2chまとめサイトモバイル
僧侶「リア充呪われろ」
Part7


162 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/02/14(火) 05:03:40 ID:kF4YZqcE
―――【僧侶の自宅】―――
僧侶「よし、こんなとこだな」
片付け、物が無くなった部屋で一人呟く。
僧侶「思ったよりも楽に片付いたな。まぁ一人暮らしならこんなものか」
あれから一週間。まるで祭りのような喧騒に包まれていた街も日常へと戻り始め、早朝のこの時間はとても静かだ。
魔物の動向を探る調査隊の報告によると、国の周囲に魔物の姿は依然見受けられたものの、
従前の好戦的な様子は見られず、他の野生動物と同じような生態になっているらしい。
自分はというと、集合住宅の一室で旅の支度をしているところだ。
借りてすぐ旅にでることになったので、結局この部屋で過ごす時間は殆ど無かった。

163 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/02/14(火) 05:04:33 ID:kF4YZqcE
―――回―――
国王「感動したッ!!素晴らしいッ!!
   勇者、そなたの名前は永久にこの国に刻まれ、その活躍はいつまでも語り継がれるだろう!!」
やたらにウケてしまった。国王は感動の涙と鼻水をたれながしている。
御付の人に鼻紙をもらい、まだ赤い目で話を続ける。
国王「…勇者よ。そなたには英雄として、これからもこの国を護るために力を貸してもらいたい。
   これからの世代を支える兵士にも、力を分けてもらいたいのじゃ」
つまりは兵士の指南役ということだろう。勇者の性格からして、結局は前線にでることになりそうだが。
勇者が頷いて答える。どうやら国王の方も勇者が感極まっていると勘違いしたらしく、うんうんと頷いていた。

164 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/02/14(火) 05:05:37 ID:kF4YZqcE
国王「続いて女戦士。そなたの剣技もまた素晴らしいものだ。よって、剣術指南役に任命したい。
   女魔法使いも同様に、その見事な魔術で魔術指南役として、力を貸して欲しい。
   僧侶…は……ううむ」
頭を抱えてしまった。無理もない。女戦士にも女魔法使いにも実力が及ばない人材を、どう扱えばいいのか困るところだろう。
僧侶「王様。お願いがあるのですが、申し上げても?」
国王「お、おうそうじゃな。うむ、本人の意見を聞くことも大事じゃろうて」
ほっとしたような様子で言う。分不相応な身分を欲しがるのではと、大臣が訝しげにこちらを見ていた。
僧侶「実は、私は旅に出ようと思っています。
   今回の旅で、実に多くの人々と、様々な文化に触れてきました。
   その度に世界の広さを実感し、またより知ってみたいと思ってきたのです。
   魔王を倒した今。この世界を、今一度自分の目で見て周りたいのでございます」 
我ながらよく舌が回る。

165 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/02/14(火) 05:06:53 ID:kF4YZqcE
僧侶「付け加えるならば。勇者、女戦士、女魔法使いがこの国を護るならば、何も心配することはありません。
   元より私は三人にくっついていった、言うなれば"ちゃっかり英雄"でございますので」
どっと笑いが巻き起こる。こちらもそこそこウケがよかったようだ。
国王「わっはははは…なるほど、なるほど。良くわかった。よろしい、旅に出ることを認めよう。
   出来る限りの援助を、約束しようぞ」
僧侶「ありがとうございます」
国王「…さて、堅苦しい話はここまでにしよう!
   今日はめでたい日じゃ!上も下もなく、一緒に喜び合おうではないか!
   皆、宴の準備じゃ!!」

166 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/02/14(火) 05:07:30 ID:kF4YZqcE
一斉に歓声に包まれる。誰しもが笑顔で、これから訪れるであろう平和を喜んでいた。
長い戦いで傷ついた人々が、今ようやく心から笑うことができる。
そんな様子を、素直に嬉しく思った。
―――想―――

