Part2
24 :
◆loxSgAubwY:2015/05/15(金) 22:31:41 ID:PrLOPvjg
男&鬼嫁「あはははっ!!」
男「入学初日にセンセーに目ぇつけられてさ」
鬼嫁「それから、よく追いかけっこして叱られたよね」
男「周りの友達からは、『リアル鬼ごっこだ〜』とか言われてたし」
鬼嫁「私、本物の鬼ですから」
男「ははは。まんまだよな」
鬼嫁「今思うと、私もよく貴方のこと追い続けたもんだね」
男「その節は色々と手間を掛けさせてすいませんでした」ペコペコ
25 :
◆loxSgAubwY:2015/05/15(金) 22:34:29 ID:PrLOPvjg
鬼嫁「結果、付き合ってくれたからいいけどね」
鬼嫁「でもそうしてくれるなら、もっと早くに私を受け入れてくれてもよかったんじゃない?」
男「中学に上がりたての男子なんか、同じ年頃の女の子に比べりゃまだまだガキなんだよ」
男「好きとか付き合うとか彼女とか、実感湧かなかったし…」
男「でも…、高校の進路で別々になるってわかったとき…」
26 :
◆loxSgAubwY:2015/05/15(金) 22:36:38 ID:PrLOPvjg
…
……
〜再び中学時代〜
男「やっぱりそうなるよな」
友「鬼娘は陸上の推薦で高校進学か」
男「あれだけ実績残していれば推薦も受けやすいだろうし」
友「俺たちは普通に公立受験だな」
男「みんな、別々になっちゃうな」
友「お前らのリアル鬼ごっこも今年で見納めかぁ」
男「そう、だな」
友「おんや?」
27 :
◆loxSgAubwY:2015/05/15(金) 22:38:34 ID:PrLOPvjg
友「いつもなら『リアル鬼ごっこ言うなっ!』ってツッコむのに…」
男「あ、ああ、うん…」
友「どした?」
男「いや、ずっと近くにいたのにいざ離ればなれになるってわかると、結構な喪失感だなって」
友「ふーん」
友「何とも思ってないって言うと思ってたのに」
男「自分でもそう思う」
28 :
◆loxSgAubwY:2015/05/15(金) 22:40:42 ID:PrLOPvjg
友「あいつは、いいヤツだよ」
友「それでいて超一途だ」
男「…わかってる」
友「お前に好きだ好きだ言うのだって、いつも本気なんだぜ?」
友「しかも、小さい頃からずっと」
男「うん、わかってる」
友「だから俺は中学上がる前に鬼娘の事はあきらめた!」
29 :
◆loxSgAubwY:2015/05/15(金) 22:42:08 ID:PrLOPvjg
男「え?」
男「ホ、ホントか、それ!?」
友「うん。ホントホント」シレッ
男「知らんかった…」
友「俺と話すときはだいたい男の事聞いてくるし」
男「おぉう…////」
友「中学で一緒の学校に通えるって話すときの鬼娘の嬉しそうな顔ってば…」
男「おうおぅ…////」
友「俺の入り込むスキマはなかったんだよ」
男「友…」
30 :
◆loxSgAubwY:2015/05/15(金) 22:44:15 ID:PrLOPvjg
友「だからっ、だ!」ビシッ!
