彡(゚)(゚)あれ?ワイは確かにマリアナ沖で零戦と共に墜とされたはずやで・・・・・?
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Part10
691 :
俊也 :2015/03/22(日)01:24:46 ID:
wEG
夜が明ける・・・・
フィリピン マバラカット基地
「ここが分水嶺だ。過酷な攻撃となるが、少しでも敵の戦力を削いでいかねばならぬ。武運を祈る!」
大西瀧治郎中将は、居並ぶ搭乗員たちに訓示した。
「ははっ!」
関行男大尉率いる彗星20機と、護衛の零戦15機は、レイテ周辺海域の敵第7艦隊に向け出撃した。
あくまで、通常攻撃である、
だが、護衛空母1隻撃沈 3隻大破等の戦果と引き換えに、関大尉乗機はじめ15機が未帰還となった・・・・・。
しかしその後も、執拗に第一航空艦隊は米第7艦隊に噛みついていくのである・・・・
694 :
俊也 :2015/03/22(日)01:27:28 ID:
wEG
そして・・・・シブヤン海
「敵戦爆連合100機以上!!接近中!!」
ついに来たか・・・
栗田は唇を噛む。
「対空戦闘!よーい!テーッ!!」
数十隻の艦艇が、一斉に無数の火箭を放つ
スコールのような濃密な弾幕
しかし雲霞のごとき敵機の群れは、それを悠々とかいくぐる。
「左舷急降下ー!!」
「とーりかーじ!!」
「妙高、被雷!」
「戦艦山城に爆弾2発命中!火災発生!!」
「・・・・そうだ、いいよ!こいよ!」
西村祥冶中将である。
彼は自ら強く申し出、自ら座乗する山城と扶桑を輪形陣外寄りに配置する形で、
敵航空攻撃を吸収する被害担当艦を引き受けたのである。
「だがタダで沈みはせんぞ!!一機でも多く落としてやれ!!大和、武蔵を絶対に無傷でレイテに送り込むのだ!!」
さらに山城に魚雷一本、扶桑に爆弾3発命中したところで、第一波攻撃がやんだ・・・・。
695 :
俊也 :2015/03/22(日)01:30:55 ID:
wEG
戦艦ニュージャージー
「ハルゼー提督!偵察機より入電!北方に敵機動部隊現出!空母10隻の大兵力であります!」
「来たな、オザワ・・・・現在送り出した第3波、第4波攻撃隊の帰還を待って、攻撃準備に入るぞ・・・」
「はっ・・・しかし敵水上部隊の方はよろしいので?」
「フン・・・・護衛戦闘機もない丸裸の部隊、あと2波の攻撃で十分無力化できる。
よしんば力を残していても、オザワの後でどうとでも料理してやるさ」
「山城、傾斜が止まりません!」
「扶桑も総員退去命令がでました!」
「わが愛宕にも・・・・・急降下ー、直撃きます!!」
すさまじい轟音と衝撃に、栗田と司令部要員含め、艦橋の全員がよろめく。
696 :
俊也 :2015/03/22(日)01:31:59 ID:
wEG
「左舷に雷跡ーッ!4!」
「回避ィ!」
再び衝撃!
「栗田長官、本艦はもはや・・・・他の艦にお移りください!」
愛宕艦長、荒木大佐の具申である
「う・・・うむ!」
「大和だ、大和に伝達!司令部を移すぞ!」
小柳参謀長が栗田の体を支えつつ、上ずった声で叫ぶ。
大和 艦橋
「すっ、すまぬがウイスキーを・・・体を温めたい」
恐怖と寒さに震える栗田。
グラスに注がれた褐色の液体を飲み干す。
「い、一旦西方へ・・・」
栗田の言葉に、第一戦隊司令、宇垣纏は露骨に不快な表情を浮かべた。
「長官、今は犠牲を顧みず、一直線にレイテを目指すべきでは?」
「あ、あくまで、空襲をやり過ごすためだ。GF司令部にも打電!」
「・・・・・・・・・」
697 :
俊也 :2015/03/22(日)01:33:56 ID:
wEG
第一機動艦隊 信濃
彡(゚)(゚)「やはり、栗田さんは一旦退避しましたか・・・・・」
苦笑で応える小沢。
彡(゚)(゚)「まあ・・・・言うほどこの時点での後退は、間違いとも限りませんけどね。
転進することでハルゼーの索敵圏外に出ますし、結果的には囮作戦の成功につながる選択となるかもしれんです。」
「なるほどな、ではこちらはこちらで派手にかますとしようか・・・・第一次攻撃隊、発艦準備!」
699 :
俊也 :2015/03/22(日)01:47:09 ID:
wEG
米機動部隊 戦艦ニュージャージー
「敵戦爆連合100機以上 まだ増えます!接近中」
「直掩戦闘機隊、発進!!高度4000にて要撃せよ!」
「くっ、先手を打たれたか。先刻の敵偵察機で位置を嗅ぎつけられたな・・・・。」
ハルゼーは手元のコーヒーを飲み干す。
「まあ、向こうの艦載機の攻撃半径が大きい以上は仕方ありません。」
「フン、まあいい、七面鳥打ちにしてやれ!そう練度の高い部隊でもないだろう。」
「御意!」
ズダダダダ・・・・・ガアン!!
