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マリオ「ピーチ姫の桃色天然水…マンマンミーアミーア…」
Part6


50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 19:04:09.09 ID:US79mtF0O
マリオ「これからどうするつもりなんだ。
悪いが君が俺をいかに受け入れようが今の俺には何も無い。
見ての通り家はこの様だ。クッパはどうしたんだ。」
ピーチ「さよならしたわ。」
マリオ「!?」
ピーチ「あの頃は彼の本性を知らなかった。彼は汚ならしい悪魔よ。ただの怪物よ。」
混乱しそうだった。
過去は嘘なのか、夢なのか、いや確かに過去は存在する、それ故の今じゃないか。
あんなに愛し合っていても人はいつかは別れる物なのか。
マリオは常世の虚しさをひしひしと感じた。

52 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 19:07:36.18 ID:US79mtF0O
マリオ「しかしあの日俺は君に…」
ピーチ「その話はもうやめて。…あれ?あの写真…。」
ピーチは壁に掛けてある写真を眺めた。
マリオ「ああ、君がまだ新人だった頃に皆で撮ったやつだ。」
ピーチ「あの写真ならあたしも。」
ピーチはバックをあさった。
ピーチ「ほら。」
驚いた。てっきり捨てていたとばかり思っていた。
ピーチ「あたしが辛かった時や泣きたかった時に何度もこの写真に励まされたわ。
楽しかったあの毎日を頼りに頑張れると思ったの。」
マリオ「…ありがとう。」
俺は何を言っているんだ。なぜここで礼を言うんだ。
一つだけ分かるのは今のありがとうは至極自発的な言葉だったということだ。

54 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 19:12:18.34 ID:US79mtF0O
マリオ「ありがとう…。ありがとう…。ありがとう…。」
言葉が自然と口から溢れてくる。
ありがとう一回毎に牢獄の鎖が解けていく。鉄格子が砕けていく。
ああ、溢れようとしているのだ。甦ろうとしているのだ。満ち足りようとしているのだ。
マリオ「ありがとう。」
ようやく止まった頃になると俺は泣いていた。枯れた筈の水源から溢れたオアシス。
そして俺のカラカラの素肌に意識に心に優しい雨が降り注ぐ。
砂漠に降る雨。
希望の雨。
命の雨。
地から空から溢れている、潤っていくのだ。
俺は包みとるようにまた抱き締めるように瞬きをし、涙を外界へ解き放った。
やがて潤み歪んだ視界が原型へと戻っていく。
はっきりとしていくに連れて目の前の彼女の輪郭はより鮮明になっていく。
輝きを増していく。

55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 19:16:54.90 ID:US79mtF0O
ピーチはマリオの頭を撫でた。
いつか離れた母のように優しい手触りで。
それは慰めでも、情でもなく、愛おしむ気持ちであったのだ。
長い人生の一カケラに過ぎない時間なのだが。
最も輝くカケラの一つになることは本能的に分かった。
過去の終りと未来の始まりを告げているその世界は
二人にとって一瞬であり永遠であった。
窓の外に少しだけ積った雪が柔らかい光を放っている。
オレンジ色の暖かい冬の光、切なくも幸せな夢の色。
ありがとう。俺は幸せだ。

61 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 19:23:54.08 ID:US79mtF0O
ピーチ「泣かないの。ほら、男の人でしょ。」
マリオ「すまない。ありがとう。」
格好悪いと思われたに違いないがそれでも良かった。
クッパ城を出た彼女には家が無い、俺が彼女の家になろう。そう決意した。
マリオ「ええと…うん…あれだ…。俺と一緒に暮らさないか。」
不安と期待のこもった一世一大の台詞だ。
ピーチ「ええ。喜んで。」
と彼女はハニカンで笑った。
俺はまた泣いた。その度に彼女は俺を撫でた。
マリオはすっかり反省してるみたい、
あの日のようには絶対にならないって断言できるわ。
あたしにも家族ができました、ノコ爺さんありがとうございます。
あたしは幸せです。