男「!?」
友「お前も鬼娘の事、好きなんだな?」
男「あう…////」
男「好き…だ////」
友「好き好き言われ過ぎて情が移ったとかじゃないよな?」
男「いや、情…なんかじゃない」
男「俺も鬼娘の性格に、いつの間にか惹かれてたんだよな」
友「そかそか」ニコニコ
男「…うん////」コクリ
31 :
◆loxSgAubwY:2015/05/15(金) 22:47:15 ID:PrLOPvjg
友「お」チラ
友「陸上部、終わったみたいだぜ」
友「行ってこいよ、鬼娘んとこ」
男「…なあ、友」
友「ん?」
男「お前は鬼娘の事、もういいのか?」
友「アーホ」ペチン
男「あた」
友「とっくに諦めなんかついてるよ」
友「だいたい、俺が鬼娘の事好きだって気づいたのは小4ぐらいの時だもん」
友「諦めるまで、2年くらい」
友「それに比べて鬼娘は、だ」
友「お前ら二人が初めて会った時からずっと男の事が好きだったんだ」
32 :
◆loxSgAubwY:2015/05/15(金) 22:48:29 ID:PrLOPvjg
男「…ああ」
友「小学校の間、6年間」
友「それと中学入ってからの2年ちょい」
友「合計8年もお前一筋だった、いや…」
友「今もだな」
友「もう重さってか、そんなんが全然違うだろ?」
男「まあ、そうだけど」
友「俺は大丈夫だから」
男「友…」
33 :
◆loxSgAubwY:2015/05/15(金) 22:54:13 ID:PrLOPvjg
友「それに今は別に好きなコいるし…」ポソッ
男「え、そうなんっ!?」
友「やべっ」
男「ちょっ、誰っ?何組?どんなコっ!?」
友「修学旅行の夜か!」
友「俺の事はいいんだよ!」
男「気になるだろ!?」
友「んなモン簡単にバラすわけねぇだろ!」
男「気になるなー」
友「ほらっ、早く行けよ!」
男「わかったよ」
34 :
◆loxSgAubwY:2015/05/15(金) 22:56:17 ID:PrLOPvjg
友「お前らがどんな関係になっても」
友「俺はずっと、お前らの友達だから!」
男「おう!」
友「あ、でもっ!」
男「ん?」
友「今は違うけど鬼娘は、『好きだった子』で、男同様大事な友達だ」」
友「半端な事しでかしたら、例えお前でも許さないからな!」
男「おう、約束する」
ガタ
男「じゃ、鬼娘んとこ行ってくる」タタッ…
友(おおー、なんか俺達青春してる〜)ジーン
35 :
◆loxSgAubwY:2015/05/15(金) 22:57:21 ID:PrLOPvjg
ー
ーー
鬼娘「おー♪」ダッ
鬼娘「とー♪」ダダッ
鬼娘「こーっ♪」ダダダッ
男「鬼娘」
鬼娘「え」ダダダ…
男「え」
ドンッ
鬼娘「ふぎゅ」
男「ぐあっ」
鬼娘「いだいぃ〜」ジィィン
男「だ、大丈夫?」
36 :
◆loxSgAubwY:2015/05/15(金) 22:58:48 ID:PrLOPvjg
鬼娘「なんで今日は逃げないのぉ?」サスサス
鬼娘「鼻、打っちゃったよーぅ」
男「いや、その…」
鬼娘「やっと私に捕まる気になってくれた?」ニパ
男「そのっ、あうっ、あうあう…////」
鬼娘「あははは」
鬼娘「照れるとオットセイになるクセ、変わんないね!」
男「茶化すなっ!こっちは気合い入れてきたんだっ!!」
鬼娘「え…」
鬼娘「えーと、マジ?」
男「その…、ごめん」
37 :
◆loxSgAubwY:2015/05/15(金) 23:00:15 ID:PrLOPvjg
鬼娘「ご、ごめんって…。やっぱり私の事は好きになれない?」
男「いや、違う違う!」
男「逆だよ」
男「ただ散々好き好き言わせておいて、今さら俺も好きだなんて…」
鬼娘「え?」
鬼娘「ええっ!?」
男「なんか、うまく言えないけど、待たせてごめんな」
男「遅くなって…ごめん」
鬼娘「お、男…それホント?」
男「うん…」
38 :
◆loxSgAubwY:2015/05/15(金) 23:01:08 ID:PrLOPvjg
男「ほら、鬼娘さ…、推薦で進学するから高校は別々になるだろ?」
鬼娘「うん」
男「俺は俺で、どうしても行きたい高校ってワケじゃんないけど、公立の金のかかんないとこに行くつもりなんだ」
