ニンジャスレイヤー「ドーモ、にこ=サン」 にこ「何よ!あんた!」
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Part7
258 :
◆718.HTMzJjwd :2014/06/24(火) 14:30:14.09 ID:L/FXjcwD0
「あ……あなたはにこちゃんと知り合いみたいだけど、なんでにこちゃんを殺
そうとするの?」穂乃果はすべての力を振り絞ってニンジャスレイヤーに質問
した。この行為は時間稼ぎという意味なら正しい。もしヤバレカバレで襲い掛
かれば即全員無力化されてアイドルニンジャはカイシャクされているだろう。
「ニンジャだからだ」即答。その短い言葉にμ'sのメンバーは強大な意志を感
じ取った。「……にこちゃんは私を殺そうとした時に涙を流した……まだにこち
ゃんの意識は死んでいない……だから元のにこちゃんに戻るかも……」真姫は
考えていたにこが戻ればこのニンジャは殺さないかもしれないと。
しかしその考えは甘かった。「それはない。にこ=サンはソウルに呑まれた。ソ
ウルに呑まれた人間はニンジャとなり、オヌシ達を殺そうとしたようにムシケ
ラを殺すようにモータルを殺していく、故に殺す。」ニンジャスレイヤーの目に
は一切の躊躇はない。
259 :
◆718.HTMzJjwd :2014/06/24(火) 14:39:11.88 ID:L/FXjcwD0
(((マズイ……)))ニューロンに危険信号が過る。このままでは殺されてしま
う!μ'sのメンバーはニューロンをフル稼働して方法を考える。「でもにこはま
だ私達に害を与えていない。人を捌くのは司法の仕事。あなたににこを捌く権
利も殺す権利はない……」絵里は恐怖を押し殺し振り絞るように喋った。
普通の人間ならこの論理で手を止めるだろう。しかし彼は怒りを押し殺して喋
る。「確かに私にニンジャを殺す権利はない。だが殺す。この行為は私のエゴだ
。決めるのは私のエゴだ。悪しきニンジャはすべて殺す!慈悲はない!」その憎
悪に満ちた瞳を見て彼女達は思い知らされた。このニンジャを止められないと。
エゴで人を殺す。彼女達にはこの狂人の考えを全く理解することができなかっ
た。「モンドウは終わりか?ならば退け」この一言で彼女たちの意志とは関係な
く、海を渡ったモーゼめいてアイドルニンジャへの道を作ってしまった。止め
ようとしても身体が自分の意志に反して全く動かない!もはやこれまでか!?
260 :
◆718.HTMzJjwd :2014/06/24(火) 14:50:52.79 ID:L/FXjcwD0
「イヤーッ!」その時ニンジャスレイヤーの前にスリケンが飛んできた!だが
それを人差し指と中指で難なく掴むニンジャスレイヤー、「みんなに手を出せな
いわ!」そこには膝立ちで構えをとるアイドルニンジャが!ニンジャスレイヤ
ーはスリケンを投げ返そうとするがその手を止めた。
「にこ=サンか?」ニンジャスレイヤーはアイドルニンジャと相対した時は違
うアトモスフィアを感じ取っていた。「ええそうよ。にこよ……ウッ!」にこは
突如頭を抱え蹲ると「調子に乗るなモータル!」頭をあげた途端に邪悪な声を
発するにこ。
「にこの身体よ、どきなさい!」「さっさと明け渡せ!」交互に声色を変える寸
劇めいた様子を見て、μ'sのメンバーは困惑していた。「にこちゃん……どうな
っているの?」しかしニンジャスレイヤーはにこに何が起こっているかうっす
らと分かっていた。(((これはソウルに抗っているのか?)))
261 :
◆718.HTMzJjwd :2014/06/24(火) 14:56:41.82 ID:L/FXjcwD0
ニンジャスレイヤーも邪悪なるナラク・ニンジャに体を乗っ取られない様に抗
っていた時期があった。にこも自分の中にあるニンジャソウルと抗っているの
ではという仮説を立て、そしてニンジャスレイヤーは以前のことを思い出して
いた。
ダークニンジャと初めて対峙したあの日。センセイの最後のインストラクショ
ンが無ければ自分はナラクに呑み込まれていただろう。私はセンセイが居たか
らよかったが彼女はどうなるのだ?このまま呑み込まれるのか?その時アイド
ルニンジャは糸が切れたジュルリ人形めいて倒れ込んだ。
その時、自然と大声でにこに語りかけていた。「インストラクション。ニンジャ
ソウルに呑み込まれるなかれ。手綱を握るのはオヌシ自身だ!」人にモノを語
る資格はない。だがセンセイの教えならにこ=サンを救ってくれるかもしれな
い。ニンジャスレイヤーはセンセイの教えと彼女の精神力に掛けたのだ!
