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うちの嫁は鬼嫁
Part5


96 : ◆loxSgAubwY:2015/05/17(日) 19:50:22 ID:lRQhxOc.
?「あーっ!! おにこっちが男の子と喋ってる!」
鬼娘「せっ、先輩っ!?」
先輩「ダレダレ?」ウキウキ
先輩「ツノ無いね、島外のヒト?」
男「あ、はい。鬼娘がここに引っ越す前からの知り合いで…」
先輩「おにこぉ〜?」
先輩「呼び捨てですかぁ!」
先輩「もしかして、おにこっちの彼氏?」
男「あ、いや…」…ズキン

97 : ◆loxSgAubwY:2015/05/17(日) 19:52:00 ID:lRQhxOc.
鬼娘「…」
鬼娘「そうです」
男(え…、鬼…娘?)
鬼娘「しばらく会えてなかったんで、わざわざ会いに来てくれたんですよ」ニコ
先輩「かぁああ〜っ! ノロケですか!?」
鬼娘「そ、そんなつもりじゃないんですけど…」
先輩「うっふふふぅ〜」
先輩「ま、邪魔しちゃ悪いから私はさっさと退散するわね」ニヤニヤ

98 : ◆loxSgAubwY:2015/05/17(日) 19:53:12 ID:lRQhxOc.
先輩「彼氏くん」チョイチョイ
男「はい?」
先輩「おにこっちね、こっちに越してきてから色々と調子悪いみたいなのよ」
男(…友の話、本当だったんだ)
先輩「環境が変わったから大変なんだろね」
先輩「よかったらちょっとフォロー、してあげてね?」ポンポン
男「えっ、俺っすか!?」
先輩「何よー、彼氏なんでしょ?」
男「えっと…、うーむ…」チラ
鬼娘「…」ウツムキー

99 : ◆loxSgAubwY:2015/05/17(日) 19:53:47 ID:lRQhxOc.
先輩「ま、親しい仲でしか聞いてあげられない話とかもあるでしょ?」
先輩「任せるわね」ポン
男「…まあ、はい」
先輩「じゃ、おにこっち、お疲れさま!」
タッタッタッ…
鬼娘「おっ、お疲れ様です!」ペコリ
男「…あー、うーむ…」
鬼娘「…」
鬼娘「あちゃー、先輩に見られるなんて…」
男「なかなかのタイミングですな」
鬼娘「学校、すぐ近くなのよ」
男「あ、それで…」

100 : ◆loxSgAubwY:2015/05/17(日) 19:55:18 ID:lRQhxOc.
鬼娘「明日色々聞かれるんだろな…、ははは…」
男「それより鬼娘、今…」
鬼娘「…ねぇ?」
男「え?」
鬼娘「…ちょっと、海岸公園のベンチ、行こうか」
鬼嫁「そこで少し話さない?」
男「あ、…うん」

101 : ◆loxSgAubwY:2015/05/17(日) 19:57:12 ID:lRQhxOc.
ーー
ザザーン…
男「ん、コレ」ヒョイ
男「お前の好きなメーカーの紅茶」
鬼娘「覚えててくれたの? ありがと…」
ザーン…ザザーン…
鬼娘「…」カシュ
鬼娘「…ん」クピクピ
鬼娘「…ふぅ」
男「なあ」
鬼娘「うん?」
男「俺達別れたんだよな?」

102 : ◆loxSgAubwY:2015/05/17(日) 19:58:15 ID:lRQhxOc.
鬼娘「…」
男「でも、さっき先輩さんには『彼氏』って…」
鬼娘「…ん」
男「嘘をつくと、あとあと取り繕うのが大変じゃないのか?」
鬼娘「うー…ん、」
男「俺が急に来たりしたから、ごめんな」
鬼娘「…嘘じゃないもん」
男「え?」
ザザーン…
鬼娘「嘘なんかついてないもん!」
男「…鬼娘?」

103 : ◆loxSgAubwY:2015/05/17(日) 19:59:45 ID:lRQhxOc.
鬼娘「私、ホントにバカだった…!」
鬼娘「離れるのが辛いなら、元を断てばいいって…」ジワッ…
鬼娘「ずっと男の近くで過ごしてきたから、会えないほど離れて付き合うなんて考えられなかった!」ポロポロ…
鬼娘「でもっ、でもぉっ…!」
鬼娘「実際に別れて、改めて実感したのぉっ…」ポロポロ
鬼娘「会える会えないとかうわべだけの事より、私はもっともっと心の奥で」
鬼娘「男とずっと、繋がってたんだって…えぐっ」