男「それに『一緒に居たい』ってだけで進路決めるのも違うじゃん?」
鬼娘「確かにー」
男「だからどうしても離ればなれになるんだよな、鬼娘と」
鬼娘「…そ、だね」
男「そうなるってわかって、初めて…、俺ん中で存在が大きくなってるのがわかった」
男「今さら、ホントごめん」ペコ
39 :
◆loxSgAubwY:2015/05/15(金) 23:01:59 ID:PrLOPvjg
鬼娘「んーん。顔あげてよ、男」
鬼娘「私こそ、いつも追いかけ回してごめんね」
鬼娘「でもっ、好きなんだもん!」
鬼娘「ずっとっ!好きだったんだもん!」
男「…うん」
鬼娘「私でいいの?」
男「それはこっちのセリフ」
鬼娘「当たり前よ!」
鬼娘「こちとらどれだけ一途に追いかけてたと思ってんのよ!」
40 :
◆loxSgAubwY:2015/05/15(金) 23:03:13 ID:PrLOPvjg
男「『あの日』から8年ぐらい?」
鬼娘「すごいでしょ!」エヘン
男「すげーな、ホント」
鬼娘「鬼ごっこで私を庇ってくれた優しい男の子は」
鬼娘「それから、学校も違うのに追いかけても嫌な顔一つもしないで私と過ごしてくれて」
鬼娘「もうなんだかねぇ…その子以外目に入んなくなっちゃったのよね」
男「お、おう…////」
鬼娘「そういう照れて、ちょっと可愛いとこも好きよ」
男「あうあう////」
鬼娘「ぷぷー!オットセイ!」
男「こ、こっちだってなぁっ!////」
男「そこまで一途に想われて嬉しくないワケねぇだろ!?」
男「嬉しいやら、恥ずかしいやら!////」
41 :
◆loxSgAubwY:2015/05/15(金) 23:08:24 ID:PrLOPvjg
男「ただ、これだけ長い間好き好き言われ続けて、今さらってのもあったし」
男「それに」
男「鬼娘や友との関係も変わってしまうんじゃないかって…」
男「少し怖かったのかもしれない」
鬼娘「相変わらず優しいねぇ」
男「ホント今さらごめんな」
42 :
◆loxSgAubwY:2015/05/15(金) 23:09:11 ID:PrLOPvjg
男「…でも」
男「こんな俺でも良かったら…」
男「つ、付き合ってくれませんか?////」
鬼娘「そんなっ!」
鬼娘「私こそ散々追いかけ回して、それでも私の事好きだって言ってくれるんなら」
鬼娘「よろしくお願いします」ペコ
男「…あ、うん…、よろしく////」
鬼娘「えへへー////」
男「お、赤鬼になった!////」
43 :
◆loxSgAubwY:2015/05/15(金) 23:09:46 ID:PrLOPvjg
男「珍しいな、鬼娘が照れるの////」
鬼娘「そ、そうだけどぉ…////」
鬼娘「あなたの赤具合に比べたら、マシなんじゃないかな?」
男「そ、そんなに赤い?////」
鬼娘「うん!真っ赤!」クスクス
男「あうぅぅ…////」
鬼娘「あ、そだ!」
男「ど、どした?」
鬼娘「ちょっと待ってね」
ゴソゴソ
鬼娘「鞄の中に…」
ガサゴソ
44 :
◆loxSgAubwY:2015/05/15(金) 23:10:31 ID:PrLOPvjg
鬼娘「あった!」スポ
男「制汗スプレー?」
鬼娘「よっ!」ブシュー!
鬼娘「んっ!」ボシュー!
鬼娘「ここもっ!」バシュー!
ブシュー!ブシュー!ブシュー!
鬼娘「ぶぁっ!」
鬼娘「ぐぁっは!ヴェっほっ!ごほっ!」
男「だ、大丈夫?」
鬼娘「こほっ。ふ、噴きすぎちゃった、えほっ」
男「そんなにスプレーして何を…」
鬼娘「ふんふん」クンカクンカ
45 :
◆loxSgAubwY:2015/05/15(金) 23:11:10 ID:PrLOPvjg
鬼娘「たぶん汗くさくない」スンスン
男「さっきから何を?」
鬼娘「えへー」
鬼娘「ぎゅって…していい?」
男「えっ!?」
鬼娘「夢じゃないよね?」
鬼娘「ホント、なんだよね?」
鬼娘「男も私の事、好きになってくれたんだよね?」
男「ん、まあ、そのぅ…今さらながら気づいたっつーかなんつーか…////」ポリポリ
鬼娘「男ーっ!」タッ
ドムッ
男「いだっ!」グサッ!