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三代目「ナルトはお前に任せる」
Part4


33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/15(金) 18:40:49.36 ID:woIJblB10
ナルト「起きろつってんだろ。さっさと目ェ覚ませってばよ」
サスケ「……何の用だ」
サクラ「……ふわぁ〜」
ナルト「寝ぼけてんじゃねぇよ。お前らあの上忍に殺されてもいいのか?」
サスケ「……」
サクラ「……」
ナルト「せっかく教えてやったのに、バカみたいに寝てやがって。そんなんだから良いようにやられんだってばよ」
サスケ「ナルト、その事についてだが……本当に火影はそんなこと言ってたのか?」
ナルト「あ?今更なに言ってんだよ。何回も言ってんだろ。執務室にアイツが入ったあと、俺達を始末しろって命令が聞こえてきたんだよ」
サクラ「でも…それなら何で手出して来ないのよ。さっきだって、いくらでもそのチャンスなんかあったのに」
ナルト「……うっせーんだよ。ビンタしやがって…」
サクラ「……!」
ナルト「ウソウソ、冗談だってばよ!ああでもしないと、不審に思われてたかもしれないもんな!そうなったらサクラちゃんが真っ先に消されちまうし」
サクラ「……」
サスケ「……サクラの質問に答えてねぇぞ」
ナルト「そんなの簡単だってばよ。明るい内に行動するより、暗い方が人目につきづらいだろ。万が一、目撃者が居たらやべぇから夜まで待ったんだよ」
サスケ「なら、今がその絶好のチャンスじゃねぇか。なぜ襲ってこない」
ナルト「お前って本当に馬鹿だな」
サスケ「なんだと…!」
ナルト「アイツが起きてんなら俺が喋る訳ねぇだろ。それとも、上忍相手にコソコソ喋れば気付かれないとでも思ってんのか?」
サクラ「あ……!」
サスケ「チッ…」
ナルト「見てみろよ。アイツならぐっすり眠ってるから」
バサッ…
キョロキョロ
カカシ「」
サクラ「本当だ…」

34 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/15(金) 18:42:42.91 ID:woIJblB10
サスケ「どうやった…?」
ナルト「俺のせいにするんじゃねーよ。気づいたら寝てたんだってばよ」
サクラ「でも…ただ寝てるようには見えないわよ」
ナルト「俺は知らねぇっつってんだろ。何か変なもんでも食ったんじゃねぇの?なんにしろ、チャンスだろ」
サスケ「まさか……やる気なのか?」
サクラ「!!」
ナルト「まさかもクソもねぇだろ。殺されてもいいのかよ」
サスケ「……」
サクラ「……」
ナルト「なんだよ、ビビってんのか?サスケちゃんよぉ」
サスケ「……はっきり言うがな、俺はお前の事が信じられねぇ」
ナルト「は?」
サクラ「……そうよ、アンタの言うことってテキトーな事ばっかりじゃない。納得出来ないわ」
ナルト「おいおい、信じられないって……お前ら自分の行動忘れたのか?俺が指示出した訳でもねぇのに、突っかかってたじゃねぇかよ」
サスケ「……」
サクラ「……」
ナルト「何であんな奴を信じたいのかは知らねぇが、俺は確かにこの耳で聞いたんだってばよ。親切心でお前らに伝えてやったのに、馬鹿みたいだな」スクッ
サスケ「おい、どこへ行くつもりだ」
ナルト「俺は大人しく殺される気は無いんでね。やられるぐらいなら、こっちからやってやるって言っただろ」
サクラ「ちょっと……やめなさいよ!」
ナルト「なに?じゃあサクラちゃんがやってくれるのぉ?」
サクラ「そんな事…やるわけないじゃない。アンタにもやらせないわよ…!」
ナルト「最初っからやる気がねぇのは知ってるよ。サスケに押し付けようとしてたもんな。でも、何の権利があって俺を止めるの?」
サクラ「……私達の先生だから…」
ナルト「……」
サスケ「……俺もまだ、カカシのヤローに聞きたい事があるしな」
ナルト「はは…………バァァッッカじゃねーのォ!?」
サスケ「……!」
ナルト「サスケェ!アイツは写輪眼を持ってんだぞ!お前の一族の奴から奪ったって、本人も言ってたじゃねぇかよォ!どこをどう取ったら信じられるんだよ!!」
サスケ「だから……それを確かめるっつってんだよ!その結果、アイツがクズだと分かったら俺が殺す!テメェなんかに横入りされてたまるか!」
ナルト「あーウゼェなぁもう!!いいぜ、テメェからぶっころしてやるよ!!」ブンッ
サスケ「!!」
パシィッ!
カカシ「……」
ナルト「なっ!?」ギリリ…
サクラ「先生…!」
サスケ「カカシ…!」

