Part5
45 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/15(金) 21:48:35.95 ID:
woIJblB10
カカシ「ただし、俺以外ね」
ナルト「……どういう事だってばよ」
カカシ「そういう事だよ」
二人「……?」
ナルト「まさか…………俺達の死体を交渉材料にして、他里にでも逃げ込むつもりか?」
カカシ「違うな。お前らが死ねば、第七班は俺だけになるでしょ。そうすれば俺一人でも事が足りると思わないか?」
サスケ「……は?」
サクラ「……どういう事よ…?」
カカシ「あれ?俺何か難しい事言ってるかな?お前らを殺せば、俺が任務を受けた事になるでしょ。だから遂行するってわけ」
サスケ「おい…ふざけてんのか…?」
サクラ「…なに…?なんなの?」
カカシ「おいおい…理解力なさすぎでしょ。里に帰るのにお前らが居ると任務と矛盾するから、ここで死んでくれって言ってんの」
サスケ「な…何をいってやがる!」
サクラ「まさか……!ナルト、アンタ何かしたわね!」
ナルト「…別に殺すのがお前らじゃなくてもいいんだぜ。コイツにお前らを始末させても同じ事だってばよ。俺の責任にはならねぇ」
サスケ「テメェ…!!」
ナルト「まぁ、今更効果が出るのは誤算だったけどな。……これじゃあ俺までやべぇや、アッハッハッハッハッ!」
カカシ「ハァ……俺が何を言いたいのか分からないの?お前らは死ぬ、俺は帰る。単純でしょ?」
サクラ「ちょっ……嘘でしょ?先生…!」
サスケ「アンタにとって俺達を殺すメリットが分からねぇ……。狂ったのか…?」
カカシ「…そうかもね。俺は色々考えるのに疲れたんだ。悩むのもこれっきりにしたいし、もう全てがどうでもいいんだよ」
サスケ「よせ…目を覚ませカカシ!」
サクラ「やめてよ先生!」
カカシ「俺はお前らを助けてやったでしょ?今度はお前らが助けてくれてもいいじゃない。俺はさっさと帰って寝たいんだよ」
サスケ「やめろ……来るんじゃねぇ……!」
サクラ「いや……いや……!!」
ナルト「こりゃ最高のオチだぜ!アッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッ!」
46 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/15(金) 21:50:08.32 ID:
woIJblB10
ーーーーー
フラフラ
カカシ「……」
門番「やぁ、カカシさんじゃないですか。化け狐はどうしたんです?」
カカシ「……」
門番「あれ、額当ては落としちゃったんですか?その気味の悪い傷、ちゃんと隠して下さいよ」
カカシ「……」
門番「何無視してんですか。三代目に報告しますよ?」
カカシ「……」
門番「おーい、耳腐っちゃったんですかぁー?」
カカシ「お前…………ナルト!?」
門番「は?」
バギッ!
門番「うがっ!?」ズザザッ
カカシ「あれ?ナルトは死ななかったっけ?誰だお前!?」
門番「ぐっ…!朝っぱらから喧嘩売るつもりかよ…このクズヤローが!」
カカシ「ああ!お前サスケだな!やっと追い付いて来たのか!心配してたんだぞ!はぐれちゃダメでしょ!」
門番「何を言ってやがる…!!」
カカシ「あれ?サスケは死ななかったっけ!?そうか!!俺が殺したんじゃねぇか!あははは!」
門番「なんだと…!?テメェやりやがったな!」ダダッ
カカシ「誰だお前!?サクラか!!」バギッ
門番「ぐふっ…!!」ズザッ
カカシ「あれ?サクラは死ななかったっけ!?誰だお前!?」ドガッガスッメシャッゴキャッグチャッ
門番「あがっ……!」バタッ
住民「ヒッ…!キャー!!」
カカシ「ねぇ?火影様の屋敷はどちらですか?火影様に報告しなきゃならないんですよ?どう行ったら良いですか?」
住民「イヤアアア!助けて!!」
カカシ「……なんだぁ…顔岩の下にあるじゃないですか……アナタ役に立ちませんね!あははは!」ゲシッドガッベギッボゴッガスッ
住民「うぅ……」バタッ
カカシ「もう顔も見たくありませんよ!木の葉の人は不親切ですね!!あれ?俺も木の葉の人じゃねぇか!あははは!」
シュタッ
47 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/15(金) 21:51:34.43 ID:
woIJblB10
コンコン
カカシ「いないんですかぁ?火影様ァ!」ドゴォッ
ガラガラガラ
三代目「ぐ……キサマ……!」フラフラ
カカシ「あらぁ…木ノ葉丸に毒を盛られたんですね……孫だからって油断しちゃダメじゃないですか!!」バギッ
三代目「ぐふっ……!木ノ葉丸が……そんな事を……する訳……ないじゃろ……!」
カカシ「あははは!アナタおもしろいですね!!」ドガッ
三代目「ぐあっ!!」
三代目(……今朝口にしたのは…木ノ葉丸に淹れてもらったお茶だけ……!そんな……木ノ葉丸……!)
