Part6
82 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/04/03(日) 22:25:32.35 ID:
wYPeNomDO
おそ松「なんで?なんで最初に言わないの?ルームシェアは言うでしょ!しかも石油王だったら自慢するでしょ!?」
トド松「聞かれなかったから?」
おそ松「出たよ、こいつ!?ドライ通り越して心が枯れてるよね!?」
トド松「また言い出した…」
おそ松「つーか石油王が暮らしてる部屋だったの、ここ!?どうりでだだっ広いと思ったわー!!サンドイッチ食ってる場合じゃなかったわー!?」キョロキョロ
トド松「ここは石油王が所有してる都心一等地の千階建てマンションだよ」
おそ松「千階!?」
石油王「カーテンオープン」バサッ
トド松「ほら、宇宙」
おそ松「俺ずっと宇宙にいたの!?これは言っとけよ、さすがに!?」
トド松「だって聞かれなかっ……」
おそ松「そういう次元の話じゃない!!」
83 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/04/03(日) 22:26:18.07 ID:
wYPeNomDO
おそ松「怖いわー。ほんと怖い、この末っ子…なんかもうサイコパスにしか見えなくなってきた」ドンビキ
トド松「あ、石油王!保険加入してくれるって?」
石油王「リアリー?」
おそ松「え?この人だったの?保険屋さんって?」
石油王「イエス。暇潰しに保険会社作りました」
おそ松「ひ、暇潰し……事業失敗してるチョロシコスキーに聞かしたらぶちギレそうだな…」
トド松「はいこれ!」ピラッ
おそ松「は?なにそれ?」
トド松「保険の同意書だよ。読まなくていいからサインしちゃって?」
おそ松「え〜…なんかあやしそうだなぁ」
トド松「石油王!約束守ってね?」
石油王「イエス。世界中の美しいセレブを集めたパーティーにご招待します」
トド松「だってさ、兄さ……」
おそ松「もう書いた!血印も押した!はい!」ピラッ
石油王「ノープロブレム」パシッ
トド松「素敵な兄さんを持って幸せだよ」ニヤァァァ
84 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/04/03(日) 22:26:58.91 ID:
wYPeNomDO
石油王「では約束通りミスタートドマツをパーティーにご招待します」
トド松「うん!よろしくね?」
石油王「では失礼」ガチャッ
トド松「いってらっしゃーい」
おそ松「……」
トド松「どうしたの?」
おそ松「俺は?」
トド松「なにが?」
おそ松「パーティー?」
トド松「僕だけだよ?」
おそ松「だって保険入ったよ?」
トド松「うん」
おそ松「連れてってくんないの?」
トド松「みたいだね?」
おそ松「約束は?」
トド松「約束?」
おそ松「俺も呼んでくれるって…」
トド松「そんなの一言も言ってないよ?」
おそ松「いやいやいやいや」
トド松「いやいやいやいや」
おそ松「……」
トド松「……」
85 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/04/03(日) 22:27:39.05 ID:
wYPeNomDO
おそ松「コルァ!!トド松ぅぅ!?」ガッ
トド松「な、なに!?」ググッ
おそ松「よくも騙しやがったな!!このドライもんがぁ!?」ユサユサ
トド松「騙してないよ!兄さんが勝手に勘違いしたんじゃない!?」
おそ松「いーや、あれは誘導したね!?かくっじつに誘導した!!」
トド松「じゃあいいよ!はいはい、ごめんね!これでいい?」ヘラヘラ
おそ松「いいと思ってんなら結果発表してやろうか?死刑だよボケがぁぁ!!」ギュウウウ
トド松「ぐ、る…じ……」ギチギチ
おそ松「へへ!死体はブラックホールに捨ててやる!」
トド松「」カクッ
86 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/04/03(日) 22:29:21.67 ID:
wYPeNomDO
