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三代目「ナルトはお前に任せる」
Part7


79 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/18(月) 17:09:28.26 ID:MsQW+zGD0
綱手「どうやって私の居場所を突き止めたのかは知らないが、イルカって奴が私に便りを出してくれてね。ダンゾウがうちは一族惨殺に関与していた事と、私を火影にと望む署名が同封されてたら心も揺れるってもんさ」
紅「なんですって…!!」
ガイ「署名を集めていたのは、やっぱりお前だったんだな。しかし、うちはの件はさすがにデタラメだと思っていたのだが…」
イルカ「……イタチ君から直接聞きましてね。にわかには信じられない話でしたが、サスケの為だと言う彼の言葉には説得力がありました」
ガイ「イタチが接触してきたのか!?…ザル警備の恩恵だな」
イルカ「…署名を集めていたから私が選ばれたのでしょう。彼から綱手様の居場所も聞きました。うちはの事件については、元々ダンゾウ様は黒い噂が絶えないお人ですし、調べてみたら当時の記録とも辻褄があったんです」
綱手「ほう、お前がイルカだったのか。随分とやつれた顔した小僧だね」
イルカ「……」
シズネ「だから、そういう事はわざわざ言わなくて良いんですよ!」
イルカ「……しかし、アナタは間に合わなかった。ダンゾウ様は正式に火影に就任してしまったんです。私のした事など、何の役にも立たなかった……」
綱手「確かにお前の手紙だけじゃ、里に帰る気は起きなかったね。自来也が大名や各里に根回しをしてくれたからこそ、今私はここにいるのさ」
紅「大名達を説得出来たなんて…!」
綱手「なーに、からくりが分れば簡単な事だよ。ダンゾウは大名達に幻術をかけてやがったんだ」
ガイ「…あの適当な大名が妙に頑固だったので違和感は感じていましたが…誰にもバレずに幻術をかけられるとは思いもしませんでした」
綱手「まぁ、結構な代物で解くのには苦労したが、解いちまえばこっちのもんさ。明日にも、ダンゾウは正式に火影の座から引きずり下ろされるだろう。望まれてない火影なんて価値がないからね」
紅「……」
ガイ「…これで俺達に争う理由はなくなったな。俺は里を抜けないし、ダンゾウからの命令も無効だ」
紅「……私は命令されてここに居た訳じゃないわ。アンタをぶちのめす為に待機してたのよ」
ガイ「なぜそこまで…」
紅「アンタ達がアスマの存在を否定するからよ…!アスマが……あのアスマが死んだ筈ないじゃない!!」
綱手「ああ、アスマは生きてるぞ」
ガイ「なっ……なんですと!?」
紅「……ッ!!」

80 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/18(月) 17:10:40.27 ID:MsQW+zGD0
綱手「自来也と会った時に、小生意気なガキがくっついててね。なんとそいつが猿飛先生の指示で、アスマを始末しようとしたらしいのさ。結局、ガキに黒幕を吐かせて逃げたそうだが、先生は二度と帰ってくるなって意味も込めて葬式なんかやったんだろう」
紅「……そんな…そんな…!」
綱手「自来也が言うには、今は火ノ寺で匿ってもらっているらしいぞ。まぁ、私が火影になればそんな必要もなくなるけどな」
紅「………………!!」ポロポロ
ガイ「あの…綱手様。……もしかして、小生意気なガキっていうのは…」
綱手「うーん?どうしたもんかねぇ……シズネ」
シズネ「ちょっ、私に振らないで下さいよ。秘密だって言われたじゃないですか」
ガイ「他言はしませんから!…どうか真実を教えてください……カカシからは何も聞けなかったんです…」
綱手「……仕方ないね。うずまきナルトの事だよ」
イルカ「……!」
シズネ「あーあ…自来也様に怒られても知りませんよ」
ガイ「ナルト…!?うちはサスケではないのですか…?」
綱手「確かにサスケって名の目付きの悪いガキもいたが、生意気さではナルトの方が勝ってたな」
ガイ「まさか……」
イルカ「……」
綱手「わざわざ言わなくても分かるだろうが、ナルトは気が触れたフリをしていただけだそうだよ」
ガイ「……居たのはナルトとサスケだけですか?」
綱手「いいや、ピンク色の髪の女の子も居たね。名前は……シズネに聞いてくれ」
シズネ「サクラちゃんでしょう。もうボケ始めちゃってるんですか?」
綱手「シズネェ……私にそんな口きいていいのかい?」
シズネ「凄んでもダメですよ。悔しかったら自分で覚えて下さい」
ガイ「……カカシ……お前って奴は…」

