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少年「お父さんが木こりで斧使いなせいで学校でいじめられる」
Part2


36 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2016/12/26(月) 22:04:16.931 ID:VjxOh5BA0
父「では、今からこの木を切り倒します」
父「…………」スゥ…
父「ふんっ!!!」ブオッ
カァンッ!
メキメキ… ギシギシ…
シーン……
「ものすごい音!」 「あんなデカイ木が揺れたよ!」 「うおおおおおっ!」
少女(すっごい! 一撃でみんなを魅了したわ!)
少年(すごいや……)
少年(そういえば、お父さんが働いてるとこ見るの、はじめてだ……)
いじめっ子「……な!」

37 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2016/12/26(月) 22:08:32.722 ID:VjxOh5BA0
父「ふんっ! ふんっ! ふんっ!」ガッガッガッ
父「ーーふんっ!」ブオッ
ドガァッ!
父「……倒れる! みんな離れて!」
メキメキ… ミキミキ…
ズシィィィン……!
父「ーーと、こんなところですかね」
教師「こうして切り倒された木が、家や家具の材料になるわけですね」
父「はい、その通りです」

38 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2016/12/26(月) 22:08:53.570 ID:Wcp/HfJ9r
なるほど

39 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2016/12/26(月) 22:09:14.030 ID:VHIQSU2wa
か、かっけえ…

40 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2016/12/26(月) 22:11:19.780 ID:VjxOh5BA0
ワアァァァァァ……!
「すっげーっ!」 「かっこいい!」 「木こりってこんなにすげえのかよ!」
少女「あんたのお父さん、すっごくかっこいいじゃん!」
少年「……うん!」
少年(すごいや……!)
いじめっ子「ぐっ……!」
手下A「すげー……っす」
手下B「とんでもないもん見ちゃった……」
いじめっ子「お前ら、なにいってやがる!」ガッ ゴッ
手下AB「いでっ!」
いじめっ子「くっそぉぉぉぉぉ!」

41 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2016/12/26(月) 22:15:19.510 ID:VjxOh5BA0
いじめっ子「おい、おっさん!」
父「ーーん?」
いじめっ子「オレは……こんなの認めねえぞ!」
少女「あんた、人の親に向かってーー」
いじめっ子「うっせえ!」
いじめっ子「そうだ! おっさん、オレにいじめをやめて欲しかったら、親父と勝負しろ!」
いじめっ子「騎士団長である、オレの親父と!」
ザワザワ…… ドヨドヨ……
父「…………」
父「いいだろう」
少年「えええええっ!?」

42 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2016/12/26(月) 22:19:08.777 ID:VjxOh5BA0
いじめっ子「今度の休日、久しぶりに親父が騎士団の駐屯地から帰ってくる!」
いじめっ子「その時、このみんなの前で勝負しろ!」
父「分かった」
父「君の口から伝えておいてくれ」
いじめっ子「ぐっ……もう取り消せないからな!」
ザワザワ…… ドヨドヨ……
少年(ーーお父さん!? 一体なにを考えてるの!?)

43 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2016/12/26(月) 22:22:11.851 ID:VjxOh5BA0
夜ーー
ー 少年の家 ー
少年「お父さん、なに考えてるのさ!?」
少年「せっかくお父さんのかっこよさが分かったし、もういじめだってどうってことないしさぁ」
少年「こんな勝負やめようよ! 下手したら、しなくても死んじゃうよ!」
少年「だって相手は騎士団長なんだよ!?」
父「大丈夫さ、父さんも腕には自信がある」ムキッ
父「なぁ、母さん?」
母「ええ」
少年「そりゃあ、たしかに腕は太いけどさぁ……」
父「とにかく……父さんに任せておけ」
父「これはお前だけじゃなく、あのいじめっ子のためでもあるんだ」
少年「……うん」

46 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2016/12/26(月) 22:25:26.218 ID:VjxOh5BA0
次の日からーー
ー 学校 ー
いじめっ子「……ケッ」
手下A「……っす」
手下B「……ふん」
少女「あいつら、あんたのこといじめなくなったね」
少女「そりゃそうよね。バカにしてた斧があんなにかっこいいって知れ渡っちゃったんだから」
少年「あの社会見学を思いついたのは君なんだって? ……色々ありがとう」
少女「いいってことよ!」
少年「でも、いじめが収まったのは嬉しいけど、今は決闘のことが気がかりなんだ」
少女「なにしろ、相手が相手だしね……」

47 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2016/12/26(月) 22:30:13.948 ID:VjxOh5BA0
そして当日ーー
ー 少年の家 ー
少年(いよいよ、お父さんが騎士団長と決闘する日だ)
父「さて……行こうか」
少年「うん!」
母「行ってらっしゃい」
少年(どうしてだろう? どうして二人ともこんなに落ち着いてられるんだろう?)
少年(よっぽど勝つ自信があるのかな?)
少年(それとも、相手も立場ある人だし、負けても死ぬことにはならないと思ってるから?)
少年(うーん……どっちでもないような気がするんだよなぁ……)

48 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2016/12/26(月) 22:33:07.156 ID:VjxOh5BA0
ー 校庭 ー
ザワザワ…… ガヤガヤ……
いじめっ子「……来たな!」
騎士団長「あなたが私と戦いたいという方ですか」
騎士団長「私としても、市井の方と剣を交えるのはあまり気が進まないのですが」
騎士団長「こちらも息子の名誉がかかっています。遠慮はしません。よろしいですね」
父「ええ、もちろんです」
少年「お父さん……」

50 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2016/12/26(月) 22:35:14.981 ID:VjxOh5BA0
少年「お父さん……頑張ってね!」
父「ああ」ザッ
いじめっ子「父上、勝って下さい!」
騎士団長「無論だ」ザッ
騎士団長「あなたの武器は斧ですか……では始めましょうか」
父「ええ」

53 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2016/12/26(月) 22:37:54.010 ID:VjxOh5BA0
試合開始ーー
騎士団長「はあっ!」
父「ぬんっ!」
ガキィンッ!
少女「きゃっ!」
少年「剣と斧がぶつかり合った! すごい音だ!」

54 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2016/12/26(月) 22:42:40.351 ID:VjxOh5BA0
騎士団長「はあああああっ!」シュアッ
キィンッ!
父「ぬああっ!」ブオンッ
ガキンッ!
キィンッ! ギィン! ガキン!
手下A「どっちも一歩も譲らないっす!」
手下B「テクニックとパワーが火花を散らしてる!」
いじめっ子「父上……!」
ガキィンッ! キィンッ! カァンッ!
ワアァァァァァ……!