おそ松「え?俺が代わりに行っていいの!?」
トド松「……はい」ボッコボコ
おそ松「ほんとにぃ〜?なんかわるいなぁ〜?」ニヤニヤ
トド松「……いえ、親愛なるお兄様に行っていただくべきです」ドバドバ
おそ松「そぉ〜?まぁそっかぁ〜!じゃあそぉするね〜?」ヘラヘラ
トド松「(ゴルゴ13に依頼してやりたい…!)」ビキビキ
プルルルル プルルルル
おそ松「お、電話だ。宇宙でも電波届くんだな」
トド松「(…まぁいい。生命保険には加入させたし)」ニヤリ
おそ松「おっす!どったの?カラ松!」
おそ松「え、あートッティなら一緒にいるよ。代わる?」
おそ松「あっそ。へ?真相は突き止めたかって?なんの?」
おそ松「……あー!!そうだった、そうだった!!思い出した!?」
おそ松「おい、トド松!お前か!?俺の名前使って借金したのは!?」
トド松「は?知らないよ?」
おそ松「知らないとさ?うん、そうだな。そうするわ」
おそ松「トド松!行くぞ!」
トド松「…どこに?」
おそ松「カラ松ん家だよ!」
トド松「……カラ松兄さん家?」
87 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/04/03(日) 22:29:52.26 ID:
wYPeNomDO
222号室
カラ松「よく来たな。ブラザー…静寂と孤独に包まれた我が家へようこそ」
トド松「なんで部屋着がガウンなの?イッタイよねぇ〜!」
おそ松「んなのいいから、とっとと吐け!お前がやったんだろ!?」ピカッ
トド松「まぶしっ!?なにっ!?ライト向けないでよ!?」
カラ松「おそ松が借金をし、その保証人が俺たち兄弟になっていた」
トド松「えぇ〜!?」
カラ松「だがその中にお前の名前だけが含まれてなかった」
トド松「そうなの!?やったー!!じゃあ僕は関係ないよね!!」バンザイ
カラ松「…お前がおそ松になりすまして借金をしたんじゃないかと疑われてる」
トド松「へ?」
カラ松「どうなんだ…?」
トド松「やってないよ!?バカじゃないの!?」アセアセ
おそ松「じゃあなんでお前だけ保証人じゃないんだよ!?」
トド松「そんなの知らないよ!!」
カラ松「……」
88 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/04/03(日) 22:30:47.53 ID:
wYPeNomDO
トド松「わざわざ呼びつけて、それが言いたかったの!?家族を疑うなんて最低だね!?」
カラ松「」ジーッ
おそ松「」ジーッ
トド松「っ…なにその目!?やめてよ!!」
おそ松「べっつにー?」
トド松「だ、だいたいそれだけで疑うなんて単純すぎだよ!!僕を犯人に仕立てあげる為のカモフラージュなんじゃないの!?」
カラ松「あぁ、そうだな」
トド松「」ホッ
カラ松「だがその程度の言い訳なら事前に用意出来るんじゃないか…?」
おそ松「言えてんな」
トド松「ふ、ふざけんな!!なんだよ、それ!?」
カラ松「…取り乱すな。あくまで可能性の話だ」
トド松「これが取り乱さずにいられる!?いつの間にか借金したことにされてるんだよ!?」
おそ松「俺だってそうだぞ!なんもしてねーのにみんなから責められて……」
トド松「おそ松兄さんには前科があるでしょ!?僕はないじゃない!?」
おそ松「そ、それ言ったら俺たち兄弟なんか似たり寄ったりのクズばっかなんだから誰が借金してたっておかしかぁないだろ!?」
トド松「一緒にすんなよ!クズ!!」
おそ松「なっ……てめぇ!!」ガタッ
カラ松「やめろ!俺の言い方が悪かった!違うなら、それでいいんだ!」
トド松「なんにも良くないよ!!いきなり疑われてさ!よくもそんなことが言えるよね!?」
カラ松「……」
トド松「そういう空気読めないところがイタイって言われるんだよ!!気付けないの!?」
カラ松「すまない…」
トド松「こんなバカ兄となんてやってらんないよ!完全に縁を切ってやる!!」
カラ松「違うんだ!トド松…!」
おそ松「いいよ、そんなヤツほっとけって?」
トド松「バイバイ!!金輪際、会うこともないだろうけど!?」ガチャッ
バタンッ!!