104 : ◆loxSgAubwY:2015/05/17(日) 20:02:12 ID:lRQhxOc.
鬼娘「ホンドにっ、ひぐっ、何もながっだ…ううっひっく…」
鬼娘「ホントに何も無かった事に…する方がツラいんだっでぇ…」
鬼娘「ああああっ…」
鬼娘「わだじっ、ほんどにっ、バカだったよぅうぅぅ〜」ボロボロボロボロ〜
鬼娘「わぁぁああああぁーん」ボロボロボロボロ〜

105 : ◆loxSgAubwY:2015/05/17(日) 20:07:38 ID:lRQhxOc.
男「鬼娘が泣くの、初めて見たな」
鬼娘「おぉ、お、鬼の目にも涙だよぉおおぉぉ〜」ボロボロボロボロ〜
男「事実そーだけど、意味は違うから!」
鬼娘「ひっく、男…」
男「ん?」
鬼娘「んくっ、別れよ、なんて…無かった事にしてくれない?」
鬼娘「もう一度…わたしと…付き合って」
鬼娘「勝手なこと言ってるの、わかってる…」
鬼娘「でもっ…」
男「いいよ、もう」

106 : ◆loxSgAubwY:2015/05/17(日) 20:09:22 ID:lRQhxOc.
男「友から鬼娘が調子悪いって聞いて」
男「ツーリングなんて建前で、ホントは鬼娘が気になって気になって…」
鬼娘「男…」
男「もし鬼娘が俺の事、全部吹っ切れてるなら仕方ないと思ってたけど…」
男「来てよかった」
鬼娘「…もし私が調子悪いって聞いてなかったら?」
鬼娘「…私が引っ越してから連絡もほとんどしてくれないし」
鬼娘「ぐすっ、はくじょうものっ!」プー

107 : ◆loxSgAubwY:2015/05/17(日) 20:10:27 ID:lRQhxOc.
男「なっ…!?」
男「連絡しなかったのはお互い様だろ!?」
男「ってか、フラれた立場になってみろっつーの!」
男「ヘタに連絡したら未練があるみたいじゃないか!」
男「ま、まあ…情けない話、未練だらけだったけど」
男「だから何も聞いてなくても、きっと鬼娘に会いに来てたと思うんだ」
男「やっぱり、好きだから」
鬼娘「ひっく、うんっ、うんっ…、ごめんなさい…」

108 : ◆loxSgAubwY:2015/05/17(日) 20:12:40 ID:lRQhxOc.
ギュッ…
鬼娘「私も自分で言い出したケジメの手前、簡単に連絡できなかったの…」
ポロポロ…
鬼娘「ほ、ほんどにぃ…ごめっ、ごべんなざいぃいぃ〜」
男「泣くなよ」
男「もういいから」
ワシャ
男「いきなり遠距離になるって聞いて、動転したんだよな」
ワシャワシャ
鬼娘「えぐっ、ごめんね、ごめんねぇっ…!!」
男「お前はいつも直球過ぎるんだよ」
男「俺もちゃんと話せば良かったんだけどな」
鬼娘「えぐっ、ひくっ…」

109 : ◆loxSgAubwY:2015/05/17(日) 20:13:24 ID:lRQhxOc.
鬼娘「でも男も…思ったより考えなしだね」
鬼娘「ここまで随分遠いのに無理して来てくれてさ?」
男「まあ、これだけの長距離は初めてだったからキツいっちゃキツかったけど」
男「鬼娘に会うためならどうってことないよ」
鬼娘「ありがとう」ギュッ!
鬼娘「ひっく」
鬼娘「ところでさ」
男「ん?」
鬼娘「さっきから思ってたんだけど、男、すごくジャリジャリしてない?」
男「どーゆーこと?」
鬼娘「服がね、ジャリジャリしてんの」
鬼娘「砂かな?」

110 : ◆loxSgAubwY:2015/05/17(日) 20:14:10 ID:lRQhxOc.
男「あー、あれだ」
男「来るとき雨に降られたんだ」
鬼娘「どゆこと?」
男「高速道路で降られてさ、前の車が水しぶきあげるだろ」
男「そのしぶきに細かーい砂とか混ざってんだよ」
男「それをミストシャワーよろしく、走りながら浴びるわけ」
鬼娘「あ〜…」
男「顔はフルフェイスのヘルメットだからマシなんだけど、身体中もう…」
鬼娘「…ばか」
鬼娘「無理して来るから…」
男「うん…、ごめん」

