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男娼「身請けしてくんない?」 少女「そんなお金ないですね」
Part1

男娼「身請けしてくんない?」 少女「そんなお金ないですね」
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1 :名無しさん@おーぷん:2015/05/17(日)15:42:51 ID:KdM
男娼「まあ僕は顔も体も綺麗で、高い値がついてるけど」
男娼「でもさ、こんな色っぽい青年と人生を過ごせるんだよ?安いもんじゃない?」
少女「はあ」
男娼「今お金がないんなら、一生懸命働けばいいじゃないか!」
少女「はい」
男娼「だからさ、僕を身請けして…」
少女「身請けどころか男の人を買うことすらできない貧乏なんですよ」
男娼「…ねえ、おねがーい」
少女「はあ…」
男娼「考えてみるだけでも価値はあると思うよ?ねっ、ねっ」
少女「わかりましたかんがえてみます」
男娼「棒だなー…。まあ、いいや。そろそろ夜の準備するね。ばいばい」
少女「はあ。さようなら」ペコ
男娼「また明日もお願いね〜」
バタン
少女「…よ、っと」
少女(長話しちゃったなあ…)

3 :名無しさん@おーぷん :2015/05/17(日)15:46:53 ID:KdM
店主「お、少女ちゃん今日も薬届けてくれてありがとね」
少女「仕事ですので」
店主「ところでいっつも男娼と何話してるの?随分親しげだけど」
少女「いや、親しくないですね」
店主「そう?でもあいつがあんなに楽しそうに話すのって、君くらいしか」
少女「全然、仲良くないですね」
店主「…そ、そう?」
少女「あの、彼に言っておいて欲しいんですけど」
店主「ああ」
少女「私はあなたの所にだけ薬を届けてるのではなく、区域ノルマがあるので」
少女「いつまでもしょうもない話で引き止めるのはやめてください、と」
少女「…できればやんわりと、伝えてください」
店主「分かった。すまんね、いつも」
少女「いえ」
少女「彼はごひいきですし、いいんです」

5 :名無しさん@おーぷん :2015/05/17(日)15:50:53 ID:KdM
店主「あ、そうそう。二階座敷の奴が風邪っぽくてさ」
少女「ええ」
店主「できれば明日、咳止めを持ってきてくれないかな」
少女「…診察もしますよ。気管の病気、今流行ってますし」
店主「おお、助かる。じゃあよろしくね」
少女「はい。毎度ありがとうございました」ペコリ
店主「さよならー」ヒラヒラ
カツ
少女「…ふぅ」
少女(…もう、夕方か)
少女(楼に明かりがつき始めた。こればっかりは、綺麗なんだよな)
少女(この楼が神聖なものにさえ見える気がする)

6 :名無しさん@おーぷん :2015/05/17(日)15:54:29 ID:KdM
少女(やっぱり、ここを最後の配達にしてよかった)
少女(あの男娼、いっつもいっつも長話してくるもの)
「なあ、今日はどうする?」
「そうだなあ…この前の女郎はあんまり良くなかったし、鞍替えするかな」
「今日こそあのお方にお目通りするの。お小遣いいっぱい持ってきちゃった」
「ええ、ずるいわよぉ」
少女「…」
少女(…色街に行く人は)
少女(理解できないな)
少女(性欲のためにお金をどぶに捨てるなんて、私には到底できない)
少女(だって生きていくのにいっぱいいっぱいだもの)

7 :名無しさん@おーぷん :2015/05/17(日)15:57:52 ID:KdM
ガチャ
少女「…ただいま」
弟「あ、ねーちゃん!おかえりー」
少女「おっ、熱は下がったみたいね。良い子にしてた?」
弟「うん!ちゃんと寝てたよ」
少女「そう。じゃあ、ご褒美あげなきゃねー」ガサ
弟「!」
少女「はい、棒付き飴。溶けないうちに食べなさい」
弟「やった!やったー!」
少女「暴れないの!熱出るわよ」
弟「おねえちゃん、ありがとう!」クスクス
少女「…ん」
少女(生きていくのに、いっぱいいっぱいだもの)
少女(私は、この子を守らないといけないし)
少女(…男娼はいいなあ。どれくらいお金がもらえるのかな)