81 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/18(月) 17:34:11.75 ID:MsQW+zGD0
ガイ「……アイツはナルト達を守る事が出来たのですね」
綱手「ああ…そうだな。私が里を変えられたら帰ってくるそうだよ」
イルカ「……ナルト達は…生きていたんですか……」
ガイ「良かったな。これで謝れるぞ」
イルカ「……あれは本気で言った訳じゃありませんよ…………私には顔を合わせる資格などありませんから……」
ガイ「資格なんて謝る側にある筈がないだろ。それでも謝りたいなら素直に実行に移すもんだ」
イルカ「……」
綱手「さてと、そろそろダンゾウのジジイに現実を突きつけに行くとするか」
ガイ「その前に、一つ聞かせてください。……綱手様に我々は期待しても良いのですか?」
綱手「……明らかに道をそれた先生を、放っておいた責任は教え子の私にもあるからね。先生が作り上げてしまったこの里は、私が責任を持って一から変えてやるさ。きっかけを作ってくれたカカシには感謝しないとな」
シズネ「そうですよ、綱手様なら心配しなくても大丈夫です。ボケさえしなければね」
綱手「…一言余計なのはどっちだ。ったく……」
ガイ「…………里を宜しくお願いします。五代目」
綱手「ああ、ドーンと任せとけ。さ、行くよ」
シズネ「はぁ…きっと何事もなくって訳にはいきませんよね……」
綱手「大丈夫だよ。私達には心強い仲間がいるからな」
ガイ「もちろん、私もお供しますよ!」
紅「……」
イルカ「……私は足手まといになるだけ」
ガイ「イルカと紅も是非ご一緒させて欲しいそうです」
紅「……!」
イルカ「ガイさん…!」
綱手「そうかそうか。じゃ、みんなで行くぞ!」

82 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/18(月) 17:41:43.61 ID:Ha8bezXAO
カカシは犠牲になったのだ…

85 : ◆aTPuZgTcsQ :2013/03/19(火) 15:08:38.30 ID:7lPhb1eE0
ーーーーー
イルカ「あの…五代目」
綱手「なんだ?」
イルカ「……ナルト達はいつ帰ってくるのでしょうか」
綱手「里が変わったらって話だから、なかなか難しいね」
イルカ「……」
綱手「でも、自来也が近い内に様子見に寄るって言ってたから、ついて来るかもしれないよ」
イルカ「……!そうですか…」
ーーーーー
自来也「いいか?お前らが生きている事は基本的に秘密なんだ。だから、サクラの母親以外には身分を明かすなよ」
ナルト「別に俺達には関係ねぇ話だろ。この変化の術ならバレねぇって言ってたじゃねーか」
サスケ「……今は会いたい奴も特にいねぇしな」
サクラ「てか、なんで先生まで変装してるんですか」
自来也「そりゃあ、ワシほどの有名人になるとファンに囲まれてしまうからのぉ。そうなったら、困るだろう?」
ナルト「勝手に妄想してろってばよ」
スタスタ
イルカ「……自来也様…」
ナルト「おい、早速バレてるじゃねぇか」ボソッ
自来也「絶対振り向くな。ダッシュで逃げるぞ」ボソッ
イルカ「待ってください!綱手様から聞いてきたんです…」
自来也「綱手から…?」
クルッ
ナルト「……テメェは…!」
サスケ「イルカ……」
サクラ「なんでイルカ先生が…?」
イルカ「ナルトは……来てはいないのでしょうか…」
自来也「お前…ナルトが生きている事を知ってるのか」
イルカ「はい、成り行き上ですが…」
自来也「……で、ナルトに何の用かのう?」
イルカ「…………彼に謝りたいんです」
ナルト「……!」
イルカ「……私の態度は確実にナルトを歪ませるものでした。家庭教師として一番身近にいた私が、教え子の事を理解しようともしないなんて最低の行為だったと、今更になってやっと自覚できたんです」
自来也「ほう……」
ナルト「……なぁ、こんな奴放っといてどっか行こうぜ」スタスタ
自来也「まぁ、待て。ナルト」ガシッ
ナルト「うおっ!」
イルカ「……ナルト…!?」
ナルト「おい!あっさりバラしてんじゃねぇぞエロ仙人!!」
サスケ「別にいいじゃねぇかよ、ナルト」
サクラ「そうよ、ちょっとぐらい話してあげたら?ナルト」
ナルト「テメェら…!!」

