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侍「道に迷ったらエルフに捕まっちまってござる」
Part10


287 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/15(木) 00:08:59 ID:dEmM67aU
エルフ「その薬草があれば、侍さんは助かりますの?」
男「断言は出来ない。毒が回って結構な時間が経過してしまっている」
男「まだ無事だということは、即効性の割にたいした効き目のない種類か、侍くんの体力がタフなのかのどちらか、あるいは両方だけど」
男「……さすがに、そろそろキツイだろうね」
エルフ「っ……!」
男「まあ、専門的な知識はないが、変わりに経験則から彼の症状には覚えがある。薬草の種類は間違っていないはずさ」
エルフ「そう……」
男(経験則、にツッコミが入らないか。相当追い詰められてるなぁ)
メイドエルフ「ーーお嬢様!」ドタドタドタ
侍「ぐっ……!」
エルフ「静かにして! 侍さんのお体に響くでしょ!」
メイドエルフ「あ、す、済みませんーーって、そう! それです! 戻ってきました!」
エルフ「え!?」
???「ぜぇ、ぜぇ、ぜぇぜぇ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ」

288 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/15(木) 00:10:07 ID:dEmM67aU
男「お、ご苦労さん。思ったよりも速かったね」
???「ぜ、全速りょく、で、とば、飛ばし、まし、たから」ゼェ ハァ ゼェ ハァ
エルフ「薬草は、薬草はどこに!」
???「」プルプルプル
男「うん、これだ。すぐに刷り潰して煎じよーー」
侍「ーーがっ!」ビクンッ
全員「!?」
侍「ぅ……ぐ、ぁ……はっ……!」
エルフ「侍さん! 侍さんしっかりなさって!」
男「いかん。メイドちゃん、早く準備を」
メイドエルフ「はい!」

289 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/15(木) 00:12:51 ID:dEmM67aU
十分後
エルフ「侍さん! 侍さん!!」
メイドエルフ「お薬の用意が出来ました!」
エルフ「早く!」
メイドエルフ「はい!」
ツー
侍「ーーごふっ!」

290 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/15(木) 00:13:24 ID:dEmM67aU
メイドエルフ「きゃっ!?」
エルフ母「吐き出して!?」
男「まずいな。自力で飲む体力も残ってないんだ」
メイドエルフ「そんな! ならどうやってーー」
エルフ「貸して!」バッ
メイドエルフ「お、お嬢様、何を」
エルフ「自分で飲み込めないのなら!」グビッ
エルフ「ーーん」
メイドエルフ「ひゃ!?」

291 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/15(木) 00:14:33 ID:dEmM67aU
侍「ーー」ピクンッ
エルフ「……」チル チュル
???「く、口移しで……」
男「ま、それが一番手っ取り早いね」
男(問題は、間に合うかどうかか)
エルフ「ーーはぁっ……」
侍「はぁ……ぐっ、かは……はぁ、はぁ」
エルフ「侍さん……!」
男「薬は飲ませた。後は、信じて待つしかないよ」
エルフ「……!」ギュッ

292 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/15(木) 00:17:05 ID:dEmM67aU
今日の分終了です。
連絡ですが、明日(ていうか今日)急用入ったせいでたぶん書けません。
続きは明後日に投下します。
毎日投下出来んかったorz

293 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/15(木) 00:22:41 ID:kykPZ/TE
おつ

296 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/15(木) 03:50:17 ID:UoxSTUW2
魔法切れないけど毒斬ってくれる僕らのサムラーイ


297 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/16(金) 20:06:37 ID:jOg4X8nA
まだかなまだかな

298 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/16(金) 21:13:51 ID:kWiT90ak
風邪ひいてしんどいので今日は短いですごめんなさいorz
ーーバタン
エルフ母「様子はどう?」
メイドエルフ「まだ良くありません……」
エルフ母「そう……」
男「あの薬草も即効性のあるものだが、その分強力だ。苦しんでいるのはそのせいでもあるんだろう」
男「ともかく、今は彼を信じて、君達は休むことだよ」
男「彼が快復したら、次はあの子がダウンするよ。一睡もせずに付きっきりで看病しているんだから、疲労も溜っているだろう」
メイドエルフ「それもそうですね」

299 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/16(金) 21:15:22 ID:kWiT90ak
???「あの」
男「何だい?」
???「ちょっと……」
男「ふむ。済まない、少し外すよ」
エルフ母「どうぞ」
スタスタスタ バタンーー
メイドエルフ「結局、ご主人様とあの人のご関係って……」
エルフ母「後で話すわ」

