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男娼「身請けしてくんない?」 少女「そんなお金ないですね」
Part18


372 :名無しさん@おーぷん :2015/05/30(土)22:22:03 ID:WsG
少女「うわ。…大丈夫ですか、顔色悪いですよ」
男娼「うん…」
少女「失礼します」
男娼「…めっちゃだるい。…腰痛い、喉痛い。熱あるし、もう死ぬ」
少女「死にませんよ。ちゃんと薬飲んで寝ればね」
男娼「あー…」
少女「うん、風邪。というか疲労熱ですね」
男娼「うー…」
少女「暫くは布団から出ちゃ駄目です。んで、薬も飲んでください」
男娼「君、そういえば薬師だったね…忘れてた」
少女「私も久々に仕事しました」

373 :名無しさん@おーぷん :2015/05/30(土)22:24:47 ID:WsG
少女「よい、しょ」チャプ
男娼「汗…きもちわるいよう」
少女「今拭きますから、文句言わないでください」
男娼「うー…」
少女「…」
男娼「きもちいい…」
少女「そんなに仕事頑張ったんですか」
男娼「だって君に頑張れって言われたもの」
少女「…」
男娼「首の下も拭いて」
少女「あのですね、人形じゃないんだから少しは加減を覚えてください」
男娼「うるさいなあー…」
少女「私は、心配してるんです」
男娼「…んふ」
少女「な、何笑ってるんですか」

374 :名無しさん@おーぷん :2015/05/30(土)22:29:15 ID:WsG
男娼「嬉しくて」
少女「…」
男娼「ふふ。君、心配なんだ。僕のこと」
少女「ええ」
男娼「…ありがとう」
少女(…綺麗な目に見える)
少女(見えるだけなのかな)
男娼「ん。もう大丈夫。喉渇いたから、お水持ってきてくれる?」
少女「はい」
バタン
青年「あ」
少女「あ」
青年「あいつ…大丈夫?」
少女「全然大丈夫です。2日安静にしとけばすぐ治りますよ」
青年「そう」
少女「…心配なんですねー。やっさしー」
青年「う、うるさいわね!」

375 :名無しさん@おーぷん :2015/05/30(土)22:33:48 ID:WsG
少年「えー、なんだあ。移る病気かと思っちゃった」
少女「疲労よ、疲労。もう少し加減すればいいのに」
少年「じゃあ彼はお粥だねー」
少女「私が作るよ。少年は他のやって」
少年「ふーん」ニヤニヤ
少女「これは栄養面の観点から、私が作ったほうがいいと判断してるんだからね」
少年「はいはい」
少女「…」
少年「けどさ、少女」
少女「何」
少年「彼にあまり肩入れしないほうがいいんだよ」
少女「…なんで」
少年「だって彼、もう身請けが決まったらしいし」
少女「…え」
少年「相手は言わなくても分かるよね?」
少女「…」
少女「だから何なの?」
少年「だから、好きになっちゃだめだよー、ってこと」
少女「…私の問題だよ。心配してくれてありがとう。でも、気にしないで」

377 :名無しさん@おーぷん :2015/05/30(土)22:36:26 ID:WsG
少女「…」
コンコン
「どうぞお」
少女「男娼さん、お粥です。食べれますか」
男娼「あ、食べたいー…。ありがと」
少女「体起こしてください。ゆっくりでいいですよ」
男娼「…う」
少女「あとで湿布張替えましょう」
男娼「ん。なんだか看護婦さんみたいだね」
少女「似たようなものですね」
男娼「…」アーン
少女「…何やってんですか」
男娼「あーん、してくれないの?」

378 :名無しさん@おーぷん :2015/05/30(土)22:39:13 ID:WsG
少女「…匙ももてないんですか」
男娼「持てるけど。動かすのだるい」
少女「あのですねえ」
男娼「あーーん」
少女「…」
男娼「ちょ、ちょ、っと。そのまま突っ込んだら熱いでしょ!?」
少女「うるさいなあー」フゥ
少女「はい」
男娼「ん。…あむ」
少女「どうですか?」
男娼「美味しい。すっごく美味しい」ニコ
少女「そうですか。光栄です」
男娼「あーん」
少女「はいはい」フゥ