89 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/04/03(日) 22:31:39.22 ID:
wYPeNomDO
カラ松「…なぁおそ松。俺はどうすればよかった?」
おそ松「どうもしなくてよかったんじゃね?」
カラ松「……」
おそ松「これで俺の疑いは晴れたしぃ〜?あとは全部あいつに押し付けりゃいいんだよ?」
カラ松「本当にトド松なんだろうか…」
おそ松「トド松に決まってんじゃん。バレバレの嘘ついてみっともないよな」
カラ松「…嘘、か」
おそ松「ワイン飲んじゃうけどいい?」ガラッ
カラ松「俺たちは少々、お互いを疑いすぎているのかもしれないな…」
おそ松「つまみは〜っと…イカの塩辛あんじゃん!もーらいっ!!」ガサゴソ
カラ松「…このままだと元に戻れない気がする。願わくは昔のように兄弟揃って騒げる日が来ればいいが」
おそ松「カラ松も飲めよ?」コトッ
カラ松「……気楽だな」
おそ松「あいつのことだから、どうせ寂しがって俺たちを頼ってくるよ?またその時にどうすっか考えりゃいいじゃん?」ニカッ
カラ松「ふっ…兄貴らしい?」ニッ
おそ松「悩んでる時間なんて人生の無駄!楽しいことだけ考えよーぜ!」トクトク
カラ松「…ふん。頼もしいことだ」
90 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/04/03(日) 22:32:37.73 ID:
wYPeNomDO
公園
トド松「ほんとバッカみたい!!自分たちがだらしないのを棚に上げて僕になすりつけようとして!?」プンプン
トド松「ムカムカすんなぁ![ピーーー]!クソ兄貴ども!!」ガンッ
トド松「…おそ松兄さんが死んだら保険金は僕に降りるんだ。そうすればあんな成金の召し使いみたいな生活から抜け出せる」
トド松「借金の件も僕には関係ないんだし勝手にやってればって感じ?」
トド松「最後に笑うのは僕なんだから!あはははは!!」ケラケラ
ブロロロロロ………
トド松「わっ!あぶなっ!?なにこの外車、急に飛び出してきて……」
ガララッ
トド松「へ…?」
金貸し「こんばんは。松野さんでお間違いないですか?」
トド松「(あ……こいつ前におそ松兄さんとファミレスに来た借金取り…!?)」オドオド
金貸し「失礼ですが…下の名前を確認しても?」
トド松「(無視しよ!)」スタスタ
金貸し「……」
91 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/04/03(日) 22:33:03.54 ID:
wYPeNomDO
ボゴォッ ガンッ バキッ ドカッ
トド松「ま、つの…とどまつ…でしゅ……」ボロッ
金貸し「最初から素直におっしゃってくれたら痛い目に遭わず済んだものを?」
トド松「しゅみま…ひぇん」
金貸し「…ではトド松さん、乗ってください?」
トド松「へ…?」
金貸し「まだ時間を取らせようと?」コキッコキッ
トド松「の、乗ります!乗ります!」サササッ
金貸し「…ご安心を?お兄様からは既に了承を得ていますから」バタンッ
トド松「……?」
金貸し「行きましょうか」カチッ
トド松「」ガクガクブルブル
ブロロロロロ………
92 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/04/03(日) 22:33:40.89 ID:
wYPeNomDO
〜〜〜〜〜〜〜〜
パチンコ店
ジャラジャラ ジャラジャラ
おそ松「最近ツイてる〜!いいよ、いいよー!ジャンジャン出ちゃって!」
おそ松「でも…どうすっかなー。トド松のアホ、テンパって蒸発しちゃったし…」
プルルルル プルルルル
おそ松「ん?非通知……やだやだ。絶対そうじゃん…」
おそ松「中の音うるせーから台押さえて店出るか…」
93 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/04/03(日) 22:34:14.30 ID:
