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妹「お兄ちゃん、私のご飯ちょっとあげる♪」
Part3


356:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 11:39:44.06 ID:IoxTIMkvO
ジャァァァ…
兄「はぁ……はぁ…」
ガチャ
すたすた
兄「……ふぅ。すみません先輩、せっかく奢ってもらったのに」
先輩「はは、慌てて食べるからだ。気にすんな」
兄「はい…」
先輩「体調悪いなら早引きするか?俺が言っといてやるぞ」
兄「いや…帰る訳には行かないんで」
先輩「そうか。まぁ……無理すんなとも言えない状況だもんな、俺達も」

364:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 11:49:37.64 ID:IoxTIMkvO
【午後4時】
兄「…ふぅ……ふぅ……」ふらふら
先輩「おい、大丈夫か?もうすぐ上がりだ、頑張れ」
兄「ふぅ……ふぅ……」
先輩「○○。どこ見て作業してんだ。しっかりしろ」
兄「…あれ?」ごしごし
先輩「おい、見えてるか?」

376:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 11:59:24.72 ID:IoxTIMkvO
兄「…見えてます。見えてますよ」
先輩「嘘つけ。今日はもういいから、上がれよ」
兄「見えてますから…!やらせて下さい…」
先輩「見えてるったって…」
兄「お願いします…言わないで下さい…」
先輩「バカ野郎。お前がそんな状態で、もし大怪我したり…最悪死んだらどうすんだ」
先輩「…大丈夫です。やらせて下さい!」

382:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 12:03:42.16 ID:IoxTIMkvO
お詫び申し上げます。
先輩×
兄○
やっぱり携帯で書くもんじゃないな

385:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 12:06:12.12 ID:IoxTIMkvO
先輩「…今日は良いから、休んでろ。どうせあと30分で上がりだ」
兄「でも…やります」
先輩「休めっつってんだろうが!!」
兄「…!」
先輩「もうほとんど終わってるし、俺一人でも間に合うから」
兄「…すみません…」

388:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 12:10:43.31 ID:IoxTIMkvO
【午後4時半】
先輩「おい、○○。終わったぞ」
兄「え…?」
先輩「仕事終わったぞって。ほらー早く上がろうぜ」
兄「あ、すいません…」
先輩「牛丼持って帰ってやるんだろ?早く着替えに行こう」
兄「はい…。先輩…」
先輩「あ?」
兄「本当にすみません…俺のせいで迷惑かけちゃって……」
先輩「良いって。15でこんな仕事ついてるんだ、色々苦労あるんだろうしな」

390:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 12:14:46.46 ID:IoxTIMkvO
兄「…牛丼、傷んでないかな」
先輩「大丈夫だろ。早く帰ってやれ」
兄「はい。ありがとうございます…」
先輩「今日も歩きか?」
兄「はい……」
先輩「そうか…。今日は原付きだから送ってやれないんだ、悪いな」
兄「いえ、これ以上迷惑は……先輩、本当にありがとうございました」
先輩「おう、じゃあなー。お疲れさん」
兄「…」ペコ

393:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 12:17:04.03 ID:IoxTIMkvO
兄「……」ふらふら
兄「腹空かせてるだろうな…」
兄「体調大丈夫かな…。もし悪くなったらお隣にちゃんと行ったかな…」
兄「へへ、牛丼…喜ぶだろうな」
兄「早く帰ろう…」
ふら…ふら…

398:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 12:19:22.53 ID:IoxTIMkvO
ガチャ
兄「ただいま。帰ったぞー」
すたすた
兄「妹、体調大丈夫か?」
すたすた
兄「おーい、妹?どこだ?」
すたすた
兄「妹ー?ただいまー」

408:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 12:23:42.02 ID:IoxTIMkvO
妹「すぅ……すぅ…」
兄「お、こんな所に居た…。おい、帰ったぞー」
妹「…すぅ……」
兄「…なんでこんな所で寝てるんだよ?」
妹「………」
兄「…痩せたなぁ。昔はちょっとふっくらしてたのにな」
兄「……湿疹だらけだ」
妹「………すぅ」

441:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 12:43:51.07 ID:IoxTIMkvO
兄「なぁ、妹。起きろよ」
ゆさゆさ
妹「………お帰り」
兄「おう、ただいま」
妹「今日もありがとう。お疲れ様」ニコ
兄「?」
兄「おい、どこ見て言ってんだ…?」

452:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 12:51:33.06 ID:IoxTIMkvO
妹「え?あ、ごめん…寝ぼけてた」
兄「…そうか。ほら、お土産あるんだ」
妹「…お土産?…食べ物?ダメだよ…?」
兄「え…?」
妹「もう悪い人にならないって、約束したでしょー…?」
兄「大丈夫だよ、先輩が奢ってくれたんだ。お前にって」

455:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 12:55:11.07 ID:IoxTIMkvO
妹「え…そうなの…」
兄「ああ。だから、食べなさい。お前のだ」
妹「…」
兄「な?お前のなんだよ。だから…」
妹「…べて」
兄「うん?」
妹「お兄ちゃん食べて…」

464:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 13:00:56.94 ID:IoxTIMkvO
妹「私、お腹減ってないから…お兄ちゃん、疲れたでしょ?」
兄「…俺は昼に食べたから。妹が食べな」
妹「……」
兄「な?食べなさい。食べたくないか?」
妹「……食べたいよぅ…」
兄「よし、食べさせてやるから。起きて」
妹「ん…」
兄「!」

468:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 13:03:38.97 ID:IoxTIMkvO
妹「お兄ちゃん?どうかした…?」
兄「お前…足、どうしたんだよ」
妹「へ?…これ、こないだ転んじゃったやつ」
兄「転んじゃった…?ちゃんと冷やしたじゃないか」
妹「えへへ…」
兄「なんで、こんなに酷くなってるんだよ…右足真っ青じゃないか」

587: 1:2009/05/07(木) 20:22:44.36 ID:WlcqFXvq0
PCに移行します
兄「…病院、行きたいか?」
妹「ううん。行きたくない」
兄「でも、これたぶん折れてるぞ…」
妹「折れてないよ?きっと、ちょっといっぱい血がたまっちゃってるだけだよ」
兄「…病院行こう」
妹「…やだ。行かない…」
兄「……」
妹「…病院行くお金あったら、一緒にご飯たべよ…?」

589: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 20:28:26.26 ID:WlcqFXvq0
兄「…ごめんな。…次の給料はいるまで我慢できるか…?」
妹「えへへ、大丈夫。痛くないよ…」
兄「…さぁ、ご飯食べよう。牛丼だ。おいしいぞ」
妹「うん…。うれしいなぁ」
兄「ほら、口あけて。ゆっくりでいいから」
妹「あー…うっ!!」
兄「ど、どうしたんだ?」
妹「唇、切れちゃった…いたた…」
兄「…荒れてるな。今度、薬も勝ってやるからな」
妹「うん。ありがとう、お兄ちゃん…」ニコ

590:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 20:31:07.81 ID:WlcqFXvq0
妹「あーん…」
兄「あーん」
すっ
妹「あむ……」もぐ…もぐ…
兄「どうだ?牛丼なんて久しぶりだろ?」
妹「ん…おいしいね」
兄「そうか。よかったな…。お前はまだ…」
妹「…?お兄ちゃん、もう一回ちょうだい?…あーん」
兄「あーん…」
もぐ…
もぐ…

594:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 20:35:13.93 ID:WlcqFXvq0
妹「……」
兄「どうした?しっかり飲み込めよ?」
妹「なんか飲み込めない……」
兄「…無理しなくていいから、ゆっくり食べろ」
妹「うん。…もう、おなかいっぱいかも」
兄「もう?まだ全然…」
妹「ホントにおなかいっぱいなの。もう食べられない…」
兄「…」
妹「それになんか、おなか気持ち悪いし…。ごめんね、せっかく持って帰ってきてくれたのに…」
兄「いや、いいんだ。…無理して食べなくていいよ…」
妹「ふわ……えへへ、なんか食べたら眠くなっちゃった」
兄「そうか。…もう今日は寝るか?まだ7時だけど…」
妹「うん。そうする。…頭洗ってくれる…?」

596:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 20:37:17.50 ID:WlcqFXvq0
兄「そうだな。お隣さんに貰った石鹸もまだあるし…」
妹「ねぇ、お兄ちゃん」
兄「ん?なんだ妹」
妹「お願いがあるの…洗ってもらうのに、こんな事言うのもわがままだけど…」
兄「お前がわがままなんていったこと、今までほとんどないじゃないか。言ってみな」
妹「あのね…?髪の毛…」
兄「…」
妹「髪の毛…あんまり抜けないように、やさしく洗って…?」

600:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 20:41:36.30 ID:WlcqFXvq0
兄「そうだな。やさしく洗うよ」
妹「えへへ…ありがとう。これ以上可愛くなくなったら、お嫁さんになれないもんね…」
兄「…ごめんな」
妹「お兄ちゃんは謝らないで…?私も悪いんだもん…」
兄「…お前はなんにも悪くないんだ。…さぁ、洗おう」
妹「…うん。おねがい」
ジャー……
兄「……」そー…
わし…わし…
妹「ねぇ、だいじょうぶ?抜けてない…?」
兄「…うん。ほとんど抜けてないよ」
兄(……どんどん抜けていく……頼む、もうこれ以上…)
兄(こいつを苦しめないでください…!)
わし…わし…

602:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 20:44:41.65 ID:WlcqFXvq0



妹「お兄ちゃん、お休み…」
兄「ああ、お休み。寒くないように、しっかり毛布かぶれよ」
妹「うん。お兄ちゃんももう寝る…?」
兄「いや、俺は…」
妹「そっかぁ…」
兄「…」
妹「おやすみなさい、お兄ちゃん」
兄「やっぱり俺ももう寝よう。明日も早いしな…」
妹「えへへ…私の考えてること、よくわかるね?さすがお兄ちゃん…」
兄「まぁな。12年間も家族やってたらわかるさ」

606:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 20:48:39.67 ID:WlcqFXvq0
妹「ねぇ、お兄ちゃん?」
兄「うん?なんだ?」
妹「お兄ちゃんは働いてくれてるのに…私ばっかり学校行ってごめんね?」
兄「なんだ、そんなことか。良いんだよ…俺も学校好きじゃないしな」
妹「嘘…先生、お兄ちゃんはそんな子じゃなかったって言ってたもん」
兄「ああ、あの先生か…昔は世話になったなぁ」
妹「えへへ、お兄ちゃんも嘘つきだね。…お兄ちゃん、私も中学校出たら働くからね?」
兄「お前は働かなくていいんだ。高校行きたいだろ?」
妹「ううん…そんなことないよ。学校より、お兄ちゃんと一緒にいたい…」
兄「高校は良いぞ?友達だってできるし、スポーツもできる。いろんな遊びもあるだろうし」
妹「…やっぱり、お兄ちゃんだって学校好きなんだね」

612:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 20:52:59.63 ID:WlcqFXvq0
兄「…そうだな。好きだったよ。だからお前には高校行ってほしいんだ」
妹「私ばっかり、ずるいもん…」
兄「お前が行ってくれるほうが俺もうれしいんだよ」
妹「でも…」
兄「生活保護は審査通らなかったけど、高校なら奨学金もある。俺も頑張って働くから…」
妹「……お兄ちゃん」
兄「だから、お前は高校行くんだ。なんなら大学までいったって良いさ」
妹「…お兄ちゃん、ありがとう。大好きだよ」
兄「はは、妹以外の人にもモテたいもんだな」
妹「なにそれ…。私、お兄ちゃんの妹に生まれてよかったな。…幸せだよ」
兄「…この生活を幸せって言ってくれるお前が妹で、よかった…」
妹「えへへ。…じゃあ、お休み」
兄「ああ、おやすみ」ニコ

616:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 20:57:01.16 ID:WlcqFXvq0
【午前2時】
兄「……くかー…」
兄「くかー……くかー……」
『たい…』
兄「……くかー…」
『たいよぉ……』
兄「ん…?……」むくっ
『いたいよぉ…!』
妹「痛い……うぅぅ、痛い……」
兄「おい、妹?どうした?」
妹「…い、たぁ………」
妹「……くぅ……くぅ…」
妹「いたぃ…あ…し……くー…」
兄「寝言……」

621: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 20:59:52.94 ID:WlcqFXvq0
兄「………」
妹「くぅ……くぅ……」
兄「……病院」
兄「病院に行こう…。もうだめだ…」
兄「これ以上…こいつが苦しむのは……だめだ…」
兄「病院……!行きたいなぁ……!!」
妹「くぅ…」
兄「…働こう。もっと働かなきゃ…な」
妹「……」
兄「2時半か…もうあんまり寝られないな…」
兄「仕事の準備するか…」すっ

625:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 21:02:59.41 ID:WlcqFXvq0
【午前4時前】
兄「…今日は起きないな。…やっぱり、疲れてるんだろうか…」
妹「……くぅ…」
兄「…行ってくるよ。お金入ったら、病院行こうな」
妹「……くぅ」
兄「……」
ガチャ
バタン!
妹「くぅ…くぅ…」

628:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 21:07:16.29 ID:WlcqFXvq0



【午後4時】
先輩「お疲れさん。今日は大丈夫だったか?」
兄「はい、なんとか…」
先輩「そりゃよかった。お前、今日も歩きなんだろ?」
兄「はい…」
先輩「今日はバイクだから、送ってってやるよ。後ろ乗りな」
兄「いや、今日は…」
先輩「あ?帰らないのか?」
兄「はい。実は、仕事増やしてもらおうと思って、頼みに行くんです」
先輩「はぁ?!仕事増やすって、いまでも十分働いてるじゃねーか。いつ働くんだよ?」
兄「明日から、週に3回夜勤も入れて貰おうと思って」
先輩「今の仕事に夜勤もなんて、できるわけねぇだろ?!」

630:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 21:10:51.87 ID:WlcqFXvq0
兄「俺の寝る時間くらい、いくらでも削ります。今はお金がいるんで…」
先輩「…無茶だって。そんなの何日ももたないぜ」
兄「…お金がいるんです」
先輩「…そうかい。でもよ、お前が倒れちゃ元も子もないぞ?」
兄「…わかってます。でも、お金がいるんです」
先輩「…なんかあったら、またいつでも言えよ?少しくらいなら力貸してやるからな」
兄「ありがとうございます。本当に、色々すみません…」ペコ
先輩「…じゃあな」
兄「お疲れ様でした。しつれいします…」

635:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 21:15:05.31 ID:WlcqFXvq0
【午後7時】
兄「なんとか無理聞いてもらえてよかったなぁ…明日から頑張ろう」
兄「…がんばれるよな?よし…」
ふら…
ふら…
ふら…
兄「…うわっ」
どさっ
兄「い…って…!はは、妹のこと笑えないな…転んじゃった」
すっ
兄「う!」ズキ
兄「……」
兄「…突き指したかぁ…帰ったら冷やそう」
兄「大丈夫…突き指、突き指」ぐぐ…
兄「ほら治った…。さぁ、早く帰ろう…」