262 :
◆718.HTMzJjwd :2014/06/24(火) 14:59:16.25 ID:L/FXjcwD0
すみません。今日はここで中断させてもらいます。
続きは26日に投稿させてもらいます。申し訳ないです。
263 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/06/24(火) 15:00:28.58 ID:jfNI/x5rO
オツカレサマドスエ
264 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/06/24(火) 15:02:52.88 ID:hiGRH2h+o
なんというヒキ=ジュツ
265 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/06/24(火) 15:23:57.18 ID:QHoO45diO
フィーヒヒヒ!ジュルリ!
正しくはジョルリ人形(浄瑠璃)なのだがアイドルなのでジュルリでも実際問題無い
268 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/06/25(水) 18:15:59.35 ID:UcZ7kOr90
ニンジャスレイヤーは人を選ぶって言われてるけど、中身は超王道で、入りこむのが難しいだけだとおもうわ
269 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/06/25(水) 18:46:51.95 ID:HJw++dUkO
文章に癖があるからよく知らない人にはギャグみたいに思われてる部分はあるけど、ストーリーは実際カッキェー
280 :
◆718.HTMzJjwd :2014/06/26(木) 15:01:11.17 ID:HX5Nwk+A0
◆○◆〜 18:00
18時に投稿します
281 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/06/26(木) 15:30:46.32 ID:9Fl0K2mE0
アイエエエエエエエエー!
282 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/06/26(木) 15:56:41.78 ID:OJGVr9bYO
ソウゼツにキタイ
283 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/06/26(木) 16:12:18.51 ID:SuEhcyLGo
スリケンだー
284 :
◆718.HTMzJjwd :2014/06/26(木) 18:01:42.79 ID:HX5Nwk+A0
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
285 :
◆718.HTMzJjwd :2014/06/26(木) 18:06:02.35 ID:HX5Nwk+A0
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
286 :
◆718.HTMzJjwd :2014/06/26(木) 18:12:18.83 ID:HX5Nwk+A0
「退け!」「退かない!」音ノ木坂学院の講堂とは違うステージ、ここはアイド
ルニンジャとにこが初めて出会った場所だ。そのステージの中央でアイドルニ
ンジャと、にこは手四つの態勢をとって押し合っていた。
互いの手の位置はハカイシめいてピクリとも動かない、この力比べは矢澤にこ
の体を賭けた主導権争いだ!この争いに負けた方の意識は奥底に沈み込み二度
と表に出ることはない!しかしこの均衡も崩れ始めた。にこの体がブリッジの
態勢に強いられそうになっている!アイドルニンジャ有利!
