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男娼「身請けしてくんない?」 少女「そんなお金ないですね」
Part10


218 :名無しさん@おーぷん :2015/05/26(火)20:29:59 ID:OeM
少女(…朝ごはん、下でって)
少女(私男娼と混じってご飯食べるの?いいの?)
キィ
少女「…」ヒョコ
見習い「あ、少女さん」
少女「おはよう、見習いくん」
見習い「朝ごはんもうすぐですよっ。こっち、どうぞ」
少女「あ、うん…(男娼は…どこだろ)」
少女「皆こうやって集まって朝ごはん食べるの?」
見習い「ええ。朝はたいていこうですよ」
少女「へえ…。なんか、圧巻」
少女(一生にこれ以上の美男の群れを見ることはないだろうな)パチパチ
見習い「あ、すみません。こっちは僕のお師匠に空けてるんで、こっちに座ってください」
少女「え、お師匠?」
見習い「はい。僕、まだ店にあげられない新参小僧なんで。…色々教えてくれる先輩につくんですよ」
少女「へえ」
見習い「普段はお師匠のお世話したり、お稽古を受けてるんです」
少女「ふうん…。そういう手順なのね」
見習い「あ、お師匠だ!」

219 :名無しさん@おーぷん :2015/05/26(火)20:35:19 ID:OeM
青年「ふぁあ…ねっむ…」ボリボリ
少女「あ」
見習い「お師匠、こっちです」
青年「…」
少女「ど、どうも。おはようございます」
青年「やっぱりあなた、男娼だったの?」
少女「ち、違いますよっ。昨日言ったじゃないですかっ」
青年「うふふ、冗談よぉー。何、もう見習いと仲良くなったの?」
見習い「仲良く、なんて…そんな」
少女「はい。色々教えてくれました」
青年「あらそお。まあ、良くしてやって頂戴ね」
見習い「…」モジ
少女「…あの」
青年「なあに?」
少女「男娼さんはどこにいますか?姿が見えないですけど」
青年「ああ、あいつ」
見習い「男娼さんは朝には降りてこないんですよ」
少女「そうなの?」
青年「ええ。野郎の群れでは食欲がそがれるんですって」
少女「…そ、そう」
青年「まあ、こんな待遇が許されるのは売れっ子だからねえ。ここの稼ぎ頭だもの」
少女(…それ、あなたじゃないの?)

220 :名無しさん@おーぷん :2015/05/26(火)20:43:07 ID:OeM
少女「いただきます」
青年「いただきまーす」
見習い「いただきますっ」
ザワザワ
少女「…」ムグ
青年「まずい、でしょ」
少女「へ!?い、いえ。そんなことは」
見習い「分かります。僕も最初来た時、びっくりしましたもん」
少女「…ちょっと、うん。なんかしょっぱい、かな」
青年「そおよねえー!味も濃かったり薄かったり散々なのよ」
少女「厨房には、誰が」
青年「まあ下っ端の男娼がかわりがわりでやってるわね。お客に出す料理は基本仕出しなの」ズズ
青年「…うげ。辛い」
少女「そうなんですか…。なんか、大変なんですね」
少女(…夜に仕事するだけじゃないのね)
少女「…ごちそうさまでした」カタ
青年「ばいばい、少女ちゃん。またね〜」ヒラヒラ
青年「ほら、早く食べなさい!さっさと稽古はじめるよ!」バシ
見習い「ひゃ、はい!」
少女(男娼…のところ、行くか)カタ

222 :名無しさん@おーぷん :2015/05/26(火)20:46:43 ID:OeM
少女「男娼さーん」コンコン
「…どうぞー」
少女「失礼します」カチャ
男娼「ん」
少女「…って、え」
少女「なに、やってるんですか」
男娼「何って、掃除」
少女「…」
少女「そんな大規模な…年末じゃないんですから」
男娼「大規模?そうでもないよ。除菌薬までかけて2時間くらいで終わるしさ」ガサガサ
少女「…ま、まめなんですね」
男娼「そう?」
少女「…手伝いましょうか?」
男娼「んー…。じゃあ、お願いしようかなあ。布団干しておいてくれる?」
少女「はい」
少女「…」
少女(昨日、使った布団、か)
少女(…ここで、…その、仕事したのね)