379 :名無しさん@おーぷん :2015/05/30(土)22:43:22 ID:WsG
男娼「…」
少女「卵のところも美味しいですよ。今…」
男娼「ね、顔上げて」
少女「…ん?」
男娼「…」
少女「ちょ、っと。何してるんですか」
男娼「いや、ちゅーしようかなって思って」
少女「…」
男娼「ん」
少女「嫌、駄目ですよ」パシ
男娼「なんでさあ!いいじゃない、キスくらい」
少女「駄目ですっ」
男娼「僕上手だよ?やってみて損はないよ?」
少女「ふざけてるんならもうお粥あげません」
男娼「うわ、酷い…」
少女「…もう」
男娼「…その気になれば出来るんだからね。引くのは僕が紳士だからなんだよ」
少女「どうも」
男娼「絶対、近いうちにしてやる」
少女「頑張ってください」

381 :名無しさん@おーぷん :2015/05/30(土)22:48:39 ID:WsG
少女「…ん」
男娼「…すぅ、…すぅ」
少女(やば、寝てた)
男娼「…ん」
少女(いけないいけない。そろそろ夕ご飯の準備もしなきゃ)
少女「…」
男娼「…」
少女(手、繋いでたっけ)
少女(ま、いいや)スル
男娼「…」
少女「いつもこうやって静かならいいのに」ボソ
キィ
少女(あ、新しい手ぬぐいも用意しなきゃ。氷枕も入れ替えて…)
「ちょっと、どういうことなの?」
少女「…」ピタ
店主「あの、ですから今日男娼は体調が悪くて」
「…ふうん?」
少女「…」チラ

382 :名無しさん@おーぷん :2015/05/30(土)22:51:07 ID:WsG
令嬢「今朝は平気そうだったわよ」
店主「あなたが帰った後に、急に具合が悪くなったみたいで」
令嬢「何それ。私が悪いみたいな口ぶりね」
店主「そ、そんなことはありません!断じて!」
令嬢「とにかく会いたいわ。部屋に私が行けばいいんでしょう?」
店主「し、しかし…」
令嬢「いくら欲しいのよ?いいから早く通して」
店主「…う」
少女「…」スゥ
少女「はぁ」
少女「あの」
令嬢「…何、あなた」

383 :名無しさん@おーぷん :2015/05/30(土)22:55:02 ID:WsG
少女(…この人か)
令嬢「…ここに女の小間使いなんていたのね」
店主「あ、いや、彼女はー…」
少女(綺麗な着物、綺麗な化粧。…なるほど、お金持ちだ)
令嬢「で、何かしら?私急いでるのだけれど」
少女「…男娼は本当に具合が悪いんです」
令嬢「…は?」
少女「筋肉疲労で立つことも難しい状態ですし、喋るのも辛そうです」
少女「彼に負担をかけてまで会いたいんですか?それほど大事な用があるんですか?」
令嬢「…」
店主「ちょ、ちょっと少女ちゃ…」
少女「お引取りください。彼は2日後にはよくなります。それまで休ませてあげてください」
令嬢「…くす」
少女「…」
令嬢「ああ、あなた。…あなたなのね」

385 :名無しさん@おーぷん :2015/05/30(土)22:58:57 ID:WsG
令嬢「男娼の懐に入り込んだ娘…。図々しくも」
少女「そうですね、私ですね」
令嬢「彼も趣味が悪いわ。小間使いとはいえ、もう少し見栄えがいいものを選べばよかったのに」
少女「はい、そうですね」
令嬢「小間使いごときが勝手言わないで。うるさいわよ」
少女「私は事実を述べたまでですが」
令嬢「とにかく」
令嬢「私は彼の身請け人でもあるのよ。何時会おうが勝手でしょう」
少女「…」
令嬢「彼だって明日会いたい、って言ってくれたのよ。それを引き裂くの?」
少女「はい。お引取りください」
令嬢「…」イラ
令嬢「いい加減にしなさいよ、小娘。あんたに何の権限があるの?」
少女「担当薬師として、小間使いとしてです」
店主「少女…」
少女「お引き取りください。お願いします」ペコ

