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おそ松「ワンクリ詐欺に引っ掛かった」
Part4


66 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/05/08(日) 18:07:05.03 ID:T+bP9DcDO
チビ太「お前らさぁ、そろそろ働こうとかなんねーの?」
おそ松「ん?なんで?」キョトン
チビ太「なんでって…親からも見捨てられたんだし自立するしかねーだろ?」
おそ松「それはまぁそれとしてさ。ビールおかわり!」
チビ太「バーロー!!こちとらマジメに言ってんだぞ!?」ダンッ
おそ松「サンキュー」キュポンッ トクトク
チビ太「おめぇら、いつまでもオイラが優しくしてやると思ったら大間違いだぞ!」
おそ松「(めんどくせ)」
カラ松「……チビ太の言う通りかもな」コトン
おそ松「は?」

67 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/05/08(日) 18:09:30.43 ID:T+bP9DcDO
カラ松「いろいろあったがなんだかんだとリセットした訳だ…」
チョロ松「リセットって…無職童貞にホームレスがプラスされただけだろ。なんも清算できてないから」
トド松「まぁ一応、業者とは縁を切れたからね〜」モグモグ
カラ松「これはもしかしたら自分たちをリニューアルするチャンスかもしれないぜ?」
トド松「ここまで落ちて、まだ夢見ちゃうなんて、ほんとイッタいよねー?」パクッ
カラ松「落ちるとこまで落ちたら、あとは上がるだけさ?」ニッ
おそ松「あ、イタタタタタ!!イタい!!肋骨擦れた!!」ジタバタ
一松「耳障りでうざってぇ…」イライラ
十四松「チビ太ーおかわりー!」スッ

68 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/05/08(日) 18:10:13.81 ID:T+bP9DcDO
チビ太「カラ松!いいこと言うじゃねーか!」
カラ松「まぁな?」フッ
チビ太「変わる気があるっつーんなら、オイラんとこで修行するか?」
カラ松「い、いや、それはいい。チビ太のおでんへの情熱にはかないそうにないからな?」アセアセ
チビ太「てやんでぇ!!オイラに勝とうなんざ100年はえーや?」
カラ松「ハ、ハハハ…」ヒクヒク

69 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/05/08(日) 18:10:48.24 ID:T+bP9DcDO
おそ松「え?なに!カラ松、マジで働く気?」
カラ松「…というより実はもう働いてるんだ」
チビ太「おっ!えらいじゃねーか!?」
チョロ松「えー!?ウソ!?カラ松に先越された!?」
十四松「カラ松兄さん、どこで働いてんの!?」
カラ松「これさ」スッ
一松「あ?携帯がどうしたんだよ?」
カラ松「フンッ…業者に支払う為に派遣会社に登録してたのさ」
チョロ松「あーなんだ、派遣か…ならセーフ」
トド松「…派遣かぁ」
一松「派遣って働いてる内に入るの…?」
十四松「アウトー!!」ブッブー
カラ松「」ズーン
チビ太「いや、落ち込むなって!ニートより100倍マジだから!?」アセアセ

70 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/05/08(日) 18:11:27.44 ID:T+bP9DcDO
チビ太「ま、そーゆーことなら応援してやらぁ?景気付けにたんと食いやがれ!」コトン
おそ松「お、あんがと!」パクッ
チビ太「てめぇじゃねーやい!バーローチクショー!?」
カラ松「フンッ…孤独と戦い、静寂に佇む日々に身を投じるのも悪くなさそうだ」
トド松「なにその気になってんの?カラ松兄さんが自立なんて出来っこないって?」
おそ松「そうだぞ、カラ松!」
チビ太「いーや、そんなこたぁないぜ!カラ松もお前らもその気になりゃ自立くらい、どうってことねぇや!」
チョロ松「そ、そうかな…」
トド松「まぁ僕はね〜?」
チビ太「おう!だから心機一転、バイトでも派遣でも始めてみやがれ!」
カラ松「フッ…運命の分かれ道、だな」カランッ
チョロ松「……」
トド松「たしかに何しようにもお金がないとダメかぁ…」
おそ松「ちっ…」

