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おそ松「また借金?」
Part8


113 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/04/03(日) 22:52:15.73 ID:wYPeNomDO
金貸し「さぁ橋本さん、行きましょうか」
橋本ニャー「く、来るにゃ!!来るにゃー!?」イヤイヤ
一松「やめろ…」ズイッ
金貸し「……?」
橋本ニャー「ど、ドブ猫…」
一松「教祖様に近付くな…」
金貸し「なにか…勘違いしてませんか?」
一松「?」
金貸し「松野……えーと」
一松「い、一松ですけど…」
金貸し「あぁ、はいはい。一松さんね。あなたも来るんですよ?」
一松「へ?」
金貸し「外に車を止めてありますから」
一松「いや、ちょっと待て」
金貸し「はい?」
一松「なんで?なんで僕もなの?」
金貸し「なんでって…そういう契約ですから?」
一松「契約?」
金貸し「はい」
一松「……いや、わからん」
金貸し「時間がありませんので?」グイッ
橋本ニャー「は、離すにゃー!!なんやかんやでゆくゆくはイケメンをはべらすニャーの夢がぁぁぁ!!?」ズルズル
一松「た、助けてー!!怖い!!スゲー怖い!!神様ー!!」ズルズル

122 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/04/04(月) 21:50:55.74 ID:zIeYhUUDO
居酒屋
チョロ松「また拐われた!?」
十四松「一松兄さん!?」
おそ松「そっ!つまりあいつも借金してなかったってこと」
チョロ松「じゃあ…あいつもタコ部屋に…?」
カラ松「おそらくな」
チョロ松「…そ、そんな」ガクッ
おそ松「借金も1千万の大台に乗ったよ。これで利息は10日100万」
チョロ松「ひゃ、ひゃく……どうやって返すんだよ!?」ブルブル
おそ松「どうやって返すんだろーな?」
チョロ松「も、もうイヤだ!!こんなの耐えられるか!!」
おそ松「大声出すなよ!他の客がじろじろ見てんだろ!」
チョロ松「闇金に返済義務なんかないんだ!!あんなヤツ無視しとけばいいんだよ!?」
カラ松「無視したところで結果は目に見えてるぜ…」
チョロ松「じゃあ警察だよ!?二人もいなくなったんだからいい加減、動くだろ!?」
カラ松「債務者は無職のおそ松だぞ」
チョロ松「それがなに!?」
カラ松「警察も所詮、人を見て選ぶ。ニートの借金問題になんか構わないだろうさ」
チョロ松「だったらネットで拡散して無理やり事件にすればいいんじゃない!?大きく出回ればマスコミだって取り上げて……」
カラ松「奴のバックには赤塚組が付いてる」
チョロ松「!? 赤塚組ってヤクザ…!?」
カラ松「下手に大事にすると何をされるか分からないぞ」
チョロ松「なんなんだよ……なんでなんだよぉ……」ウルッ

123 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/04/04(月) 21:51:21.11 ID:zIeYhUUDO
チョロ松「もうダメだ、おしまいだぁ…!次は僕が拐われるんだ…!」ガタガタ
おそ松「……」
十四松「ぼ、僕!もっと頑張って売る!そしたら1千万なんてちょちょいのちょいだよ!」アセアセ
チョロ松「なんでこうなったんだよぉ…!僕らがいったい何したって言うの…!?」ガタガタ
カラ松「…残りの仕事を片付けなきゃならないから先に帰るぞ」ガタッ
おそ松「じゃあ俺も……」
カラ松「兄貴は残れ。チョロ松をそのままにしておけないだろう」
おそ松「はぁ?なんだよ、それ!こいつの愚痴に付き合えっての!?」
カラ松「腐っても長男だろ?」
おそ松「歳はおんなじだっつの…」
カラ「アディオス。ブラザー」スタスタ
十四松「ぼ、僕も商品、売ってくる!おつかれっしたー!!」ダッ