8 :名無しさん@おーぷん :2015/05/17(日)16:01:24 ID:KdM
弟「ごちそうさまでしたっ」
少女「弟、薬を飲みなさいね」
弟「…う」
少女「今日は鼻水が出てないから、粉薬はいらないわね。はい、これ二錠と液薬飲んで」
弟「はあい…」
少女「文句あるんならさっさと病気よくしなさいよー」
弟「わかってるよお」グビ
弟「…うえ」
少女(…あー、明日薬補充しに行かなきゃなあ。切れそうだったし)
弟「はい、飲めたよ。あーん」
少女「おりこうさんでした」ポン
弟「ねえ、おねえちゃん」
少女「んー?」
弟「今日、ちょっと遅かったね?」
少女「…んー」

10 :名無しさん@おーぷん :2015/05/17(日)16:04:49 ID:KdM
少女「今日は膝の悪いおばあさんの診察に手間取っちゃって」
弟「そうなんだー。ああ、あの町外れのおばあさんだね」
少女「ん、そう」
少女(まあ、嘘だけど)
弟「…僕も外に出たいなー」
少女「まあ、発疹が出なくなったらね」
弟「んー」
少女(…稼がなきゃなあ。いい加減、本腰入れて治療したいし)
少女(もっと大きな病院で、こいつの手術ができたら。すぐにだって…)
弟「おねえちゃん?」
少女「…あ、なんでもない。それより今日はもう寝なさい」
弟「はーい」
少女(…おかねほしいなーーー)ワシャ

11 :名無しさん@おーぷん :2015/05/17(日)16:06:46 ID:o5h
あぁ…

12 :名無しさん@おーぷん :2015/05/17(日)16:09:59 ID:KdM
弟「…すぅ、すぅ」
少女「…」ワシャ
少女(やばいなー。あんまり薬の売り上げ良くないぞ)
少女(皆ケチって適当なので済まそうとすっからなあー。くそー)
少女(診察代もケチるしさあー…。ふざけんなよな。ひよっこ薬師だからって舐めんなよ)
少女「…ん」
少女(あれ、明日の販売リスト。こんなに高い薬、誰が)ピラ
少女「…げ」
  男娼
少女「まーたあいつか」
少女(肌のきめを整える薬、一箱…。こんなん男が飲むもんじゃねーっつの。どこぞの夫人か)
少女(…ま。利益回収できるし、いいんだけど)パタン
少女「〜っ」ノビ
少女(…つかれるわ。…もっといっぱい、稼がなきゃいけないのに)

13 :名無しさん@おーぷん :2015/05/17(日)16:14:31 ID:KdM
男娼「…」
店主「おーい男娼」
男娼「はぁ」チラ
店主「はぁじゃないわ、お客だぞ」
男娼「…はぁあ…」
店主「おうこら、お前お客の前でそのため息つくんじゃねーぞ」
男娼「分かってますってば」ノソ
男娼「…あ」
店主「ん?」
男娼「今日僕が買った薬、捨てといてくださいね」
店主「ああ。いいけど」
男娼「ぅーい、めんどくせぇー」ノソノソ
店主(…あいつ、なんで必要のない薬いっつも買ってるんだ?)

14 :名無しさん@おーぷん :2015/05/17(日)16:18:21 ID:KdM
少女「…」カツカツ
「やっぱハズレだったじゃねーか」
「そうかー?いや俺は結構よかったけどなあ」
少女(朝帰りとは良いご身分だこと)
少女(こちとら疲れた体引きずって配達なのにさあ)
店主「おっ、少女ちゃん。今日は早いね」
少女「はい。あの、男娼さんを」
店主「はいはい。おーい、男娼ー」
「…あーい?」
店主「薬師さんが来てくれたぞー」
「今行くー」
店主「すまんな、あいつ朝まで客の相手しててな」
少女(うえ…。あんま聞きたくない情報)
店主「いつもの座敷で待っててくれ。すぐ行かせるから」
少女「はぁい」

15 :名無しさん@おーぷん :2015/05/17(日)16:22:29 ID:KdM
ガラ
男娼「おは」
少女「お早うございます。昨日処方したお薬の効き目はいかがでしたか」
男娼「いきなり色気のない挨拶しないでよぉ」
少女「(なんだコイツ)…はあ。すみません」
男娼「聞いてよ、昨日のお客さ、とんだ好色ババアでさー」
男娼「もう腰痛いのなんのって。今日座敷あがりたくないんだよねぇ」
少女「では、これが今日のお薬です」コト
男娼「え、聞いてるー?」
少女「腰痛があるんですよね。聞いてますよ」カチャ
男娼「…む」
少女「では、こちらを朝夕と一錠づつお飲みください。切れるころにまたご注文を」
男娼「はいはーい」
少女「では、これで」
男娼「えー。待ってよお、もう少し話そうよ」