71 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/05/08(日) 18:11:56.61 ID:T+bP9DcDO
おそ松「チビ太!それ本気で言ってんの?」
チビ太「あ?」
おそ松「この二人見ても自立出来ると思う?」
一松、十四松「」ジーッ
チビ太「……」
一松、十四松「」ジーッ
チビ太「……」
一松、十四松「」ジーッ
チビ太「ま、まぁなんとかなんじゃねーかな?」ヒクヒク
おそ松「はい、ウソだね!!今、適当に言ったよね!?なんかいい話みたいにしようとして無理くりやってるよね!?」ガタッ
チビ太「そ、そうじゃねーよ…。オイラはただお前らを心配して……」
おそ松「じゃあ説教とかやめてくれる!?大きなお世話だから!?タダ飯食わして酒飲ましてくれたら、それでいいから!?」
チビ太「おめぇらがそれでよくてもオイラは破産だ、バーロー!?」
ギャーギャー ギャーギャー

72 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/05/08(日) 18:13:35.90 ID:T+bP9DcDO
〜〜〜〜〜〜
おそ松「ういー…ひっく!チビ太のバーローめ!なぁ〜にが自立だ、ざけんじゃねぇよ…」フラフラ
おそ松「カラ松もその気になりやがって…挙げ句にチョロ松が一緒になって自立するとか言い出して……みーんな仲良くアルバイト?」
おそ松「あームッかつく!!」ガンッ
おそ松「俺ぁ働かねーぞ!!生涯ニート宣言だ、バカヤロー!!」ゴロンッ
おそ松「あ゙〜コンクリートが冷たくてきもち〜」ダラァァン
おそ松「ぐがー…ぐごー…」スヤスヤ

73 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/05/08(日) 18:15:01.18 ID:T+bP9DcDO
〜〜〜数年後〜〜〜
チョロ松「はい、それじゃ久しぶりの松野家勢揃いを祝して…かんぱーい!!」
チンチンッ チンチンッ
松造「いやー!それにしてもお前たちがこんなに立派になるなんてな!めでたい、めでたい!」
松代「今でも信じられないわぁ?あのダメクズニートたちが自立して帰ってくるんだもの?」
チョロ松「もー母さんも父さんもやめてよ!昔の話でしょ?」
カラ松「あのワンクリ詐欺の一件から早数年か。時の流れは凄まじいものだぜ」
チョロ松「そうだねー!一回バラバラになっちゃったけど、こうやって元通りになれてよかったよ!」

74 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/05/08(日) 18:16:32.78 ID:T+bP9DcDO
松造「カラ松は今、どんな仕事に就いてるんだ?」
カラ松「フッ…しがないバーテンさ」
トド松「ひゅー!かっこいい!」
カラ松「よせよ、まだまだ修行の身さ」
一松「気取ってんじゃねーよ…」グビッ
松造「一松はなにしとるんだ?」
一松「え?お、俺は…ペットシッター…」
チョロ松「ペットシッター?」
一松「ペットを預かって世話する仕事…」
松代「あら、立派じゃない?あの一松がねぇ?」
一松「う、うん…」グビッ
カラ松「褒められてよかったじゃないか?」ポンッ
バキィィィィッ ボガァァァン!
トド松「あ、カラ松兄さんが飛んでった」

75 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/05/08(日) 18:17:13.00 ID:T+bP9DcDO
チョロ松「トド松はなにしてんの?」
トド松「ん?僕はね…ヒモのヒモ」
チョロ松「は?」
松造「紐を作ってるのか!」
松代「違うわよ、お父さん。干物を作ってるのよね?」
トド松「んーん。友達が社長令嬢引っ掛けてさ、その友達と仲良くして一緒にタカってんの」
松代「まぁ立派なお仕事じゃない?」
松造「トド松はウチの稼ぎ頭になりそうだな!」
チョロ松「いやいやいやいや、それってとどのつまりはニートだよね。クズ度が増しただけだよね」
トド松「ニートじゃないもーん?友達の彼女専属のファッションコーディネーターやってるもーん?」
一松「肩書きだけもらって給料泥棒してんのか…あざとい奴…」
カラ松「服や身に付けてる物がブランド一色なのは気になってたが…どうりでな」フムフム
トド松「えへへー?いいでしょー?十四松兄さんもうらやまし……」チラッ
十四松「」バクバクムシャムシャ
トド松「うわー…聞いてないや。マイペースだね、相変わらず?」

