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男娼「身請けしてくんない?」 少女「そんなお金ないですね」
Part13


286 :名無しさん@おーぷん :2015/05/30(土)10:17:52 ID:WsG
……

少女「え、もうですか」
青年「そうよぉ。早朝に召抱えが迎えに来て、行っちゃったのよ」
少女「そう、なんですか」
青年「寂しいの?」
少女「いえ、…そういうわけでは」ポリ
見習い「男娼さん、最近忙しいようですね」
少女「…うん」
青年「あの固定客もなかなか大胆な手に出るようになったわねー」
青年「男娼を楼から呼び出すなんて、一体幾らかかるのかしら」
少女「…」
見習い「あの、少女さん?」
青年「…」
青年「見習い、さっさと接客の稽古するわよ」グイ
見習い「えー…」
少女「…」ペコ
青年「じゃあね少女。お昼になったらまた一緒にご飯食べましょ」
少女「はい」

287 :名無しさん@おーぷん :2015/05/30(土)10:20:05 ID:rlX
良スレ発見
10時から病院だったのに見とれてしまった

288 :名無しさん@おーぷん :2015/05/30(土)10:26:06 ID:WsG
少女「…むー」
少女(…暇だ)
少女「…」ポリ
少女(時間があると、色々考えちゃって嫌だな)
少女(…青年さんも稽古だし。薬売りのときは毎日忙しくって暇なんかなかったのにな)
少女「…」ブラブラ
ガシャン!
少女「!」ビク
「あああああーー!?」
少女(な、なんだこの音。厨房から?)
少女「…」タタタ
少年男娼「…うあ。やっちゃった…」
少女「…」
少年「…あ」
少女「ど、どうも」ペコ
少年「あぁー!薬売りの女の子だー!」
少女「!」ビクッ
少年「なんで君ずっとここにいるの!?もしかして売られちゃった!?」

289 :名無しさん@おーぷん :2015/05/30(土)10:32:10 ID:WsG
少女「ち、違います。まあ色々あって…男娼さんの小間使いをしてます」
少年「お金で囲われたって本当なの?どうしてどうして?」
少女「…」
少年「あ」
少女「えーっと」
少年「ごめんねー!俺うるさかったよねー!聞かれたくないこともあるよね!」
少女(なんだ、この子…)
少年「それよか俺、仕事あるんだった!うだうだしてたら怒られちゃう!」
少女「…その割れた皿、どうしたんですか」
少年「ああ、落としちゃったんだよねー」
少女「あ、駄目。手で拾っちゃ駄目ですよ」タタ
少年「え!いいよ、俺がやるからさあ!」
少女「いえ、手伝いますよ(見てて危なっかしいし)」

290 :名無しさん@おーぷん :2015/05/30(土)10:37:10 ID:WsG
少年「ありがとね!君、すっごく片付け上手なんだね」
少女(逆にどうやったら厨房がここまで汚くなるのかな)
少年「俺、少年!君は、少女だったよね?」
少女「はい。…あの、ここで何を?」
少年「ああ、俺飯炊きの仕事任せられてるんだー」
少女「…?あ、まさか朝ごはんもあなたが?」
少年「うん!俺お客もなかなかつかない下っ端だから、雑用任されてんの!」
少女(…大変だなあ)
少年「そろそろお昼を作らないといけないから、急いで準備してたんだー」ガシャガシャ
少女(お、おい…。雑だよ、器具をそんなに引っ掻き回して…)
少年「えーっと、ああー!」ガシャーン
少女「…」ウズウズ
少年「あっ、やべっ!」ビシャ
少女「…あのっ」

291 :名無しさん@おーぷん :2015/05/30(土)10:41:26 ID:WsG
少女「いいですか、じゃが芋はちゃんと芽をとって、水にさらしてから使うんです」
少女「それに、この野菜の皮!厚く剥き過ぎです。勿体無いじゃないですか」
少年「う、うんうん」
少女「お肉は最後に切らないと駄目です!まな板をいちいち洗わないようにしなきゃ」
少年「へえ…」
少女「それから、お味噌汁はちゃんと出汁を入れなきゃ味しませんよ!ほら、その昆布とって!」
少年「う、うん」
少女「……」テキパキテキパキ
少年「すげー…」
少女「慣れっこなので」
少年「何かごめんねえー!全部ほとんど君にさせちゃった!」
少女「いいんです。口出しした以上はやり遂げたいので」
少年「でも俺、君の言ったことちゃんと覚えたよ!こうでしょ!」
ガシャーン
少年「ありゃ」
少女「…」

