男娼「身請けしてくんない?」 少女「そんなお金ないですね」
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Part23
490 :
名無しさん@おーぷん :2015/05/31(日)13:08:25 ID:
kbY
店主「そういうことか」ポリ
男娼「うん」
店主「…令嬢はどうすんだ」
男娼「ごめんだけど、もう二度と会わないよ。僕、浮気しない主義」
店主「…身請けは」
男娼「しない。この子と一緒になる」
少女「…」
店主「…そうか」
店主「…」フッ
店主「見つけたんだな、お前」
男娼「うん」
店主「…分かった。勝手にしろ」
青年「うわぁああ…ええええーん…」オイオイ
少年「青年…うざいよ」
青年「あんたら、あんたら!やってくれたわね!ううう…」
男娼「…ふふ」
少女「…あはは」
491 :
名無しさん@おーぷん :2015/05/31(日)13:11:18 ID:K0b
wktk
492 :
名無しさん@おーぷん :2015/05/31(日)13:12:15 ID:
kbY
少年「あ」
青年「ん?」
少年「感動的な場面に水差して悪いけどさあー」
男娼「何」
少年「身請けもなにも、お金ないとここからは出られないよ?どうすんの?」
青年「…」
少女「…」
青年「あ、別の涙が」
男娼「何言ってんの?お金なんて有り余ってるけど」
少年「は?」
少女「え?」
男娼「僕、実際借金なら返し終わってるし、逆に貯蓄の方が大きいくらいなんだけど」
青年「は」
少女「えええ!?」
男娼「ね、店主。駄目なの?僕が身請け代払って出て行くの」
店主「俺は金が入れば何でもいいよ」
男娼「じゃ、そういうことで」
少女「ええええ…!!?」
493 :
名無しさん@おーぷん :2015/05/31(日)13:13:22 ID:K0b
マジで小説出しなよ…
494 :
名無しさん@おーぷん :2015/05/31(日)13:13:22 ID:VGX
おおおおおお
495 :
名無しさん@おーぷん :2015/05/31(日)13:15:52 ID:
kbY
男娼「じゃ、そうと決まったらここ出る」スタスタ
少女「ちょ、ちょっとぉ!?」
男娼「君も手伝って。早く」グイグイ
少女「何だ、何なんだこの展開は」
男娼「いいから、もうっ」
バタン
青年「…あー」
少年「…うー」
店主「…」
青年「店主、泣いてない?」
店主「馬鹿野郎、なんで俺が泣かなきゃいけねーんだよっ」
少年「…こんな色町でさ」
青年「うん」
少年「こんな感動的な話、あるもんだね。なんか映画みたい」
青年「…そうね」
少年「…あ、夕焼け」
青年「…ふふ」
少年「綺麗だねぇ…」
496 :
名無しさん@おーぷん :2015/05/31(日)13:20:02 ID:K0b
( : ∀ : )イイハナシダナー
497 :
名無しさん@おーぷん :2015/05/31(日)13:22:22 ID:
kbY
男娼「…」ガサガサ
少女「家具とかはどうするんです?」
男娼「そのままでいいさ」
少女「そうですか」
男娼「…」
少女「それ」
男娼「うん?」
少女「全部、捨てちゃうんですか?」
男娼「…だって、これはもう過去のものだもの。服も、煙管も、飾りも。もう必要ない」
少女「…そうですね」
男娼「…って、考えたら。何も持って出なくていい気がしてきた」
少女「え」
男娼「お金だけでいいや。もう後は店主に片付けさせよう」グイ
少女「え、ええええ!?」
バンッ
男娼「店主ー!今までお世話になりました!後片付けよろしくー!!」
店主「殺すぞお前!せめていらない物捨ててから行け!」
男娼「よし、走ろう。逃げるよ」
少女「ちょ、ちょ…!」
店主「待てごるぁああ!発つ鳥後を濁さずだろがあああ!!」
498 :
名無しさん@おーぷん :2015/05/31(日)13:26:54 ID:
kbY
少女「な、何てお別れのしかたしてんですか!」
男娼「いいじゃない、僕っぽくない?」クスクス
少女「せめて、挨拶を…!」