このままにこは意識を乗っ取られてしまうのか!?その時突如謎の声が聞こえ
てくる、「インストラクション。ニンジャソウルに呑み込まれるなかれ。手綱を
握るのはオヌシ自身だ!」この声を聞いた途端ににこは態勢を元の状態に戻し
始める。「そうだ。手綱を握るのは私よ!あんたじゃない!」
287 :
◆718.HTMzJjwd :2014/06/26(木) 18:17:59.27 ID:HX5Nwk+A0
そして態勢を戻し、にことアイドルニンジャの力比べは五分の状態に戻す。「さ
っさと諦めなさい!」にこの手が押され始める、「ここで私が負けたらμ'sのメ
ンバーを殺すんでしょ、ならなおさら負けられないわ!」アイドルニンジャの
手を押し返す。
「なんでみんなを殺そうとするのよ?」アイドルニンジャの手が押され始める。
「ムカつくからよ!アンタが仲間と楽しいそうにしているのがムカつくから
よ!そしてアンタの身体で再びアイドルをやり直す!」アイドルニンジャの力
は一気に増してにこの手を押し返す。
(((マズイ……)))にこの体はアイドルニンジャに押されてブリッジの態勢を
強いられそうになる!もはやこれまでか!?にこの脳内にソーマト・リコール
が見えていた。だがその映像を見てみるとにこの姿ではない別の姿だ!(((こ
れは誰?)))その人物はオブシダン色の長い髪をしていた。
288 :
◆718.HTMzJjwd :2014/06/26(木) 18:22:55.26 ID:HX5Nwk+A0
四畳半の小さな部屋の中「ねえ!おばあちゃんこの人誰?ネコネコカワイイよ
り凄い!」少女は古い映像の中で踊っている人物の真似をしながら問いかける。
「この人はルウコ=サン。おばあちゃんが若い頃に活躍していたオーガニック
アイドルよ」その少女の祖母らしき人物が答える。
「アタイもなれるかな?ルウコ=サンみたいに?」「今はネコネコカワイイがい
るから無理かもね」「ふ〜ん」その少女は映像に映るアイドルの真似を続けた。
(((アタイもいつかこんなアイドルになれるかな)))
289 :
◆718.HTMzJjwd :2014/06/26(木) 18:26:07.43 ID:HX5Nwk+A0
(((これは誰の記憶?)))
290 :
◆718.HTMzJjwd :2014/06/26(木) 18:31:31.19 ID:HX5Nwk+A0
あるハイスクールの教室。「ねえ、昨日のライブ見た?」「見たよカワイイヤッ
ター」「くだらない……」彼女は静かに呟いた。「え?」「ネコネコカワイイなん
てくだらないって言ったのよ!ルウコ=サンのほうが凄い……」「ネコネコカワ
イイがくだらないなんて嘘ですよね?」「そんな人なんてムラハチです」
彼女の姿はボロボロだった。(((あんな魂のないアイドルが好きと言うぐらいな
らムラハチされたほうがマシよ!)))「ドーモ、ボタン=サン、アンコです」「ド
ーモ、アンコ=サン、ボタンです。アタイに話しかけたらムラハチされるよ、
アンコ=サン」「あの時聞きました。ワタシもルウコ=サンが好きです」
「ネコネコカワイイよりルウコ=サンのほうが素敵です!」「そうだよね!」「ワ
タシの家でルウコ=サンの映像見ますか?」「はい!」「ユウジョウ!」「ユウジ
ョウ!」二人は談笑しながら帰り道を歩いていく。
291 :
◆718.HTMzJjwd :2014/06/26(木) 18:34:12.43 ID:HX5Nwk+A0
(((これは日本の高校生?でも何か違うわね)))
292 :
◆718.HTMzJjwd :2014/06/26(木) 18:39:07.35 ID:HX5Nwk+A0
「ドーモ、ヨウカンです」「ドーモ、アラレです」「ドーモ、オカキです」「ド
ーモ、ヨウカン=サン、アラレ=サン、オカキ=サン、オハギです。アンコ=サ
ンこの娘達は?」「みんなルウコ=サンのファンなんです。」「「「ワタシ達もネコ
ネコカワイイよりルウコ=サンのほうが好き」」」
ボタンは涙の頬には涙が流れていた。「ボタン=サン大丈夫?」「大丈夫……た
だネコネコカワイイしかアイドルとして認めないこの世の中でルウコ=サンの
ファンがこんなに居たのが嬉しくて……」ボタンは深呼吸した後提案する。「ね
え、みんなでアイドルやらない?」「アイドル?」
「ネコネコカワイイみたいな偽物じゃなくてアタイ達がルウコ=サンみたいな
アイドルになって本物アイドルをネオサイタマに見せるのよ!」「それいいで
すよ」「早速曲を作りましょう」「じゃあワタシは衣装作ります」「じゃあワタシは
振付け考える」
293 :
◆718.HTMzJjwd :2014/06/26(木) 18:43:54.28 ID:HX5Nwk+A0