167 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/02/14(火) 05:08:30 ID:kF4YZqcE
祝勝会は盛大に催され、帰ってきた翌日も城の客室にお世話になることになった。
宴の最中には勇者の両親にも会った。相変わらず豪快に笑い、もう背丈は同じくらいなのに頭を撫でられた。
わしわしと撫でられながら、しきりに勇者と共に旅をしたことを感謝された。
幼い頃の自分にひっぱられていた姿の印象が強いのだろう。僧侶になら任せられる、と思ったそうだ。
気弱な性格だった勇者を旅にだすことを、ずっと心配していたらしい。
苦笑いを浮かべながら、勇者はもう立派な大人になったとだけ伝えると、大きな手からそそくさと逃げ出した。
思わず、思い出し笑いを浮かべる。
…ニヤニヤが収まったところで、もう一度がらんとした部屋を見渡した。
両親が亡くなった時点で大部分は処分してしまっていたので、元から物は少なかった。
積み上げられていた本は大体読み終えていたので、街の図書館へ押し付けておいた。
食器も一人分だったので昔からの友人に譲った。彼は最近新しい家族が増えたらしかった。
唯一、部屋に残った両親の形見を手のひらにのせ、眺める。

168 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/02/14(火) 05:09:39 ID:kF4YZqcE
一つずつ身に着けていた、銀の指輪。
神に仕える身だったので、それ以外に財産らしいものはなかった。
その繋がりのおかげで、街の教会に孤独の身を預かってもらえたのだが。
両親も世話になったという神父はやたら厳しかったが、自分一人の身を守れるくらいには鍛えられた。
僧侶「…あの封印の中に、持ち込まなくてよかったな」
旅にでるときに散々迷ったのだが、結局置いてきて正解だった。
少しくすんだ指輪を、指にはめる。
僧侶「さて、と」

169 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/02/14(火) 05:10:25 ID:kF4YZqcE
まとめた荷物を背負う。
鞄から手紙を取り出し、目立つ場所に置いた。
一通は国王に向けて、こっそりと旅に出たことを詫びる文章。
残りは三人に向けて。他の人に見られてもいいように、あたりさわりの無い事を書いておいた。
――勇者のことは、心配ないだろう。
あいつは本当に、悪い奴ではない。
幼い頃こそ周囲から弱虫と呼ばれていたが、ここぞというときの芯の強さはそのときから持ち合わせていた。
そう遠くないうちに、自分でも納得できる"英雄"になれるだろう。
"選ばれなかった"俺が悩んだのと同様に、"選ばれてしまった"勇者にも、相応の悩みや苦しみがあったのだと思う。
女戦士は、きっとそんな勇者を支えていける。お互いに必要とし、支えあって生きていくに違いない。
唯一の気がかりは――
トントン、と。ドアをノックする音。
噂をすればなんとやら。気がかりが、空っぽになった部屋を訪ねてきた。
―――

170 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/02/14(火) 05:10:59 ID:kF4YZqcE
僧侶「…開いてるよ、どうぞ」
しばらく待ってみたが、入ってくる様子がない。
僧侶「…?」
荷物を背負ったまま、ドアへと近づく。
  『あっ…ごめん、ドア越しにお話しても、いいかな?
   ちょっと、その。怖くって…』
なるほど。まぁ仕方がないか。ドア脇の壁にもたれかかる。
僧侶「ん。わかった」
  『…うん。ごめんね』
僧侶「…。」
  『……。』
僧侶「……。」
  『…今日、もう出発しちゃうんだって聞いてね』
どうやら友人伝いでバレたらしい。
僧侶「うん。もう荷物もまとまったし、出るところだった」

171 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/02/14(火) 05:11:40 ID:kF4YZqcE
  『…あのね。その、ええと…。
   こんなこと言っても迷惑かもしれないけれど、私、本当は…』
そこで、言葉が切られる。
僧侶「…いくら思い出を否定したところで、俺は喜ばないよ」
  「勇者と愛し合った時間が全て嘘だったと?違うでしょ。
   あいつの態度が段々変わっていったみたいだけど、心が通じ合ったと思う時間もあったはずだ」
  「大体、そんなこと言い出すならなんで初めから――」

