
幼女「確かに、確かに生きていたはずなのれす、確かに」
シスター「……」ジッ
幼女「な、なんれすか」
ガシッ
幼女「あうっ!」

85 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/01/16(月) 22:18:45.22 ID:2Fo7mvAb0
幼女「く、苦しいれす、く、首が……」
シスター「貴女、ちょっと目を見せてください」
幼女「や、止めるれす、苦しいれ……」
シスター「……」
幼女「ううぅぅ……」
シスター「……なんだ、合点がいきました」
幼女「なに、が……」

86 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/01/16(月) 22:19:18.09 ID:2Fo7mvAb0
「貴女も、死んでいるじゃないですか」

87 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/01/16(月) 22:29:42.40 ID:2Fo7mvAb0
シスター「聞いた事があります、触れた死体をアンデッドにする能力を持った者がいると」
シスター「貴女が、貴方がそうだったのですね」
幼女「ち、ちが……」
シスター「違いませんよ、貴方は自分の母親を、女医さんをアンデッドに変えてしまった」
シスター「自分自身も死んで、アンデッドになってしまった」
シスター「順番はどちらが先だったのでしょうね」
シスター「私の予想では、貴方がアンデッドになったのが先だと思います」
シスター「アンデッドには、触れた者の生気を吸い取る能力がありますから」
幼女「生気……を……?」
シスター「……そうです」
シスター「貴女は言いましたよね、お母様の世話をしていた、と」
幼女「そう、なのれす、私は、お母様の、みんなの世話を……」
幼女「みんなに、がんばってって、声をかけて、食事を……」
シスター「……あはははは」
幼女「何が、おかしいれす、か……」
シスター「あははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは!!!」