300 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/16(金) 21:17:43 ID:kWiT90ak
男「で、報告の内容は?」
???「もうわかっているんでしょう? エルフの軍勢が、我が国の砦に侵攻を開始したんです。ですから」
男「あー。そういえばお触書にもそんなこと書いてたねー」
???「そんな呑気に言うことですか! すぐ国に戻って下さい!」
男「だーいじょぶ。僕がいなくても、将軍がいれば楽勝だよ」
???「ま、まあ将軍は確かに戦上手ですが」
男「でしょ?」
???「しかし、だからといってあなたが戻らなくていいという話にはなりません!」
男「君、将来ハゲそうだね」
???「ハゲ……誰のせいですか誰の!」

301 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/16(金) 21:18:37 ID:kWiT90ak
男「とにかく、僕はもう少しここにいる。せめて、侍くんの無事を確認するまではね。君だって気になるだろ?」
???「……それは、まあ」
男「はい、決まり」
???「うう……いつもこうやって振り回されるんだ……」
男「僕の代で騎士団に入った自分の不運を呪うんだね」
???「自分で不運とか言わないでくださいよ」
男「はっはっはっ。じゃ、戻ろうか」

302 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/16(金) 21:20:50 ID:kWiT90ak
数時間後
侍「……」スー スー
エルフ「……はぁ」
メイドエルフ「失礼いたしまーーあ、寝息が」
エルフ「ええ。ついさっき呼吸も安定しましたわ」
メイドエルフ「ということは、峠は越えたんですね! よかったです!」
エルフ「本当に」フキフキ

303 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/16(金) 21:21:28 ID:kWiT90ak
メイドエルフ「さすがに凄い汗ですね。新しいタオルお持ちします」
エルフ「ええ、お願い」
侍「……」スー スー
エルフ「本当に……よかっ……た……」
メイドエルフ「お嬢様、タオルをお持ちしま……あら」
侍「……」スー スー
エルフ「……」スー スー
メイドエルフ「ふふ。毛布も持ってこなくちゃ。それにしても」
エルフ「うーん……」ギュッ
メイドエルフ「しっかり手を握っちゃって。本当にベタ惚れなのね」

304 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/16(金) 21:25:57 ID:kWiT90ak
すみません今日これだけです……。早めに治してまたいつもの量投下できるようにしたいので今日は休みます。

305 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/16(金) 21:36:57 ID:ZflDGNZs
乙でした
ゆっくり治してね

306 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/16(金) 22:19:20 ID:OWgcK1R6

無理はしないようにね

307 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/16(金) 23:40:04 ID:M5/3rHw2

お大事に

308 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/18(日) 20:02:11 ID:QsQ9L7Uc
ちょっと復活したからまた短め投下。
翌朝
エルフ「……ん」ピク
エルフ「うーん……」ムクリ
エルフ「やだ、寝ちゃってーーあら?」キョロキョロ
エルフ「侍さんがいない……!?」
ガチャッ
メイドエルフ「あ、おはようございますお嬢さーー」
エルフ「侍さんはどこですの!」
メイドエルフ「ああ、お侍様でしたら外の空気を吸いたいと言ってーー」
エルフ「外ですわね!?」ダッ
メイドエルフ「あ」
バタンーー
メイドエルフ「……やっぱゾッコンだわ」

309 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/18(日) 20:03:13 ID:QsQ9L7Uc

ガチャッ
エルフ「侍さん!」
侍「……」
エルフ「あ……」
エルフ(岩の上で、黙想……)
侍「ーーふぅ」
エルフ「っ」
侍「どうした。そんなに慌てて」スタッ
エルフ「……」ポロ
侍「は? え、ちょっ」

310 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/18(日) 20:04:54 ID:QsQ9L7Uc
エルフ「……う」ポロ ポロ
侍「いやいやいや待て待て」
エルフ「ーーうえぇぇぇぇん!」ガクッ
侍「子供か! いやそうじゃなくてどうした? 何で泣く?」
エルフ「だ、だって、うぅっく、侍さんが」
侍「俺!? な、何かしたか?」
エルフ「あたし、あたしのせいで、ひっく、でもやっと無事で、うぅ、うわあああああん!」
侍「あー……悪かったよ。心配かけた」ナデナデ
エルフ「違うの! 悪いのあたし、なのに……うえぇぇぇ!」ダキッ
侍「よしよし」ナデナデ
侍(あたし?)