86 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/19(火) 15:11:48.75 ID:7lPhb1eE0
イルカ「……ナルトなのか…?」
ナルト「ケッ……こっちはな、テメェの面なんざ二度と見たくねぇんだってばよ。声も聞きたくねーし俺に近寄るんじゃねぇよクズヤロー」
イルカ「…………なんて謝ったらいいか分からない。…でも、俺が悪かったと心底思ってるんだ。お前には最初から非の打ち所なんてなかった。それだけは伝えたくて……本当にすまなかった」
ナルト「……テメェが悪いなんてのは当たり前だろうが!ウゼェから話しかけてくんじゃねぇってばよ!」
自来也「まぁ本人もこう言ってるし、しばらくナルトを預かってくれ」
イルカ「え…?」
ナルト「テメッ…ふざけんなよ!意味わかんねぇ事言ってんじゃねぇ!」
自来也「イルカ、ナルトはラーメンバカだぞ。じゃあ頼んだ」シュタッ
サスケ「フッ…良かったなウスラトンカチ」シュタッ
サクラ「あんまりはしゃぎすぎちゃダメよ〜」シュタッ
ナルト「おいコラ!戻って来いってばよ!」
イルカ「ナルト……」
ナルト「テメェのせいだぞコノヤロー!何が悲しくてこんなクズと残されなきゃならねぇんだ…」
イルカ「……すまない…」
ナルト「俺は、テメェと居るなんて苦痛でしかねぇから、一人にさせてもらうぜ」スタスタ
イルカ「待ってくれ!…………せめて、ラーメンを奢らせてくれないか?」
ナルト「……」スタスタ
イルカ「金を払ったら俺は出ていく。お前の食事の邪魔はしない……だからお願いだ」
ナルト「……」スタスタ
イルカ「俺は……やっとお前を理解しようと思えたんだ!俺とお前は似ていた!カカシさんのお陰で気付く事が出来たんだよ!」
ピタッ

87 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/19(火) 15:12:32.00 ID:7lPhb1eE0
ナルト「……アイツの名前を出せば、俺が心を開くとでも思ったか?」
イルカ「アイツ…?」
ナルト「ケッ、とぼけやがって…。今更善人ぶって何が狙いなんだよ」
イルカ「…………許してもらいたいなんて、甘い夢を見てた」
ナルト「……」
イルカ「でも…許してもらおうなんてもう思わない。ただ、どうしてもお詫びがしたいんだ」
ナルト「……」
イルカ「俺のエゴなのは分かってる……それでも…もし奢らせてくれるなら、振り返ってくれないか…?」
ナルト「……」
イルカ「……」
ナルト「………………!」
スッ
ナルト「ん!」
イルカ「えっ?」
ナルト「…分かんねぇのか?振り向いてなんかやらねぇって事だよバーカ」
イルカ「じゃあその手は…」
ナルト「本当に鈍いヤローだな。今、金だせっつってんだってばよ。テメェにラーメン屋までついてこられてたまるか」
イルカ「あ……ああ!」
ジャラッ
ナルト「チッ…二度と俺に近寄るなよクソヤロー!」スタスタ
イルカ「…………ありがとう…ナルト…」
ナルト「ケッ……マゾが」スタスタ