65 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 19:29:28.66 ID:US79mtF0O
そして二人は寝床についた。
作業用の小さな布団を敷いて、寄り添うように眠った。
歳を重ねた二人の表情はなんとも和やかで、朗らかな様子であった。
マリオ「グー、グー。」
ピーチ「…マリオ…マリオ…。」
夜が明ける頃に二人は眠りについた。
俺達二人なら大丈夫さ、これから先何があっても乗り越えられる。
未来を決め付けるのは良くない事だが、今はそう思うだけで幸せだったのだ。
少し頭を出した太陽の光が二人を優しく照らしている。
ようやく雪も溶け始めようとしているそんな頃だった。

69 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 19:36:23.93 ID:cV7eGMTGO
展開が楽しみ

66 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 19:32:55.06 ID:pEo1KCT80
雪はいつもマリオたちの心境とか状況を比喩してるみたいだな…。深い。
それはおいといてピーチに萌えるんだが。

67 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 19:33:04.24 ID:zySoAStD0
これでまた前のスレの最初にループしたらある意味面白いなwww

71 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 19:38:08.04 ID:nKo+CHd+0
作業用の小さな布団を敷いて、寄り添うように眠った。
作業用ねww作業w

72 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 19:40:35.12 ID:LNKMciFe0
>>71
おっ なるほどねwww

80 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 19:50:26.37 ID:ckq8PBxQ0
>>71
何の作業だwwwww

76 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 19:46:45.95 ID:US79mtF0O
しかし一方で暗い昼が始まろうとしていた。
キノピオ「やったぜ…あいつは神様だ…こんなに薬をくれるなんて。しかも無料でよお。」
キノピオ「ワルイージか…へへ。頼りにしてるぜ旦那。」
ワルイージは裏社会のリーダーであり、主に違法薬物の販売をしていた。
その商法は悲惨極まりなく、町でドラッグにハマるキノコを捕まえては薬漬けにして、
薬の染み込んだ頃に暗殺し、そのキノコを高額で売りさばいているのだ。
キノピオは自分がそのターゲットであることをまだ知らない。
キノピオ「あひゃwwwあひゃwww」
狂気がキノピオの体を蝕み、意識までをも支配しようとしていた。

82 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 19:57:32.42 ID:US79mtF0O
そしてクッパ城では。
クッパ「ギャオオオス!誰も居なくなっているではないかああ!」
クリボーやノコノコ達が居なくなっていた。
クッパ「ギャオス…ついに皆に見捨てられてしまったのだ…。俺様は…。」
クッパはこう見えて意外と淋しがり屋なのだ。
城の壁にある若き日の自画像を眺めているうちにすっかり夜になってしまった。

83 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 19:58:20.17 ID:g/Ii097c0
動き出してる・・・

85 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 20:04:11.91 ID:US79mtF0O
マリオ「いってきま〜す♪」
ピーチ「行ってらっしゃい♪」
ヨッシー「でってぃう。」
今日のマリオは見違える程元気な声だった。
あの仕事辞めてから配管工で働いてたんだ。
毎晩毎晩大変だわね、そうだわ…今日はおご馳走作って待ってましょ。
お金は残り少ないけどきっと大丈夫だわ。

91 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 20:14:29.30 ID:US79mtF0O
マリオはいつものようにキノ五郎と仕事をしていた。
キノ五郎「ゲッホ!グェッホ!」
マリオ「キノ五郎さん、大丈夫ですか?」
キノ五郎「すまねぇな。
昨日あんな事言っといておきながら自分が風邪ひいちまった。
ゲッホ。」
マリオ「咳する度にキノコ菌が飛んでますよ。今日は休んだ方がいいんじゃ…。」
キノコ五郎「馬鹿ぬかすんじゃねぇ!ゲッホ!
 俺は今まで皆勤賞なんだよ、ここで諦めてたまるかってんだ。
 上手くいけば係長に昇格できるかもしれねぇ…グェッホ!」
マリオ「じゃあせめて怪我をしないようにしてくださいよ。」
マリオは少し心配だった。

93 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 20:15:37.79 ID:LNKMciFe0
キノ五郎・・・まさかな・・ハハ・・・・

95 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 20:16:01.42 ID:cV7eGMTGO
死亡フラグ・・・

