Part2
54 :
◆lJJjsLsZzw :2014/12/21(日)15:08:36 ID:
MGF
~小学校卒業式~
女「あっという間だったね〜」
俺「そうだな」
女「俺くんと会えてほんとに良かったよ。これからもよろしく!」
俺「おう」
俺(女の母親が死んでから特に大きな事は起こってない)
俺(中学校はどうだったか…だめだ、思い出せない。卒業式の記憶はあるからまだ大丈夫なはずだ)
55 :
◆lJJjsLsZzw :2014/12/21(日)15:13:09 ID:
MGF
~中学校入学式~
校長「それでは3年間、よろしくお願いいたします」
俺(はー終わった)
女「俺くん! うち来なよ!」
俺「おー分かった」
俺(春休み中散々会ったんだけどな。まあいいか)
56 :
◆lJJjsLsZzw :2014/12/21(日)15:29:09 ID:
MGF
~ある日~
俺(2回目の中学校生活ほど楽なものはない。勉強も人間関係も完璧だ)
女「俺くんってさ」
俺「なんだ?」
女「やっぱりいいや」
俺「? 変な奴だな」
女「俺くんには言われたくないね」
俺「うるさい」
俺(笑ってるけどチラチラ見える首元はアザだらけだ。助けたいけどどうしようもない)
59 :
◆lJJjsLsZzw :2014/12/21(日)15:35:56 ID:
MGF
~中学校卒業式~
女「あっという間だね〜」
俺「そうだな」
俺(2回目だから本当に楽だったな)
女「頑張って同じ高校行こうね!」
俺「俺は大丈夫だから自分の心配しろよ」
女「私も大丈夫だもーん」
俺「意味分からん自信だな」
女「さあ私の家へカモン」
俺「はいはい」
60 :
◆lJJjsLsZzw :2014/12/21(日)15:40:51 ID:
MGF
~高校入学後~
俺(卒業式の記憶はあるがその先は全く覚えてない)
俺(あと3年か…)
女「ねえ俺くん」
俺「なんだ?」
女「もしもさ、私が急にいなくなったらどうする?」
俺「どうした?」
女「どうするの?」
俺(なんだこいつ?)
俺「まあ悲しむな」
女「…だよね。分かった」
俺「どうかしたのか?」
女「ううん、なんでもない。じゃあまたねー!」
俺(? 引越しか?そんな記憶ないが…)
62 :
◆lJJjsLsZzw :2014/12/21(日)15:45:12 ID:
MGF
~卒業式前日~
俺(駄目だ。何も思い出せない)
俺(まさか…明日なのか?)
俺「祈るしかないか」
66 :
◆lJJjsLsZzw :2014/12/21(日)15:49:58 ID:
MGF
~卒業式~
女「俺くん、私ね…今日引っ越すんだ…」
俺「え、そうなのか…」
女「言わなくてごめんね。ばいばい」
俺「あ、おい」
俺「行っちゃった…」
67 :
◆lJJjsLsZzw :2014/12/21(日)15:50:52 ID:
MGF
俺(なんか引っかかる、本当に引越しか?)
俺「家、行くか」
68 :
◆lJJjsLsZzw :2014/12/21(日)15:52:19 ID:
MGF
−女の家−
俺「父親は仕事か。女はいないようだけど」
俺「それよりも…引越しなんて嘘じゃないか」
俺(家に入れば何かあるか?)
69 :
◆lJJjsLsZzw :2014/12/21(日)15:53:44 ID:
MGF
−女の部屋−
俺「気がひけるけど…すまん」
俺「ん? あの机の上に乗ってるのって」
俺「あのノートだ…」
70 :
◆lJJjsLsZzw :2014/12/21(日)15:56:53 ID:
MGF
俺「なんでこいつが?」
俺「まあいいか。今日の日付……あった」
【×月×日 女、○○峠で投身自殺】
俺「え?」
俺「なんだよこれ……」
71 :
◆lJJjsLsZzw :2014/12/21(日)15:58:37 ID:
MGF
−○○峠−
女「……ごめんね、遅くなって」
女「結局この日になっちゃったけど、終わらせるよ」
73 :
◆lJJjsLsZzw :2014/12/21(日)16:03:11 ID:
MGF
ーーーーーーーーーーーーーーーー
−高校 屋上−
俺『おい! 何してんだよ!』
女『ごめん。でももう無理だよ』
俺『俺が助けるから! 早くこっちに戻れ!』
女『ごめんね…』フワッ
俺『クソッ!』
74 :
名無しさん@おーぷん :2014/12/21(日)16:04:00 ID:l4m
やめろや
75 :
◆lJJjsLsZzw :2014/12/21(日)16:07:04 ID:
MGF
バッ
女『えっ』
俺『!』
バタッ グシャッ
女『……え?』
女『なんで……そんな力で引っ張ったの…?』
女『そんなことしたら…俺くんが落ちちゃうじゃん……』
女『うわああああああああああ!!!!!!!』
76 :
名無しさん@おーぷん :2014/12/21(日)16:09:08 ID:u32
