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男「ホラーアプリ?」
Part1

男「ホラーアプリ?」
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1 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/12/05(水) 03:07:27 ID:X49c9lmc
男「なんだこりゃ」
男「えっと…? これは、ホラー好きの貴方の元に恐怖を届けるアプリです。心臓の弱い方はーーーよくんからんな」
男「まぁ無料だしインストールしてみるか」
男「ほいっ、と」ピッピッ
男「お…進みはえーな」
男「何々…体感したい恐怖を選んでください、か」
男「貞子にメリーさん、さっちゃん…いっぱいあるけど有名所ばっかじゃねーか」
男「とりあえず貞子にしとくか」ピッピッ

2 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/12/05(水) 03:11:35 ID:ilhEarLI
男「ローディングなげぇ」
ズズズ…
男「ん? 画面が黒く…」
貞子「よいしょっと」ズイッ
男「!? うぉっ!」パッ
貞子「いたい!」バタン
男「え、ごめん…は?」
貞子「急にスマホ落とすなんてひどいです! ただでさえ出るの大変なのに!」グスッ
男「は、はぁ」

3 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/12/05(水) 03:16:38 ID:r9Hs7TdY
男「ーーつまり…お前の名前は貞子。俺がアプリで選んだから出てきたと」
貞子「まぁそうなりますね。理解が早くて助かります」
男(いや、微塵も理解できてないんだけど)
男「それで俺の事呪い殺したりとかするわけ?」
貞子「えっ…そういうの引きます」
男「えっ」
貞子「殺すとか簡単に言いますけと、犯罪ですよ?」
男「えっ」

4 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/12/05(水) 03:21:47 ID:UGIsdZBI
貞子「有料版の『なんちゃって呪術』でも死にませんし」
男「なにそれ」
貞子「ちゃんと説明最後まで読まなかったんですかー? これだからゆとりは…」
男「」イラッ
貞子「まぁ簡単に言うと、課金すれば呪いを体験できる機能ですね」
男「…車にひかれるとか?」
貞子「いえ、身体の節々が痛んだり…足の小指を角にぶつけやすくったり」
男「ただの嫌がらせじゃねーか!」

5 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/12/05(水) 03:28:22 ID:P/IivoXI
男「んなメリット皆無で金払う奴いんのかよ」
貞子「ふふふ…」
男「なんだよ…」
貞子「残念ながらボロ儲けです。最近の人間は刺激に飢えてるんでしょうね」ドヤァ
男「…へぇ」イラッ
貞子「貴方は草食系の真性ビビリみたいなので興味ないのかもしれませんが…プッ」
男「」ガシッ
貞子「え、何するんでs…痛っ、頭掴んで何を…ちょっ! 画面に無理矢理押し込まないで下さい! ごめんなさいやめて!」

6 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/12/05(水) 03:31:33 ID:uzWv7NRI
貞子「申し訳ありませんでした」ドケザー
男「わかればいい」
男「で、いつ帰るの?」
貞子「帰れません」
男「は?」
貞子「この無料版の試用期間を終えるまでは帰れません」
男「それこそ呪いじゃねーか! ふざけんな!」
貞子「ひどい!」

7 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/12/05(水) 03:36:22 ID:Sy/MX2bY
男「で、期間てのはどんくらいなの?」
貞子「丸一日ですね。既に1時間経過してるので後23時間」
男「なげぇ…学校休みで良かったわ」
貞子「……」キョロキョロ
男「? どうした」
貞子「年頃の男子の部屋にはエロ本なるものが存在すると聞きました」
男「どこで聞いたのか知らんが即刻忘れろ」
貞子「あ、これかな」ピラッ
男「聞け!」

8 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/12/05(水) 03:41:21 ID:QDYCeyFM
男「てゆうかそれ、ただの漫画だし」
貞子「おぉ…かっこいい…。ほら、見てください! 手から炎のようなものが!」
男「それ俺のだから」
貞子「闇の炎に抱かれて消えろ」キラッ
男「……」
貞子「…かっこいいですか?」
男「…うん、そうだな」
貞子「そのゴミを見下すような目、やめてくれませんか」

9 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/12/05(水) 03:44:30 ID:/deSS.uI
男「今となっちゃどうでもいいだけどさ」
貞子「はぁ」パラパラ
男「無料版にはどんな機能があんの?」
貞子「へぇ」パラパラ
男「有料版は呪いとかあるとは聞いたけど」
貞子「ふーん」パラパラ
男「……」
貞子「ほぇー」パラパラ

10 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/12/05(水) 03:48:38 ID:NRBm.Zvg
貞子「い、いたいです…」ヒリヒリ
男「なら一先ず漫画を置け。後でいくらでも読ませてやるから」
貞子「本当ですか!?」パァァ
男「あ、うん…」
貞子「嬉しい…っ」ニコッ
男「っ!」ドキッ
貞子「あ、そうそう。無料版の機能でしたね!」
男(くそっ…こいつのペースに巻き込まれるな俺…!)