99 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 20:29:08.73 ID:US79mtF0O
マリオは今日あった事を話ながら仕事をしていた。
キノ五郎「そおかぁ。ゲホッ。良い嫁出来て良かったなマリオ!」
マリオ「いやいや嫁だなんて滅相もない、結婚なんてしてませんよ。」
キノ五郎「ははは、わりぃわりぃ。オッホン!
でも今がチャンスだぜ早いとこ結婚しちまって良い家庭を築いたらどうだ。」
マリオ「今の俺にはまだそんな金も自信もありませんよ。」
キノ五郎「大丈夫さ。大切なのは愛だよ愛。」
マリオ「そうっすね。俺も頑張ってみます。」
ついにあいつにも女が出来たか。はは、ちょっと寂しいな。
今までは俺だけの男だったのによ、って俺は何を考えてるんだ。
とにかくマリオ…その幸せ絶対無くすんじゃねぇぞ。俺が一番応援してるからな。

100 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 20:30:09.58 ID:nDz7w9uV0
アッー!

101 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 20:30:14.43 ID:cV7eGMTGO
キノ五郎生きるんだ・・・

103 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 20:31:38.36 ID:LNKMciFe0
キノ五郎にはガチで生きてほしいな

104 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 20:32:15.25 ID:JSsaIIRbO
キノ五郎に死亡フラグが…

106 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 20:35:02.43 ID:US79mtF0O
仕事は六時間以上続き、ようやく終わろうとしていた。そんな時事件は起こった。
キノ五郎「よし、そろそろ上がるか…ゲッホ!ゲッホ!」
マリオ「今日はお疲れ様でs…!」
梯子を昇って行く途中キノ五郎は咳をした反動で手を滑らせた。
キノ五郎「っうぁああああああ!!」
マリオ「キノ五郎さん!!!!」
ドスッと重い音が冷たい配管工に響いた。

107 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 20:35:45.75 ID:nDz7w9uV0
っうぁああああああ!!キノ五郎さん!!!!

108 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 20:36:14.53 ID:LNKMciFe0
うそ・・・だろ・・・・・

109 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 20:36:58.20 ID:cV7eGMTGO
うわああああああ
き・・・救急車呼べ!

110 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 20:38:41.46 ID:SY+W7hh00
なん・・・・・だと・・・・?
キノ五郎さああああああああああああん!!!!!!1

111 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 20:39:09.76 ID:ZVRCntCgO
う…嘘だッ!!

112 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 20:39:10.69 ID:US79mtF0O
マリオ「キノ五郎さん!」
キノ五郎「…」
返事がない。俺はキノ五郎さんをおぶってマンホールから出た。
そしてタイムレコーダーを押すのも忘れて彼を病院へ運んだ。
幸いにも町で一番大きな病院が彼を受け入れてくれた。
少し不安だったのだ。
三年前のキノ五郎さんみたいになったらどうしようと何度も思った。
そして彼はすぐさま緊急治療室へ運ばれた。
赤いランプが点滅している。
ヤケに無機質な白い部屋はなんだか怖く感じたが
キノ五郎さんへの心配の方が大きかった。
頼む死なないでくれ。

113 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 20:40:15.93 ID:ZVRCntCgO
無事でいてくれぇ…

114 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 20:44:17.02 ID:LNKMciFe0
頼む・・・

115 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 20:44:42.54 ID:cV7eGMTGO
三年前に何があったんだ・・・

116 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 20:46:14.98 ID:sWPbbUV60
>>115
奥さんの件

117 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 20:51:03.48 ID:cV7eGMTGO
>>116
d
奥さんか・・・
奥さんの元へ行くのはまだ早いぞキノ五郎さん

120 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 20:55:32.77 ID:US79mtF0O
赤いランプが消えて中から医者が出て来た。
マリオ「キノ五郎さんは…!」
医者「命に別条はありません。
   ただ、右足を骨折しておりひどいウィルス性の風邪もひいておりますので
   しばらくの間は当院に入院していただくことになります。」
マリオ「そんな…。」
マリオは悔しかった。
あと少し頑張ればキノ五郎さんは昇格出来ていたかもしれない。
あの職を誇りとするキノ五郎さんにとってあまりに残酷な事件であった。
あの時手を出していればとか、俺が受け止めれればとか
どうしようもない事ばかり考えては頭を抱えた。
結局その時にキノ五郎さんを見ることはなく。
明日お見舞いに行くことを決めて家に帰った。
マリオ「それじゃあ意識が戻ったら、明日お見舞いに行くって伝えといてください。」
医者「かしこまりました。」
そうして病院を後にした。