386 :名無しさん@おーぷん :2015/05/30(土)23:02:36 ID:WsG
令嬢「何なのよ、店主さん!この子は」
店主「も、もういいから。少女ちゃん、戻って」
令嬢「気分が悪い…。もう、早く通してちょうだい。いくらなの?」
少女「…」
少女「いい加減に」
「あ、お嬢ー」
令嬢「…!」
男娼「こんな早い時間に、どうしたんですか?」ニコ
少女「…男娼」
令嬢「ああ、会いたかったわ男娼!話したいこといっぱいあるのよ」ガバッ
令嬢「あなた、元気そうじゃない。なあんだ…」チラ
少女(嘘だ。歩くのも限界なはず)
令嬢「聞いてよ、この子が邪魔をしてきたのよ。どういうつもりなのかしら」
男娼「…」
少女「…」
男娼「僕、大丈夫ですよ」
少女「!」
男娼「行きましょうか、お嬢」
令嬢「ええ!」
少女「…」

387 :名無しさん@おーぷん :2015/05/30(土)23:02:56 ID:OgY
修羅場…

388 :名無しさん@おーぷん :2015/05/30(土)23:06:07 ID:WsG
少女「…」
少女(ふざけんな)
少女(何であんたは)
少女(明らかに顔色悪くて、熱くて、震えてる男を自分の都合で振り回せんのよ)
少女(何であんたは)
少女(…大丈夫、って言うのよ。そんな諦めた目で、どうして)
少女(自分が…そんなに大事じゃないの?)
少女「…っ」ギュ
少女(男娼は)
少女「…じゃない」
令嬢「…は?何、退きなさいよそこ」
少女「…」
男娼「少女」
少女「…物じゃないのよ」
少女「男娼は、物じゃないっ…!!!」

389 :名無しさん@おーぷん :2015/05/30(土)23:09:14 ID:nR5
完走してねっ!!支援!

390 :名無しさん@おーぷん :2015/05/30(土)23:09:56 ID:dvo
wktk

391 :名無しさん@おーぷん :2015/05/30(土)23:10:18 ID:WsG
少女「生きてるし、自分の意思があるのよ!物じゃない!商品なんかじゃない!」
男娼「…」
少女「彼を苦しめないで!自分を苦しめないでよ!」
少女「何でそんなことも分かんないの!?あんたら、本当、馬っ鹿じゃないの!?」
令嬢「…な」
少女「彼を離して!帰りなさい!」
青年「あ、あらああー!こんな所にいたのねー!探したわよー!!」バッ
少女「ん、ぐ!?」
令嬢「なに、こいつ!!私になんて暴言を…!」
青年「ほ、本当よねー!この子本当に馬鹿なんです、ごめんなさいごめんなさい」
少女「…っ」

392 :名無しさん@おーぷん :2015/05/30(土)23:13:28 ID:WsG
令嬢「…ふざけないでよっ…」
少女(…あ、やば)
青年「ほら、あんたも謝って!」グググ
少女「う、…」
少女(でも、謝りたくない。…絶対)
男娼「…」
少女「帰って、くださいっ…」
男娼「…少女」
青年「…!」
令嬢「え、ちょ、っと…」
少女「男、娼…」
男娼「…」
ポタ
少女「泣いてる、の…?」
男娼「…」
青年「う、そ…」
令嬢「……」
男娼「なんでだろ。涙止まんない。…あはは」ポロ

393 :名無しさん@おーぷん :2015/05/30(土)23:13:38 ID:gBa
これはぜひ完走して欲しい。
支援。

394 :名無しさん@おーぷん :2015/05/30(土)23:17:07 ID:huc
本出してくださいマジで