(((高校生のアイドルって何だかにこ達みたい)))
294 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/06/26(木) 18:49:34.46 ID:dnDcoqVqO
確かに
295 :
◆718.HTMzJjwd :2014/06/26(木) 19:02:18.56 ID:HX5Nwk+A0
「「「「「できたー!」」」」「衣装もできたし、曲も振付けもオリジナル!」「大分ル
ウコ=サンの影響受けているけどね」「もーそれは言わないでよアンコ=サン」
「「「「「ハハハハ」」」」」「この曲でみんなを幸せな気持ちにしたいね。ルウコ=サ
ンみたいに」「はい」
「何で歌わしてくれないんですか?」「ネコネコカワイイ以外のアイドル活動
はダメ!禁止!」「そんな……一曲だけでも聞いてください!」「ダメ重点!」「ど
この会場でも歌わしてくれない……」「あきらめないで!」「そうだよ。ボタン
=サンの言うとおりです。会場がダメなら路上で歌いましょう」
「お前らがネコネコカワイイをリスペクトしてない奴だな」「あれ誰?」「あれ
は同じハイスクールのサトウ=サン、オムラの重役の息子だよ」「くだらないア
イドルの真似事をしているヤツはお前らかと聞いている?」「あ?」「そんな奴
らは囲んで棒で叩く!やれ!」「「「「ヨロコンデー!」」」」「「「「「アイエエエ!」」」」」
296 :
◆718.HTMzJjwd :2014/06/26(木) 19:06:46.55 ID:HX5Nwk+A0
(((何これ……酷すぎる……)))
297 :
◆718.HTMzJjwd :2014/06/26(木) 19:12:02.31 ID:HX5Nwk+A0
「どうしてサトウ=サンが無罪なんですか!?みんなアイツに殺されたんです
よ!」「落ち着いてくださいボタン=サン、何でもキミたちが好きなアイドルを
侮辱されて逆上。それを正当防衛重点の事故だった。いいね」「そんな……」
(((ルウコ=サンのファンというだけで殺されるなんてここはマッポーな
の!?真実が捻じ曲げられたのはサトウ=サンがオムラの重役の息子だから!
皆を殺したオムラ!そしてアイドル活動の場さえ奪ったネコネコカワイイ!許
さない!)))「ンアーッ!」「アイエエ!女子高生がトラックに轢かれた何で!?」
(((ドーモ)))(((誰?)))(((ドーモ、ボタン=サン、マイコ・ニンジャです)))
(((マイコ・ニンジャ?)))(((今からあなたはニンジャになるのです)))(((ニ
ンジャになって何をすればいいの?)))(((好きに生きなさい)))
298 :
◆718.HTMzJjwd :2014/06/26(木) 19:16:19.39 ID:HX5Nwk+A0
(((まさか……この記憶は?……)))
299 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/06/26(木) 19:16:56.58 ID:cHO0eDPd0
オオ! ブッダよ! 寝ているのですか!?
300 :
◆718.HTMzJjwd :2014/06/26(木) 19:22:29.75 ID:HX5Nwk+A0
「スゴイカワイイ!」「ネコネコカワイイより凄い!」「カワイイヤッター」(((凄
い!ニンジャの力を使えば歌を聞いてくれる!喜んでくれる!オムラに復讐し
ようと思ったけどやめよう。アンコ=サン達で作った曲でみんなを幸せにでき
るんだ!みんなにアタイ達の曲を聞かせるんだ)))
「「「「「ボタン=サン、カワイイヤッター!」」」」」(((アタイのファンは増え続け
ている。そしてネコネコカワイイのファンは減っている!この調子でニンジャ
の力を使えばファンの数は逆転する!あのボロ屑にガラクタの烙印を押してや
る!次はファンでも扇動してオムラ関連施設でも襲撃させるか……)))
(((ファンなんてただの駒!ただの道具!こいつらは曲のメッセージ性や歌い
手の思いなんて気にもしてない!ニンジャの力を使えば勝手にファンになる。
そしてこの力でオムラを潰してやる!)))
「ドーモ、フロストバイトです」「ドーモ、セイレーンです」「あばよセイレー
ン=サン!貴様の死因は歌の練習中の不運の転倒死だ!」(((これは避けられな
い……何がいけなかったの?ニンジャの力でアタイやみんなで作った曲で皆を
笑顔にできると思ったのに)))「サヨナラ!」
301 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/06/26(木) 19:31:06.05 ID:9Fl0K2mE0
サヨナラ!
