Part7
140 :
◆loxSgAubwY:2015/05/18(月) 00:03:41 ID:si977AqE
男「急に来たのに、ごちそうになって泊めてもらったりして」
男「ありがとうございました」ペコリ
鬼パパ「いや、こちらこそ鬼娘のためにわざわざすまなかったな」
鬼パパ「いつでも、と言っても、そうそう簡単に来れる距離ではないが…」
鬼パパ「次に来る時もうちに泊まるつもりで来るといい」
男「おじさん…」
鬼パパ「娘のこと、これからも頼むな」
ポン
男「はい!」
男「昨日おじさんが言ってた、いつか一緒に酒でもってやつ」
男「俺も楽しみにしてますから」
鬼ママ「あらあら。それって義理の親子としてってこと?」
男「えっ!?」
141 :
◆loxSgAubwY:2015/05/18(月) 00:05:46 ID:si977AqE
鬼パパ「そう、なるかな…?」
男「ええっ!?」
鬼娘「わあああああっ! 男おぉぉぉーっ♪」ギュムムム〜!
男「おわっおわっおわっ!////」アセアセ
鬼パパ&ママ「あはははっ」
鬼パパ「じゃあ、帰り、道中気をつけてな」
鬼ママ「またいらっしゃいね」
男「あっ、はい! お世話になりました!」ペコリ
鬼娘「私は少しだけ、見送り行くよ」
男「…うん」
ーー
ー
142 :
◆loxSgAubwY:2015/05/18(月) 00:14:47 ID:si977AqE
ー
ーー
男「次は…夏休みには一回ぐらい来ようと思う」
鬼娘「無理はしないでね」
鬼娘「やっぱり事故とか、心配だから」
鬼娘「私はもう大丈夫だから」
鬼娘「心の中でいつもあなたと繋がってるのがわかったから」
男「いつでも、電話でもメールでも、何でもしてこい」
鬼娘「うん」
鬼娘「それと、まだちゃんと決めたワケじゃないけど…」
男「うん?」
143 :
◆loxSgAubwY:2015/05/18(月) 00:15:31 ID:si977AqE
鬼娘「私、大学は、きっとそっちの大学を受けると思う」
鬼娘「男の近くに居たいとか、不純な理由じゃなくて…」
鬼娘「あ、もちろん少しはそれもあるんだけどっ…!」
鬼娘「今回の事で、私のしたいこと、少し見えたかもしれないの」
男「将来の夢、か」
鬼娘「うん」
144 :
◆loxSgAubwY:2015/05/18(月) 00:18:37 ID:si977AqE
鬼娘「スポーツってさ、心身共に整ってないと良いパフォーマンスできないんだよね」
鬼娘「今回の事で、私は平気なつもりだったんだけど…全然ダメだった」
鬼娘「要はメンタルが弱いって事なんだよね」
鬼娘「だから、そういう精神面からスポーツ選手を助ける仕事がしたいなって思ったの」
男「だけど鬼娘なら、大学でも優秀な成績、残せるんじゃないか?」
鬼娘「…無理だよ。私はメンタルが弱いって気付いちゃったから…」
鬼娘「だからサポートする側に回るの」
鬼娘「もちろん、陸上も好きだから続けるつもりだけど、大学の後の事ね」
男「そうか」
145 :
◆loxSgAubwY:2015/05/18(月) 00:24:29 ID:si977AqE
鬼娘「丁度、そっちに良い感じの学部がある大学を見つけたの」
鬼娘「ちょっとレベルが高いけど」
鬼娘「あと一年半、勉強がんばるから!」
男「おお、待ってるから」
鬼娘「約束だよ?」
鬼娘「浮気、しないでね?」
男「信用してないのかよー」プー
鬼娘「これだけ男に迷惑かけちゃったんだもん…」
鬼娘「男を信用してないんじゃなくて、自分に自信が持てないの」
鬼娘「私は…」
男「大丈夫だから!」
146 :
◆loxSgAubwY:2015/05/18(月) 00:29:06 ID:si977AqE
鬼娘「男…」
男「もういいっつってんのに」ハァ
男「これからは、これからの事だけ話すようにしよう、な?」ギュ…
鬼娘「…うん、ありがと」
男「じゃあ、そろそろ出るわ」
男「あんまり遅くなると心配だろ?」
鬼娘「そだね」
鬼娘「気をつけてね」
男「鬼娘は部活、がんばれよ」
鬼娘「うん」
男「あ」
鬼娘「どしたの?」
147 :
◆loxSgAubwY:2015/05/18(月) 00:32:09 ID:si977AqE
男「朝の鬼娘が作ったおにぎり、めっちゃ美味かった!」
鬼娘「ただ握っただけなんだけど…」
鬼娘「あ…、でもでもっ! 愛情はたっぷり入れたから!」ニコニコ
男「ありがとう」
キュルルル…
ブォン!