男娼「…その必要は、ないみたい」
少女「え?」
男娼「ほら、後ろ見てごらん」
少女「…」
少女「…あ…」
夕焼けの朱を背景にした、色町の城
「…男娼ぉーーーーーーっ!!」
「先輩、さようならぁああーーー!!」
その二階に、艶やかな男たちが集っていた
青年「しっかりやりなさいよぉおーーー!!」
少年「少女、僕本当は君のこと狙ってたんだよおーー!!」
見習い「少女さん、男娼さん、元気でねーーっ!!」
男娼「…ふふ」
少女「…っ」
499 :
名無しさん@おーぷん :2015/05/31(日)13:31:08 ID:
kbY
青年「ほら、あんたも何か言いなさいよっ!」
店主「ぐっ、…くそぉ…」
少年「いつまで泣いてるのさ!早くー!」
店主「…っ」
店主「男娼ぉおおおおおっ!!」
店主「少女ちゃんを、幸せにするんだぞぉおおおっ!!」
男娼「…あは」
店主「そんでお前も、誰よりも幸せになれぇええええ!!」
店主「お前は、家の楼の誇りだ!!胸を張って、生きろぉおおおっ!!」
青年「そうよそうよーっ!」
少年「いいぞ、店主ーーっ!!!」
少女「…」ギュ
男娼「…うるさい、男たちだなぁ」
少女「…泣いてるくせに」
男娼「君だって」
少女「…あなた、愛されてるじゃないですか」
男娼「…うん。…気づけて、よかった」ポロ
500 :
名無しさん@おーぷん :2015/05/31(日)13:34:42 ID:
kbY
男娼「…っ」
男娼「さようなら…!今まで、大変お世話になりましたっ…!!」
店主「おう!行けぇええええ!!」
青年「たまには遊びに来てねぇえーー!」
少年「少女ちゃん、俺いつでも準備できてるからあーー!!」
青年「お前は死ねぇええ!!」
少年「ぎゃあああああ!!」
男娼「…はは」
少女「…行きますか」
男娼「うん。行こう」
男娼「…手」
少女「はい」ギュ
男娼「…ふふ」ギュ
502 :
名無しさん@おーぷん :2015/05/31(日)13:38:00 ID:
kbY
男娼「…前にさ」
少女「はい」
男娼「ここの景色、汚いって言ったじゃない」
少女「言ってましたね」
男娼「…あれ、訂正しようかな」
少女「それがいいです」
男娼「…こんなに、夕焼けが綺麗って。気づかなかったな」
少女「そうですね…」
男娼「…」
男娼「…あ、ここ」
少女「ん」
男娼「色町の入り口に、門があるだろ。ほら、この赤い大きいやつ」
少女「ああ、ありますね」
男娼「これ、一緒にくぐろう。同時に」
少女「はあ?」
男娼「ほらほら、行くよ、せーのっ」
少女「うわぁ!?」
503 :
名無しさん@おーぷん :2015/05/31(日)13:44:02 ID:
kbY
ドサ
少女「あ、だっ…」
男娼「何やってんの君、どんくさいなぁ」
少女「い、いきなり跳ぶあなたが悪いんでしょ!?」
男娼「あはは、ごめんごめん」
少女「…うー」
男娼「はい、手。掴って」
少女「…はい」ギュ
男娼「…よい、しょ」
少女(…綺麗だ)
夕焼けの町、赤い門、私を掴む、白く細い手。その全てが、洗われたように美しい。
少女「…男娼さん」
私はこの人と
男娼「うん?」
行く先に向かってまっすぐ伸びた二人の影法師を、踏まないように
少女「…手、離さないでくださいね」
男娼「…勿論。君も、ちゃんと掴っててね」
少女「…はい!」
手を取り合って、歩き始めた。
おしまい
504 :
名無しさん@おーぷん :2015/05/31(日)13:46:51 ID:
kbY
おしまいです…
だらだら長くてすみませんでした。
505 :
名無しさん@おーぷん :2015/05/31(日)13:47:59 ID:4tg
激しく乙
よかったよおおおおおおおおおおお
506 :
名無しさん@おーぷん :2015/05/31(日)13:49:16 ID:AwF
おつ
507 :
名無しさん@おーぷん :2015/05/31(日)13:49:25 ID:lpF
乙やでぇ
508 :
名無しさん@おーぷん :2015/05/31(日)13:49:36 ID:ypv
乙!!超乙!!!
