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おそ松「また借金?」
Part3


30 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/04/03(日) 21:50:39.66 ID:wYPeNomDO
トト子「……私、実家に帰る」
おそ松「え!?」
カラ松「あぁ、そうしろ」
おそ松「いやいやいや!?」
トト子「っ…っ…うえーん!カラ松さんのバカー!」タタタッ
おそ松「えー!?ちょっ!トト子ちゃーん!?」アセアセ
ガチャッ バタンッ
おそ松「」ポカーン
カラ松「悪かったな。あいつが取り乱して…」
おそ松「い、いや、俺はいいんだけどさ!よかったの!?止めてやんなくて!?」
カラ松「…いいんだ。しばらく頭を冷やした方が」
おそ松「えー…?」
カラ松「ただ…あいつも本心であんなことを言ったんじゃない。そこだけは間違えないでくれ」
おそ松「そ、そうかなー…。どう考えてもあれは本心だと思うよ?」
カラ松「ふっ…まだまだ女心ってやつを分かってないな」
おそ松「(あ、ぶん殴りてぇ)」

31 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/04/03(日) 21:51:34.64 ID:wYPeNomDO
カラ松「実は昼にチョロ松からも連絡があってな」
おそ松「チョロ松?」
カラ松「父さんたちから借金の話を聞かされたらしい」
おそ松「(そういうことか。チョロ松もトド松もそれで電話してきやがったんだな…)」ケッ
カラ松「そしてチョロ松にも催促の電話がきたそうだ」
おそ松「…ていうかさ、なんで実家とかお前らに電話がくるの?おかしくない?」
カラ松「話を聞く限りでは…どうやら俺たちは保証人にされてるらしい」
おそ松「保証人?なにそれおいしいの?」
カラ松「……」
おそ松「……」
カラ松「……」
おそ松「……」
カラ松「……」
おそ松「(え?なにこの沈黙?)」

32 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/04/03(日) 21:52:01.67 ID:wYPeNomDO
カラ松「…保証人っていうのは借金を肩代わりする人のことだ」
おそ松「ふーん」ホジホジ
カラ松「つまり俺とチョロ松は名義上、お前の保証人という訳だ。オーケー?ブラザー?」チッチッチッ
おそ松「(めちゃくちゃ腹立つな、こいつ)」
カラ松「だがもちろん俺とチョロ松はそんなものになった覚えはない」
おそ松「俺だって借金した覚えなんかねーよ」
カラ松「fuu…知らず知らずの内に運命が交錯してるようだな」キリッ
バキィッ ドンガラガッシャン
カラ松「な、なぜ殴る…ブラザー…?」ピクッピクッ
おそ松「や、ごめん。そのテンションで来られると我慢できないわ」

33 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/04/03(日) 21:53:02.82 ID:wYPeNomDO
カラ松「…さて、どうするかな」ウーン
おそ松「無視してりゃいいんじゃないのー?こっちは知らないんだから?」ホジホジ
カラ松「そういう訳にもいかんだろう。なんとかしないと勝手に借金が増えていくんだぞ」
おそ松「つったって…どこから借りてるかも分かってないんじゃなぁ」
カラ松「確かにな…」
プルルルル プルルルル
カラ松「鳴ってるぞ?」
おそ松「お、非通知だ。なんだろ?」ピッ
カラ松「(いや、普通に考えて借金取りからの電話だろう)」
おそ松「はい、もっしもーし!俺、松野家長男、松野おそ松!夢はビッグなカリスマ!レジェンド!人間国宝!」
おそ松「………ありゃ?切られちゃった。いたずら電話か?」
カラ松「今のは切られてもしょうがない」
おそ松「ちぇっ!ノリわりーなぁ」
プルルルル プルルルル
おそ松「うわっ…しつこっ?」ピッ
おそ松「…はい、もしもし?」

34 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/04/03(日) 21:53:34.88 ID:wYPeNomDO
おそ松「……」
おそ松「……」
おそ松「……」
おそ松「……」
カラ松「」ゴクリ
おそ松「……カラ松、代わって」スッ
カラ松「な、なんて言われたんだ?」
おそ松「ん?いや、全然わかんない?カラ松が聞いてよ」
カラ松「(…我が兄ながら情けない)」