292 :名無しさん@おーぷん :2015/05/30(土)10:45:11 ID:WsG
少年「あはは、君みたいに上手くできるには時間かかるみたい」ケラケラ
少女「…あの」
少年「んー?」
少女「私、暇なときは手伝いますよ」
少年「えっ…」
少女「本当、ここでやること何もないんです。だから、一緒に分担して料理しませんか?」
少年「いいのぉ!?でも、君、男娼さんの…」
少女「男娼さんに呼ばれたときは、無理ですけど。それ以外なら全然大丈夫なんで」
少女(それに、すっごくウズウズするし)
少年「いいのぉ!?本当に!?」ガシ
少女「う、うん」
少年「ありがとー!すっごくすっごく助かる!」ブンブン
少女「あ、あはは」
少年「俺嬉しいよ!こんな優しい人初めて見たー!」
少女(えええ…?)

293 :名無しさん@おーぷん :2015/05/30(土)10:50:12 ID:WsG
青年「…うお、うまっ!?何これ!?」
少年「ずげーだろ!少女が手伝ってくれたんだぜ!」
青年「手伝ったってか、これほとんどあんた手出ししてないでしょ」
少年「どうしてバレたのー?」ケラケラ
少女「少年さんはまず、包丁の持ち方からはじめないとだめですね」
見習い「あはは、確かにそうかも」
少年「皆ちょっと、ひどくない?」
青年「ひどいのはてめーの料理の味だろが!ほとんどの男娼が、外に食べに行ってんのよ」
少年「ええ!昼に人が少ないと思ったら…」
少女「た、確かにあの味じゃ…」
少年「まあ、これからは少女先生が指導してくれるから大丈夫だよー!」
青年「ほんっと。これでご飯に異物が入ってないか確かめずに済むわ」
少年「先輩ー!あんまりだー!」
少女「…」クス
少女(なんか、楽しいなー)
少年「少女、本当ありがとねー!」ニコニコ
少女「…」
少女「…う、うん」カァ

294 :名無しさん@おーぷん :2015/05/30(土)10:54:14 ID:WsG
=屋敷
男娼「…」
召使「…お嬢様がお出でになります」
男娼「ん」
カララ
男娼「…」ペコ
男娼「お嬢…。本日もお招きいただき光栄です」ニコ
令嬢「…ちょっと遅かったわね。待ったわよ」
男娼「申し訳ありません。でも僕、あなたに会いたい一心でできるだけ急いだんですよ」
令嬢「…」クス
令嬢「召使、もういいわ。下がりなさい」
召使「はい」
男娼「…」
令嬢「さ、今日は何処に行く?私、そろそろ新しい着物が欲しいの」
令嬢「男娼も似たような柄のものを買いましょうよ。…ね?」ギュ
男娼「…はい、お嬢」ニコ

295 :名無しさん@おーぷん :2015/05/30(土)11:00:11 ID:WsG
令嬢「…似合ってるわよ、男娼。本当、お前は綺麗ね」
男娼「そうですか?お嬢には叶いませんよ」
令嬢「まあ。…ふふ、言うようになったわね」
令嬢「あ、そういえば前に私があげたキセル、使ってくれてる?」
男娼「…ええ、勿論」
令嬢「そう、嬉しいわ。他の女からもらった物で吸っちゃ、嫌よ」
男娼「はい。お嬢のものしか、使っていませんよ」
令嬢「うふふ。…男娼」ギュ
男娼「…」
令嬢「最近ね、お父様が意地悪を言うの。夜に色町に行くな、って」
令嬢「男娼に夜会えないのはたまらなく寂しいわ。…楼の外じゃ、愛し合うこともできないし」
男娼「僕も、寂しいです」
令嬢「…男娼が他の女と寝てる、って思うと。…私」
男娼「…お嬢。でも、それは」
令嬢「分かってるわよ。仕事だものね」

296 :名無しさん@おーぷん :2015/05/30(土)11:03:55 ID:WsG
令嬢「でも、お前は私の呼び出しに応えてくれるし」
男娼「お嬢が大切ですから」
令嬢「…嬉しい」ギュ
令嬢「ね、男娼。こっちを向いて」
男娼「…はい」
令嬢「…ん」
男娼「…」
令嬢「お前の唇、好きよ」クス
令嬢「お前は?私の、好き?」
男娼「はい。たまらなく」
令嬢「うふふ。…男娼、好き」
男娼「僕もです、お嬢」

