サザエ「急に雨が降ってきたから駅まで傘を持って行ってあげて」
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Part1
サザエ「急に雨が降ってきたから駅まで傘を持って行ってあげて」
http://hayabusa.open2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1456486607/
1 :
名無しさん@おーぷん:2016/02/26(金)20:36:47 ID:
esU
カツオ「姉さん、前々から思ってたんだけど、なんで置き傘しないの?」
サザエ「置き傘?」
カツオ「だっていつも急な雨の度に誰かが傘を持って行ってるじゃん。会社に置き傘してこればいいでしょ」
サザエ「何馬鹿な事言ってるの。余分な傘を買うお金なんてうちにはないわ」
カツオ「傘なんてコンビニで500円で買えるでしょ。ってか家族に持ってこさせるくらいならコンビニで買えばいいじゃん」
サザエ「バカな事言ってないで早く持って行きなさい」
カツオ「はぁ…わかったよ」
3 :
名無しさん@おーぷん :2016/02/26(金)20:38:26 ID:41h
コンビニあるのかあの世界?
4 :
名無しさん@おーぷん :2016/02/26(金)20:39:56 ID:obz
>>3
携帯使ってたしあるやろ
6 :
名無しさん@おーぷん :2016/02/26(金)20:47:43 ID:
esU
駅
カツオ(もう一時間も待ってるのに、父さんもマスオさんも来ないなあ…)
サザエ「カツオ」
カツオ「あ、姉さん!さっきからずっと待ってるのに父さんもマスオさんも帰ってこないんだよ!」
サザエ「ええ、急に残業が決まったらしいの。だから傘はもういいわ」
カツオ「そんな!僕ここで一時間も待ったんだよ!?そうならそうでもっと早く知らせてくれればよかったのに!」
サザエ「そんな事言ったって、天ぷらを作ってた途中なんだからしょうがないでしょ」
カツオ「はぁ…こんな時携帯があったらすぐに連絡出来たのに…」
サザエ「子供のあんたがそんな物持ってても仕方ないでしょ。そもそも携帯なんて贅沢よ」
カツオ「贅沢って…今の時代携帯やスマホは普及率が138.5%以上だってこの前ニュースで言ってたよ。むしろ持ってないうちの方が変だよ」
サザエ「うちはうち、よそはよそです。携帯なんてなくても困らないわ」
カツオ「今困ってたばかりじゃないか!」
サザエ「まあ!この子ったらなんて子なの!」
8 :
名無しさん@おーぷん :2016/02/26(金)20:57:06 ID:
esU
翌日
中島「それは災難だったねぇ」
カツオ「まったくだよ。それにしても、僕達子供はともかく大人で携帯を持っていないなんて絶対に困るだろうに」
中島「でも僕の家も誰も携帯は持っていないよ?」
カツオ「でも普及率が138.5%以上だってこの前ニュースで…」
中島「きっとそのニュースが間違ってるんだよ。僕達の知り合いで携帯を持っている人なんて殆どいないじゃないか」
カツオ「確かにそうだけど…」
ヒュー
カツオ「うう…寒い…」
中島「え?そうかな?」
カツオ「中島は何とも思わないのかよ?っていうか今思ったけど、どうして僕達こんなに寒いのに短パン履いて登校しているんだ?」
中島「そんな事今まで疑問に思った事はなかったよ」
カツオ「せめて長パンならこんな思いしなくて済むのに…」
中島「磯野。本気で言ってるの?」
11 :
名無しさん@おーぷん :2016/02/26(金)20:59:30 ID:chg
気付いてしまったか
13 :
名無しさん@おーぷん :2016/02/26(金)21:03:02 ID:
esU
翌日
カツオ(はぁ…長パンを履いているだけでこんなに寒さが凌げるなんて思わなかったよ)
カツオ(僕は一体今までなんであんなに寒い思いをしてまで毎日短パンを履いていたんだろう)
中島「よお磯野…って、磯野なんだよその恰好!あははは!」
カツオ「中島?何がそんなにおかしいんだ?」
中島「だってその恰好…もやしみたいじゃないか!あはは!」
カツオ「もしかしてこの長パンの事を言ってるのかい?一体何がそんなに笑えるんだ?」
花沢「いーそーのーくん!って、何その恰好!あはははは!」
カツオ「花沢さんまで…」
花沢「あはははは!変な格好!まるで病気の子供ね!そんな格好磯野君には似合わないわ!あははははは!」
カツオ「なんだよもう…」
15 :
名無しさん@おーぷん :2016/02/26(金)21:15:13 ID:
esU
教室
先生「それでは出席を取る」
生徒達『クスクス・・・クスクス・・・』
先生「なんだか今日は騒がしいな?」