122 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 20:57:13.61 ID:US79mtF0O
マリオ「あぁ…明日は花でも持って行くかな。」
命に関わらなかったと聞いてマリオは仮初の安心感をいだいていた。
明日は朝からお見舞いに行こう。
そう思いながら町の隅を歩きつつ家へ向かった。

124 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 20:57:59.27 ID:LNKMciFe0
でも骨折と風邪程度で本当によかった・・・・

129 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 21:08:20.97 ID:US79mtF0O
マリオ「ただいま…。」
ヨッシー「でってぃう。」
ピーチ「おかえり♪あら…元気ないわね。」
ピーチには元気がない事がすぐばれた。
マリオ「ああ…大切な上司が怪我と病気で入院してしまってな。」
ピーチ「そう…それは散々だったわね…。」
ピーチ「ちょうど良かったわ。ほら、これ見て。」
机の上には何年も触れられなかったくらいのご馳走が並べられていた。
マリオ「一体これは…?」
ピーチ「ふふん♪貴方の為に作った手料理よ、ゆっくり召し上がれ♪」
マリオ「あ、ありがとう!ヤッフゥウウ!」
こんな料理は本当に久し振りだ。マリオは飛び付くように食べている。
ピーチ(ふふ、可愛い♪)
それを見ながらピーチはクスッと笑った。
そしてピーチも隣りに座って料理を食べた。
微笑ましい光景だ。

130 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 21:09:05.41 ID:sWPbbUV60
ヤッフゥウウ!ってキノ五郎さん不憫wwwwwwwwww

131 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 21:09:44.92 ID:Uh3SDsStO
マリオのテンションw

132 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 21:11:07.00 ID:US79mtF0O
食事も終り、マリオは散らかった食器片付けをしていた。
マリオ「片付けは俺がするよ。」
ピーチ「あら優しいのね。」
マリオ「あんな美味しい料理初めて食べたよ。これはその御礼さ。」
ピーチ「またまたお世辞を…///」
マリオ「顔があかいぞ〜♪」
ピーチ「も〜///マリオの馬鹿///」
そんな他愛も無い時間が俺達にとっては大切で尊いのだ。

133 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 21:12:16.39 ID:ZVRCntCgO
キノ五郎さんが不憫すぎるぞwwwww

134 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 21:13:15.27 ID:sWPbbUV60
忘れんなよwwwwwwwww

135 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 21:14:02.97 ID:zySoAStD0
これはにやけてしまうwww

137 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 21:16:46.63 ID:cV7eGMTGO
ニヤニヤ

138 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 21:17:43.67 ID:LNKMciFe0
ニヤニヤが止まらないwwwww

136 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 21:14:38.88 ID:US79mtF0O
片付けが終わった後俺達は家の外へ出かけた。
何をしに出かけたかと言うと、キノ五郎さんへの花を摘みに行こうとしていたのだ。
ピーチが冬でも綺麗な花が咲く良い場所を知っていると言うので俺は彼女に付いていった。
暫くつまらない話をしながら歩いて行くと郊外の泉に着いた。
冬なのに泉の水面に花が咲いてプカプカと浮かんでいる美しくも神秘的な場所だった。
泉の周りには小さな川が出来ていて周りには花が咲き乱れている。
そんな空間で月に照らされたピーチはいつにも増して美しかった。

141 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 21:22:12.73 ID:US79mtF0O
ピーチ「この花なんてどうかしら?」
今まで花にはあまり興味が無かったが、今日は見違えて美しく思える。
月に向かって咲く花を見ては、あの花も届くはずの無い空を
目指しているのだろうかと一人で思いにふけったものだ。
マリオ「これもどうだい?」
そんな風にしていくつかの花が集められ、
やがて多才な色を放つ華やかな花束が出来上がった。
ピーチ「上出来よ。キット貴方の上司さんも喜ぶ筈よ。」
マリオ「ああ。ありがとう。」
そして二人は家に帰った、夜の町を花束を担いで足並みを揃えて歩く二人は
まるで新婚の夫婦であるかのようだ。
家に着いた後ピーチはもう少し起きていたいと言ったが
マリオは疲労困憊していたため先におやすみを交わして眠った。