124 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/04/04(月) 21:52:00.09 ID:zIeYhUUDO
チョロ松「ひっ…ぃん……」ボロボロ
おそ松「泣いたって始まらないよー。チョロ松!飲もう!んで忘れよう!な!?」バンッ
チョロ松「に、兄さんは…なんで…そんな気楽でいられんだよ…!?」グスッ
おそ松「そんくらい図太くないとニートなんてやってらんないよ」
チョロ松「に、兄さんも働けよ!少しでも利息を払わないと…また誰かが……」
おそ松「つったってガンガン借金してるヤツがいんだから返せっこねーじゃん」
チョロ松「そ、そうだけど…」
おそ松「チョロ松の会社はどうなの?借金なんて吹っ飛ぶくらい儲かってないの?」
チョロ松「…ウチはもうダメだよ」
おそ松「なんで?」
チョロ松「給料の未払いで社員がみんな出てった」
おそ松「あちゃー」
チョロ松「…それにみんな元からやる気なかったし」
おそ松「へー」
チョロ松「休憩なんか勝手に1時間以上取るし…遅刻してもタイムカード書き換えてごまかすし…仕事が残ってても残業しないし…新卒とパートばっかだから責任感も危機感もない」
チョロ松「しかもみんな大卒だから高卒の僕をバカにしてろくに指示も聞いてくれない…。完全に僕のワンマンでやってたんだ…!」
おそ松「大変だねー。よく頑張った!うん!えらい!」ポンポン
チョロ松「銀行からも見捨てられたよ…。オフィスも取り上げられて残ったのは莫大な負債だけ……」
おそ松「あ〜あ…ニートやってりゃよかったのに無理してライジングするから?」
チョロ松「ほんとだよな…。青年実業家なんて肩書きに惹かれたのが運の尽きだったよ…」
おそ松「(どっちにしたって地獄じゃん。かわいそうなヤツ?)」

125 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/04/04(月) 21:52:27.35 ID:zIeYhUUDO
チョロ松「……こうなったら僕も借金しようかな」
おそ松「え?」
チョロ松「このままじゃ破滅するだけだし…だいたい兄弟を売って一人だけ金もらってるヤツがいるなんて許せないよ…!」
おそ松「ちょ、チョロ松…?」
チョロ松「きっと十四松だ…!あいつマルチにハマって金がないから…だから借金してんだよ…!」
おそ松「いやぁ…それはどうかな?あいつに限ってそんな…」
チョロ松「そうだよ!あいつ…僕がこんなに辛いのにへらへらしやがって!」ダンッ
おそ松「お、おいおい…」
チョロ松「売られる前に売ってやる…!地獄なんか見てたまるもんか!!」
おそ松「あ、あー分かったぞ。さては酔っぱらってんな?」ウリウリ
チョロ松「」ジロッ
おそ松「め、目ぇ据わってんぞー?相変わらず酒弱いなー?ははは……」オドオド
チョロ松「お前がしっかりしてたら…こんなことになんなかったのに…!」
おそ松「……」
チョロ松「何が無職の為に警察は動かないだよ…!家族からも国からも厄介者扱いされて…どうしようもないよな、お前!?」
おそ松「お、俺も帰るわ…。あんま飲みすぎんなよ…?」
チョロ松「僕は助かるぞ…。何をしてでも生き残ってやる…」ブツブツ
おそ松「(こわー…)」

126 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/04/04(月) 21:53:34.58 ID:zIeYhUUDO
赤塚金融事務所
金貸し「さて、帰るか…」ガチャッ
金貸し「おっと…?」
チョロ松「……」
金貸し「驚かせないでもらえますか?」
チョロ松「……」
金貸し「わざわざ入り口の前で待たずとも中に入ればいいものを…?」
チョロ松「……」
金貸し「で、ご用件は?」
チョロ松「金を貸してほしい」
金貸し「またですか…。で、おいくら?」
チョロ松「500万…!」
金貸し「…失礼ですが、どの松野さんで?」
チョロ松「三男のチョロ松…」
金貸し「チョロ松さんね…。あなた現在、ウチで借金してますよねぇ?」
チョロ松「はぁ?それはおそ……」
金貸し「返すあてはあるんですか?」
チョロ松「弟の十四松…あいつをタコ部屋に入れていいから貸せよ」
金貸し「はい?」
チョロ松「弟を担保に金寄越せって言ってんだよ!?」
金貸し「……」ポリポリ