311 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/18(日) 20:05:58 ID:QsQ9L7Uc
数分後
エルフ「ぐす……」
侍「落ち着いたか?」
エルフ「……うん。大丈夫」
侍「悪かったな。まさかそんなに心配かけてたとは思わなかった」
エルフ「あ、あなたは悪くないわよ。あたしが油断してたから」
侍「……さっきも思ったんだが、口調がいつもと違うぞ」
エルフ「へ? あっ!」ハッ
侍「ひょっとして、そっちが素なのか?」
エルフ「……うん」

312 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/18(日) 20:07:21 ID:QsQ9L7Uc
侍「何でまた口調を変えて」
エルフ「その……笑わない?」
侍「? あ、ああ」
エルフ「子供の頃に読んだ読み物語に出てきた誇り高い姫君の影響、というか、あやかってというか……」カァッ
エルフ「その……物語の中で強い女性として描かれていたから……」
侍「自分もそうなりたかった、か」
エルフ「……」コクン
侍(そんな小さな願掛けでも、試さずにはいられなかったか。それとも、別に何かきっかけが?)

313 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/18(日) 20:09:36 ID:QsQ9L7Uc
エルフ「その、理由はメイドエルフしか知らないことだから」
侍「わかってる。他言はしないさ」
エルフ「……ありがと」
ガチャッ
???「あ、二人ともこんなところ……に……」
侍「ん?」
エルフ「あら、あなたは」

314 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/18(日) 20:10:16 ID:QsQ9L7Uc
???「あ、えーと、その……お邪魔してすみませんごゆっくり」バタンーー
侍「なんだ?」
エルフ「あ」
エルフ(さ、さっきからずっと抱きついたまま!?)カァッ
侍「なあ」
エルフ「ひゃい!?」バッ
侍「あいつ、誰?」
エルフ「え? あ、ええ。彼は……」
エルフ「……気にしてなかったけど、そういえば誰なのかしら?」

315 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/18(日) 20:13:03 ID:QsQ9L7Uc
騎士「騎士ですよ! 前に一回会ったことあるじゃないですか!」
エルフ「……?」
侍「……?」
騎士「ほら! 国境での戦のときに!」
エルフ「……ああ」
侍「そう言われればいた……ような気がしないこともないような気がしないでもない」
騎士「それつまり覚えてないってことだよねちくしょー!」
男「あっはっはっはっはっ!」
騎士「あんたが笑うな!」

316 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/18(日) 20:14:40 ID:QsQ9L7Uc
メイドエルフ「あの、一つよろしいですか?」
男「何かな?」
メイドエルフ「今ふと気になったんですけど。その騎士?様は男様の配下の方と仰られていましたよね」
騎士「あれ、何で私の名前が疑問系になってるんだろう」
メイドエルフ「で、彼は地味ですが隣国の騎士団所属だと。地味ですが」
騎士「地味って二回言った」
メイドエルフ「騎士団所属の方を配下だというあなたは、一体何者ですか?」
エルフ「あ……」
侍「そう言われれば……」
エルフ母「……」
男「ふむ。まあ、そろそろいい頃かな」
エルフ「いい頃?」

317 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/18(日) 20:16:11 ID:QsQ9L7Uc
男「騎士くん。帰国の準備をしよう」
騎士「あ、はい! よかった、やっと帰れる……」
エルフ「ち、ちょっと! まだ何も答えてないじゃありませんの!」
男「知りたいんなら、君たちも着いてくるといい。口で説明しても、信じてもらえるかわからないし」
侍「着いてこいって、隣国までか?」
メイドエルフ「でも、確か今は……」
男「うん。今は僕たちの国とエルフの国が国境で睨み合っているね」
男「けど大丈夫。ここからほど近くに、エルフ軍の警戒網の穴となっているルートがあるんだ」

318 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/18(日) 20:17:24 ID:QsQ9L7Uc
エルフ「そこを通れば、安全に隣国まで行けると?」
男「そういうこと。どうする? このまま隠れ続けるのも限界があるでしょ」
エルフ「それは……」
男「強制はしないけどね。ただこのまま残っても、事態は好転しないことは確かだ」
エルフ「……」
男「そして、君もどうするんだい?」
侍「何がだ」
男「おや、淡白な態度。もう腹は決まってる?」
侍「決まってるけど決まってないな」
メイドエルフ「どういうことです?」
侍「こいつが行くのなら俺も行く。その逆もまた然りだ」
エルフ「え……」