女勇者「勇者になんて、生まれたくなかったんだよ?」
|
Part6
女勇者「勇者になんて、生まれたくなかったんだよ?」
http://takeshima.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1242571009/
5 :
◆r3yksmPHg2 :2009/05/17(日) 23:39:50.36 ID:
XniUpB330
トテトテ
女勇者「ねぇ、晩御飯はどこで食べるの?」
戦士「うむ。勇者殿は何が食べたい?」
女勇者「んっと…なんでも良いけどねぇ」
戦士「明日になれば魔王の城に出発だ。今のうちに好きなものを食べておこう」
女勇者「うん!じゃあね、私…カレー食べたいなぁ」
戦士「よし。カレーならばさっき見た店にあったな。そろそろ戻るか」
女勇者「戻る?宿に?」
戦士「うむ。僧侶達も宿を取って待ってくれているはずだ」
女勇者「うんっ!」
9 :
◆r3yksmPHg2 :2009/05/17(日) 23:42:28.54 ID:
XniUpB330
【宿】
女勇者「ただいまっ!」
僧侶「おかえりなさい。ご飯食べるお店は決まりましたか?」
女勇者「うん!さっき見たお店で、カレーが美味しそうなの」
僧侶「ふふ、勇者様はカレー大好きですもんね」ニコ
女勇者「えへへ…僧侶ちゃんも好きでしょ?」
僧侶「はい。もちろん大好きですよ」
戦士「あまり遅くなってもいけない。そろそろ行こうか」
僧侶「はぁい」
魔法使い「そうですね。行きましょう」
12 :
◆r3yksmPHg2 :2009/05/17(日) 23:46:11.21 ID:
XniUpB330
【店】
女勇者「いただきまぁす!」はむっ
僧侶「ふふ、勇者様。そんなにあわてなくても大丈夫ですよ」
女勇者「わぁ。このカレー、ふっごくおいひいよ!」もきゅもきゅ
魔法使い「勇者様。お口にものを入れて喋ってはいけませんよ?」
女勇者「ごめんなさぁい…。でも、魔法使いちゃんも食べてみて?」
魔法使い「ええ。いただきます」 すっ ぱくっ
魔法使い「…本当。すごく美味しいですね」
女勇者「ね?美味しいでしょ?」
僧侶「戦士さん、少しお話があるんですが…よろしいですか?」
戦士「む?どうした僧侶」
15 :
◆r3yksmPHg2 :2009/05/17(日) 23:48:54.16 ID:
XniUpB330
僧侶「さっき、この町の方に聞いたんですが…」
戦士「…あまりいい知らせではなさそうだな」
僧侶「ううん。そういうわけじゃないんです…」
戦士「?」
僧侶「魔王との戦いについてなんですけど…」
戦士「なにか問題でもあるのか?」
僧侶「勇者様のことなんです。戦士さん、こんな話を聞いたことありませんか?」
戦士「…なんだ」
僧侶「勇者様にしか使えない、魔法のことです」
20 :
◆r3yksmPHg2 :2009/05/17(日) 23:53:45.42 ID:
XniUpB330
戦士「いや、聞いたことがない…。詳しく聞かせてくれ」
僧侶「そのぅ…なんでも、魔王を倒すには、勇者様のその魔法が必要なんだとか…」
戦士「…それは、たしかな情報なのか」
僧侶「わかりません。ただ、ここの町の広場で聞いたお話なんです。詩人さんみたいでしたけど…」
戦士「…しかし、勇者殿はあの状態だ。今日になってやっと回復魔法が使えるようになったような…」
僧侶「それなんですけど…」
戦士「うむ?」
僧侶「私、思うんです…。もしかしたら、勇者さまがここに来て魔法を使えるようになったのは、偶然じゃないのかも…」
戦士「…その魔法を覚えて、そして使えるようになるために…ということか」
僧侶「そうです。私の思い過ごしだといいんですけど…」
23 :
◆r3yksmPHg2 :2009/05/17(日) 23:57:50.20 ID:
XniUpB330
戦士「…しかし、勇者殿はまだその魔法を使えるわけではないのだろう?」
僧侶「はい。でも、聞いた話では…この町には祠があって…」
僧侶「そこで、その魔法と関係のある何かがあるって…聞いたんですぅ…」
戦士「……」
僧侶「戦士さんは、どう思いますか?」
戦士「…俺は魔法のことはさっぱりわからない。だが、僧侶が塔で言っていたような…」
僧侶「精神力を消耗する…ですね。はい、もちろん…」
僧侶「それが強力な魔法であればあるほど、身体の負担は大きくなります」
戦士「その魔法は、魔王を倒すためには必ず必要なのか」
28 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/18(月) 00:02:27.48 ID:
Se5xjmHY0
僧侶「必ずという訳ではありません。話では、魔王の力を抑えるとしか言っていませんでしたし…」
戦士「…そうか」
僧侶「…どうしたらいいですか?勇者さまにお話します?」
戦士「いや。やめておこう」
僧侶「ふぇ?」
戦士「俺達も十分に強くなったはずだ。勇者殿に負担をかけずとも、必ず勝てる」
僧侶「…!そうですよね!」
戦士「旅立つときに、俺達は約束しただろう。必ず勇者様をお守りすると」