カツオ「……」
先生「ん?磯野、なんだその恰好は?」
カツオ「いや…寒かったもんで…」
先生「はぁ…磯野、ちょっと立ちなさい」
カツオ「はい…」
生徒達『あははははははは!!!』
先生「皆静かに!」
生徒達『シーン・・・』
先生「磯野、そんな格好じゃ皆から笑われるぞ?」
カツオ「……」
先生「子供はな、寒い中でも短パンを履いて元気に外で遊ぶ物なんだ。そんな格好をしていたら病弱な子供だと思われる。わかったな?」
カツオ「……はい」
先生「明日からはいつも通り短パンで登校するように」
カツオ「……」
17 :
名無しさん@おーぷん :2016/02/26(金)21:25:17 ID:
esU
夜
家族一同『あはははは!!』
カツオ「笑いごとじゃないよ!」
サザエ「だって長パン履いてそれだけ笑われるって、だから私だって行く前に止めたのに!」
マスオ「サザエ、もうよしてやれよ。カツオくんだってたまには長パンが履きたくなることだって…あははははは!」
カツオ「皆おかしいよ!どうして長パンを履いたくらいでそんなに笑うんだよ?」
ワカメ「だって子供が長パンを履くなんて変よ」
タラオ「変ですぅ」
波平「左様。子供は冬場でも短パンを履いて外で元気に遊ぶ物だ」
フネ「その通りですよ。長パンなんて履いて外に出たら病気の子だと思われますよ」
カツオ(なんでだよ…皆何かおかしいよ…)
19 :
名無しさん@おーぷん :2016/02/26(金)21:43:55 ID:3sQ
皆何かおかしいよ…
20 :
名無しさん@おーぷん :2016/02/26(金)21:54:03 ID:
esU
数日後のある日の夜
波平「お、お!打ったー!」
カツオ「ねえ父さん。僕アニメが見たいんだけど…」
波平「アニメだと?そんな物より野球の方が面白いぞ。カツオも一緒に野球を見ないか?」
カツオ「野球なんかよりアニメがみたいよ。野球なんていつもやっているじゃないか」
波平「何を言っておるんだ。同じ試合は二回とないんだぞ?」
カツオ「そうかもしれないけどさ、ワカメやタラちゃんだってたまには野球じゃなくてアニメがみたいだろ?」
ワカメ「別に。お父さんが野球がいいって言うなら野球でいいわ」
タラオ「僕はお爺ちゃんが見たいのが見たいですぅ」
波平「そうかそうか。ほれ、タラちゃんもお爺ちゃんと一緒に野球を見よう」
タラオ「わーいですぅ」
カツオ「はぁ…ビデオが付いているテレビなら録画して見れるのに…最近のテレビは標準で録画機能が付いてるのも多いらしいし」
サザエ「何言ってるの。そんな金うちにはないわよ」
波平「ん?テレビの様子がおかしいぞ?画面が乱れて映らなくなったわい」
タラオ「壊れたんですか?」
フネ「どれ?」トンドン
サザエ「駄目ね。完全に壊れちゃったみたい。買い換えるしかないわ」
カツオ(やった!これで録画機能の付いたテレビが買えるぞ!)
21 :
名無しさん@おーぷん :2016/02/26(金)22:01:45 ID:3sQ
ちなみにあの古そうなテレビは実はハイビジョン対応済み(2000年のBSデジタル開始時に買い替えてる)
22 :
名無しさん@おーぷん :2016/02/26(金)22:08:33 ID:41h
なんか怖い・・・
23 :
名無しさん@おーぷん :2016/02/26(金)22:09:30 ID:
esU
翌日
波平「みんなー、新しいテレビを買ってきたぞー」
タラオ「わーいですぅー」
カツオ「待ってました!」
マスオ「いやぁ、とても重くてお義父さんと二人がかりでも大変でしたよ」
カツオ「これって…」
サザエ「まあ!前のテレビと同じだわ!」
マスオ「電気屋に行ったら丁度前と同じ型のテレビがあったんだ」
波平「やはりこのテレビがうちには一番似合っている」
カツオ「そんな!こんな分厚いテレビじゃ録画も出来ないじゃないか!」
波平「そんな機能なくても別に困らないだろ」
カツオ「困るよ!裏番組が見たい時困るでしょ!」
波平「そうなのか皆?」
ワカメ「困らないわ」
フネ「困りませんね」
タラオ「困らないですぅ」
波平「うむ。やはり我が家にはこのテレビが相応しいと言う事だな」
カツオ「なんだよもう…」
27 :
名無しさん@おーぷん :2016/02/26(金)22:48:45 ID:A4d
『あはははははははは!』が凄く怖い…
30 :
名無しさん@おーぷん :2016/02/26(金)22:56:44 ID:
esU
数日後
サザエ「はぁ、今月も赤字だわ」
フネ「この前買ったテレビ代が負担になったんだねえ」
サザエ「はぁ…どうしようかしらねぇ」
カツオ「パートでもしたら?」
サザエ「パート?」