男「んしょ…」ヘルメット、カポ!
男「じゃあな」
鬼娘「うん、またね!」バイバイ
ブォン、ブォンブォォォ…!
148 :
◆loxSgAubwY:2015/05/18(月) 00:33:53 ID:si977AqE
鬼娘「あっ…!」
チカッ、チカッ、チカッ、チカッ、チカッ!
鬼娘(テールランプ五回…)
鬼娘(昔の歌の有名なフレーズかな…?)
鬼娘(私も、『アイシテル』よ!)
………
……
…
149 :
◆loxSgAubwY:2015/05/18(月) 00:54:51 ID:si977AqE
…
……
園内放送『本日はご来園、誠にありがとうございました』
園内放送『間もなく、閉園時間です』
園内放送『今日という日が、皆様の思い出の1ページに花を添える事ができたなら、スタッフ一同大変嬉しく思います』
園内放送『またのご来園、心よりお待ちしております』
園内放送『本日はご来園、誠に……』
150 :
◆loxSgAubwY:2015/05/18(月) 00:55:59 ID:si977AqE
ワイワイ
家族連れ「お父さん、また連れてきてね」
家族連れ「おう、また来ような!」
ワイワイワイワイ
男「…」ニコニコ
鬼嫁「男?」
男「あ、うん? 何?」
鬼嫁「なんかすごくニコニコしてるから」
男「ああ、家族連れ見ててさ、ああいうのっていいなっていうか、憧れるっていうか…」
鬼嫁「ほぉ」
男「子供がいるって、大変な事も多いんだろうけど、それ以上に楽しいんだろなと思って」
鬼嫁「ふふふ、きっとそうね」
151 :
◆loxSgAubwY:2015/05/18(月) 00:59:58 ID:si977AqE
男「でさ、このあとなんだけど…」
鬼嫁「晩ご飯、食べに行くんでしょ?」
男「そうだよ」
男「鬼娘は、どこか行きたいとこある?」
鬼嫁「うーん…、これといってはないかな…」
男「じゃあさ…」
ーーー
ーー
ー
152 :
◆loxSgAubwY:2015/05/18(月) 01:03:31 ID:si977AqE
ー
ーー
鬼嫁「うわーっ! うわあーっ!」
鬼嫁「部屋からの夜景も綺麗ーっ!」キラキラ!
鬼嫁「私、こんな部屋に泊まるの初めて!」ウキウキ!