76 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/05/08(日) 18:17:53.05 ID:T+bP9DcDO
十四松「はい!はい!僕ね、アレやってるよ!アレアレ!!」
松造「お、十四松なのに働いてるんだな!えらいぞ!」
松代「あら〜十四松だから……ボットン便所のウンコ掬いとかかしらぁ?」
チョロ松「息子のイメージひどいな」
十四松「そうだよ!!」キラキラ
チョロ松「合ってたよ!!親ってスゲー!?」
トド松「ゔえ゙〜…な、なにそのクッサイ汚れ仕事?聞いただけで吐きそう……」ウプッ
一松「ほんとにそんな仕事あんのかよ…?」
十四松「あるよ!地主のお婆さんに頼まれて一回10万でやってるよ!!」
カラ松「ほう…地主の世話になってるのか。つまりトッティと同じくヒモという訳だな」
トド松「ハァァ!!?ウンコ掬いとファッションコーディネーターを一緒にしないでくれる!?同じヒモでもぜんっぜん違うから!?主に清潔感とかね!?」
十四松「月収300万!!」
トド松「アァァァ負けたぁあああ!!ウンコ掬いよりヒモのランク下がったぁあああ!!」ガクッ
一松「ダッサ…」
トド松「うるさいよ!うるさいんだよ!不審者みたいなツラして平凡な職に就いちゃってさ!?」
チョロ松「いや、別にいいじゃん。なんも悪くないでしょ」

77 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/05/08(日) 18:18:48.00 ID:T+bP9DcDO
松造「チョロ松、お前は何をしとるんだ?」
松代「チョロ松は…きっとクソつまらない仕事ねぇ」
チョロ松「クソつまらないってなに?逆にクソおもしろい仕事なんてあるの?」
松造「まぁまぁ母さん、仕事してればなんでもいいんだから?」
松代「どうせ普通のサラリーマンでしょう?聞いたっておもしろくないわよ」
チョロ松「その通りだけど冷たすぎない!?」
松代「だってせっかく酒の席なのに肴にもならない退屈な話、聞いてらんないじゃない?」グビッ
チョロ松「じゃあもういいよ!黙ってりゃいいんだろ!!」

78 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/05/08(日) 18:19:30.37 ID:T+bP9DcDO
松造「そうだ!おそ松!お前はどうしたんだ?」
松代「そうよ〜。あんたも長男なんだからいい就職先、見つけたんじゃないの?」
チョロ松「はいはい、どうせ僕はつまんないですよ…けっ!」グビグビ
カラ松「フンッ…やはりトリは長男に託さなければな」キランッ
一松「誰も期待しちゃいないけど…」
十四松「おそ松兄さん、ビッグなカリスマになれた!?レジェンド!?レジェンド!?」
トド松「もったいぶらずに言ってよ!はやく〜?」クルッ
シーン
カラ松「……」
一松「……」
十四松「……」
トド松「……」
チョロ松「……」