零戦が、彗星が、一機、また一機と火を噴き墜ちていく。
「ああん!?だらしねえな!?」
「Fuck you!!」
「へい、構わん、殺すぞ!」
「GO!GO!」
ヘリントン少佐配下のF6Fが猛威を振るう・・・・・
700 :
俊也 :2015/03/22(日)01:48:02 ID:
wEG
みなさん本日は午前様になりすまんな。
あすはさすがにもう少し早く更新したいやでー
701 :
名無しさん@おーぷん :2015/03/22(日)01:51:12 ID:pJH
乙やで!明日(厳密には今日か?)も楽しみにしとるで!
702 :
名無しさん@おーぷん :2015/03/22(日)01:51:35 ID:RFd
>>700
もっと早くできねえのかよ回天に載せてニュージャージーに撃ち込むぞ(これだけの作品やからしゃーないわ
ゆっくりでええから完結待っとるで)
710 :
俊也 :2015/03/22(日)20:00:28 ID:
wEG
それでも、20数機が直掩ヘルキャットの牙を逃れ、どうにか艦隊上空に達する。
「何だ?高度も下げずに、やる気あんのかジャップ!?」
各艦艇のCICオペレーター達がいぶかしむ。
やがて、日本機はぱらぱらと爆弾を落とし始める。
「馬鹿かあいつら!?あんなところから落としてあたるわけねーだろwwww」
甲板上の将兵は嘲笑した。
次の瞬間 爆弾が空中でつぎつぎと破裂し始めた
「!?」
青ざめたのは各艦のレーダー手たちであった。
「レーダーに異常!!無数に光点が・・・・・・・」
「なんだ!?なにが起きて・・・・・・」
「ジャアアアアップ!!大量のアルミ箔をばらまきやがった!!」
「Fuck!!チャフか!!」
ハルゼー、マグカップを床にたたきつける・・・
「閣下、これでは電波管制も統制射撃も!!」
「んなこたぁわかっとる!!各艦個別に目測射撃!!ヘルキャットも予備を上げろ!!」
「6時方向より、敵機侵入!!先刻とは別の梯団です!!」
「ぐ・・・・」
やられた・・・・・
やつら一回限りの、究極の禁じ手を使ってきやがった!!
711 :
俊也 :2015/03/22(日)20:01:49 ID:
wEG
「ボフォース斉射!死守だ死守!!」
「急降下ー!! 4機きます!」
「左舷!雷跡3!!」
まず、空母レキシントンUに爆弾2発が叩きつけられる
戦艦ワシントンに魚雷1発が、軽空母モンテレーには魚雷と爆弾1発づつが・・・・
火だるまになった一機の彗星が、空母バンカーヒルに突っ込む。
戦艦アイオワの舷側には、同様に天山が体当たりした。
相次ぐ被害報告。
しかしF6F部隊も決死の防戦、味方の対空砲火圏内に踏み込んでまで、日本編隊の阻止にかかる。
日本側も、出撃360機のうち285機を喪う大打撃をこうむったのである・・・・
715 :
俊也 :2015/03/22(日)20:28:34 ID:
wEG
ようやく、米艦隊にとっての悪夢が過ぎ去る。
大破と言えるのは、空母レキシントンU、軽空母モンテレーのみ
しかし、空母部隊の半数、戦艦、巡洋艦の3分の2が、軒並みなにがしかの損傷を受けていた。
ニュージャージー 艦橋
猛牛と言われた男は、沈黙していた。
むろんそれは、津波の直前の海面の静けさである・・・・・
そしてその沈黙はすぐに破られる。
「カーニー、直掩戦闘機50機、それだけ残し、残りはすべて発進させろ。
・・・・・俺は甘かった、奴らの覚悟の程をナメていた・・・・皆殺しだ。」
「ぎ、御意!!」
キルザジャップ!!