223 :名無しさん@おーぷん :2015/05/26(火)20:50:11 ID:OeM
少女「…よい、しょ」ボフ
男娼「…」ゴシゴシ
少女「…」ポン
少女「あの、男娼さん…」
男娼「…」ゴシゴシ
少女「…」
少女(…ベッドを、執拗に拭いてる…?)
男娼「……」ゴシ
少女「あの、次は何すればいいですか」
男娼「ん。ああ、ごめん。…埃はたいてくれる?」ゴシ
少女「わかりました(潔癖症なのかな)」
少女「…あ」
男娼「どうかした?」
少女「いえ。…この花瓶の花、綺麗だなと思って」
男娼「…ああ」

224 :名無しさん@おーぷん :2015/05/26(火)20:54:46 ID:OeM
少女「でもこれ、ちょっとお水が少ないですね。入れましょうか」
男娼「別に、いいよ。どうでも」ゴシ
少女「でも折角綺麗なお花ですし。新鮮にしておきましょう」
男娼「…そうだね」ゴシ
少女「このお花…見ない種類ですね。何処の物ですか?」
男娼「花、好きなの?」
少女「まあ、結構」
男娼「…花屋で、買った」ゴシ
少女「へえー…。最近はこんな色のもあるんですね」
男娼「墓参りの献花のついでに、買ったんだ」
少女「…そうなんですか」
男娼「本当は2束だけ買おうと思ったんだけど。…なんか、1束余計に買っちゃったんだ」
少女「どうしてですか?」
男娼「…」ゴシゴシ
少女(…無口だな、珍しく)

225 :名無しさん@おーぷん :2015/05/26(火)20:59:10 ID:OeM
少女「…」キュ
男娼「ありがと。捗ったよ」
少女「いえいえ」
男娼「…着替えるから、ちょっと出てもらっていい?見たいんならそれでいいけど」
少女「失礼します」
バタン
少女「…ふー」ノビ
新人「あ、少女さん」
少女「は、はい」
新人「近くの病院から、文が届いてますよ。どうぞ」
少女「ありがとうございます…」
少女(あ、弟の…ことね)
少女(…よかった。移送は無事出来たのね。手術は再来週、か。そっか)
少女(…退院の日位は、休みをくれるかな)
少女(頼んでみる価値はある、かも…)
男娼「何にやにやしてんのさ」ヒョイ
少女「うわああああああ!?」ビクッ
男娼「気味悪いなあ。何、これは。恋文かなにか?」
少女「い、いきなり取らないでください!返してください!」

226 :名無しさん@おーぷん :2015/05/26(火)21:02:36 ID:OeM
男娼「…ああ。病院からのか」
少女「そ、そうですよ。もう、びっくりした…」
男娼「…」
少女「あの、返してください」
男娼「ん」ポン
少女「どうも」
男娼「…君」
少女「はい?」
男娼「呆れるほど弟思いだよね。…気色が悪いくらいだよ」
少女「な…」
男娼「さーて、今日は何しようかなー」ニヤ
少女「……」ムカ
男娼「あ、言っておくけど」
少女「なんですか」
男娼「…僕、君を手放すつもりはないよ。外にだって一人で出て欲しくないんだもの」
少女「…」
男娼「おいで。今日もやってもらうこと、あるから」
少女「は、はあ…」

227 :名無しさん@おーぷん :2015/05/26(火)21:07:31 ID:OeM
少女「…」
男娼「ふんふーん」
少女「気になったんですけど」
男娼「なあに?」
少女「ここで働いてる人たちって…昼間は何をしてるんですか?」
男娼「んー、まあ暇だしごろごろしてるのが基本だよ」
少女(羨ましい限りだ)
男娼「けどまあ入りたての新参や見習いは、稽古をするけど。座敷遊びとか、あと…」
男娼「色仕掛けの、お稽古とか」クス
少女「…」
男娼「色仕掛けの…」
少女「二回言わなくていいです。聞こえています」
男娼「君、ほんっとに乾いてるなあ。何だか自信なくしちゃうよ」
少女「…余計なお世話です」ムス
少女「…男娼さんは」
男娼「んー?」
少女「弟子、とかとらないんですか」
男娼「いらない。面倒くさいし」
少女「は、はあ」