172 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/02/14(火) 05:12:26 ID:kF4YZqcE
ガチャン、と音をたてて部屋の水がめが割れた。
ハッと我に返り、口から漏れ出している黒い瘴気を押し戻す。
僧侶「…ごめん、言いすぎた。それこそ言ってもしょうがないことだった」
  『…うっ、ううん。私が、悪いの…ごめんね』
声が震えている。
いかん、最後だっていうのにまた泣かせてしまった。
  『…何か、割れた音がしたけど大丈夫?』
僧侶「あーうん、空になった水がめが割れちゃったんだ。
   部屋の備品だから管理人が怒るかもしれないね。はは」
  『…。』
静寂。きっと、ドアの向こうでは声をころして涙を流しているんだろう。

173 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/02/14(火) 05:13:11 ID:kF4YZqcE
僧侶「…。」
  『……。』
僧侶「……。」
  『…私が、旅について行きたいって言ったら、怒る?』
僧侶「…怒りはしないけど、連れてはいけないよ」
  『…。』
僧侶「…。」
  『…。』
あー。できるなら言わずに済ませておきたかったけど、言うしかないか。
――多分、今日ここに来てくれた時点で、もう選択肢は決まっていたんだろう。

174 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/02/14(火) 05:14:00 ID:kF4YZqcE
僧侶「…旅に、出ようと思った理由なんだけどさ」
  『…。』
僧侶「もちろん、皆の前で話したことも嘘じゃないんだけど。
   実はまだ、あのときの『呪い』が体の中で燻っているんだ」

175 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/02/14(火) 05:14:48 ID:kF4YZqcE
  『…!』
僧侶「今割れた水がめもそのせい。普段は抑え込んでいられるんだけど、
   ちょっとした感情の昂りで、所構わず破滅を振りまいてしまう」
  「最初は自害しようかと思ったんだけど、どの程度『呪い』が残ってるのかわからないし、
   多かれ少なかれ死んだ場所は呪われてしまうだろうから」
  「だから、この『呪い』を消し去る方法を探しに行く旅に、出ようと思うんだ」
  『…。』
僧侶「…それと、どうしてもこの国にいると…色々思い出す事が多いからね。
   せっかく平和になった故郷の国を、呪いたくないんだ」
  「同じ理由で、女魔法使いも連れていけない。ってわけ」
  『…。』
僧侶「…わかって、もらえたかな」

176 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/02/14(火) 05:15:34 ID:OMWJIFw6
>>魔王「そこの女が惜しいのならば生かしておけばいい。言い寄られただけで体を許すような女だ。少々躾けてやればいい」
魔王さんの言ってた通りっすね
ビッチというよりメンタル弱すぎ魔法使い

177 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/02/14(火) 05:15:35 ID:kF4YZqcE
  『…。』
僧侶「…。」
  『……』
  『…わっ、わだし、どうじだら、いいのがなぁ』
僧侶「…。」
  『僧侶くんの気持ちを…知りながらっ、助げもしないで、ただ見ているだげで』
  『魔王に、こ、殺されそうになったときも、助けてもらっだのに、怖くなっちゃっで、何も言えなくで』
  『ぞのぜいでっ…僧侶くんが大変な目にあってるのに、何も出来なくて、気付きもしないで』
  『僧侶くんのために、何かしてあげたいのに。…隣にも、いれないなんて』

178 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/02/14(火) 05:16:19 ID:kF4YZqcE
僧侶「…。」
  『…ごめんね。嫌いな人に、こんなこと言われても、しょうがないよね…』
荷物を背負い直し、ドアの前に立つ。
僧侶「…それだけ言ってもらえれば、もう充分だよ」
  『でもっ…!』
僧侶「聞いて。女魔法使い」

179 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/02/14(火) 05:17:01 ID:kF4YZqcE
深呼吸。
僧侶「あくまで結果論だけど、おかげで『選ばれし者』でも倒せなかった魔王を、消し去ることができた。
   どんな途中経過があったって、魔王が倒せて、平和を勝ち取れたんだから、俺は満足だよ」
  
