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男娼「身請けしてくんない?」 少女「そんなお金ないですね」
Part2


23 :名無しさん@おーぷん :2015/05/17(日)16:54:04 ID:KdM
老婆「今日はやけに荒っぽいのね」
少女「へ!?」
老婆「ふふ、嫌なことでもあったのかしら?」
少女「や、い、いや。どうして。そんな」
老婆「だって触診の手がちょっと怒ってるみたいなんだもの」クス
少女「す、すみません…」
老婆「…ふふ」
少女「う…」
老婆「大方、男の子にからかわれたってところかねえ」
少女「…ご、ご名答」
老婆「うふふ。歳とると勘が鋭くなるわね」
少女「…」
老婆「恋人かしら」
少女「いえ、最低な客です」
老婆「あらあら。ふふ」
少女(…おえ。吐き気がするくらい嫌だ。あんなの)
少女(顔さえよけりゃ、何しても良いっておもってるような奴だし)
老婆「あんまり、頑張り過ぎないようにね」
少女「…え」
老婆「あなたのこと心配よ。17歳なのに、こんな大変な仕事して。弟も養って」
老婆「…普通なら、学校行ったり遊んだりしてる年頃なのにね」
少女「あはは、私無理なんかしてないですよ。毎日、充実してます」
老婆「そう」

26 :名無しさん@おーぷん :2015/05/17(日)17:23:49 ID:KdM
少女「ありがとうございましたー」
バタン
少女(…たしかに最近ちょい疲れてる、かな)
少女(でも、本当、弟は今が大事な時期だし…。お金もっと入れなきゃ)
少女「…ってか、暗っ」
少女(ちょっと設定件数多かったかな。早く帰らなきゃ)タタ
少女(…しゃーない。近道だし、色街通っていこ)
ザワザワ
少女(…日が暮れてから通るのもまた、勇気いるよな)
「ねえねえお兄さん、こっちおいでよぉ」
少女(…呼び込みに引っかかるのはやだなあ。走るか)タタ
女「…あの、彼を」
少女(お)
店主「分かりました。おい、男娼」
男娼「…はーい」ノソ
少女(うっわ、一日の終わりにめちゃくちゃ嫌な物を見てしまっ)
男娼「…」チラ
少女(た……)
男娼「…」クス
男娼「では、行きましょうか」
女「は、はいっ…」
トントン
少女「…な、んだあれ」
少女(なんだあの含み笑いは。…うう、嫌だ)

28 :名無しさん@おーぷん :2015/05/17(日)17:29:32 ID:KdM
少女(やな感じだな、まじで)ムス
弟「おかえりなさいっ」ギュ
少女「う、お」
弟「お、遅いよ!なにやってたのっ」
少女「ごめん、今日はちょっと仕事多かったの」
弟「心配したんだよ。もう…」
少女「ごめんよー…。今ご飯作るね」
弟「ん…」
少女「今日はね、ごひいきの老婆さんからカブいただいたんだ。好きでしょ」トントン
弟「…」
弟「ねえ、おねえちゃん」
少女「なあに」
弟「僕ね、ちょっとくらいならお仕事手伝えるんだよ」
少女「…」
弟「例えば、おねえちゃんの薬の箱持ってあげたり、診察のお手伝いしたり、とか」
少女「あのね、弟」
弟「ぼ、僕。咳だって収まってきたし、体も大分良くなってるんだよ?手伝いたい」
少女「…はあ」

29 :名無しさん@おーぷん :2015/05/17(日)17:33:52 ID:KdM
少女「それは安定期だからなの。小康状態保ってるだけ」トン
少女「…ここで無理すると、もっとひどいことになるよ」
弟「けど、おねえちゃんだって疲れてるし」
少女「…私が?疲れてる?あはは、そう見えるー?」
弟「見えるよ」
少女「…む。若いのよ、こっちは。こんなの全然平気だし」
弟「僕、おねえちゃんについて行きたい」
少女「駄目よ」
弟「無理はしないし、足手まといにもならないもん。助けになるから」
少女「…」
少女「るせぇ、がきっ」ムニュ
弟「ひ、ら!?おれえちゃん、いらいっ!」
少女「馬鹿にすんなよ。私一人であんたを食わせるくらい、どーってことないのっ」ムニニニ
弟「む、やめれよお…!」
少女「あんたは家でゆっくり養生すんの!もっと元気になってから、手伝ってくれればいいわ」