35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/15(金) 18:50:25.99 ID:woIJblB10
ナルト「チクショウ!!ほどけってばよッ!!!」ジタバタ
サクラ「どうして……先生倒れてたはずよね?ナルトに何かされてたんじゃないの…?」
カカシ「……」
サクラ「先生?」
カカシ「…あ、いや。初めて先生って呼んでもらえたなーと思ってね」
サクラ「……」
サスケ「…やられたフリだったのか」
カカシ「これでも一応、上忍だからね。お前らと戦ってる時、ナルトがおかしな動きをしてるのは気付いてたよ。今まで気絶したフリをしてきたのもな」
ナルト「……チッ!やっぱ上忍相手には誤魔化せねぇか…」
カカシ「さて……お前らの会話で、何を考えてたのか大体分かっちゃったしね。取り敢えず俺は弁解した方がいいかな?」
サクラ「……いえ…」
サスケ「……敵じゃねぇのは分かった…」
カカシ「そう、なら良かった。でも俺は聞きたい事がいくつかあるのよ。答えてくれる?」
サクラ「はい…」
サスケ「……」
ナルト「……簡単に寝返りやがったよ。ホント分かりやすい奴らだな」
カカシ「じゃ、質問ね。最初に顔を合わせた時だけど、なんでナルトは縛られてたの?」
サクラ「…ナルトが言ったんです。カカシ先生は自分の手で私達を殺すつもりだから、ナルトに手を出しても報告しないって。……そうしたらその通りになっちゃって……」
ナルト「チッ…べらべらと……」
カカシ「あー…、そういうこと。もし、俺が報告したらどうするつもりだったのよ」
サスケ「……」
ナルト「俺が代わりに言ってやるよ。サスケちゃんはすぐカッカしちゃうから、後先考えず挑発に乗ってくれたんだってばよ。怖いのか?つったら一発だもんな」
サスケ「チッ……」
ナルト「そのおかげで、二人揃って馬鹿みたいに信じちゃったんだよねーサクラちゃん?」
サクラ「……」
カカシ「お前も随分饒舌じゃない。俺が話しかけてもちっとも答えなかったのに」
ナルト「話しかけるフリだろうが。すぐ殴りやがってよぉ!」
カカシ「いや、話しかけてたよ」
ナルト「ケッ……」

36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/15(金) 18:52:21.22 ID:woIJblB10
カカシ「ナルトがおかしな態度をとるのは、どういう理由で納得したの?」
サクラ「それは…先生の目を欺くためにって。もし私やサスケ君が襲われたら不意打ち出来るから…」
カカシ「……それ聞いておかしいと思わなかったのか?普通に考えれば、下忍が上忍に勝てる訳ないでしょ」
サクラ「…………でも、昼間の忍者だって倒してたし……あれ?」
サスケ「……なぜお前はカカシを助けたんだ。お前や俺達より、敵にやられた方が自然じゃねぇか」
ナルト「はぁ?俺はアイツらを助けてやったんだよ。コイツの隙をつけるチャンスは多い方がいいだろ」
カカシ「……そうだな。ナルト、お前が本当に隙を狙えば俺も死んでいたかもしれない」
サスケ「!!」
カカシ「ここ何年か多発してる忍者殺しはお前の仕業だろ」
サクラ「えっ!?」
ナルト「…………当然、全部じゃねぇけどな。ジジイからの命令で、もう何十人もやった」
サクラ「そんな……」
サスケ「……」
ナルト「中でも猿飛の奴を始末するよう言われた日にゃ、遂にこの里は終わりだと思ったね。あのジジイはただの孫狂いだってばよ」
カカシ「全ては木ノ葉丸の為ってね…。第七班に編入されたのも、三代目からの任務だな?」
ナルト「ああ、そうだぜ。サスケ以外は始末しろだとよ」
サスケ「なに!?」
サクラ「…本当に火影様の命令だったなんて……!!」
カカシ「ま、そんな事だろうと思ったよ」
ナルト「へっ…こんな下忍になりたての奴に命狙われてたなんて、お笑いだな。先生?」
カカシ「なら、なんでこんな回りくどい事を……。水筒に入れるのだって眠り薬の必要はなかったでしょ」
ナルト「ジジイはな、お前らを殺したって事で俺を閉じ込めようとしてやがんだってばよ。人柱力の暴走ってな。
だから、こいつらにテメェを殺させて、殺人犯つー事で引き渡せば、俺が手を下さなくても済むと思ったんだよ」
サスケ「ふざけやがって…!」
サクラ「ナルト…アンタね…!」
ナルト「おー、怖い怖い」