79 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/05/08(日) 18:23:34.28 ID:T+bP9DcDO
松造「そういや……いなくね?」
松代「あらま。どこ行っちゃったのかしらね」
松造「いや、どこというか…最初っからいなくね?」
松代「いなかったわねぇ」
松造「お前たち連絡しとらんのか?」
チョロ松「え?いや、さぁ?」
松造「さぁ?…さぁってなんだ?」
チョロ松「まぁ…僕はちょっとアレだったし…カラ松、知ってる?」
カラ松「ん?ンゥゥ…俺もアレがアレでな。一松は何か知ってるか?」
一松「知らねーよ。俺に振るな、クソ松」
松造「じゃ、じゃあ十四松とトド松はどうだ!」
十四松「僕、あの日から一回も会ってないよ!!」
トド松「たぶん死んだんじゃない?」
松造「そ、そうか…」
松代「死んだんならしょうがないわね」
トド松「うん、しょうがないね」パクッ
チョロ松「しょうがないで済ましていいのかな…」
カラ松「そういえばチビ太の屋台を出た後、一人ふてくされて、どっかに行ってしまったような…」
一松「…深く考えない方がいいんじゃないの?」
十四松「なんでなんで!?」
一松「いや、だって……あの日、わりと寒かったし…夜だし……パーカー一枚で酔っぱらったホームレスが辿る末路って……」
全員「……………」
松造「よし、やめよう。楽しく飲もう!」
全員「」コクコク

80 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/05/08(日) 18:24:05.28 ID:T+bP9DcDO
ワイワイガヤガヤ
ドンチャン ドンチャン
十四松「あ、そーれっ!!あ、そーれっ!!ウリャウリャホイホイホイ!!」グルグルグル
一松「ギェッヘッヘッへ!!フヒィッフヒィッ!!ダバババババババ!!!」ゲラゲラ
カラ松「おい!一松、飲みすぎじゃないか?」
トド松「一松兄さん、酔うとゲラだったんだね」
チョロ松「ゲラっていうかストレス溜まってるだけじゃないかな、これ?精神、病んでないと説明つかない奇声あげてるし」
松造「いやーまたこうして家族みんなでワイワイやれるとはなぁ!わしらは幸せもんだ!」ニコニコ
松代「そうねぇ、家族っていいわねぇ」
バァンっ!!!
全員「」ビクッ

81 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/05/08(日) 18:24:59.31 ID:T+bP9DcDO
チョロ松「び、びっくりしたぁ〜…なに……あっ」ハッ
カラ松「…お、お前は!」ガタッ
一松「兄さん…生きてたの?」ジトッ
十四松「え!?あ、ほんとだぁー!!兄さんだぁ〜!!」ピョンピョン
トド松「も…も〜!兄さんったら遅いよ〜?みんな兄さんの話で盛り上がってたんだから〜?」アセアセ
松造「今までどこで何を……」
松代「あら、まだくたばってなかったの?しぶといわね?」
チョロ松「母さんやめて!!今は空気読んで!?」

82 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/05/08(日) 18:26:08.90 ID:T+bP9DcDO
松造「いやしかしよかったな!兄弟もみんな揃って今度こそ家族が一つになった!」
松代「さ、あんたの分の料理とお酒もちゃんと用意してあるのよ?」カチャカチャ
チョロ松「ほら、遠慮しないで座って!」サッ
カラ松「乾杯…俺は生きてると信じてたぜ。ブラザー?」カンッ
一松「にしても雰囲気変わったな…もちろん良い意味で」ジッ
十四松「ほんとよかったぁー!!やっぱ兄さんがいないとハッスルしないよ!!」
トド松「なにはともあれ…おかえりなさい!」キュルンッ
「「「「「「「新おそ松兄さん!!!!!!」」」」」」」
聖澤庄之助「」チョコン
おわり

83 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/05/08(日) 18:28:14.54 ID:T+bP9DcDO
〜〜〜数年前〜〜〜
TV『本日のニュースです。情報商材を扱う世界的超一流IT企業の会長、ミスターフラッグが人身売買に手を染めていると嫌疑をかけられました』
TV『ミスターフラッグは以前からアフリカやカナダ、オーストラリアの難民を買い付けていたと見られ、所有していた難民や取り引きに関わっていた役員の消息は不明』
TV『警察はフラッグ系列の飲食店を中心に捜査を進めております』
TV『続いてのニュースです。東京都赤塚区で住所不定無職の男性が刃物を持ってコンビニを襲撃し、店員から20万相当の現金を奪って逃走した事が分かりました』
TV『その後、数多の目撃証言を手掛かりに発見され、無事、逮捕されました』
TV『取り調べによりますと容疑者は「ワンクリ詐欺に引っ掛かったせいでこうなった」などと供述しており……』
お粗末!