カカシ「お前の未来は死だ……なんちゃって!みんないつかは死にますよね!あははは!」バチバチッ
三代目(避けられん……!)
カカシ「大丈夫ですか!火影様!?」グイッ
ザシュッッ!!
48 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/15(金) 21:55:07.20 ID:
woIJblB10
ーーーーー
カツン…カツン…
ガイ「……」ピタッ
カカシ「あぁ、ガイ!よく来たな!お茶でも出したいところだけど、生憎便所の水しかねぇや!あははは!」
ガイ「カカシ…ナルト達を殺したってのは本当なのか…?」
カカシ「そうだって言ってんでしょ!なんでそうしつこいのかな!そんなに俺が信用できないの!?」
ガイ「……火影様に毒盛って殺したってのも本当か?」
カカシ「そうだよ!そんなつまんねぇ事よりさ、トランプでもやろうぜ!一人でやってると俺ばっかり勝ってつまんねぇんだよ!」
ガイ「…………里の外に居たお前が、火影様に毒を盛れる筈がないだろ…!!」
カカシ「あれ?そもそもトランプがねぇや!あははは!」
ガイ「カカシ…今日は処刑の日なんだよ…!頼むから本当の事を言ってくれ!」
カカシ「なぁ……俺、前から思ってたんだけどさ…」
ガイ「なんだ!?」
カカシ「……お前ってガイに似てない!?すっげぇ似てるよな!他の奴に言われた事ないの!?」
ガイ「……」
カカシ「いやー見れば見るほど似てるわ!!もしかしてお前ガイなんじゃないか!?あははは!」
ガイ「カカシ……」
カカシ「お前こんなとこで何してんの!?檻から出ちゃダメでしょ!俺のとこは俺が居るからダメー!!」
刑務官「もうそろそろ帰ってくれませんか。これからそのバカの公開処刑があるのは知ってるでしょう?」
ガイ「なぁ、頼むからもう少し待ってくれ!今度こそ必ずいのいちさんを連れてくる…!そうすれば事の真相も」
刑務官「真相?とっくに分かってるじゃないですか。火影様の方は現行犯ですし、化け狐の血が付着した額当てだって見つかりましたよね」
ガイ「…誰かがカカシを操っている可能性だってあるはずだ!」
刑務官「アナタって人は……何も分かってないんですね。少しは大人になりましょうよ」
ガイ「なんだと…!?」
49 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/15(金) 21:56:37.27 ID:
woIJblB10
刑務官「良いですか?アナタ以外、みーんなこれで納得してるから誰も文句を言わないんです。いのいちさんだって火影に立候補してるんですから色々と忙しい筈ですし、みんな派閥争いやら何やらで今は真犯人なんてどうでもいいんです。自供してる犯人がいるだけで十分なんですよ。
それに火影様殺害は現行犯ですし、冤罪はあり得ませんからね。コイツに関して話される事があるとしたら、処刑方法の事だけだと思いますよ」
ガイ「……ッ!!」
カカシ「おい!右と左で見えるもんが違うんだけと!何かフラフラするぞ!!」
ガイ「クソッ……!カカシ!俺が逃がしてやる!」グッ
刑務官「なっ…何をするつもりですか!檻から離れて下さい!」
ガイ「第六門…解!!」グググッ
カカシ「あははは!変な顔だなお前!」
ガイ「本当の事を聞かせてもらうからな……カカシ!」グニャッ
刑務官「鉄格子が曲がるなんて……!」
ガイ「なんだ…やる気か!!」
刑務官「ヒッ…!!うわあああああ!!」
ダダダッ
ガイ「さぁ、立て!一緒に逃げるぞ!」グイッ
カカシ「……男と駆け落ちなんてごめんだよ」