怒りと憎悪の叫びを上げながら、パイロットたちはめいめいの機体に乗り込む。
4割の空母が発艦不能になったとはいえ、720機。
今次大戦における、最大級の大編隊による一斉攻撃である。
716 :
俊也 :2015/03/22(日)20:30:10 ID:
wEG
「敵戦爆連合500・・・いや、ゆうに600以上が接近中!」
「突っ込んできたな・・・・GF司令部および栗田艦隊に打電!ワレ敵空母部隊の誘致に成功セリ・・・・と!」
彡(゚)(゚)「小沢長官、複数のチャンネルで、複数回打電を・・・・。まちごうても、栗田艦隊に届かない、ということがないように・・・・。」
「うむ、わかっている!」
「343空は全機発艦せよ!!」
彡(゚)(゚)「ほな、ワイは暴れてきますわ!!」
ほぼ全機を攻撃隊に送り出し、生き残りも地上基地に向かわせてしまった小沢艦隊の直掩は、わずか・・・・
「我々紫電改40機のみだ。数的にはあきれる程劣勢だが、一騎当千の
貴様らベテランにこの新鋭機ならば、一泡吹かせられる筈だ!目にもの見せてやれ!!」
指揮官 鴛淵大尉が檄を飛ばす。
彡(゚)(゚)「よっしゃ!しっかりついてくるやで!今日は全員敵機食っていいぞ!!」
(´・ω・`)「おう!」
717 :
名無しさん@おーぷん :2015/03/22(日)20:33:18 ID:pJH
343空が直衛か、たまげたなぁ・・・
718 :
俊也 :2015/03/22(日)20:35:06 ID:
wEG
一方、栗田艦隊である・・・・
「小沢艦隊より入電!敵空母部隊の誘引に成功した模様!」
「長官!もはや躊躇する理由はありませんぞ!!」
「う、うむ・・・・」
「長官!!」
宇垣は声を荒げる
「さ、再反転!0200までにサンベルナルジノ海峡を突破し、レイテに向かう!」
「はっ!」
719 :
名無しさん@おーぷん :2015/03/22(日)20:36:09 ID:pJH
栗田ターンターンキターーーー(°∀°)ーーーーー!
720 :
俊也 :2015/03/22(日)20:37:26 ID:
wEG
米第7艦隊&第6軍輸送船団
「まーだ時間かかりそうですかねえ?」
輸送艦ワサッチ座乗の第7艦隊司令長官キンケイドへ、マッカーサーからの催促の無線電話であった。
「元帥閣下、逸るお気持ちは判りますが・・・・上陸はせめて夜が明けるまでお待ちを。日本の一部艦隊の動向も不透明・・・・」
「んふふ。判ってますよお・・・・言ってみただけです。英雄の帰還は、輝く太陽のもとでないと様になりませんからねえ・・・」
「・・・・・・・」
(付き合いきれん・・・それにしても、ハルゼー提督は敵空母部隊殲滅にしゃかりきになっているが、水上部隊の方は本当に撃退したのか?
見切り発車で上陸開始になってしまいそうだが・・・・)
721 :
俊也 :2015/03/22(日)20:39:01 ID:
wEG
今宵はこれまでと致すやで!
あす以降、いよいよ大詰めや!
722 :
名無しさん@おーぷん :2015/03/22(日)20:39:34 ID:09A
乙やで!
723 :
名無しさん@おーぷん :2015/03/22(日)20:43:56 ID:5Sk
乙やで!今まで以上に楽しみになってきたで!
724 :
名無しさん@おーぷん :2015/03/22(日)20:50:27 ID:pJH
乙やで!いよいよレイテの大決戦や!
731 :
名無しさん@おーぷん :2015/03/23(月)20:07:57 ID:
nL9
そして、黎明・・・・
「準備砲撃開始!!」
オルデンドルフ少将率いる旧式戦艦部隊が、一斉に艦砲射撃を開始する。
キンケイドも、一時の逡巡を封じ込める。
やはり、一気に決めるべし!上陸作戦開始!!