111 : ◆loxSgAubwY:2015/05/17(日) 20:14:58 ID:lRQhxOc.
鬼娘「違う違う、違う違う」フルフル
鬼娘「…そうじゃない」
鬼娘「私のせいだもんね」
鬼娘「ごめんなさい…」シュン
男「ホントに気にするな」
男「結果、こうして鬼娘と元通りになったワケだし」
男「疲れたのは本当だけど、今となっちゃ途中楽しかったのも事実だから」
男「いい経験になったよ」

112 : ◆loxSgAubwY:2015/05/17(日) 23:01:32 ID:lRQhxOc.
鬼娘「ぐす…、男はこれからどうするの?」
鬼娘「今から帰るなんて言わないよね?」
男「まーさか!」
男「さすがに一泊していくよ。今からカプセルホテルとかビジネスホテルとか、安い所探そうと思って」
鬼娘「ふーん…」
男「どこか良いとこ知らない?」
鬼娘「あ、ちょっと待ってね」サッ
ツイッツイッ
鬼娘「…」プルルルプルルル…
鬼娘「あ、ママ?」
鬼娘「もうすぐ帰るんだけどね」
鬼娘「男がわざわざ会いに来てくれたの」

113 : ◆loxSgAubwY:2015/05/17(日) 23:02:46 ID:lRQhxOc.
鬼娘「うん、うん。うふふー」ニコニコ
男(何だか嬉しそうだな)
鬼娘「でね?」
鬼娘「男に今日、泊まってってもらっていいかな?」
男「はあっ!?」
男「ちょっと待て待て待て!」
鬼娘「(まあまあまあまあ)」
男「いや、まあまあじゃなくて…」
鬼娘「うん、そう。ふんふん」

114 : ◆loxSgAubwY:2015/05/17(日) 23:03:47 ID:lRQhxOc.
鬼娘「じゃ、今から連れて行くから」
男「うぉおおーいっ!!」
鬼娘「はいはーい」
プッ
鬼娘「というワケだから」ニコッ
男「有無ぐらい言わせて!」
鬼娘「ごめんなさい」
鬼娘「でも私に今できる事って言ったらこれくらいしか思い浮かばなくて…」
男「鬼娘…」
鬼娘「ママも久しぶりに会えるって喜んでたよ」
鬼娘「だから、ね?」

115 : ◆loxSgAubwY:2015/05/17(日) 23:04:44 ID:lRQhxOc.
男「うーん…」
鬼娘「ほらほらっ!」グイッグイッ
男「わっ、ちょっちょっ!」
鬼娘「はい、行きましょ〜っ、行きましょお〜♪」フンフーン♪
男「元気になりましたね」
鬼娘「そーお?」ニコニコ
鬼娘「気にしない気にしない♪」ニコニコ
グイッグイッ
男「わかった、わかったから!」
男「バイク取りに行かせて!」
ーー


116 : ◆loxSgAubwY:2015/05/17(日) 23:05:30 ID:lRQhxOc.
カポーン…ピチョン
男「ふーっ」
鬼娘「男ー、バスタオル、ここに置いとくね」
男「ありがとう」
鬼娘「お風呂あがった後の着替えもパパのだけど、置いておくから」
男「…色々スイマセン」
鬼娘「気にしないで」
鬼娘「カバンの中の着替えまで濡れてたなんて、よっぽど強く雨に降られたのね」
男「本当のところ、ちょっと怖かった」
鬼娘「無理させてごめんね」
男「お前こそ気にするな」
鬼娘「うん…」

117 : ◆loxSgAubwY:2015/05/17(日) 23:08:02 ID:lRQhxOc.
男「なあ」
鬼娘「ん?」
男「おばさんには一度別れた事、言ってないみたいだったな」
鬼娘「…うん」
鬼娘「言えないよ」
鬼娘「パパにも言ってないし…」
鬼娘「パパママだけじゃないよ」
鬼娘「誰かに言っちゃうと、全部終わっちゃうみたいで」
男「そうか」
鬼娘「あはは…、ホント、どうしようもないね、私」
鬼娘「自分がどれだけ貴方の事を好きか、解ってたハズなのに」
鬼娘「目先の寂しさだけでバカな判断しちゃって」