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件名『私メリー、あなたの後ろにいるの』 男「メール…だと!?」
Part10


160 :1 ◆6dFCXZUZXg:2012/02/25(土) 00:19:55 ID:Vzjx5lDI
男「ーー女さんが自転車を止めた公園!?……いいけど、何で?」
ブブブ ブブブ
『あそこって坂をけっこう登
 ったトコにありますよね。
 あの公園、私が入院してた
 病院の屋上から見えるんで
 す。
 あそこからなら、私がずっ
 といた病院も、私がずっと
 知りたかったこの町も、全
 部見えると思うから…。   』
男「わかった。……でも今からあそこに行くと、けっこう時間かかっちゃうけど……間に合う、よね?」
ブブブ ブブブ
『それは、大丈夫です。
 まだ…。
 それはわかってます…。 』
男「そっか。でも、……急ごうーー。」
 ーーーー

161 :1 ◆6dFCXZUZXg:2012/02/25(土) 00:21:21 ID:Vzjx5lDI
男「ーーはぁあ、はぁ……着いた……。けっこう暗くなっちゃった。
  けど!……メリーさん!間に合ったよね!?」
ティロリーン
『私メリーさん。
 ちゃんと、あなたの後ろに
 いるよ。           』
男「……この公園、こんな高台にあったんだね。」
ティロリーン
『町明かりが綺麗ですね。 』
男「うん。キラキラしてる……。」
ティロリーン
『私の病院も、明かりがつい
 てる。             』
男「うん。……見える。」
ティロリーン
『これで、私の見たいもの、
 …全部。
 見れちゃいましたね。   』

162 :1 ◆6dFCXZUZXg:2012/02/25(土) 00:22:07 ID:Vzjx5lDI
男「……。」
ティロリーン
『今日、楽しかったですね。』
男「……うん。」
ティロリーン
『クレープ食べて。ゲームセ
 ンター行って。       』
男「……うん。」
ティロリーン
『教会なんて行っちゃって。
 今なんか、星空と夜景が見
 える公園にいますよ?   』
男「……。」
ティロリーン
『そろそろ…かな。
 ちゃんと、言わなきゃ。
 ね。           』
男「……。」

163 :1 ◆6dFCXZUZXg:2012/02/25(土) 00:22:37 ID:Vzjx5lDI
『最初、幽霊になったとき
 不安で不安でどうしようも
 なくて
 分からないないことがたく
 さんあって
 でも、やらなきゃいけない
 こともたくさんあって
 何とかしようとしても
 人を傷つけちゃって
 あきらめようとしたけど
 最後の望みで思い付きを試
 してみて。
 はじめに何て送ったら良い
 かわかんなくって
 変にお堅い文章になっちゃ
 って
 男さんと出会って。      』

164 :1 ◆6dFCXZUZXg:2012/02/25(土) 00:23:04 ID:Vzjx5lDI
『男さんは全っ然、授業を聞
 いてなくて
 友さんは笑ってばっかで
 女さんは優しくって
 お母さんは変に鋭くって
 妹さんは…
 ちょっと変わってて?
 でも、二人とも美人で
 あったかい家族で
 そだ、男さんは鍵付き引き
 出しにエッチな本を隠して
 るんですよね
 妹さんに見つからないよう
 にしてあげてね?      』

165 :1 ◆6dFCXZUZXg:2012/02/25(土) 00:23:30 ID:Vzjx5lDI
『夜遅くまでお話して遅刻し
 そうになったり
 女さんに見つかって
 結局私を使って女さんのメ
 アド聞き出しましたよね?
 実は友さんは凄くって
 なんで眼鏡で変身するんで
 すかね?           』
『そして
 通り魔事件を調べて   』

166 :1 ◆6dFCXZUZXg:2012/02/25(土) 00:24:04 ID:Vzjx5lDI
『友さんは意外な才能にあふ
 れてましたね
 もったいないなぁ
 そして女さんが、大変なこ
 とになって
 あ、でも怪我はしてなかっ
 たんですよね
 代わりに男さんが怪我しま
 したけど
 女さんずっと手を握って心
 配してたんですよ
 ただのかすり傷なのにねぇ
 ホント
 いろいろありましたね。  』