55 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2016/12/26(月) 22:45:26.847 ID:VjxOh5BA0
やがてーー
キィンッ!
父「どうやら、決着がつきそうにありませんな」
騎士団長「ええ」
父「どうでしょう? ここはひとつ、引き分けということで」
騎士団長「息子の頼みですので勝ちたかったが……いいでしょう。引き分けにしましょう」
ワアァァァァァ……!
パチパチパチパチ…!
少女「わっ、すごい盛り上がり! って、そりゃそうよね」
少年「うん……お父さんがこんなに強かったなんてビックリだよ。もちろん、騎士団長も」
少年「でも、引き分けだとあいつはーー」チラッ

56 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2016/12/26(月) 22:48:46.913 ID:VjxOh5BA0
いじめっ子「父上、すごかったよ! かっこよかったよ! オレのためにありがとう!」
騎士団長「なに、お前のためならどうってことないさ」
少女「あいつったら、いい気になって……! なーにが父上よ! 猫かぶりやがって!」
少年(てっきり、さらに機嫌が悪くなると思ってたのに……)
少年(もしかして、あいつも本当は戦いの勝敗なんかどうでもよくて)
少年(お父さんのかっこいい姿を見たかっただけなのかも……)
少女「ちょっとちょっと、あんたまでどこ見てんの! お父さんのとこ行ってあげなきゃ!」
少年「あ、そういやそうか!」タタタッ

57 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2016/12/26(月) 22:51:45.256 ID:VjxOh5BA0
ー 少年の家 ー
少年「お父さん、今日は本当に感激したよ! 騎士団長と互角に渡り合うなんて!」
父「少しは見直してくれたか?」
少年「うんっ!」
父「じゃあ母さん、俺は少し飲んでくるよ」
母「行ってらっしゃい」
少年「よぉーし、ボクもすごい木こりになるぞ!」

58 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2016/12/26(月) 22:54:38.040 ID:VjxOh5BA0
ー 酒場 ー
父「お疲れ」
騎士団長「お疲れ」
父「うまくいったな」
騎士団長「ああ、お前から話を持ちかけられた時はビックリしたが、うまくいってよかった」
騎士団長「激戦を演じて、引き分けにするという話をな」
父「うむ、どうやらみんな本気の戦いだと思ってくれたようだ」

59 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2016/12/26(月) 22:57:56.637 ID:VjxOh5BA0
騎士団長「それにしても、本当にすまなかった」
騎士団長「私はめったに家にいないんだが、まさか息子があんな育ち方をしてるなんて……」
騎士団長「さっき問いただしてみたら、やはりお前たち父子が仲良くしてるのを町で見て」
騎士団長「それが妬ましくて、いじめをやったらしい」
騎士団長「で、自分もまるで正義の騎士団長になったように思い、エスカレートしたらしい」
父「もう終わったことさ。水に流そう」
父「今回の件で、お前からの愛情は感じ取っただろうから、きっと心を入れ替えてくれるさ」
騎士団長「だといいんだがな」
父「なにしろ、子供の頃の俺とお前の仲の悪さはあんなもんじゃなかった」
騎士団長「ハハハ、たしかに」

60 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2016/12/26(月) 23:03:41.110 ID:VjxOh5BA0
騎士団長「それにしても、騎士団きっての斧使いだったお前が騎士団を辞めてから」
騎士団長「もう十余年か……」
騎士団長「やはり、戻ってくる気はないのか?」
父「ああ、木こりは楽しいし、もう戻るつもりはないよ」
騎士団長「楽しいのならなによりだ」
父「普通に生きたいというワガママを聞いてもらって、すまなかった」
騎士団長「かまわんさ。おかげで私は団長になれたんだしな」
騎士団長「ところでーー」
騎士団長「前騎士団長殿は、元気にしているか?」
父「もちろんだとも。多分、得意の剣さばき、ならぬ包丁さばきでーー」

61 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2016/12/26(月) 23:05:04.929 ID:+RIxhZilK
そっちかよ

62 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2016/12/26(月) 23:07:18.077 ID:VjxOh5BA0
父「今頃、子供のためにおやつでも作ってるんじゃないのかな」
ー 少年の家 ー
母「今日はお祝いに、デザートにケーキを焼いてあげるわ! 大きめに切ってあげる!」
少年「わぁっ、楽しみ!」
母「……ん」
母「ハーックション!」
少年「お母さん、大丈夫!?」
母「ええ、平気よ。多分……誰かが私の噂でもしてるんでしょうね」
ー 完 ー

63 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2016/12/26(月) 23:11:40.888 ID:850G7rce0
乙!

64 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2016/12/26(月) 23:12:14.446 ID:DgTz5s+Y0
おつおつ

66 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2016/12/26(月) 23:12:40.125 ID:6odNEXkZa
やはり斧使いは正義


67 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2016/12/26(月) 23:13:13.311 ID:A7ICJum4r
働くオヤジはかっこいい