89 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/19(火) 15:52:15.65 ID:7lPhb1eE0
自来也「久しぶりだな。綱手」
綱手「なんだい?そのダッサイ眼鏡は。それで変装してるつもりか?」
自来也「全くお前って奴は…会うなりご挨拶だのぉ」
綱手「後ろの二人は誰と誰だ?」
自来也「サスケとサクラだ。ナルトはイルカに預けてきたんでな」
綱手「イルカに……結構思い切った事をするじゃないか」
自来也「それより、里の様子はどうなんだ。何か変わったのか?」
綱手「……いや、中々根深いものがあってね。そう簡単には変わらないさ」
サスケ「……」
サクラ「……」
綱手「でも、少しずつ変化はあるよ。人柱力の認識も段々としっかりして来たし、カカシの事も」
自来也「綱手!」
綱手「……ああ、はいはい悪かったよ。いつまでも隠し通せるとは思えないけどね」
二人「……?」
自来也「今じゃなくていい。少なくとも、アイツはそれを望んではいないからのぉ。……余計な事を触れ回ったりしてないだろうな」
綱手「余計な事とは随分な言い草だね。いっそ全部オープンにしちまおうか、相談しようと思っただけだよ」
自来也「そんな事、聞くまでもないだろう」
綱手「わーかった分かりましたよ!……ま、こんなところさ。まだまだ平和には程遠いね」
自来也「あれから一年じゃ、仕方ないのぉ。でも、出来るだけ早く頼むぞ」
綱手「言われなくても分かってる。任せときな」
サスケ「……」
サクラ「…平和か…」
自来也「……さて、じゃあここからは自由行動といくか。一時間後に大門に集合だ」
サスケ「……」
サクラ「…失礼します」
バタンッ

90 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/19(火) 15:53:03.58 ID:7lPhb1eE0
ーーーーー
ナルト「……」
自来也「誰の墓参りだ?」スッ
ナルト「参りたくても墓がねぇんだよ…」
自来也「……まぁ、仕方ないだろう。アイツが望んでやった事だ」
ナルト「ケッ……小便でもひっかけてやろうと思ったのによ」
自来也「素直じゃないのぉ、お前」
ナルト「るせーよ…。俺の事は放っといてくれ」
自来也「……慰霊碑に行ってみたらどうだ?よくアイツも足を運んでいたようだしな。場所は演習場の奥だぞ」
シュタッ
ナルト「余計なお世話だってばよ…ったく……」

91 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/19(火) 15:53:41.85 ID:7lPhb1eE0
ーーーーー
自来也「よし、全員揃ったな。思い残す事はないか?」
ナルト「不吉な言い方してんじゃねぇよ」
サスケ「……」
サクラ「……」
自来也「…なんだ、二人とも何か言いたそうだのぉ。そんなにナルトと待ち合わせるのが嫌だったのか?」
ナルト「普通に考えたらアンタの方だろ。そのダッセー眼鏡外せってばよ」
サクラ「…………あのね…!」
自来也「ん?」
サスケ「……」
サクラ「……私達、里に残ろうと思うの」

92 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/19(火) 16:44:30.64 ID:7lPhb1eE0
自来也「……!」
サクラ「さっき、ここに来る前にサスケ君と話したの。そうしたら、サスケ君も悩んでて……」
ナルト「……」
サスケ「…あの火影なら信用出来るかもしれねぇって、結論になったんだ」
自来也「…お前達の意思を尊重してやりたい所だがのぉ……。どういう事か、本当に分かってて言ってるのか?」
サクラ「私は……お父さんが息子夫婦を死なせた事で、私も疎まれてるって話よね…」
自来也「ジジイ…三代目の信者は今も確実にいるからのう。息子夫婦が庇った結果だったからこそ手を出さなかっただけで、単に護衛失敗なんて事だったら、今頃お前はこの世にいないだろう」
サクラ「……」
自来也「そういうズレた連中は、今でもお前とお前の母親を疎ましく思っているはずだ。何かきっかけがあれば、そいつらが中心となってナルトのような扱いを受けるかもしれないんだぞ」
ナルト「……俺を引き合いに出すんじゃねぇよ」
サクラ「…………でも…今日やっとお母さんと話せて……やっぱりここが居場所だなって思ったの」
自来也「覚悟は出来てるのか…?」
サクラ「……うん」
自来也「そうか……」
ナルト「……」