件名『私メリー、あなたの後ろにいるの』 男「メール…だと!?」
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Part3
33 :
1 ◆6dFCXZUZXg:2012/02/24(金) 21:35:54 ID:g4iXBibc
ブブブ ブブブ
『あの…ココって男さんのご
家族が勤めてたりしません
か? 』
男「ん?母さんがココの司書だけど。何で分かったの?」
ブブブ ブブブ
『朝、男さんの家で感じたの
と同じ携帯が奥にあるみた
いなので。 』
男「へぇ、そんなことも分かるんだ。」
ブブブ ブブブ
『はい。やっぱりなんとなく
…ですけど。 (´・д・`) 』
34 :
1 ◆6dFCXZUZXg:2012/02/24(金) 21:36:20 ID:g4iXBibc
母「あら男、あんたが来るなんて珍しいわね〜。」
男「お、噂をすれば。」
母「??何のこと?」
男「なんでもない。それよりココって古い新聞とか保管してない?」
母「いつか必要になるかもって思って、一年分くらいとっといてあるけど……どうして?」
男「それだけあれば十分。ちょっと見せてほしいんだ。」
母「いいけどちゃんと片づけなさいよ。奥にあるから入っていいわ。」
男「ありがと。」
35 :
1 ◆6dFCXZUZXg:2012/02/24(金) 21:37:20 ID:g4iXBibc
ーー ーー
ティロリーン
『さっきのが男さんのお母さ
んですか。
綺麗な方ですね…。 』
男「ちょっと若作りしてるだけだよ……ええと、ここだな。」
ティロリーン
『新聞を見てどうするんです
か? 』
男「昨日49日間で能力を決めるって言ってたでしょ?
逆算したらメリーさんは49日以内に亡くなったはずだから、もしかしたらなんか載ってるんじゃないかなって。」
ティロリーン
『…そうですよ、ね。 』
36 :
1 ◆6dFCXZUZXg:2012/02/24(金) 21:37:49 ID:g4iXBibc
男「……怖い?」
ティロリーン
『…少し。
でも、何か思い出せるなら
がんばります! 』
男「僕もついてるから。……メリーさんが気がついたのって何日前か分かる?」
ティロリーン
『…男さんにメールをしたの
がちょうど最後の49日目
でした。 』
男「そっか。じゃあ昨日から49日前の新聞は……とーー」
38 :
1 ◆6dFCXZUZXg:2012/02/24(金) 21:39:04 ID:g4iXBibc
男「っ!!メリーさん……これは?」
ティロリーン
『隣町の、通り魔殺人…です
か。 』
男「もしかして……この被害にあった女子高生って……」
ティロリーン
『あれ?でも、この事件49
日前に起きたんですよね?』
男「うん。だからちょうどメリーさんになった日の……」
ティロリーン
『はい。
ですからこの事件が起きた
時に私はもう幽霊になって
いたはずです。 』
男「あ、そうか。じゃあこの事件は無関係……よかった。」
39 :
1 ◆6dFCXZUZXg:2012/02/24(金) 21:42:21 ID:g4iXBibc
ティロリーン
『でもこの事件、まだ犯人は
捕まってないんですね… 』
男「そういえば今朝ニュースでもやってたっけ。この前また女子高生が襲われたって。その子も重傷らしいし。」
ティロリーン
『…この子も幽霊になったん
でしょうか? 』
男「……どうだろう。僕なら、犯人を呪うかもしれない。」
40 :
1 ◆6dFCXZUZXg:2012/02/24(金) 21:43:15 ID:g4iXBibc
ティロリーン
『成仏、できたのでしょうか
…。 』
男「……?どういう意味?」
ティロリーン
『犯人を呪ったとして。
たとえば犯人を…殺して。
それで、納得できますか…
? 』
男「でき、ない……かな。多分一番の未練はーー。」
ティロリーン
『死にたくなかった。
…ですよね 』
41 :
1 ◆6dFCXZUZXg:2012/02/24(金) 21:43:57 ID:g4iXBibc
男「……やっぱりメリーさんも?」
ティロリーン
『ん〜。どうなんでしょう?