30 :名無しさん@おーぷん :2015/05/17(日)17:36:55 ID:KdM
弟「元気に、なってから?」
少女「そ。あんたの病気が治ったら、嫌っていうほど働いてもらうわよ」
弟「…」
少女「それまで、休むの。いい?」
弟「う、ん」
少女「私は大丈夫だから。あんたが少しでも良くなるのが、一番の薬だから」ナデ
弟「…」
少女「さ、食べよう。お皿出してー」
弟「…ねえちゃん」
少女「ん?」
弟「おねえちゃん、ありがと。大好き」ギュ
少女「うん。私も、こんな優しい弟がいてくれて嬉しい」ギュ
弟「でも、無理はしないでね」
少女「あったりまえでしょ」

31 :名無しさん@おーぷん :2015/05/17(日)17:39:13 ID:KdM
少女(…負けないわ)
少女(この子がいるから。何をされたって、私は負けない)
少女(あの男娼に何をされたって)
少女(お金さえ払ってくれればそれで耐えられるんだから)
弟「…すぅ」
少女「…」ナデ
少女「…あんたは私が、守るから」
少女「…ふふ」
少女(明日も仕事、がんばろ)パン

32 :名無しさん@おーぷん :2015/05/17(日)17:40:33 ID:kdi
おもしろい

33 :名無しさん@おーぷん :2015/05/17(日)17:43:40 ID:KdM
少女「…」
「ね、ちゃん。ー…ちゃん」
少女「…ん、ぅ」
弟「ねえちゃん!おきてっ」
少女「うわ!?」ガバ
弟「もう朝だよっ。どうして机で寝てるの」
少女「う、うわああ!マジか!やばいっ」バタバタ
弟「ちゃんとベッドで寝なきゃ…」
少女「うるっさいわねー!ね、眠かったのよ!そこどいて!準備するから」バタバタ
弟「…」
少女「ああ、朝ごはんは台所にあるからっ。じゃあ、私行って来る!」
弟「え、でも」
少女「今日は朝一で仕事入ってるのよ!ばいばい!」
バタン
弟「…」
弟「…あ、れ?」
少女(ああああ何やってんの馬鹿馬鹿馬鹿)ダダダ
少女(もう、寝坊とかありえない!体も痛いし…。くそ、何で寝オチなんか)
少女「はぁ、はあっ」

34 :名無しさん@おーぷん :2015/05/17(日)17:46:37 ID:KdM
少女「…すみませんっ。遅れてしまって…」
夫人「まあ、いいですけど…。主人の薬は?」
少女「あ、はい。えっと、あれは…」ゴソゴソ
少女「…」
夫人「どうかして?」
少女「…す、すみません。少し待ってください」
夫人「…」
少女(やば、忘れてきた、か…?)
夫人「あのね、料金は注文した時に渡したわよね?」
少女「は、い」
夫人「今日ないと困るんですけど…。早くなさって」
少女「…っ」
少女「あのっ…」
……


36 :名無しさん@おーぷん :2015/05/17(日)17:49:42 ID:KdM
少女「…」
少女(しにたい)ジャリ
少女(結局夫人は激怒で、お金はチャラだわ顧客一人失うわ…)
少女(私、世界一の馬鹿だ。もういやだ)フラ
少女(…ふらふらするし)
少女「…」ヨロ
「…大丈夫?」
少女「…へ」
男娼「顔、真っ青だけど」
少女「…大丈夫、です」
男娼「…」
少女「あの、今日の薬…」
男娼「来て」グイ
少女「!?」

38 :名無しさん@おーぷん :2015/05/17(日)17:53:16 ID:KdM
少女「なっ、なっ」
男娼「しー。見つかったらヤバい」
少女「なっ、なにやってるんですかっ。離してくださいっ」
男娼「腕つかんでるだけじゃない。ウブなんだなあ、君」
少女「…」
男娼「まあそう睨まない。こっちの部屋入って」ドン
少女「う、わ…」
男娼「ん。侵入成功」
少女「ち、ちょっと!」
男娼「ここで待ってて。くれぐれも逃げたり、大声だそうとしたりしないで」
少女「はあ?あの、だから」
バタン
少女「…」