はよ
77 :
◆lJJjsLsZzw :2014/12/21(日)16:10:54 ID:
MGF
??《なんで泣いてるの?》
女『私のせいで……俺くんが…』
??《君はどうしたいの?》
女『俺くんを…助けたい…』
??《分かった。だけど俺くんを助けても、どのみち君は死ぬことになるよ。それでもいいかい?》
女『教えて……本当は私が死ぬ予定だったの…お願い…』
??《分かった。じゃあ説明するね》
78 :
◆lJJjsLsZzw :2014/12/21(日)16:20:01 ID:
MGF
女『リセット?』
??《簡単に言えばそうだね。でもただリセットしただけじゃ意味がない。記憶はそのままで君と俺くんが出会う日から君が死ぬまでをやり直しできる》
??《“強くてニューゲーム”ってやつだよ》
??《ただこれは色々厄介でね。一つずつ説明するね》
??《ひとつ、今までの記憶は俺君にも残る》
??《ひとつ、その記憶は俺くんが死んだ日の前日、つまり卒業式の前日までであり、俺くんは当日のことは覚えていない》
??《ひとつ、君が死ぬ、という出来事以外はリセットしても変えることが出来ない》
??《ひとつ、ただし君は卒業式の日までならいつでも死ぬことは出来る》
??《これが条件だ。どうする?》
女『……俺くんと会ったその日に死ぬことも出来るの?』
??《もちろん。でもちゃんと俺くんと会ってからならね》
女『……分かった。お願い…』
79 :
◆lJJjsLsZzw :2014/12/21(日)16:24:57 ID:
MGF
??《よし来た。任せて》
??《あ、あとその日までの君たちの行動をまとめたノートがあるよ。いるかい?》
女『記憶は俺くんにも残っているんだよね?』
女『俺くんの部屋に置いておいてほしい』
??《未来は変えられないってことを知らせるためだね。お安いご用だ》
??《じゃあいくよ。あの日へリセットだ》
80 :
◆lJJjsLsZzw :2014/12/21(日)16:28:22 ID:
MGF
女『本当に戻った。早く俺くんに会って終わらせよう』
女『どうしたの?』
俺『え、あっ』
女(あぁ、ダメだ。もっと一緒にいたい)
81 :
◆lJJjsLsZzw :2014/12/21(日)16:32:19 ID:
MGF
女(結局死ねずにここまできちゃったか…)
女『ねえ俺くん』
俺『なんだ?』
女『もしもさ、私が急にいなくなったらどうする?』
俺『どうした?』
女『どうするの?』
俺『まあ悲しむな』
女(悲しんでくれるのは嬉しいけど…でも…)
女『…だよね。分かった』
俺『どうかしたのか?』
女『ううん、なんでもない。じゃあまたねー!』
女(関わりすぎてごめん…)
82 :
◆lJJjsLsZzw :2014/12/21(日)16:33:42 ID:
MGF
~卒業式~
女『俺くん、私ね…今日引っ越すんだ…』
俺『え、そうなのか…』
女『言わなくてごめんね。ばいばい』
女(さよなら、俺くん)
83 :
名無しさん@おーぷん :2014/12/21(日)16:35:30 ID:Ssn
どうハッピーに持ってくのか
85 :
◆lJJjsLsZzw :2014/12/21(日)16:36:32 ID:
MGF
女(すぐに死んでれば、こんなにつらくなかったのに)
女(でももう終わり。どうせ今日死ぬんだから悔やんでも無駄だ)
女(お父さん、お母さん。ごめんなさい)
女『行ってきます』
キー バタン
ーーーーーーーーーーーーーーーー
86 :
◆lJJjsLsZzw :2014/12/21(日)16:42:50 ID:
MGF
女「……雪が凄いな」
女「3月なのに前が見えないよ」
女(まだ時間はあるし、座ってよ)
女(新しいお父さんは帰ったらどう思うかな。遺書っぽくはないけど、気付いてくれるかな)
女「まあいいか」
ハァ………ハァ……
ザッ ザッ ザッ
女(え…)
女「どうして……」
87 :
◆lJJjsLsZzw :2014/12/21(日)16:49:03 ID:
MGF
俺「ハァ…ハァ……」
俺「お前…何してんだよ…」
女「どうして…」
俺「何してんだよ!」
俺「俺が助けるから、死ぬな!」
女「でも…もう無理だよ。私が死ぬのは決まってる」
女「俺くんが何したって私は死ぬ。俺くんと違って私は全部覚えてるの」
俺「おい…早く戻れ! こっちに来い!」
女「無駄だよ。死にたくなくても死ぬしかない」
女「ごめんね」フワッ
俺「待て!」
グチャッ
88 :
◆lJJjsLsZzw :2014/12/21(日)16:51:25 ID:
MGF
ーーーーーーーーーーーーーーーー
??〈なんで泣いてるの?〉
俺「…女が……落ちて…」
俺「助けられなかった……」
??〈そっか〉
89 :
名無しさん@おーぷん :2014/12/21(日)16:53:34 ID:Ang