少なくとも今は死んでいる
ことを悲観してないんです
よね。 (´・ω・`) 』
男「でも幽霊は未練があって現世に残った人なんだよね?」
ティロリーン
『はい。それは間違いありま
せん…けど。
ただ、私は死んでしまうこ
とが嫌なのではなく、やり
残した事があるから幽霊に
なった…の、かな。たぶん 』
42 :
1 ◆6dFCXZUZXg:2012/02/24(金) 21:44:34 ID:g4iXBibc
男「そのやり残したことが出来たら……メリーさんは、成仏するのかな?」
ティロリーン
『そのはずです。
ですが、もしこの被害者の
子のように幽霊になったの
なら…
ただ生きていたかっただけ
なのなら… 』
男「……未練があっても、成仏できるとは限らないかも知れない、か。」
ティロリーン
『私もそうかもしれません…
未練が分かっても、それが
実現できない…かも。 』
43 :
1 ◆6dFCXZUZXg:2012/02/24(金) 21:45:06 ID:g4iXBibc
男「……探すの、やめる?」
ティロリーン
『…お気使いありがとうござ
います。
でも、やっぱり私は知りた
いです。
なぜ私がこの世に残ってい
るのか。
…巻き込んでしまってごめ
んなさい。 』
男「気にしないで……。その、僕も興味あるから……なんて言ったら不謹慎かもしれないけど。」
ティロリーン
『出会ったのが男さんで
良かったです。
本当に。 (*u_u*) 』
男「それは答えが見つかってから言ってよwさてと、次を探そうかーー」
46 :
1 ◆6dFCXZUZXg:2012/02/24(金) 21:45:37 ID:g4iXBibc
男「う〜ん……少し前後して探したけど収穫は無かったなぁ。」
ティロリーン
『名前も知らずに分かるもの
なんでしょうか? 』
男「推測だけどね。『メリーさん』を知ってたりメールの感じから僕とそんなに年は変わらないと思うんだけど……
メリーさんが気がついた時周りに何か無かった?」
ティロリーン
『意識が無いまま風に流され
ていたようで…
気がついたときは知らない
場所でした。 』
47 :
1 ◆6dFCXZUZXg:2012/02/24(金) 21:47:02 ID:g4iXBibc
男「じゃあその後、何か知ってる人に出会ったりしなかった?」
ティロリーン
『何か知ってる人…ですか?』
男「寺生まれのTさん……は無いか。でも幽霊の先輩とかさ。」
ティロリーン
『…他の幽霊には会ったこと
がありません。 』
男「え?この辺にいるのはメリーさんだけってこと?」
ティロリーン
『…いえ、きっと他にもたく
さんの幽霊はいるんだと思
います。
でも、誰も感じられません
でした。 』
48 :
1 ◆6dFCXZUZXg:2012/02/24(金) 21:47:40 ID:g4iXBibc
男「……それって、……『一人』だったってこと?」
…… ……
男「……メリーさん?」
ティロリーン
『最初は道行く人に声をかけ
たりしましたが…
お互いを認識して話が出来
たのは…男さんが初めてで
した。 』
49 :
1 ◆6dFCXZUZXg:2012/02/24(金) 21:49:19 ID:g4iXBibc
男「49日……ずっと?」
ティロリーン
『…そうです。 』
男「……49日間……どうしてたの?」
ティロリーン
『まずは、手当たりしだい声
をかけてみました。
…空耳だと思われましたけ
ど。 』
男「……。」
ティロリーン
『次は姿を見せてみて。
でも、みんな素通りして行
っちゃいました…。 』
男「……生前を知ってる人には出会わなかった?」
ティロリーン
『多分…誰も声はかけてくれ
ませんでしたし。 』
男「ただ知らない人が立ってるだけじゃ、幽霊とは思わない……か。」
50 :
1 ◆6dFCXZUZXg:2012/02/24(金) 21:50:26 ID:g4iXBibc
ティロリーン
『その後に思いついたのが
「メリーさん」でした。
電話で。あなたの後ろに…
って。 』
男「それなら有名だし気づいたんじゃ?」
ティロリーン
『はい。成功はしました。
ただ…
その人は携帯をその場に投
げ出して走って逃げてしま
いました…。 』
男「まぁ……ね。」
ティロリーン
『覚悟はしていましたけど、
人に怖がられるのは…少し
…つらかった。
…です。 』
男「……。」
51 :
1 ◆6dFCXZUZXg:2012/02/24(金) 21:51:10 ID:g4iXBibc
ティロリーン
『それからはしばらく何も
しませんでした。
出来ませんでした。
誰かを傷つけるくらいなら
…怖がられるくらいなら、
このまま消えてしまおうか
…って
でもそうやってただ街を歩
いていたら、メールをして
いる人達をたくさん見かけ
て… 』
男「メリーさんメールを思いついた……?」