127 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/04/04(月) 21:54:48.73 ID:zIeYhUUDO
金貸し「あのね、チョロ松さん?なにを誤解してらっしゃるか分かりませんが……」
チョロ松「今までそうしてきたんだろ!?出来ないなんて言わせないぞ!?」
金貸し「出来ませんね」キッパリ
チョロ松「はぁ!?」
金貸し「担保だとかタコ部屋だとかネットで聞きかじったような知ったかぶりをされてますが…いったいなんの話ですか?」
チョロ松「だ、だって兄さんが……」
金貸し「そもそも担保というのは貸し付けたお金と同価値か、それ以上の物でなければ意味がないんですよ」
チョロ松「うっ…」
金貸し「こちらが要求するなら分かりますが…担保を差し出すという発想はなかったですね」
チョロ松「ど、どうなってんの……聞いてた話と違う…!」ワナワナ

128 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/04/04(月) 21:55:32.26 ID:zIeYhUUDO
金貸し「申し訳ないがあなたは融資条件を何一つ満たしておられない?」
チョロ松「じょ、条件…?」
金貸し「金貸しというのはね。確実に回収出来ると見なした相手としか取り引きしないものなんですよ?」
チョロ松「そ、そんな事言ったらおそ松兄さんはどうなるんだよ!?」
金貸し「彼はいいですよ。今まで値踏みしてきた客の中でも際立って素晴らしい絶好のカモだ?」
チョロ松「なんで!?あいつなんかより僕の方がしっかりしてんだけど!?」
金貸し「はぁ……わざわざ言わなければ分かりませんか?」
チョロ松「ど、どこがあいつよりダメなんだよ…!」

129 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/04/04(月) 21:56:57.65 ID:zIeYhUUDO
金貸し「…金貸しにとってあなたみたいな何もかも中途半端な負け犬が一番、関わりを持ちたくない人種です」
チョロ松「ま、負け犬…!?」
金貸し「違いますか?」
チョロ松「違う!!僕はまだ……」
金貸し「まだ?」
チョロ松「ま、まだ……」
金貸し「…もうやめにしませんか」
チョロ松「……!」
金貸し「口は達者だが能が無く、なぜかプライドだけは人一倍強い社会的弱者…それがあなたですよ。チョロ松さん」
金貸し「才も無いのに周りに豪語し、身の丈に合わない将来を夢見る。ある種、病的な見栄っ張りですな」
金貸し「あなたみたいなのはその辺にゴロゴロ転がっている。何者でもないエキストラの一人が端っこではしゃいでも注目なんかされませんよ」
金貸し「金の切れ目が縁の切れ目などと申しますが…逆もまた然り。縁に恵まれなかったことを悔やみなさい」
チョロ松「……!」
金貸し「金脈のないクズに貸す金はないんだよ?失せろ?」ギロッ
チョロ松「…く、そぉぉぉ!!なんで…!なんでなんでなんで!!」ダンッダンッ

130 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/04/04(月) 21:57:28.98 ID:zIeYhUUDO
ピロリロリン
金貸し「おや、着信だ」パカッ
チョロ松「こんなはずじゃなかったのに…!僕は…まともだったんだぁ…!」ボロボロ
金貸し「ふんふん、なるほど…チョロ松さん」
チョロ松「へ…?」ボロボロ
金貸し「どうやらあなたの番が来たようです」
チョロ松「僕の…?」キョトン
金貸し「えぇ、ちょうどよかった」ニッコリ
チョロ松「っ…」ゾクッ