wYPeNomDO
〜〜〜〜〜〜〜〜
居酒屋
チョロ松「急に呼び出してなに?忙しいんだけど?」イライラ
一松「カリカリしてるなら聖書を読むといいよ…。心が洗われるから…」スッ
チョロ松「い、いいよ。僕は…宗教とか興味ないから」
十四松「ぜーんぜん売れないっす…」ズーン
チョロ松「マルチなんかやめて普通の仕事探せよ!」
おそ松「全員、生で!」
おっちゃん「あいよ!」
チョロ松「さっさと要件言えよ!!大変なの、こっちは!?」
カラ松「……」
94 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/04/03(日) 22:35:07.48 ID:
wYPeNomDO
おそ松「今日集まってもらったのは他でもない!こん中に裏切り者がいる!」
チョロ松「裏切り者?」
カラ松「どうやら借金したのはトド松じゃなかったようだ」
一松「は?何を根拠に…?」
カラ松「金貸しから電話があった。そうだな?」チラッ
おそ松「おう!」ムシャムシャ
十四松「なんて言われたのー!?」パクッ
おそ松「トド松が利息を肩代わりしてくれたんだと!」グビッ
チョロ松「……当然でしょ。あいつが借りたんだし?」モグモグ
カラ松「それがどうも…トド松は金貸しの紹介で入った土建会社に住み込みで働いてるらしい」
チョロ松「そ、それってまともな会社?闇金筋の紹介なんだろ?」
カラ松「いわゆるタコ部屋ってやつかもしれないな…」
チョロ松「」ゾワワッ
一松「ニャンコ神の加護を受けないから、そういう運命に遭うんだよ…」ケッ
十四松「ちっ…まだトッティに売ってなかったのに…」
おそ松「…ま、過ぎたことをあれこれ言ったってしょうがない!そこは忘れよう!」
95 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/04/03(日) 22:36:05.20 ID:
wYPeNomDO
カラ松「問題なのは新たに借金が増えてたことだ」
チョロ松「え!?減ってないの!?」
おそ松「ぶはー!200万追加されてた!」ゴトンッ
チョロ松「どーゆーこと!?トド松が利息払ったのに借金が増えるなんておかしくない!?」
一松「神に祈れば救われる…ニャー……ニャー……」
十四松「生おかわりー!」
おそ松「俺も芋焼酎!」
チョロ松「真面目に説明しろ!?」
おそ松「だーからトド松以外の誰かが借金したんだろ?」
チョロ松「…じゃ、じゃあトド松は関係ないのに巻き込まれたってこと?」
おそ松「そーなんじゃね?」
チョロ松「…あ、あぁぁうわぁぁぁ!!」ガタッ
十四松「チョロ松兄さん!?」
チョロ松「ぼ、僕は…なんてこと…!よく考えもせずに疑って…弟が借金のカタにされちゃうなんて…!?」ガクガク
おそ松「……」
カラ松「……」
十四松「……」
一松「ニャー……ニャー……」
96 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/04/03(日) 22:36:44.44 ID:
wYPeNomDO
チョロ松「…警察に相談しようよ。ていうか、なんでもっと早くそうしなかったんだろう…」ブルブル
カラ松「警察には相談した」
チョロ松「え!?」
カラ松「だが生返事ばかりで聞き流され、取り合ってくれなかった。せいぜい弁護士に相談しろとアドバイスをくれたぐらいだ」
チョロ松「じゃ、じゃあ法律事務所に…!」
カラ松「それもダメだった」
チョロ松「なんでさ!?」
カラ松「審査が通らなかったんだ」
チョロ松「審査?」
カラ松「債務整理を依頼するにあたって正当な理由がない。名義人のおそ松は住所が実家で今は無職、しかもギャンブル好きだ」
チョロ松「そ、そんな……」
カラ松「自己破産も勧められたが…それは最後の手段にしたいしな」
おそ松「」グビグビ
チョロ松「のんきに飲んでんじゃねぇ!!お前のせいだぞ!?」
おそ松「だぁって真面目にやってくんない警察と弁護士が悪いし?」
チョロ松「お前がずっと自立しないからだよ!!」
おそ松「……」