297 :名無しさん@おーぷん :2015/05/30(土)11:09:07 ID:h4J
追いついた
頑張れ

298 :名無しさん@おーぷん :2015/05/30(土)11:11:45 ID:WsG
令嬢「…でも、最近嫌な噂を聞いたわ」
男娼「噂、ですか」
令嬢「そう。お前がどこぞの娘を楼に囲ってる、って」
男娼「…」
令嬢「本当なの?」
男娼「事実です」
令嬢「…!どうしてっ」ギュ
男娼「落ち着いてください。別に深い意味はないですよ、小間使いとして雇ってるんです」
令嬢「じゃあ何で女である必要があるのかしら?」
男娼「逆に男である必要もないでしょう」
令嬢「…どういうこと」
男娼「だって、ただの雑用係ですから。男でも女でもどうでもいいです」
令嬢「まあ。冷たいのね」
男娼「…彼女、安かったですし」
令嬢「まあ」クスクス
令嬢「そうだったの。疑ってごめんなさいね。私、てっきりあなたが浮気したのかって」
男娼「そんなこと、絶対にないですよ」
令嬢「そうよね。私の事、一番に好きでいてくれるものね」
男娼「ええ」
令嬢「…男娼。早く一緒になりたいわ。あなたを不名誉な仕事から解放してあげたい」
男娼「…」

299 :名無しさん@おーぷん :2015/05/30(土)11:15:24 ID:WsG
令嬢「でも、身請けも色々と面倒なのね」
令嬢「お父様もいまいち反応がよくないし…。値段交渉も行き詰ってるの」
男娼「お嬢、無理はなさらず」
令嬢「無理?そんなの、ないわよ!だってあなたを助けてあげられるんだもの」
男娼「…助ける、ですか」
令嬢「ええ!身請けができたら、すぐにだってあなたと結婚して、家を継がせてあげるわ」
男娼「…」
令嬢「待ち遠しいだろうけど、辛抱してね。愛してるわ、男娼」チュ
男娼「…ええ。僕も」
男娼「愛して、います」
召使「さようなら…。お気をつけて」ペコ
男娼「…んー」
男娼「…はぁ…」ボリボリ

300 :名無しさん@おーぷん :2015/05/30(土)11:21:21 ID:WsG
男娼「あ、ごめん待って」
召使「はあ」
男娼「桶に水汲んで持ってきてくれない?あと、手ぬぐいも」
召使「はい」
男娼「…」ボリボリ
男娼(…少女、なにしてるかな)
召使「お待たせしました。どうぞ」
男娼「ありがと」チャプ
男娼「…」ゴシ
男娼「……」
ゴシゴシ
召使「…」ジ
召使「男娼様」
男娼「なに?」ゴシゴシ
召使「どうしてお嬢様に会った後、そうやって体を洗うのですか」
男娼「…」
男娼「いえない。君、告げ口するだろ」ニヤ
召使「…」
男娼「よし、と」フキ
男娼「じゃ、また。ばいばい」

301 :名無しさん@おーぷん :2015/05/30(土)11:28:30 ID:WsG
少女「ふんふーん…」
店主「悪いねぇ、店先の掃除なんか、他の奴にやらせるのに」
少女「いえ。皆さんそろそろお仕事の準備しはじめますし」
カラ
男娼「…あれ」
少女「あっ」
男娼「何、お出迎えー?」
少女「…そんなとこです。お帰りなさい、男娼さ」
男娼「…」グイ
少女「ん」
店主「わお」
男娼「ただいまぁ、少女ー…」ギュウ
少女「ち、ちょっと。ここ外ですよ」
男娼「会いたかった。すっごく、会いたかった」
少女「う…」
男娼「君、案外寂しかったろ?」
少女「ま、まあ。手持ち無沙汰ではありました」
男娼「素直じゃないの」
店主「…店先でいちゃいちゃしないでくれる?」
男娼「はいはい」

302 :名無しさん@おーぷん :2015/05/30(土)11:36:01 ID:WsG
少女「今日、夜はお休みなんですか」
男娼「うん。昼拷問を受けたから」
少女「ご、拷問?!」
男娼「そうそう」
少女「だ、大丈夫なんですか!痛いところとか、ある…」
男娼「君…あはは。例えだよ、馬鹿だなあ」
少女「…」
男娼「夜は暇だから、何かして遊ぼう。君、札もってたろ?僕強いんだよ」
少女「やりましょう」コク
少年「少女おーー!」ドン
少女「うお!?」
少年「ねえねえ助けて!お魚焦がしちゃったんだけど!」
少女「何で!?行ったとおりにやれば簡単でしょ?」
少年「わかんないよおー!助けてー!」
男娼「…」
少年「あ、男娼さんだ。おかえりなさいっ」
男娼「ちょっと、彼女を放して」グイ
少年「ああ、ごめんなさいー」パッ