37 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/15(金) 18:54:01.52 ID:woIJblB10
ナルト「いくらコイツらが俺の事を喚こうと誰も信じやしねぇし、ジジイとしても俺を取り調べさせる訳にはいかねぇだろ。そうなれば俺は捕まらねぇからな。
それか全員始末して、こんな里からはおさらばしようと思ってたんだってばよ」
カカシ「なるほどね……」
サスケ「……俺だけ対象外なのはどういう事だ」
ナルト「さぁな。教えてやらねぇよ」
サスケ「この…!」
カカシ「うちはの生き残りを守るためでしょ?」
ナルト「ケッ……何でもお見通しってか?ムカつくヤローだな」
サスケ「俺を守る…?」
カカシ「多分、お前も殺された事にして幽閉したかったんだよ。うちはの生き残りを狙う輩は後を絶たないから、いっそ死んだことにした方が色々と楽でしょ」
サスケ「チッ……!」
サクラ「それなら……私とカカシ先生はカムフラージュのために狙われてたって事…?ふざけんじゃないわよ…!」
ナルト「ちげぇよ。理由は知らねぇが、随分と恨まれてるようだったぜ。特に白髪の方はアホかっつーほど憎まれてるみたいだったしな」
カカシ「……」
ナルト「俺が言うのもなんだが、部下を守れず下忍に殺されるなんて不名誉の極みだろ。一体何をしでかしたんだか、こっちが聞きたいってばよ」
カカシ「…不名誉ね……。馬鹿馬鹿しいが、それだけ深く憎まれてるって事なんだろうな」
サクラ「私は…殺したいほど恨まれる事なんてしてないわよ……!」
カカシ「…………何があったのか、大まかになら話せるよ」
サクラ「えっ…!?」

38 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/15(金) 19:00:19.97 ID:woIJblB10
カカシ「……今から22年前、俺の親父がある任務をしくじってね。それから14年も経ってツケが回ってきたんだ。それに対応したのが、三代目の息子夫婦とサクラの父親だった」
サクラ「えっ…お父さんも忍者だったの?」
カカシ「ああ、凄腕のな。だから、お二人の護衛役に選ばれたんだろう。俺も詳しい事までは知らないが、息子夫婦は逆にお前の父親を庇って死んだんだよ。ま、結局親父さんは3日ともたずに亡くなったけどね」
サクラ「……!」
カカシ「お二人の間には、三代目の孫でもある木ノ葉丸が産まれたばかりだった。俺はたまたま…と言うより今思えば予定調和だったのかもしれないな。その時、俺は火影様への伝令役を任されていたんだ。
……お二人の死を伝えた時の顔は忘れられないよ。直に表には出さないけど、あの時から火影様はおかしくなっていった」
サクラ「そんな事があったなんて……」
カカシ「火影として、理由もなく俺達を始末する訳にはいかないって葛藤してたんだろうな。本当はずっと復讐したくてウズウズしてたんだと思うよ。しかも、自分の復讐心まで木ノ葉丸の為だと思い込んでるから、余計にタチが悪いね」
ナルト「なんだそれ。じゃあテメェの親父のせいで、何にも悪くないサクラちゃんは命狙われてんじゃん。それを、何エラソーにべらべらと……」
サクラ「……!」
カカシ「………………サクラの両親も俺んちに落書きしてたからな。おあいこでしょ」
ナルト「落書き?何言ってんだお前。ただの落書きと今回の事がどうやったら釣り合うんだよ」
カカシ「ああ、そのただの落書きが原因で俺の親父は自殺したよ。親父は二人のキューピッドにもなったかな」
ナルト「……!」
カカシ「でも火影様みたいに、サクラに八つ当たりしようとは思わないけどね」
サクラ「……」
ナルト「……ケッ!クズしかいねぇのかってばよ、この里は」
サスケ「……」
ナルト「ああ、そうだ。テメェのその左目はどうしたんだってばよ。サスケちゃんが聞きたがってたぜ」
カカシ「……」
ナルト「ほらな、やっぱりコイツもクズじゃねーか」
サスケ「うるせぇよ、テメェは黙ってろ。本当に奪ったんなら奪ったって正直に言うはずねぇだろ」
ナルト「はぁ?早口でまくし立ててたのはどこのどいつですかぁ?」
サスケ「お前の言う通り、俺はすぐカッカしちまうからな」
ナルト「ケッ……」
サスケ「ちゃんと説明してくれるよな。カカシ」
カカシ「……」