上陸用舟艇の群れが、一気に海岸線との距離を詰めていく。
わらわらと、完全武装の兵士たちが舟艇から降りてくる。
「0ー10ライン確保!」
「GO!!GO!!GO!!」
「止まるな!一気にいけ!!」
彼らの頭上を、護衛空母からの艦載機が通過し、はるか前方の日本軍が潜んでいると思しきジャングルに爆弾やロケット弾を叩き込む。
「最初の10万の上陸は夕方までかかりそうですね。私は橋頭堡が出来てから・
・・・そう昼過ぎに上陸するとしましょうか。」
マッカーサーはコーンパイプをくゆらせつつ、ナッシュビルの艦橋で高みの見物を決め込んでいた・・・・
エンガノ岬沖 小沢艦隊周辺上空
彡(゚)(゚)「喰らえ!!5機目!!」
この決戦の為、陸軍の整備マニュアルを参照し、テキサコの良質オイルを使い、
ベストコンディションに仕上げた紫電改搭載の誉エンジン。
ヘルキャットをはるかに上回る640キロの快速と、自動空戦フラップがもたらす旋回性能を、
歴戦の搭乗員たちが最大限に発揮し、恐るべき戦闘能力を振るう343空。
「なんだ、テメエら・・・・」
「Fuck you!!」
「ゼロじゃねえ!!ヘルキャットより速ええ!!」
「ぐわああ喰われる!!」
734 :
俊也 :2015/03/23(月)20:11:02 ID:
nL9
それでも圧倒的な数の暴力にものを言わせ、空母群に殺到する米編隊。
伊勢、日向の零式弾やロケット砲を前に少なからぬ被害を出しつつも、攻撃態勢に入る!
「な・・・・なんだあの空母」
「で、でけえ・・・・・」
「どっちにしろやるぞ!!」
500キロ爆弾が信濃に数発叩き込まれる・・・・が・・・・
カスが効かねえんだよ!
「なぜだ!?直撃の筈だ!」
「シット!あれも装甲甲板か!」
「魚雷も・・・・もう4本は当ってるぞ!!」
信濃、大鳳は、マリアナ以降さらに強化された装甲防御力をフルに活かし、米機の攻撃を吸収し続ける。
735 :
俊也 :2015/03/23(月)20:11:59 ID:
nL9
サマール沖 米第77任務部隊 護衛空母群
「な・・・・なんだあれは・・・」
「司令部に伝達!敵の水上部隊!戦艦5、重巡6以上!!大部隊だ!!」
「馬鹿な、なんでいきなり・・・・・」
夜明けまで、日本航空部隊の散発的な襲撃への対応に忙殺されていたとはいえ・・・今の今まで気づかなかったとは!
栗田艦隊旗艦 大和
「あれは・・・・・もしや敵正規空母群!?」
「いえ、長官。ハルゼーの空母群はまだ北方の筈。それに例の未来予知でもここにいるのは
小型空母群とのことでした・・・・まあ私個人はあまり信じませんが・・・・いずれにせよ、砲戦の指揮は私が執りましょう」
「う、うむ、頼むぞ、宇垣君。」
そこへ緊急電が飛び込む。
「最上座乗の西村中将より打電!敵空母への砲雷撃はわが艦隊と志摩艦隊とで行わんとす!第二艦隊戦艦群は後方よりの牽制射撃に当られたし・・・・・」
「ほう・・・・」
宇垣は軽く口元を緩める。
「承知した、と伝えよ!」
護衛空母群にむけ、猛然と砲雷撃を開始する西村&志摩艦隊
米側も必死である、水雷戦隊が肉薄し、最上以下の日本艦隊と殴りあいになる。
栗田艦隊の水雷部隊も加勢。
十分な距離を取った上で、戦艦部隊も掩護砲撃を開始した。
736 :
俊也 :2015/03/23(月)20:13:47 ID:
nL9
「スプレイグ少将より緊急電!敵水上部隊と遭遇戦!救援を求めています。」
「な・・・んだと」
キンケイドは青ざめた。
しまった・・・・
最悪のタイミングだ。
下手したら数時間で奴らが殴りこんでくるということだ。
痛恨のミス・・・・、せめて2時間様子見してから上陸判断を下すべきだった・・・・。
「ってか、ハルゼーは何してやがる!!太平洋艦隊司令部から呼び出させろ!!・・
・・・あとスプレイグには・・・・そこで可能な限り時間を稼げと伝えろ!」
遭遇から2時間後・・・・
スプレイグの護衛空母6隻は全滅した。
が、彼らの艦載機を発進させての必死の防戦により、最上が沈み、西村中将も戦死。
西村&志摩艦隊はほぼ壊滅したのである・・・
また、艦列を組み直し、南下を再開する前後、他の護衛空母艦載機の空爆を受け、鳥海、筑摩が落伍した。
それでも、栗田艦隊はレイテ泊地まで2時間弱の距離まで進出したのである。