  「それにね。…あーその、女魔法使いはちょっと勘違いしてるっていうか」

180 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/02/14(火) 05:17:54 ID:kF4YZqcE
もう一回深呼吸。心臓がドキドキする。
  「もし、女魔法使いのことを好きじゃなかったら。俺はこんなに苦しんだりしなかったさ」
  「女魔法使いだったからこそ、っていうか…えーもう、なんていうか」
  「…女魔法使いのことは、今でも好きなまま、だよ」
は、恥ずかしい。もうバレバレの恋心だったのかもしれないが、直接言うのは初めてだ。
…ドア越しで、本当によかった。

181 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/02/14(火) 05:18:35 ID:kF4YZqcE
僧侶「…でも、女魔法使いがそれじゃ納得できないっていうならさ。
   一つだけ、お願いしてもいいかな?」
  「この旅が、いつまで続くのかはわからない。
   魔物が大人しくなったとはいえ、途中で帰れなくなってしまうかもしれない。
   でも、女魔法使いが待っていてくれるなら。
   きっと、どんな状況でも頑張って、絶対に帰ってくるから」
ゆっくりと、ドアを開ける。
驚いたような顔。少し赤い、潤んだ瞳。
僧侶「そしたら、そのときはさ」
指から銀の指輪を一つ外し、女魔法使いに手渡す。
僧侶「そのときは、また一緒に生きていってくれないかな?
   …これは『呪い』なんかじゃなくって、『ヤクソク』にしたいな」
大きな瞳に、窓から射し込む朝日に煌く雫。でも。

182 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/02/14(火) 05:19:27 ID:kF4YZqcE
女魔法使い「――うんっ!絶対に、いつまでも待ってるから!」
大好きな人が、大好きな笑顔で、そう言ってくれた。
僧侶「うし、そろそろ人目も増えてくるし、行かないと」
女魔法使い「うん…気をつけてね。
      もしこっちで協力できることがあったら、なんでも伝えてね」
僧侶「うん。女魔法使いも元気でね。
   それじゃ、勇者と女戦士のこともよろしく」
言って、歩き始める。
集合住宅の煤けた扉に手をかけたところで、今度こそ、はっきりと聞こえた。
女魔法使い「…待ってるから」
振り返るのが辛かったので、手を挙げて応える。
扉が、ゆっくりと背後で閉まった。
街の空気はひんやりとしていて、妙に朝日が眩しかった。
.

183 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/02/14(火) 05:20:01 ID:kF4YZqcE
―――【街の入り口】―――
人気の少ない通りを抜けて、街の入り口まで歩く。
途中何人かに怪訝な顔で見られたが、咎められることはなかった。
街を囲む防壁をくぐりぬけようとすると、声をかけられる。
  『おおう、これはこれは英雄の僧侶殿。こんな時間に、どちらへ行かれるのですかな』
僧侶「…僧侶殿って、気持ち悪い呼び方しないでよおっちゃん。
   昔はいくらやめてって言ってもボウズって呼んでたくせに」
番兵「がっはっはっは。まぁそう言うな。
   魔王を倒して世界に平和をもたらした英雄、ってのは事実なんだから、胸はれや」
相変わらず調子がいい。物心ついたときから街の番兵をやっていて、小さい頃からよくちょっかいを出されていた。
番兵「んで、こんな時間にそんな荷物でどこ行こうってんだい、僧侶よ」
僧侶「どうもこうも、またながーい旅に出るだけだよ。
   ちゃっかり英雄はこっそり退散、ってね」

184 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/02/14(火) 05:20:25 ID:kF4YZqcE
番兵「…ん、まぁ旅に出たいってのなら止めやしないがさ」
昔よりも肌の面積が多くなった頭をがりがりと掻きながら言う。
番兵「ちゃっかり英雄だろうがうっかり英雄だろうがなんでもいいが、あんまり自分を卑下するなよ。
   お前自身、あまり感じてないかもしれないが、お前の存在はあいつらの為になってるんだからさ」
僧侶「…だと、よかったんだけどね」
番兵「それにな。世界を滅ぼさんとする化け物に正面から戦いを挑んで、こうして無事に生きて帰ってこれたんだ。
   それだけでも、大したもんだよ。他の奴にできることじゃねえ。
   国を守ることしかできなかった俺たちにかわって、魔王をブン殴ってきてくれたんだ。
   今まで傷ついて死んでいったやつらだって、きっと報われた」
番兵「だから、そんなしょげた顔するんじゃねえ。世界を救ってやったんだって、堂々とすればいいんだよ」