16 :名無しさん@おーぷん :2015/05/17(日)16:26:00 ID:KdM
少女「すみません、今日は予約が立て込んでてですね」
男娼「ちょっとくらいいいじゃーん。ほら、お菓子いる?美味しいよ」
少女「いりません。では」
男娼「待ってって」ガシ
少女(……あああ…)
男娼「僕さ、腰が痛いんだよね。追加で診察とかできない?」
少女「できますけど、予約外ですので」
男娼「いくらでも払うよ。やってやって」ゴロン
少女(…だ、っる)イラ
少女(…と、いけないいけない。客を選べる立場じゃないわね)
少女「…じゃあ、失礼します」ポス
男娼「全部脱いだほうがいいかな?」
少女「腰のとこだけ服をあげてください」
男娼「ちぇ」スル

17 :名無しさん@おーぷん :2015/05/17(日)16:29:34 ID:KdM
少女「失礼します」スッ
男娼「…」
少女(…男のくせに、細い腰だな)
少女(白くて、女の子よりはがっしりしてるけど…)
少女「えっと、どこが痛いですか」
男娼「わかんない」
少女「…。ここですか?」
男娼「んー、違うかな」
少女「…では、ここの横側ですか」
男娼「違う気がするー」
少女「…」
男娼「どしたの?触ってよ」
少女(クソが)
男娼「…」クス

19 :名無しさん@おーぷん :2015/05/17(日)16:33:34 ID:KdM
少女(正直言うと、触りたくない)
男娼「あー、もう少し右かも」
少女(彼をけなす訳ではないけれど、彼の体は)
男娼「下、だよ」
少女(誰の物かわかんない手垢だらけなんだろう)
男娼「…もっと下かなあ」
少女(媚びたような声も、顔つきも、身のこなしも、なんか不潔に感じるし)
男娼「…」
少女(…いや、別に。差別してるわけじゃないけど、けど)
男娼「やだ、きわどい所触るんだね」クス
少女「は、あ?」
男娼「そういうことがしたいんなら、夜に来てくれれば大歓迎なのにさ」
少女「…」バッ
少女「あ、あなたが下のほうだと言うから触ったまでです。別に変な意味はありません。微塵も」
男娼「…ふふ」

20 :名無しさん@おーぷん :2015/05/17(日)16:37:04 ID:KdM
少女「…触診したところ、これといって異常ありませんし」
少女「一時的な疲労だと思われます。えっと、必要なら湿布を処方しますけど」
男娼「んー、じゃあお願いする」ゴソ
少女「…えーと」
男娼「一番高いやつにしてよ」
少女「はあ」
男娼「…」
少女「では、お会計です」
男娼「ん。ありがとね」
少女(…あっさり引くのな)
男娼「あ、そういえばさぁ」
少女「はあ」
男娼「身請けの話、考えてくれた?」
少女「さようなら」
バタン
男娼「…」クス

21 :名無しさん@おーぷん :2015/05/17(日)16:42:38 ID:KdM
少女「はい、口を開けてください」
新人男娼「…あ」
少女「奥がはれてますけど、まあ大丈夫です」
少女「この薬を3日も飲めば大丈夫になりますよ」
新人「そっすか。ありがとうございます」
少女「お大事に」ペコ
新人「はい」
少女(…やりやすいもんだ、他の男娼は)
少女(けど、まあ)
少女(ここの空気は、嫌いだ。甘ったるいのに、濁ってる気がして)
少女(男娼の顔も、覇気がないのに変な色があるし)
店主「じゃあね、少女ちゃん」
少女「さようなら」
少女(…できれば一生、訪れたくない場所だ)
少女「…」ノビ
少女(外の空気、うまー)プハー

22 :名無しさん@おーぷん :2015/05/17(日)16:47:41 ID:KdM
「おーい」
少女「…」ビク
「おーい、くすりうりさーん」
少女「…」チラ
男娼「あ、こっち見た」
少女「…(げっ…)」
男娼「今日は、ありがとうねー。楽しかったよー」ヒラヒラ
「…おい、あれは●●楼の」
「まあ、あの女の子…」
「俺見たぜ、一番上の座敷から出てきたんだ」
男娼「また、よろしく、ねえー」クスクス
少女「…」
少女(あんっの…野郎っ…)ギリリ
少女(わ、私があの男を買った客みたいな目で見られてるじゃない!くっ…)
男娼「…」ニヤニヤ
少女(絶対、ぜったい分かっててやってる…!)
男娼「また来てねぇ」ヒラ
少女「…」ダッ
少女「…っ」
少女「くそっ…」ダダダ