151 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 21:35:18.01 ID:US79mtF0O
しかし一度は寝たものの、隣りに寂しさを感じ起きてしまった。
マリオ「ピーチ…まだ起きてたのか…。」
彼女はノートに何かを書いているようだった。
そして隣りには何か編み物のような物が置いてある。
マリオ「何をしてたんだ?」
ピーチ「ひ・み・つ♪」
マリオ「見せてくれよ。」
ピーチ「だから秘密だってば。女の子の秘密を覗かないの。」
マリオ「ぐうう、マンマミーア…。」
そのくらいは許してやろうと思えたのはやはり歳をとったからだろうか。
俺は再び寝床についた。
暫くするとピーチも入って来た。
この日も二人は寄り添ってまたおやすみの挨拶をしてから眠りについた。
気がついたら今度は先にピーチが眠っていた。
ピーチの体温が服越しに伝わったくる、生きている確かな証だ。
月明りしか無い薄暗い部屋に残ったのは、
彼女の可愛らしい鼻息と自分の心臓の音だけだ。
薄れつつある意識の中でさえも彼女を想っている。
明晰夢でも見ているみたいだ等と考えているうちにマリオも眠ってしまった。

152 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 21:36:40.75 ID:ZVRCntCgO
どうみても新婚夫婦じゃねーかwww

153 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 21:38:19.35 ID:jUT3B8hA0
いいぞ!もっとやれ

154 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 21:41:19.45 ID:0SyE8tRS0
スレタイとのギャップが酷いなwww

156 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 21:45:31.59 ID:US79mtF0O
窓から柔らかい日の光が差し込んでいる。
ピーチ「ふわわ…おはよお。」
マリオ「フォウフ…おはよ。」
二人とも深夜に寝ている為か朝はすっかり寝ぼけていた。ヨッシーはまだ寝ている。
窓を開けたり服を着替えたりとゆっくり朝の仕度を済ませてからマリオはドアを開けた。
マリオ「んじゃ行って来るよ。」
ピーチ「いってらっひゃい。」
慣れない夜の生活故ピーチはまだ眠たいみたいだ。
半分無意識の中で俺を見送った。
俺はキノ五郎さんに会うため花束を持って医者へ向かった。

159 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 21:50:54.30 ID:US79mtF0O
医者の受付で部屋を聞いてから彼のいる部屋へ向かった。
キノ五郎「…おお…マリオか…」
キノ五郎さんはすっかり弱ってベッドで横になっていた。
マリオ「おはようございます。花束持って来たんで置いときますね。」
キノ五郎「すまねぇな…」
マリオ「いえいえ、体の事は医者に聞きました。
元気になったらまた一緒に仕事しましょう。
それまでは俺が二人分頑張ります。」
キノ五郎「頼もしいねえ…期待してるぞ。」
マリオ「ありがとうございます。」

160 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 21:53:55.65 ID:US79mtF0O
キノ五郎「んでよ…どうなんだ。」
マリオ「フォウ?」
キノ五郎「相変わらず察しが悪いなぁ。女だよ女…」
マリオ「あぁ、上手くやってますよ。昨日もご馳走作ってくれましたし。
この花束も彼女と作りました。」
キノ五郎「それはそれは本当に良かったな。幸せになれよ。」
マリオ「もちろんすよ。」
キノ五郎「大切な物が増えたな。だが忘れるな…
人生にはほんの数回だけ大切な物を選ばなくちゃいけねえ時がある。
何かを得る為には何かを捨てなくちゃならない。
二兎を追う者一兎をも得ずって奴だ。」
キノ五郎「そんな時人は2種類に別れる。
何かを捨てられる人間と捨てられない人間。
迷いの無い前者は幸せ者だが、ある意味寂しい選択なのかもしれない。
なんにせよ大切なのは勇気だな。つまり男気だ。」
キノ五郎さんの顔は真剣だった。
かつて守れなかった大切な物を思い返しているようにも見えた。

161 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 21:57:15.13 ID:LNKMciFe0
キノ五郎さんかっけEEEEEEEE