228 :名無しさん@おーぷん :2015/05/26(火)21:12:01 ID:OeM
男娼「まあたしかに、弟子になりたいって新参は多いけどー」
男娼「弟子なんてお金かかるし邪魔だし、必要ないよね。うん」
少女「でも他の男娼さんにはほとんどいるみたいですけど」
男娼「やだよお。何で僕がわざわざ野郎を侍らせなきゃいけないのさあ」
男娼「…きもちわるい」ボソ
少女「え?」
男娼「やっぱり横にいてきもちいいのは、君みたいな可愛い女の子だよね」
少女「…」
男娼「あれ、赤くなってる」
少女「なってません」
男娼「なってるよ。苺みたい」ツン
少女「や、やめてくださいっ」
男娼「あはは。君からかうと面白いや。お客さんよりずっとウブだし」ケラケラ
少女「〜っ…」

229 :名無しさん@おーぷん :2015/05/26(火)21:16:43 ID:OeM
男娼「さて、と」
少女(…店先まで出てきた。何するのかな)
男娼「店主ー」
店主「あ?なんだ?今日も打つか」
男娼「やだよ。君恐ろしく弱いもの。外出するね」
店主「またかよ!お前最近多いぞ」
男娼「でーと、だもの。いいじゃない、ケチ」
店主「でーと?」パチパチ
少女「…(ち、違うぞ)」
店主「ああ、…おい、夕方には帰って来いよ」
男娼「はあい。行こう」
少女「は、はい」

230 :名無しさん@おーぷん :2015/05/26(火)21:24:16 ID:OeM
……

少女「はぁ」ゲソ
少女(また大量の買い物と豪遊…。こいつ、借金とかどうなってんの)
男娼「ああ、気持ちよかったー。買い物ってきもちいいねえ」
少女「…こんなに買ってもらって、良かったんですか」
男娼「だって君の買い物楽しいから」
少女「はあ」
男娼「自分の買い物なんてほとんどしたことなかったんだけどねえ。やっぱ、女の子はいい」
少女「はあ…」
男娼「…と、もう日が落ち始めてる。僕、そろそろ準備しなきゃ」
少女「…」
男娼「何、その顔」
少女「え?…変な顔してましたか」
男娼「うん。なんか、寂しそうな顔してた」
少女「気のせいだと…思いますけど」
男娼「そうかな。僕、女の人以上に女の気持ちは分かるよ」
男娼「君…今、僕に仕事してほしくないって思ったでしょう」
少女「いえ、…いえいえ」ブンブン
男娼「本当ー?」ズイ
少女「は、はい。だって、私なんかがあなたの仕事に口出しなんて…」
男娼「…」
少女「できませんし…」
男娼「ふうん」
少女(え、そっぽ向いちゃう?)

232 :名無しさん@おーぷん :2015/05/26(火)21:29:11 ID:OeM
男娼「ただいまー」
店主「てめえ、遅い!早く準備しろ!」
男娼「はいはい、うるさいなー」トントン
少女「あ、あの。私も何かお手伝い…」
男娼「あ、じゃあ部屋で着物準備しといて。ちょっと寄る所あるから」
少女「分かりました」タタタ
カチャ
少女(えーと、着物、着物)
少女(クロゼットの中かな。よいしょ)ギィ
少女(…おう。いっぱいあるけど、どれなのかな)
少女「…」フワ
少女(すごいいい生地。…それに、いいにおいする)
少女(…えーと、どうしよう。…)ゴソ
少女「…ん」
少女(なに、これ。……箱?宝石箱かな。綺麗)
少女「…」
少女「…」キョロキョロ
少女「…」パカ

231 :アホアホマン◆AHOAHOJgCc :2015/05/26(火)21:27:29 ID:1xH
いつも書き溜めてんの?

233 :名無しさん@おーぷん :2015/05/26(火)21:33:17 ID:OeM
>>231
あらすじだけ書いてほとんど即興です。誤字多くてごめんね
少女「う、わー」
少女「綺麗…。すごい…」
少女(見たことない装飾品ばっかり。…あ、こっちは煙管?すごーい)
少女「…」
少女(私もお金あったら、こういうの着けてみたいなあ、なんて)
少女(…このピアスとか、可愛い。男でも女でも着けられそう)
少女(…当てるだけ、なら。いいかな)ピト
少女(鏡、は)チラ
少女「…」
少女「ふふ。…あはは」
少女(私になんか、似合わないよねー。こんなきらきらしたぜいたく品)クス
「…何してんの」
少女「!」ビクッ
「何、触ってんの」
少女「あ、男娼、…さん」