カツオ「家事や育児の合間にパートをするんだよ。うちには母さんだっているんだし、今時の主婦ならパートくらいするでしょ」
フネ「カツオ!あんた何言ってるの?」
サザエ「そんな事したらタラちゃんが寂しがるでしょ!」
カツオ「いや、パートしている間タラちゃんは母さんが面倒を見れば…」
サザエ「じゃああんたはマスオさんが会社で働いている間、私には家事をほっぽり出してパートをしろって言うの!?」
フネ「妻が家を守らないんで一体誰が家を守るんだい!?」
カツオ「いや、だから母さんが…」
波平「男は仕事。女は家庭と昔からそう決まっておる」
サザエ「そうね。生活費は上手く節約して何とかするわ」
カツオ「……」
カツオ(やっぱり何か変だよ…)
31 :
名無しさん@おーぷん :2016/02/26(金)22:59:10 ID:N2L
進化を拒む呪いでもかかってんのかこの世界
33 :
名無しさん@おーぷん :2016/02/26(金)23:00:12 ID:T30
波平はまともそうに見えてボケてるな
34 :
名無しさん@おーぷん :2016/02/26(金)23:03:22 ID:
esU
ある日
波平「母さん、お茶」
フネ「はい」
波平「……」ズズズズ
カツオ(お礼くらい言っても…なんて言ったらまた変に思われるんだろうなあ…)
カツオ(男女平等のこの時代に、男は仕事で女は家庭だなんて)
カツオ(それだけじゃない。長パンの件といい、テレビの件といい…)
カツオ(何かがおかしい…)
35 :
名無しさん@おーぷん :2016/02/26(金)23:04:24 ID:OBE
おもしろい
36 :
名無しさん@おーぷん :2016/02/26(金)23:15:14 ID:
esU
空き地
中島「おーい磯野、野球しようぜ」
カツオ「悪いけど、そんな気分じゃないんだ」
中島「珍しいなあ。磯野が野球しないだなんて」
カツオ「僕だってそういう気分の時もあるさ」
中島「ふーん。まあいいや。じゃあな」
カツオ(こんな寒い中、あんな短パン履いて空き地で野球か…)
カツオ(なんで皆何かが変だって気付かないんだろう…変だって思うのは僕だけなのかなあ…)
堀川「お兄さんどうしたんですか?浮かない顔して」
カツオ「堀川くんか…ちょっと気になる事があってね」
堀川「そうなんですか。僕も最近気になる事があるんですよ」
カツオ(堀川くんの事だからまた訳のわからない事を気にしているんだろうなあ)
堀川「ワカメちゃんくらいの歳の女の子って、どうして皆いつもパンツを見せてるんだろうなあって」
カツオ(やっぱり堀川くん、訳のわからない事に興味を持っているなあ…)
堀川「大人の女の人とか、お兄さんと同じくらいの年の女の子は皆ちゃんとパンツが見えないようにしているじゃないですか。変ですよねえ」
カツオ(変…?変と言えば、僕達が履いてるこの短パンだって…)
37 :
名無しさん@おーぷん :2016/02/26(金)23:24:08 ID:
esU
カツオ「ねぇ堀川くん。それを言ったら僕らがいつも履いているこの短パンだって変だと思わないかい?こんなに寒いのにこんなのを履いているんだよ」
堀川「言われてみれば変ですよね。どうして皆長いズボンを履かないんでしょうか?」
カツオ「え…?」
堀川「え?って、どうしたんですかお兄さん?お兄さんの方から変だと言ったんじゃないんですか」
カツオ(僕が長ズボンを履いた時、他の皆は皆笑っていたのに…)
カツオ「実は僕、前に寒いのに耐えかねて長ズボンを履いて学校に行った事があるんだ。そしたら皆から笑い物にされて、先生にも病気の子と思われるからやめろって怒られたんだ」
堀川「えー!長ズボンを履いて学校に行っただけでそんな目にあうんですか!?」
カツオ「え!?」
堀川「え!?って、お兄さんの方から言ったんじゃないですか!」
カツオ「ほ、堀川くんは長ズボンで学校に登校する人がいても変だとは思わないのかい!?」
堀川「だって寒いじゃないですか。むしろこんな寒い中短パンで外を歩いてる方が変ですよ。今更になって気付きました」
カツオ「ほ、堀川くん…君はこんな事を変だと思う僕の事を変だとは思わないのかい?」
堀川「思いませんよ。というかそんな事くらいでお兄さんを笑い物にする周りの人たちの方がよっぽど変です」
カツオ「うう…うう…よかった…よかった…」
堀川「お、お兄さん!?どうして急に泣くんですか?」
カツオ「よかった…僕以外にも、僕以外にも気付いてくれた…本当に良かった…」
38 :
名無しさん@おーぷん :2016/02/26(金)23:26:30 ID:nmv
堀川くん…
39 :
名無しさん@おーぷん :2016/02/26(金)23:26:52 ID:qFp
ヤバイ印象の多い堀川くん…