35 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/04/03(日) 21:54:03.94 ID:wYPeNomDO
カラ松「ふっ…待たせたな。俺は孤独と静寂を愛する男、カラ松だ」
カラ松「これからするやりとり…言葉には気を付けた方がいい。俺には一分の隙もないぜ?」キランッ
おそ松「(うぜっ!)」
カラ松「」ビクッ
カラ松「……いえ」
カラ松「あ、はい。そうですね」
カラ松「あ、いや、違います!ふざけてないです!すみませんでしたぁ!」ヘコヘコ
おそ松「(めっちゃ怒られてんじゃん)」

36 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/04/03(日) 21:54:55.91 ID:wYPeNomDO
カラ松「はい、はい。なんかほんとすみませんでした。はい、二度としません。はい」ヘコヘコ
カラ松「……ふっ!返すぜ?」ピッ
おそ松「で、なんだって?」パシッ
カラ松「めっちゃ怒られた」
おそ松「見りゃ分かるよ。要件は?」
カラ松「一週間以内に事務所に来いと言われた」
おそ松「事務所ってどこよ?」
カラ松「赤塚金融事務所と言ったな」
おそ松「!?」ゾクッ

37 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/04/03(日) 21:55:28.84 ID:wYPeNomDO
おそ松「ま、またあそこかよ…!どーなってんの、マジで!?」
カラ松「保証人も全員連れてこいとのことだ。やれやれ…久しぶりに血を見るかもな?」
おそ松「兄弟ゲンカしかしたことないクセになにカッコつけてんの?」
カラ松「とりあえず俺はチョロ松とトド松に連絡を取ってみる。一松と十四松は任せたぞ」
おそ松「えー!ズルくない!?そっちのが安パイじゃね!?」
カラ松「別に代わってもいいが…多分あいつらと兄貴の組み合わせだとクソほど説教されるぞ?」
おそ松「うっ…た、確かに自意識ライジングとドライもんのタッグはキツいわ」
カラ松「そういうことだ。とにかく一度、実家に集まって話し合おう」
おそ松「うぅ…こんな状況であいつらに会いたくねぇ〜」ゲンナリ
カラ松「まぁそう言うな。なぜこうなったのか、分かるかもしれないしな」
おそ松「はぁ〜…おそ松の憂鬱、再来だよ…」

38 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/04/03(日) 21:56:18.16 ID:wYPeNomDO
〜〜〜〜〜〜〜
街中
おそ松「つったって一松と十四松なんか携帯使ってないしなぁ。連絡のしようがねーじゃん」スタスタ
おそ松「わざわざ歩いて探しに行かなきゃだよ…。あーかったるい」
おそ松「どうせデカパン博士のとこにいるだろーけど…んぅ?」ピクッ
ワイワイガヤガヤ
おそ松「おー!新装開店してる!いいなー!並びてー!」キラキラ
おそ松「時間はあるし、ちょっとぐらいは…いいよな?」

39 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/04/03(日) 21:57:11.02 ID:wYPeNomDO
パチンコ店
おそ松「……あ〜あ、あそこで止めときゃよかったなー」
「んっだよ、もー!?なんでそこで出ないんだよ!!またヘボリーチ!?」ガンッ
おそ松「うわっ!なになに!お店の台、叩いちゃダメでしょー?どこの悪ガキ……」チラッ
トド松「ちっ!イライラすんなぁ〜!あ〜!!なんだよ、くそっ!!僕が突っ込んだ5万、返せよ!?」トッティフェイス
おそ松「トド松!?」
トド松「あぁ!?」ギロッ
おそ松「顔こわっ!?」ビクッ