39 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/15(金) 19:02:16.36 ID:woIJblB10
アニメ派の人にはちょっとネタバレがあります。

40 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/15(金) 19:04:59.67 ID:woIJblB10
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サスケ「それならそうと、なぜ言わなかったんだ」
カカシ「俺のせいでオビトは死んだんだ……。奪ってないとは言えないよ」
サクラ「……でも、それって逆にオビトさんに悪いんじゃないかしら…。オビトさんの意思で、リンさんを守ってやってくれって託されたんでしょ?」
カカシ「…………俺は、リンを守れなかったんだよ。…俺がこの手で殺したんだ」
サクラ「ウソ……」
サスケ「……」
ナルト「アッハッハッハッハッ!!随分良いオチがついてんじゃん!傑作だってばよ!」
カカシ「……」
サクラ「……」
サスケ「……」
ナルト「ケッ…シラケるヤローどもだな」
サクラ「……アンタ、何でそんな風になっちゃったのよ。アカデミーに入る前はこんな奴じゃなかったのに…」
ナルト「はぁ?アカデミーに入ったのはお前らだけだろ。俺は化け狐だからな、見事に仲間外れにされちまった」
サクラ「……」
ナルト「隠れ蓑だかなんだか知らねぇが、毎日同じクソ先公と顔付き合わせて歪まない方がおかしいだろ。狂ったフリしてぶん殴るのは面白かったけどな」
サスケ「……」
カカシ「……前に会った時は、目キラキラさせてたのにな…」
ナルト「前?…………あぁ…あぁ、思い出したぜ!お前あの白髪ヤローか!」
カカシ「…俺が言ったことは思い出せないのか?」
ナルト「馬鹿みてぇな与太話の事か?あれのせいで、しばらく騙されちまったぜ。俺でも英雄になれるかもしれねぇなんて、下らねぇ幻想を抱かされちまった」
カカシ「俺は与太話だとは思ってなかったけどね」
ナルト「…………俺が四代目の息子だからなんだってんだよ」
サスケ「!!」
サクラ「四代目…!」

41 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/15(金) 19:06:21.73 ID:woIJblB10
ナルト「四代目がいくら俺を信じてようが…里の奴らの目は変わんねぇだろうが!!お前らあの白い目で見られた事あんのか!!「あれ」扱いされた事あんのかよ!!!お前らに俺の気持ちが分かるわけねぇだろうが!!!」
カカシ「分かるよ」
ナルト「何だと……!」
カカシ「ま、お前ほどじゃないけどね、木の葉の里は陰湿な里だから。標的にされたら死ぬまで逃げられないのかもね」
ナルト「マジかよ……はは、分かるなんて言われるとは思わなかったぜ」
カカシ「本当は、お前が周りを理解するような存在になって欲しかったんだけどな」
ナルト「ふざけんなよ……俺とお前らは違うんだ。俺は化物なんだよ…!」
カカシ「里に居場所が無いのは同じでしょ」
ナルト「……!」
サスケ「……そうだな…」
サクラ「……これから私達、どうしたらいいのかしら……」
カカシ「ま、里には帰れないでしょ。あー、本と写真だけは取りに戻りたいな」
サスケ「そんな事言ってる場合じゃねぇだろ……。命狙われてんだぞ」
カカシ「とは言っても、俺はさっき使いに出した忍犬と合流しなきゃならないし」
サクラ「…どうしてですか?口寄せ動物なら、ここにだって呼び出せると思うんですけど……」
カカシ「それは………………悪い。疲れてるみたいだ…」
ナルト「ケッ……。バッカじゃねぇの…」
サクラ「こんな事になるなんて……お母さん……」ぐすっ
カカシ「うーん…、そうだな。死んでみるのもいいかもね」
三人「……!?」

42 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/15(金) 20:10:16.74 ID:HyAV7V/Q0
支援

43 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/15(金) 21:35:06.93 ID:woIJblB10
再開します。支援や感想、本当に本当に嬉しいです!ありがとうございます!

44 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/15(金) 21:42:56.95 ID:OlZo/Cgeo
はよー