39 :名無しさん@おーぷん :2015/05/17(日)17:57:08 ID:KdM
少女(…なんなのよ!?)
少女(ってかここ、客とる個室じゃん!何考えてんのあいつ)
少女(か、帰りたい。凄い帰りたい)ソワソワ
ガチャ
少女「!」ビクッ
男娼「くす。びっくりしなくてもいいじゃん、僕だよ」
少女「あ、あのっ。私…」
男娼「はい、これ」ズイ
少女「…なん」
男娼「君、朝も昼も食べてないでしょ?馬鹿じゃないの」
少女「い、いりません」
男娼「は?飢えで今にも死にそうって顔してるけど?」
少女(…たしかに、貧血っぽいのはこのせいか)
少女(けど、こいつに恩売られるのは無理。裏がある、確実に)
男娼「別にお金とらないし。食べて」
少女「…」
男娼「くーえ」

40 :名無しさん@おーぷん :2015/05/17(日)18:00:21 ID:KdM
少女「でも、その」
男娼「…ああもう」ガシ
少女「む、っ!?」
男娼「はい、あーん」
少女「〜〜っ」バッ
男娼「痛。なにすんのさ」
少女「い、いきなりっ。人の顔を掴まないでくださいっ」
男娼「君がなかなか食べないから。食べさせてあげようと思って」
少女「…っ」
男娼「もう一回しようかな」
少女「い、いただきます。ありがとうございますっ」
男娼「…ふふ」
少女(…もうやだよお。帰りたいよ)モグ
男娼「…」ジッ
少女(めっちゃ見られてるし…)
男娼「ねえ」
少女「は、はい」
男娼「美味しい?」ニコ
少女「…」
少女「は、はい」

43 :名無しさん@おーぷん :2015/05/17(日)18:04:29 ID:KdM
男娼「ここってさ、座敷遊びもできるから料理も美味しいんだよね」
少女「そうなん、ですか」
男娼「君知らないだろうけど、結構格式高い男娼楼なんだよ、ここ」
少女「はあ」モグ
少女(…何が違うのか、よく分からんけど)
男娼「食事するだけでこんくらいする」スッ
少女「んむっ!?」
男娼「あ、これはヒラの男娼の場合ね。僕くらいの売れっ子だとこんくらい」スッ
少女「……」ガタガタ
男娼「一晩過ごすのはもっとエグい値段だよー」
少女「け、結構です。言わなくて」
男娼「…あはは」

44 :名無しさん@おーぷん :2015/05/17(日)18:08:03 ID:KdM
少女「…ごちそうさまでした」コト
男娼「君って本当、面白い食べ方するよねえ」
少女「は、あ?」
男娼「ああ、生きてる〜って感じの食べ方するよね。なんか、子どもみたい」クスクス
少女「…」イラ
男娼「あ、可愛いってことだよ?」
少女「…はあ(背中がかゆい)」
少女「あ、その。お代」
男娼「いらない」
少女「でも」
男娼「だってさあ、これめっちゃ高いよ?持ち合わせないでしょ」
少女「…ぐ」
男娼「その代り、一個お願い聞いて」
少女(…はいだと思ったもう嫌な予感しかない)

45 :名無しさん@おーぷん :2015/05/17(日)18:12:19 ID:KdM
少女「…何でしょう」
男娼「ここにいて」
少女「はあ?」
男娼「言い忘れたけど、ここ僕の個室なんだよね。僕、夕方まで暇だしここにいて」
少女「……」
男娼「何て顔してるの、君」
少女「…ぃ、や」
男娼「やらしいこと考えたでしょう?」
少女「…っ」ギリ
男娼「あはは、冗談冗談。でも、本当そういう意味じゃないんだ」
男娼「僕毎晩ヤってるんだよ?昼間でしたくないもん」
少女(最…低。品がない)
男娼「単純に、僕の話し相手になってほしいんだよね」
少女「はなし、あいて?」