ハッピーエンドでよかったよおおおおお。゚(゚´Д`゚)゚。
512 :
名無しさん@おーぷん :2015/05/31(日)13:52:17 ID:VGX
お疲れさまああああああ
513 :
名無しさん@おーぷん :2015/05/31(日)13:55:02 ID:nr0
おつー
後日談も見てみたい気がするwww
514 :
名無しさん@おーぷん :2015/05/31(日)13:56:49 ID:4tg
>>513
それだ
515 :
名無しさん@おーぷん :2015/05/31(日)14:00:50 ID:K0b
いええええええ
519 :
名無しさん@おーぷん :2015/05/31(日)16:01:54 ID:
kbY
後日談ーは
気が向いたら書きます。
でもちょっとした話になると思いますよw
523 :
名無しさん@おーぷん :2015/05/31(日)17:43:39 ID:a5D
名作はここにあった
524 :
名無しさん@おーぷん :2015/05/31(日)17:43:44 ID:wCE
おつかれー
後日談待ってるよ。
525 :
名無しさん@おーぷん :2015/05/31(日)17:51:27 ID:dZ0
素晴らしい才能だ
526 :
名無しさん@おーぷん :2015/05/31(日)18:51:37 ID:gTd
後日談ぜひお願いします!
ほんと良かった
527 :
名無しさん@おーぷん :2015/05/31(日)19:05:33 ID:jAY
おつ!面白かったー!!
後日談是非!
553 :
名無しさん@おーぷん :2015/06/07(日)16:08:48 ID:
MEj
その後のお話
少女「…」
男娼「…ぐー」
弟「…ん…」
少女「いい加減に」
男娼「…」
少女「起きろこの馬鹿野郎どもがああああああああああああああああ!!」
ガンッ
男娼「ねぇ、たんこぶできてない?たんこぶ」
弟「できてないよ」
男娼「ほんっと信じられないよねあの野蛮女、こんな形のいい頭を殴るんだもの」
少女「あ?何か言いました?」
男娼「なんにもぉ」
少女(…男娼をうちで引き取ってから早2週間がたちましたが)
少女(まあ弟とも上手くやり、楽しそうで何より、なんです…けど)
少女「あの」
男娼「うん?」
少女「いつまでそうやってグダグダしてるんですか」
男娼「ぐだぐだ?ぐだぐだって、何さ」
少女「端的に言いますね、働け」バシン
554 :
名無しさん@おーぷん :2015/06/07(日)16:13:46 ID:
MEj
弟「お姉ちゃん、叩いちゃだめだよ」
少女「弟ぉ!何であんたはそこまでしてこのプー太郎を庇えるの?!」
少女「こいつが家に来てからやったことといえば、ご飯食べて寝るだけじゃない!」
弟「でも僕に勉強教えてくれたよ」
男娼「そうだそうだ」
少女「マジで弟に不埒なことを吹き込まないでいただいていいですか」グッ
男娼「女を口説く方法を教えただけじゃない。やだなあ、そんなに怒らないでよ」
少女「男娼…」
弟「お姉ちゃん、喧嘩しちゃだめ!」
少女「…」
男娼「ありがとー、弟お」
少女「あのね、弟でさえ薬の仕分け作業やってくれてんのに、あなた何様なんですかっ」
男娼「だってぇ、昼も夜もゴロゴロできるのが最高すぎてぇ」ヘラ
少女「こっちの生活考えてくださいよ!破産しちゃいますよ!」
男娼「けど僕の稼いだお金、全部君にあげたじゃない」
少女「…5歳児のお小遣い並のあれですか」
男娼「あれっ。そんなに少なかったっけ?あはは、身請け料って高いんだなあ」
555 :
名無しさん@おーぷん :2015/06/07(日)16:13:58 ID:Eg0
ほう
待ってたぞ
556 :
名無しさん@おーぷん :2015/06/07(日)16:16:13 ID:mqF
来てたw