167 :1 ◆6dFCXZUZXg:2012/02/25(土) 00:24:31 ID:Vzjx5lDI
『明日からは普通になるんで
 すよ
 明日からが普通になるんで
 すよ
 明日から朝のメールはなく
 なります
 妹さんが起こしてくれるん
 でしょ?
 だから
 眠ると全部夢だと思うかも
 しれませんね
 きっと、そうです。
                 』

168 :1 ◆6dFCXZUZXg:2012/02/25(土) 00:25:01 ID:Vzjx5lDI
男「……。」
ティロリーン
『何か行ってくださいよ。 』
男「……。」
ティロリーン
『…ねぇ。        』
男「……。」
ティロリーン
『じゃあ、最後にとっておき
 のこと教えてあげます。 』
男「……。」
ティロリーン
『私の未練。
 この町を見ることじゃない
 よ    (。-ε-。)     』
男「……え?」

169 :1 ◆6dFCXZUZXg:2012/02/25(土) 00:25:45 ID:Vzjx5lDI
ティロリーン
『男さん、勘違いしてたでし
 ょ?
 面白いから黙ってました。
 (。>∀<。)           』
男「え?……じゃあ!ーー」
ティロリーン
『私の未練は「恋がしたい」
 ってこと。
 私の分も恋してくださいね
 。
 出会ったのが、貴方でよか
 ったです。
 ありがとう。
 男さん、大好きですよ。
                  』

170 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/02/25(土) 00:26:07 ID:9n0YK36Y
えんだあああああああああああああああああああああああ

171 :1 ◆6dFCXZUZXg:2012/02/25(土) 00:26:30 ID:Vzjx5lDI
 チュンチュン チチチ……
男「ふぁああ〜。あぁ〜よく寝た……。」
 コンコン。
妹「お兄ちゃん?起きてるの?」
男「うん。今起きた……。」
 ガチャ
妹「おはよう。ーー女さんがいちおう病み上がりだからって心配して迎えにきてくれてるよ。」
男「ん〜。わかった。でもお前今日は起こしに来てくれたんだ?ここんとこなかったのに。」
妹「なんのこと?……変な夢でも見てたんじゃない?」
男「まぁ、いいや。じゃあすぐ支度する。」
妹「うん。」
 ガチャリ。
男「ーーなんか、すごく長い夢でも見てた気がするな……。」
 …… ……

172 :1 ◆6dFCXZUZXg:2012/02/25(土) 00:27:09 ID:Vzjx5lDI
男「でも、さ。……なんで、僕のケータイにストラップ付いてるんだろう。お腹、絆創膏貼ってあるんだろう?
  全部夢……。
  夢。……なんて、思えるはずないじゃないかっ!!
  ずっと一緒にいたのに!
  ずっと話してたのに!
  ……忘れられるわけないだろ!!!」
  …… ……
  何か言ってよ!何か答えてよ!……メリーさんっーー!!!
  …… ……
  ……。そういえば、別れの言葉も言ってなかったっけ……。」
(ポチポチ)
『メリーさん、ありがとう。』

173 :1 ◆6dFCXZUZXg:2012/02/25(土) 00:28:22 ID:Vzjx5lDI
男「……なにやってんだよ、僕ーー。
  ケータイ、買い換えるかな……。
  ……もう、……いい、よね。
  …………さようなら。メリーさん。」
ガチャリ
……バタン
 ティロリーン……。
fin.

174 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/02/25(土) 00:29:11 ID:9n0YK36Y


175 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/02/25(土) 00:29:27 ID:NBFMVLmM
おじさんちょっと目頭熱くなったぞ!乙かれ!

176 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/02/25(土) 00:31:47 ID:zf20CTR2
スゴく良かった乙乙!

177 :1 ◆6dFCXZUZXg:2012/02/25(土) 00:32:22 ID:Vzjx5lDI
お疲れ様でした。
えらい読みづらいもんを読んでくれてありがとうございました。

178 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/02/25(土) 00:49:48 ID:qc9uLQWk
盛大に乙!

179 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/02/25(土) 01:01:07 ID:Njmn505U
乙!これは短編ドラマとかいけるレベル!

180 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/02/25(土) 01:31:43 ID:4Ve8tlbg

涙が止まらない