鬼嫁「ディナーのフルコースもすごく美味しかったし!」
男「それはよかった」
鬼嫁「でも、いつの間にこんなディナーとホテル、予約してたの?」
男「一週間ほど前に」
鬼嫁「そのぅ…、お値段は…?」
男「無粋だなぁ、んなコト聞くなよー」
鬼嫁「う…ごめん」
153 :
◆loxSgAubwY:2015/05/18(月) 01:05:01 ID:si977AqE
男「ま、小遣いをちょいちょいこの日のために貯めておいて、な」
鬼嫁「男…」ジーン…
男「せっかくの記念日だからな」
鬼嫁「ほろり…、おこづかいアップしてあげるわ」
男「おおおおっ!? マジで!?」
男「棚ぼたー!」
鬼嫁「ふふふ」
154 :
◆loxSgAubwY:2015/05/18(月) 01:06:06 ID:si977AqE
鬼嫁「改めて見ると…いい雰囲気の部屋ね」
男「プチ贅沢っていうやつだよ」
男「近郊のホテルのちょっといい部屋で一泊するってやつらしいよ」
男「旅費がない分、ホテルを贅沢にできるってワケ」
鬼嫁「とっても素敵なプレゼントよ」
ギュッ
鬼嫁「ありがとう」
男「夫婦の記念日なんだから、お礼なんていいよ」
男「二人で積み重ねてきたんだから」
鬼嫁「貴方と一緒になれて幸せよ…」ギュ
男「俺もだよ」ギュ
155 :
◆loxSgAubwY:2015/05/18(月) 01:06:46 ID:si977AqE
鬼嫁「ね?」
男「ん?」
鬼嫁「家族が増えるって、幸せ…幸福だと思う?」
男「今言ったじゃないか。お前と結婚できて幸せだって」
鬼嫁「そうじゃなくて…」
男「え?」
156 :
◆loxSgAubwY:2015/05/18(月) 01:07:49 ID:si977AqE
鬼嫁「子供…、ほしくない?」
男「ええっ!?」
鬼嫁「ねぇ?」
男「いや、そりゃほしいけどっ…」
男「ほら、お前言ってたじゃないか」
男「大学の運動部のメンタルアドバイザー、すごくやりがいがあるって!」
男「だから、まだ…」
鬼嫁「赤ちゃんができても、ハードな仕事じゃないから大丈夫よ」
鬼嫁「そりゃあ産まれたらしばらく休みはするけどさ」
157 :
◆loxSgAubwY:2015/05/18(月) 01:08:26 ID:si977AqE
鬼嫁「それにね」
鬼嫁「仕事は私個人の満足感とかそういうのだけど、子供は…」
鬼嫁「赤ちゃんは、貴方と私、二人の幸せだと思うから」
男「鬼娘…」
158 :
◆loxSgAubwY:2015/05/18(月) 01:11:35 ID:si977AqE
鬼嫁「もう一度聞くね?」
鬼嫁「家族が増えるって、幸せ…幸福だと思う?」
男「うん、もちろん」
鬼嫁「私もそう思うよ」
男「でも、鬼と人間のハーフって、ツノはどうなるんだろな?」
鬼嫁「うーん…」
鬼嫁「私の周りには居ないから詳しくはわかんないや」
159 :
◆loxSgAubwY:2015/05/18(月) 01:13:14 ID:si977AqE
男「ま、お前との子供ならツノがあってもなくても何本生えてても、男でも女でも」
男「間違いなくカワイイと思うけどな!」
鬼嫁「もうっ、男ったら…////」
チュウ
男「んっ」
鬼嫁「んんっ…」
男「んん」
鬼嫁「あふぁっ…」
鬼嫁「ね?」
男「うん?」
160 :
◆loxSgAubwY:2015/05/18(月) 01:14:27 ID:si977AqE
鬼嫁「赤ちゃんは、幸福、だよね?」
男「ああ」
鬼嫁「じゃあ、さ?」
鬼嫁「今日はいつもと同じじゃなくてさ?」
161 :
◆loxSgAubwY:2015/05/18(月) 01:15:26 ID:si977AqE
鬼嫁「最後は『福は内』でお願いネ?」
おわり
162 :
◆loxSgAubwY:2015/05/18(月) 01:19:11 ID:si977AqE
最後までお読み頂きありがとうございました
毎度ながら拙い作品ではありますが、少しでも楽しんで頂けたなら嬉しく思います
ありがとうございました
163 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2015/05/18(月) 01:26:38 ID:DQX.BBj6
よかった。
遠距離で復縁迫られたら信じきれないだろうなあ。鬼嫁と男だから成立するんだろうな
164 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2015/05/18(月) 05:42:49 ID:uPjeWa2Y
おつ
面白くて一気に読んだ
また頼むね