ガイ「お前…!!」
カカシ「ありがとな」
クルルルル…
ガイ「バカ…ヤロ…」フラッ
バタッ
……タタタタタッ
刑務官「本当に鉄格子を曲げたんですよ!」
イビキ「アイツがやったんなら驚かねぇよ…ったく」
ガチャ
カカシ「ねー!檻壊れたけどいいの!?」
ガイ「」
イビキ「ガイ…!お前ガイに何しやがった!!」ガシッ
カカシ「ちょっと!暴力反対!!お前嫌な奴だな!」
刑務官「大丈夫、生きてます!今すぐ医務室に運びますね!」
イビキ「いや……お前はお前の仕事をやるんだ。こいつをさっさと広場に連れていけ…!」
刑務官「は…はい!」ガシッ
カカシ「引っ張らないでちょーだいよ!家に帰れんの!?」
刑務官「うるさい!さっさと歩け!」
バタンッ
50 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/15(金) 22:05:32.60 ID:
woIJblB10
ー数日前ー
ナルト「お〜い」
サスケ「うぅ……」
サクラ「うーん……」
ナルト「いい加減起きろってばよ!めんどくせぇな…」
サスケ「……ナルト…?」
サクラ「……あれ……私……」
ナルト「寝ぼけてんじゃねぇよ。お前らをここまで運ぶの結構苦労したんだからな」
サスケ「……カカシ…!カカシのヤローはどうした!?」
ナルト「覚えてねぇのか?お前らを殺そうとしてただろうが」
サクラ「……何で私達生きてるの……?」
ナルト「アイツ、お前らだけならいざ知らず、俺にまで襲いかかって来やがったからな。返り討ちにしてやったぜ」
サスケ「なんだと!?」
ナルト「おかげで俺達はお尋ね者だ。あのテントはもう嗅ぎ付けられちまったってばよ」
サクラ「そんな……どうして私とサスケ君まで……」
ナルト「最初から俺達が上忍を始末するって、決めてかかって来たみたいだぜ。俺の計画も無意味だったって事だな」
サスケ「どうして俺達が疑われなきゃならねぇんだ…!」
サクラ「……そもそもアンタが先生におかしな事しなきゃ、こんな事にはならなかったのよ!」
ナルト(……)
ナルト「……アイツ、俺が用意してた食い物には口つけてなかったぜ」
サクラ「はぁ?」
ナルト「つまり、俺のせいじゃねぇって事だってばよ。狂ったフリしてたのか本当に狂ってたのか、確認しようがねぇけどな」
サクラ「そんな事、信じられる訳ないじゃない…」
ナルト「俺が嘘ついてまで、信じてもらう必要があると思うか?お前らなんか簡単に消せるんだぜ」
サクラ「……」
サスケ「……何で俺達を助けた。放っておいても良かったはずだろ」
ナルト「別にお前らのためじゃねぇってばよ。ジジイが喜ぶかと思うと胸糞悪かっただけだ。それより、そろそろ出発してぇんだけど」
サスケ「出発?どこへ行こうってんだよ…」
ナルト「東の町に俺の知り合いが住んでる。自来也っつー奴だ。そいつなら匿ってくれるかもしれねぇ」
サスケ「……」
サクラ「……」
ナルト「別に、嫌だってんなら無理に連れていく気はねぇってばよ。どうする?」
サスケ「……」
サクラ「……」
ナルト「ケッ…だんまりかよ。じゃあ、オッケーって事でいいよな。さっさと行こうぜ」スタスタ
サスケ「……」
サクラ「……」
…スタスタ
ナルト(……これで良いんだろ。カカシ先生…)
51 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/15(金) 22:09:00.38 ID:
woIJblB10
ーーーーー
サクラ『いや……いや……!!』
カカシ『……』スッ