302 :
◆718.HTMzJjwd :2014/06/26(木) 19:31:47.73 ID:HX5Nwk+A0
そこでこのソーマト・リコールめいた映像は終了した。にこが映像を見始めて
から意識が戻るまで一秒に満たなかっただろう。にこはブリッジ気味の態勢で
押し倒されそうになりながらもアイドルニンジャに話しかける「アイドルニン
ジャ、いやボタン」
「なんでその名前を!」アイドルニンジャは明らかに狼狽していた。押し返す
力も緩む!「あんたの過去を見させてもらったわ……アンタ……アイドルを復
讐の方法にすんじゃないわよ!ファンを復讐の道具にすんじゃないわよ!アン
タはアイドル失格だわ!私の身体でアイドルやっても意味ないわ!」
確かに悲惨な過去だった。しかしにこはボタンが許せなかった!アイドルは
人々に夢を与え楽しませる最高の仕事。だからこそ、にこは心の底から憧れて
いた。しかしボタンは自分の復讐の方法としてアイドルをしていた!そしてフ
ァンをニンジャの力で扇動して利用し、復讐の道具にしようとしていた!
303 :
◆718.HTMzJjwd :2014/06/26(木) 19:54:48.47 ID:HX5Nwk+A0
にこは、μ'sは多くのファンに支えられたからこそここまで成長できたと思っ
ており、ファンがあってのアイドルと実感していた。そのファンをボタンは自
分の為に利用とすることは許しがたかった。アイドルとは皆のためにするもの。
だがボタンは自分の欲望のためにアイドルをしていた。
にこにはそれがアイドルへの侮辱としか見えなかったのだ!「アタイがアイド
ル失格……そうね……」アイドルニンジャの力は一気に緩み、にこに組み伏せ
られている。彼女は思い出した。幼少期に見たルウコの輝きを、ルウコみたい
に他人を幸せにするアイドルになりたかったことを。
しかしその思いはネオサイタマの社会の構造、仲間たちの不条理な死、ニンジ
ャソウルの影響によって歪んでしまう。アイドル活動で復讐。復讐とは他人を
不幸にする行動であり、アイドルとは真逆だ。それに気づいてしまった。「どこ
で間違ったのかな……」ボタンはいつの間にかに大粒の涙を流している。
304 :
◆718.HTMzJjwd :2014/06/26(木) 20:01:12.41 ID:HX5Nwk+A0
「でもネオサイタマじゃなかったら……にこ=サンが住んでいる世界に生まれ
ていたら……みんなとちゃんとしてアイドル活動できたかもね……」ボタンは
嗚咽で言葉を詰まらしながら喋る。「アンタがμ'sのメンバーを殺そうとした理
由って……」
「アンタが羨ましくて憎かった!アタイ達はあんなマッポーめいたところで理
不尽に友達を奪われて、アンタはこんな幸せな世界で仲間と楽しそうにアイド
ルをしている!それが許せなかった!だからアンタの仲間を奪おうとしたのよ」
「……」にこは言葉がでなかった。
身勝手な理由で仲間を殺そうとしたのは許せない。だがもし自分がネオサイタ
マに居たらどうなっていたのか?もしボタンと同じ立場ならムラハチされてで
も好きなアイドルを好きと言えただろうか?分からないがボタンの意志の強さ
に、にこは尊敬の念を抱いていた。そして彼女の境遇にも憐れみを感じていた。
305 :
◆718.HTMzJjwd :2014/06/26(木) 20:09:06.31 ID:HX5Nwk+A0
自分にはたった一人の自分を救ってくれた仲間がいたがボタンには居ない。と
もに楽しい日々を過ごすはずだった仲間は社会の理不尽さに奪われた。社会と
ニンジャの力で自分の意志を捻じ曲げられた。もしかしたらあのボタンの姿が
ネオサイタマに居た場合の自分かもしれない。
「アンタはアイドルとしての心構えがまるでなってない!……だからアンタを
μ'sに入れて鍛え直してあげるわ!」「え?」ボタンは何を言われたのか分から
ないのか少し間を空けてから答えた。「だから!アンタをμ'sに入れて鍛え直し
てあげるわ!」
皆がワタシを助けてくれたように今度は自分がボタンを助ける番であるとにこ
は考えていた。「なんで?アタイはアンタの仲間を殺そうとしたのよ?アンタが
その気になればアタイの意識は一生封じ込めることができるのよ?」自分の仲
間を殺そうとした者を生かす、ボタンには理解できなかった。