11 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/12/05(水) 03:54:19 ID:iRRzR/bQ
貞子「ーーといった感じですね」
男「予想通りクズアプリだった」
貞子「ひどい!」
男「なんだよ後ろから驚かすとか、肩揉むとか。幼児のお遊戯会じゃねぇんだぞ」
貞子「そんな事わたしに言われても…」シュン
男「……はぁ」
男「まぁいいや。これも何かの縁だし」
男「飯でも食いに行こう」

12 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/12/05(水) 04:00:07 ID:nhGNXyj2
貞子「ま、待ってください男さん…っ」キョロキョロ
男「挙動不審すぎるだろお前…」
貞子「だって外にでるのとか…その、初めてで」
男(そもそも名前教えたっけ…?)
男「初めて…って…。ほら」パッ
貞子「え…と、これは?」
男「手、繋いどけ。ここらへん割りと車通り多いからな」
貞子「…ありが、とう…ございます」

13 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/12/05(水) 04:06:40 ID:d7sNLvRE
ー昼・ファミレスー
男「決まったか?」
貞子「うーんうーん…」
男「メニュー決めるだけで頭抱えるって…」
貞子「それより、ごちそうになっていいんでしょうか。ただではないでしょう?」
男「…一期一会ってあるだろ? 記念だ」
貞子「…男さん」
男「ん?」
貞子「とても臭いです」
男「後で全部吐かせてやるからな」

14 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/12/05(水) 04:10:31 ID:OBrZhfS2
貞子「ごちそうさまでした」
男「あいよ。ほら、アイス食っとけ」
貞子「あ、どもです」
男「…お前、外出るの初めてって言ったよな」
貞子「おいしー……はい…確かに」
男「普段、どんな生活してんだよ」
貞子「…生活も何も、わたし達はこの為だけに造られたので」
男「?」

15 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/12/05(水) 04:13:38 ID:00mH/i6s
貞子「だから呼び出しのない時は暗い部屋で待機してます」
男「……」
貞子「…あ、こういうのって言ったら駄目なのかな。すいません」
男「いや…」
貞子「……」
男「…寂しくないのか。一人で」
貞子「……」
貞子「寂しくないと言えば嘘になります」

16 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/12/05(水) 04:16:44 ID:PAx.qar2
貞子「でも、そういうものなんです。わたし達は」
男「…そうか」
貞子「…おいしかったです」
男「あぁ」
貞子「そろそろ帰りますか?」
男「……」
貞子「男さん…?」
男「まだ寄る所あったわ」

17 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/12/05(水) 04:19:58 ID:WsM8ghXk
貞子「ここは…噂の公園!」
男「噂って程じゃないけどな」
貞子「なんでも楽しい乗り物がたくさんあるという」
男「あながち間違ってないが…」
貞子「…む、むむ…」
男「あぁ、それは腰掛けて足を浮かすと…」
貞子「し、知ってましたし! 本で読んだし!」
男「……」

18 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/12/05(水) 04:24:53 ID:.IBj7XBw
男「暗くなってきたな」
貞子「わたし達は暗くなってからが本番なんですけどねー」
キィ-、キィ-
男「そろそろ帰るぞ」
貞子「…はい」
男「…そんな顔すんな。家で漫画とか貸してやるから」
貞子「…そうですね…! では帰りましょう、わたし達の家へ」
男「いつからお前の家になったよ」

19 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/12/05(水) 04:28:03 ID:Dr3TVlMU
男「一応聞いてみるけど」
貞子「なんでしょう?」キョトン
男「お前って料理した事あんの?」
貞子「で、ででできますよそれくらい!」
男「…得意料理は?」
貞子「と、くい…料理? そ、そそそ」
男「そ?」
貞子「そ、そ…変態!」
男「なんで!?」

20 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/12/05(水) 04:31:20 ID:YBPruh86
男「もういいよ俺作るし。漫画でも読んどけ」
貞子「はーい」
男「全く…」トントン
貞子「……」ジィー
男「…なんだよ」トントン
貞子「手慣れてますね」
男「一人暮らしも長いからな」ジュウー
貞子「おぉ…」
男(面白いなこいつ)