強くてニューゲーム
90 :
◆lJJjsLsZzw :2014/12/21(日)16:53:43 ID:
MGF
??〈君は幸せだ〉
俺「…え?」
??〈あの子は君に初めて会ったあの日、すぐにでも死のうとしていた〉
??〈だけど君に会ってその考えは変わった。もっと生きていたいと思うようになったんだ〉
俺
92 :
◆lJJjsLsZzw :2014/12/21(日)16:54:50 ID:
MGF
俺「でもそんなことだったら、会わないほうがよかったんだ!」
??〈聞いてくれ。あの子が今日死ぬことはもうすでに決まっていた
93 :
◆lJJjsLsZzw :2014/12/21(日)17:00:09 ID:
MGF
??〈だから君が何をしようと彼女は死んでいたんだ〉
俺〈最初から会わないほうがよかったと言ったね。よく考えてみるんだ。彼女が死んでも君の記憶には彼女が残ったままだ〉
??〈もしそうなっていたらその後君はどうしていた?自分では分からないかもしれないが僕は全て知っている〉
??〈自分の記憶は偽りであると考える。彼女が死んでしまうという記憶は存在しないからね。しかしその他の記憶は全て辻褄が合う〉
??〈詳しくは言わないけど…彼女がその日に死んでいたら、君はどんどん駄目になっていたよ〉
94 :
◆lJJjsLsZzw :2014/12/21(日)17:00:43 ID:
MGF
93書き直します
95 :
◆lJJjsLsZzw :2014/12/21(日)17:01:12 ID:
MGF
??〈だから君が何をしようと彼女は死んでいたんだ〉
??〈最初から会わないほうがよかったと言ったね。よく考えてみるんだ。彼女が死んでも君の記憶には彼女が残ったままだ〉
??〈もしそうなっていたらその後君はどうしていた?自分では分からないかもしれないが僕は全て知っている〉
??〈自分の記憶は偽りであると考える。彼女が死んでしまうという記憶は存在しないからね。しかしその他の記憶は全て辻褄が合う〉
??〈詳しくは言わないけど…彼女がその日に死んでいたら、君はどんどん駄目になっていたよ〉
96 :
◆lJJjsLsZzw :2014/12/21(日)17:09:41 ID:
MGF
俺「俺は今日、本当は死んでいたんだな…」
??〈そうだ。しかし君は今生きている。何故だか分かるかい?〉
??〈君のことを、自分の命と引き換えにしてまで救ったからだ〉
俺「どうしてお前は…俺と女の前に現れた…」
??〈彼女にリセットのチャンスをあげたのも、君の前に現れたのも、全て彼女の強い想いからだ〉
??〈僕が君の前に現れて彼女の想いを伝えなかったら…言わなくてもわかるだろう。君はとある行動に出て、彼女の想いをすべて無駄にしていた〉
??〈僕が現れたのは君を救う為ではない。彼女の願いを叶えるためだ〉
??〈そして君は今、僕の言葉ではなく、彼女自身に救われた〉
??〈もう分かっただろう。君が何をし、何をしないべきか〉
98 :
◆lJJjsLsZzw :2014/12/21(日)17:16:48 ID:
MGF
??〈僕からはこれで全てだ。何か聞きたいことはあるかい?〉
俺「いや、何もない」
??〈じゃあここでさよならだ〉
??〈どんな人にも命をかけてまで守ってくれる人がいる。例外なんてない〉
??〈じゃあね〉
ーーーーーーーーーーーーーーーー
99 :
◆lJJjsLsZzw :2014/12/21(日)17:22:59 ID:
MGF
俺「……」
俺「家か…」
手には一冊のノート。そこには小学一年生から高校三年生の卒業式までの出来事が書いてある。
最後の日のページ。そこには下手くそな天使の絵と丁寧に書かれた一行。
【×月×日 俺くん、○○岬で生まれる】
終
100 :
◆lJJjsLsZzw :2014/12/21(日)17:23:31 ID:
MGF
ありがとうございました
101 :
名無しさん@おーぷん :2014/12/21(日)17:24:41 ID:Ssn
乙かれ
102 :
名無しさん@おーぷん :2014/12/21(日)17:24:52 ID:20G
なるほどわからんが乙
103 :
名無しさん@おーぷん :2014/12/21(日)17:25:00 ID:Ang
乙でした
104 :
名無しさん@おーぷん :2014/12/21(日)17:25:49 ID:6Ba
乙
おれの理解力がないからか最後がいまいちつかめなかった…
105 :
名無しさん@おーぷん :2014/12/21(日)17:29:04 ID:Ivc
とり乙
106 :
名無しさん@おーぷん :2014/12/21(日)22:18:42 ID:5ZA
どういうことだ…
とりま乙
107 :
名無しさん@おーぷん :2014/12/21(日)22:47:42 ID:j2P
乙でした。