クルルルル…
サクラ『うぅ……』フラッ
サスケ『ぐっ……』フラッ
ドサッ
ナルト『何をした…?』
カカシ『写輪眼で幻術をかけたのよ。全く、お前までいい演技してくれちゃって……』
ナルト『せっかくテメェの三文芝居に付き合ってやったのに、文句を言われるとはな。最初から幻術かければ良かっただろ』
カカシ『サクラは幻術タイプだから、幻だと騙せない可能性があったんだよ。それより、俺の考えは伝わってるのか?』
ナルト『さぁな。コイツらのお守りだけはごめんだってばよ』
カカシ『ハァ……ちょっと手借りるぞ』
ナルト『は?』
ざく
ナルト『イテッ!何しやがんだコノヤロー!』
カカシ『ん?偽装工作ってやつ』シュルッ
ポタッ
ナルト『…こんなもんじゃ騙せねぇだろ。第一、頭ん中覗かれたら終わりじゃねぇか』ポタッ
カカシ『俺、元暗部だからさ。肩に便利な呪印があるんだよね』
ナルト『…自殺かよ。そりゃご立派な計画ですね』ポタッ
カカシ『このぐらいでいいかな。絆創膏貼っといてやるよ』ペタッ
ナルト『んなのどーでもいいから、さっさと縄ほどけってばよ!』
カカシ『分かったからそう怒るなって』
シュルルル…
ナルト『やっとほどいてくれてありがとよ!』スタッ
カカシ『ま、こいつらにはどうにかして誤魔化してちょーだい。お前と一緒に逃げてもらわないと困るからな』
ナルト『…おい、俺の話聞いてなかったのか?お守りはごめんだっつってんだろ』
カカシ『ま、そう焦るなって。お前にとってもいい話だと思うぞ。ちょっと待ってろ』
52 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/15(金) 22:10:48.11 ID:
woIJblB10
サラサラ
ナルト『……』
カカシ『はい、出来た。この手紙を持ってけ』
ナルト『……自来也?』
カカシ『伝説の三忍と呼ばれてる、凄いお方だよ。しばらく東の町に住むって言ってたから、多分居るんじゃないかな』
ナルト『そんな奴に俺が会いに行ける訳ねぇだろ!俺は人柱力なんだぞ!』
カカシ『あー、自来也様はそういう事気にする人じゃないから。会えれば、絶対匿ってくれるよ』
ナルト『……俺なんかに託していいのか?コイツらを見捨てていくかもしれねぇぞ』
カカシ『お前は四代目の息子で、俺の先生の息子でもあるんだ。……信じるよ』
ナルト『ケッ……』
カカシ『あぁ、そうだ。一つどうでもいい事を教えてやるよ』
ナルト『……なんだよ』
カカシ『お前の「だってばよ」って口癖、お前の母親であるクシナさんと同じ口癖なんだよ』
ナルト『……!』
カカシ『……あ、クシナさんは「だってばね」だったか』
ナルト『…違うじゃねぇかよ。バーカ』
カカシ『じゃあ、後はよろしく頼んだよ。俺は里に戻らないといけないから』
ナルト『…ジジイか』
カカシ『……鋭いね。お前の父さんが残した術なら、刺し違える事が出来るかもしれないのよ』
ナルト『へっ…やっぱりな。それなら急いだ方が上手くいくかもしれないぜ。木ノ葉丸をジジイにけしかけてきたんだ』
カカシ『なんだと?』
ナルト『里を出る前に、イルカっつークソ先公に変化して毒を渡したんだってばよ。体にいいからお茶に混ぜて出してやれってな。
まぁ、あのジジイがこんな事でくたばるとは思えねぇがよ。相手が木ノ葉丸なら、病院送りぐらいにはなってるかもな』
カカシ『……やるね、お前』
ナルト『いいから、さっさと行けってばよ。コイツらが起きちまうだろ』
カカシ『そうだな。じゃ、サスケとサクラを頼んだぞ、ナルト』
ナルト『はいはい』