40 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/04/03(日) 21:57:56.88 ID:wYPeNomDO
トド松「……」
おそ松「……」アセアセ
トド松「やあ、兄さん!久しぶり!調子はどう?」キラキラスマイル
おそ松「や、今さらあざとくしてもムリだよ!?」
トド松「え?僕?ふふふ!ちょっぴり負けちゃってるかな?」ニコニコ
おそ松「聞いてないから!!なにその一人芝居!?しかもちょっぴりじゃないよね?5万も突っ込んでボロ負けだったよね!?」
トド松「ねぇ、おそ松兄さん…おねがいがあるんだ?」ウワメヅカイ
おそ松「金貸してっつーんだろ!?やだよ!!」
トド松「どうしても…?」キュルンッ
おそ松「澄んだ目したって貸さねーよ!!言っとくけどお前、あざといだけで別にかわいくもなんにもないからね!?」
トド松「ケチ?」プクー
おそ松「キモッ!!頬膨らますな!てかお前、なんで平日の昼間っからパチンコ打ってんだよ!?」
トド松「お互い様でしょ?それに僕はバイト午後からだもーん」
おそ松「(カラ松とは違うベクトルでぶん殴りたくなるな…)」ムカムカ
トド松「そうだ。兄さん!話があるんだけど?」
おそ松「は?」
トド松「向かいのカフェでお茶しながら話そ?」
おそ松「(何が悲しくていい年した大人が野郎とカフェに行かなきゃならないんだか…)」

41 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/04/03(日) 21:58:23.49 ID:wYPeNomDO
カフェ
トド松「キャラメルマキアートひとつ!」
おそ松「俺は…お冷やでいいや」
女店員「すみません。お一人様一品からと決まってるんです」
おそ松「はぁ!?なにそれ!?」
女店員「…はい?」
おそ松「俺がなに飲もうと俺の勝手じゃないの!?」
ザワザワ ザワザワ
トド松「ちょ、ちょっと兄さん、やめてよ…!周りの人も見てるよ…?」ヒソヒソ
おそ松「知らねーよ!つーか、こんなクソたけーコーヒー飲めねーよ!?」
店長「お客様、いかがなさいました?」アセアセ
おそ松「この女が俺に命令してんだけど!?どういう教育してんの!?」
店長「大変申し訳ありません!」ヘコヘコ
女店員「……」ツーン
おそ松「お前、なに拗ねてんの?ほんとに反省してる?」
店長「あ、あの…お連れ様、帰られましたが」
おそ松「え?」クルッ
ポツン
おそ松「あ、い、つぅ〜〜!!」ギリィッ

42 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/04/03(日) 21:58:57.74 ID:wYPeNomDO
路地裏
おそ松「やい、トッティ!!よくも俺だけ置いてきやがったな!?」
トド松「はぁ?バカなの!?あんな空気で同じ顔した兄弟が涼しげにお茶してられると思ってんの!?」
おそ松「え!逆ギレ!?」
トド松「ほんっと信じらんない!前々から思ってたけど、おそ松兄さんって弁えるってことをしないの!?」
おそ松「そ、そんな怒るなよ…?あの女店員が……」
トド松「あの子は何も悪くないよ!兄さんがクレーマーなだけ!」
おそ松「ち、違うだろ!俺はただ注文にケチつけられたのがムカついて…」
トド松「ケチつけたんじゃなくて当然のマナーなの!なんでそんな簡単なことも分からないのさ!?常識ないの!?」
おそ松「……なんだよ、弟のクセにえらそうにすんなよな」
トド松「そう言うんだったら兄さんらしくしたら!?もーうんざり!小学生の方がまだ聞き分けがいいよ!」
おそ松「(…うぜーな。なんでみんなそうやって俺をガキ扱いすんだよ)」ムカムカ
トド松「あのさ、言いたくないけど、そろそろ大人なんだから…」
バキッ ズサァァッ
トド松「いっ…た!なんで殴られたの!?」ヒリヒリ
おそ松「……」
トド松「……」

43 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/04/03(日) 22:00:26.27 ID:wYPeNomDO
トド松「ふーん?またそうやって暴力に訴えて、うやむやにするんだ?」ジトッ
おそ松「は?」イラッ
トド松「おそ松兄さんって昔からそうだったよね。カラ松兄さんなら絶対そんなことしなかったのに?」
おそ松「カラ松、カラ松って…」ワナワナ
トド松「…まっとうな人間になるんじゃなかったの?ていうか兄さん、今仕事して……」
おそ松「うるせぇよ!!」ドフッ
トド松「ぐっ……げほっげほっ!」ゴロゴロ
おそ松「カラ松と比べんじゃねーよ!長男は俺だ!!弟の分際で俺に逆らうな!!」
トド松「っ……ク、ズは…やっぱり……クズのまま、だね…?」フンッ
おそ松「…ふん」スタスタ
トド松「まっ…てよ」ヨロッ
おそ松「……?」
トド松「まだ、話…してない」
おそ松「話すことなんかねーし」スタスタ
トド松「……」