185 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/02/14(火) 05:21:03 ID:kF4YZqcE
…真正面から褒められるのは久しぶりだったので、なんだかすごく照れくさい。
けれども確実に、さっきよりも心が軽くなった。
案外、こういうことで『呪い』は消えていくのかもしれない。
僧侶「…うーん、さすが伊達に長生きしてないねおっちゃん。良い事言ってくれるじゃん」
番兵「だろう?だからもう少し敬え。んで王様に言ってもうちょいここの給料上げさせてくれ」
僧侶「あっはは、そういうのは勇者に言ってよ」
ごく自然に笑えた。
僧侶「うん、じゃあこっちからもちゃんとお礼をいっとかなきゃね」
姿勢を正し、深く頭を下げる。

186 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/02/14(火) 05:21:34 ID:kF4YZqcE
僧侶「この国を、俺たちの故郷を、今まで護ってくれてありがとう。
   守ることしかできなかったなんて、とんでもない。
   おっちゃんみたいな人達がいてくれたから、俺たちは安心して旅にでることができた。
   おっちゃんみたいな人達が頑張ってくれたから、俺たちはまた帰ってくることができた。
   本当に、ありがとう」
番兵「…どういたしまして、ともいわねぇよ。当然のことをしたまでだ」
顔を見合わせると、お互いにニヤっとした。がっちりと、痛いほどに握手を交わす。
番兵「それじゃあ、いってこい。達者で暮らせよクソボウズ。
   この国のことなら俺らや勇者にまかせとけ」
僧侶「そりゃー心強いや。せいぜい酒呑み過ぎないようにして、しぶとく生きてくれよ」
軽口を叩き合ったところで、街の外へと歩き出した。

187 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/02/14(火) 05:22:11 ID:kF4YZqcE
少し歩き、畑に差し掛かったあたりで、後ろから叫ぶ声がする。
  『――寂しくなったらー!!いつでも帰ってこいよーー!!』
振り返り、両手を振りながら叫び返す。
僧侶「――イヤだっていってもー!!帰ってきてやるから安心しなーー!!」
もう遠くて表情は見えないが、きっと向こうも笑顔だったに違いない。
昇った太陽に照らされる麦畑。雲ひとつ無い晴れ空は、なかなかの冒険日和だった。
思っていたよりも早く、この国に帰ってこれる気がした。
僧侶「まぁ、時間はあるんだし、気楽にやりますかね」

189 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/02/14(火) 05:29:53 ID:kF4YZqcE
以上です。拙い文章ですが読んでいただいてありがとうございました。
メモ帳にずっと書いてたんですが、投稿するとズレるんですね・・・
名前欄とかのことも考えてなかったので次回投稿するときはもっと読みやすいようにします
感想などもらえたら嬉しいです。こんな時間まで見ていただいてありがとうございました。

191 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/02/14(火) 05:34:47 ID:OMWJIFw6
面白かった
勇者:DQN
僧侶:お人好しすぎ
魔法使い:メンヘラ
戦士:空気
番兵:ヒロイン
個人的には僧侶と魔法使いは指輪とか渡さずあれで最後の別れにして欲しかったな
んで魔法使いはシスターかなにかになって一生独身とか
それぐらいしないと魔法使いに都合が良いというかなんというか
あと勇者はもうちっと痛い目みてよかったんじゃね?
僧侶にマウントで殴られまくるとかさ
戦士は空気過ぎてまあどうでもいいや

192 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/02/14(火) 05:39:33 ID:SvsQUibg

最後まで前向きに生きてる僧侶がかっこ良かった
諦めてるか変に悟ってるだけかもしれんけど