131 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/04/04(月) 21:58:02.21 ID:zIeYhUUDO
〜〜〜〜〜〜〜〜
競馬場
おそ松「煮込みうめー!」モグモグ
十四松「うまっ!馬〜!」
おそ松「あちゃー?またやられた?」
十四松「!?」ガーン
おそ松「やっぱ万馬券当てて一発逆転なんてムリだったかぁ〜。ひっじょーにきびしぃー!!」
十四松「ズコーッ!!」ドシーン
おそ松「十四松は調子どう?」
十四松「ダメっぽい!」
おそ松「俺ら終わったなー」
十四松「うん!終わった!」
おそ松「どっかに1億落ちてねーかなぁ?」
十四松「ありまへんがな!」
おそ松、十四松「あははははは!!!」
おそ松「じゃな!」
十四松「うん!また!」

132 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/04/04(月) 21:58:40.79 ID:zIeYhUUDO
222号室
おそ松「長男様のおかえりだぞーっと…」
おそ松「…なんだ、あいつ、まだ仕事か?よくやるねー?」
おそ松「……?」
おそ松「なんだ、これ……」
ガチャッ
おそ松「」ビクッ
バタンッ
おそ松「か、カラ松…」クルッ
カラ松「ふっ…」ニヤリ
おそ松「……」

133 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/04/04(月) 21:59:42.93 ID:zIeYhUUDO
おそ松「この札束の山……どうしたんだよ」
カラ松「んぅ…?」
おそ松「け、競馬で勝った…とか?」
カラ松「……」
おそ松「なんとか言えって!この金……どうしたんだよ!?」
カラ松「トド松は地方の山奥で日当1500円のトンネル開発工事に身を費やしている」
おそ松「え……」
カラ松「一松は海外で麻薬取り引き用の入れ物として使われているそうだ」
おそ松「か、カラ松……」
カラ松「チョロ松はどこかの汚染物質にまみれた施設で作業員をやり、十四松は密漁、密輸なんでもありな外国船のクルーになった?」
おそ松「なんで…そんなの……お前が知ってんだよ!?」
カラ松「説明が必要か?」
おそ松「当たり前だろ!なんにもわかんねぇよ!?」
カラ松「俺が最初に借金をした"松野おそ松"だよ」ニヤリ
おそ松「!?」

134 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/04/04(月) 22:00:15.30 ID:zIeYhUUDO
おそ松「嘘だろ…!?だってお前、借金する理由なんて……」
カラ松「これでも元演劇部だ。それぐらい装えるさ」
おそ松「じゃあなに!?お前も宗教入ったりマルチやったり事業失敗したり保険の勧誘したりギャンブルばっかやってたの!?」
カラ松「チッチッチッ?」
おそ松「」イラァッ
カラ松「愛する妻子の為だ」
おそ松「…はぁ?」
カラ松「惚れた女は何に代えても守ってやるのが男のロマン…だろ?」キラッ
おそ松「」シラー

135 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/04/04(月) 22:00:51.63 ID:zIeYhUUDO
おそ松「ごめん、よく分かんないんだけど」
カラ松「だろうな。お前に愛する者などいないんだから?」
おそ松「あ、愛…?」
カラ松「我が身可愛さに周囲を突き放すロンリー坊や…それがお前だろ?」
おそ松「な、なにぃ…!?」
カラ松「違うのか?」
おそ松「……!」ワナワナ

136 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/04/04(月) 22:01:53.17 ID:zIeYhUUDO
おそ松「お、俺と一緒に行動してたのはなんでだよ…!怪しまれるとか思わなかったか?」
カラ松「怪しまれようと構わないさ。どうせお前は行き詰まったら考えるのをやめて現実逃避に走るだろう」
おそ松「(ま、まぁそうだなぁ…。豆腐メンタルだし…)」ショボーン
カラ松「それに俺たちは互いの情報を共有していることでなんとなく他の兄弟よりも優位に立てていた」
カラ松「長男と次男が固まれば弟たちの不安を一方的に煽って話を進められる」
カラ松「自分たちの身内に敵がいるとなれば疑心暗鬼に駈られ、自然と視野も狭まる」
カラ松「見えない敵に怯える闇の中、唯一安全なポジションにいた俺だけが兄弟を導く希望の光となったんだ…。ライク・ア・ジャスティス!!!」キランッ
おそ松「こ、こいつ…」イライラ