44 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/04/03(日) 22:01:07.81 ID:wYPeNomDO
デカパンラボ
デカパン「よく来てくれたダス。座って楽にするといいダスよ」
おそ松「わるいね。急に来ちゃって」
ダヨーン「お茶だよーん」コトン
おそ松「(なんかコポコポ泡立ってるんだけど…絶対お茶じゃないよね、これ)」
デカパン「今日はどうしたダスか?」
おそ松「一松と十四松いる?」
デカパン「ホェホェ?一松くんと十四松くんなら、ここにはいないダスよ?」
おそ松「えー!居候してたんじゃないの?」
デカパン「そうだったんダスが二人とも自分の居場所を見つけたからと言い残して出ていったダス」
おそ松「困ったなぁ…。博士はどこにいるか知らない?」
デカパン「ホェ〜…教えたいのは山々ダスがなにも……」
おそ松「そうなんだ…。参ったね」
デカパン「すまんダス…」
おそ松「こうなったらめんどくさいけど、あいつらの行きそうな場所、手当たり次第に探すしかないか…」
ダヨーン「二人がどこにいるか知ってるよーん」
おそ松「ほんとか!ダヨーン!?」
ダヨーン「一松は教会で十四松はどこそこのビルにいるよーん」
おそ松「そっか!じゃ行ってくるわ!ありがとね!」ダッ
デカパン「気をつけて行ってくるダスよー」フリフリ
ダヨーン「だよーん」フリフリ
デカパン「ところで…なんで知ってたダスか?」
ダヨーン「クローンに聞いたんだよーん」

45 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/04/03(日) 22:01:51.39 ID:wYPeNomDO
教会
ニャア〜ア〜アァァァ〜〜〜 ニャア〜ア〜アァァァ〜〜〜………
おそ松「(…なにここ。すげー不気味?)」タジッ
信者「ニャア〜アァ〜〜」ポロポロ
おそ松「(なんであいつら泣きながら鳴いてんの?きもちわるっ!)」ブルッ
教徒「御入信の方ですか?」
おそ松「あ、いえ…うちの弟がいるって聞いて?」
教徒「弟?」
おそ松「一松っていうんですけど」
教徒「おぉ!宣教師一松のお兄様でしたか?よく見たら、そっくりだ?」
おそ松「せ、せんきょーし?」
教徒「一松くん。ご家族の方がいらっしゃいましたよ?」
一松「ニャア〜アァ〜〜」ポロポロ
おそ松「!?」

46 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/04/03(日) 22:02:18.84 ID:wYPeNomDO
一松「…なにしに来たの」グスッ
おそ松「お前こそ何してたの?涙腺ぶっ壊す儀式でもしてたの?」
一松「あれはニャンコ神に捧げる唄…」
おそ松「は?ニャンコ?」
一松「…ちょうどよかった。みんなにも教えてあげようと思ってたんだよね…」
おそ松「な、なにが?」
一松「寂しがり屋な僕たちにぴったりの信仰をさ…」
おそ松「(なに言ってんだ、こいつ)」

47 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/04/03(日) 22:03:07.94 ID:wYPeNomDO
一松「兄さんは孤独を感じることないか…?」
おそ松「(孤独ってカラ松みたいな響きだな)」
一松「でもね、大丈夫…ここにいれば孤独なんて感じなくなる…」
おそ松「えーと、それよりさ、一松……」
一松「大丈夫…言わなくていいよ…。僕だって最初は信じてなかった…。だけどおそ松兄さんも教祖様に教えを授かれば、きっと分かってくれる…」
おそ松「あーそうなんだ。でさ、真面目な話なんだけど」
一松「同じものを愛し、同じものを敬い、同じものを同じように見てたら…みんな同じになるんだ…。素晴らしいだろ…?」
おそ松「(おなじおなじうるせーな。聞けよ!)」