僧侶「はいっ。魔法使いちゃんも、戦士さんと同じことを言ってました」
戦士「そうか…。魔法使いも、言わないでおこうと?」
僧侶「はい。みんな、やっぱり考えることは同じなんですね」
戦士「当然だ。ここまで苦楽をともにしてきた仲間なのだからな」
35 :
◆r3yksmPHg2 :2009/05/18(月) 00:07:03.40 ID:
Se5xjmHY0
女勇者「ねー、二人ともなんのお話してるの?」
戦士「うん?明日、頑張ろうという話をしていたんだ」
僧侶「はいっ。明日、必ず魔王を倒しましょうね!」
女勇者「うんっ!頑張る!私も、一生懸命てつだうからね!」
戦士「…無理だけは、絶対にしてくれるな。いいな?」
女勇者「むぅ…私だって強くなったんだよ?ほら、戦士くんの剣だってあるんだから」
戦士「ああ、そうだったな。…明日は、必ず皆で勝とう」
女勇者「そうだね!誰も欠けないで、平和を取り戻そうね!」
戦士「うむ。そのためにも、今日はしっかり食べて早く寝るんだぞ?」
女勇者「はぁい!」ニコ
39 :
◆r3yksmPHg2 :2009/05/18(月) 00:11:04.99 ID:
Se5xjmHY0
・
・
・
女勇者「ふぃぃ…もうお腹いっぱい…」ぽふぽふ
僧侶「私もですぅ…えへへ、ちょっと食べすぎちゃったかな」
魔法使い「ふふ、決戦前はそれくらいでちょうどいいですよ」
戦士「よし…そろそろ宿に戻ろうか」
女勇者「うんっ!」
戦士「すまん、会計を頼む」
店員「かしこまりました。4名さま、420Gになります」
女勇者「ごちそーさまー!」
店員「はい、ありがとうございました。ご健闘をお祈りしております」ニコ
女勇者「うんっ!ありがと!頑張ってくるね!」ぶんぶん
ガチャ
バタン
43 :
◆r3yksmPHg2 :2009/05/18(月) 00:14:42.17 ID:
Se5xjmHY0
トテトテ
トテトテ
女勇者「ねぇ、戦士くん」
戦士「うん?どうした?」
女勇者「明日勝ったらねぇ、約束してたの、行こうね?」
戦士「約束?」
女勇者「もー!忘れたの?」
戦士「ああ、カジノの話か。もちろん覚えている」
女勇者「そうだよぉ。平和になったら、またみんなで遊びに行くって約束したもん」
戦士「そうだったな。その約束、果たすためにも…明日は勝とう」
女勇者「うんっ!」ニコ
44 :
◆r3yksmPHg2 :2009/05/18(月) 00:16:55.00 ID:
Se5xjmHY0
トテトテ
女勇者「?」
魔法使い「どうしましたか、勇者様?こんな広場で立ち止まって」
女勇者「…?誰か居た?」
魔法使い「はい?」
女勇者「…んーん。誰かが見てるかと思ったの」
魔法使い「夜とは言えまだ早いですからね。人通りもありますよ」
女勇者「うん、そうだね。早く宿にもどろっ!」
トテトテ
トテトテ
50 :
◆r3yksmPHg2 :2009/05/18(月) 00:20:32.30 ID:
Se5xjmHY0
【宿】
女勇者「それじゃあ…おやすみなさぁい」
戦士「ああ、お休み。ゆっくり休みなさい」
魔法使い「明日はいよいよ決戦ですからね。万全の態勢で臨みましょう」
僧侶「そうですね。勇者さま、それじゃあ…いらっしゃい」
女勇者「えへへ…」もぞもぞ
僧侶「ふふ、甘えん坊さんですね」
女勇者「だって…僧侶ちゃん、ママみたいだもん」
僧侶「それは、喜んでいいのかなぁ…?」
女勇者「えへへ、お休み!」
僧侶「はい、おやすみなさい…」ニコ
52 :
◆r3yksmPHg2 :2009/05/18(月) 00:25:15.03 ID:
Se5xjmHY0
・
・
・
ポロン…
女勇者「……ん」
女勇者「…ん〜……」むく
女勇者「まま…?」ごしごし
ポロン…
女勇者「……何の音だろ…」
女勇者「…なんだろう?楽器…みたいな音…」
ポロン…
女勇者「……?……」すっ
女勇者「ふしぎ…なんだか、きもちいい音…」
トテトテ
トテトテ
57 :
◆r3yksmPHg2 :2009/05/18(月) 00:33:58.49 ID:
Se5xjmHY0
【最後の町・広場】
ポロン…ポロン…
女勇者「誰だろう?こんな夜中に…?」
トテトテ
トテトテ
詩人「…」ポロン……ポロン…
女勇者「お姉ちゃん、誰?こんな夜に何してるの?」
詩人「…」ポロン…ポロン…
女勇者「みんな起きちゃうよ?ねぇねぇ」
詩人「…大丈夫」
女勇者「?」
60 :
◆r3yksmPHg2 :2009/05/18(月) 00:48:54.13 ID:
Se5xjmHY0
女勇者「…お姉ちゃん?」
詩人「あなたに届けたい詩があったのです。こんな夜更けに失礼しました…」
女勇者「うた…?」
詩人「繰り返し、詠い継がれる詩を…」
詩人は静かに目を閉じ、女勇者に詠い聞かせた。▼
ポロン…
一人の少女を中心に
昼と夜が続くように
求める正義は廻り続ける
・
・
・
・
・
63 :
◆r3yksmPHg2 :2009/05/18(月) 00:51:09.92 ID:
Se5xjmHY0
女勇者「…お姉ちゃん、詩上手だねぇ」
詩人「ありがとう…。この詩を綴ったのは、一人の少女」
女勇者「?」
詩人「魔王を倒しに行くのでしょう?」
女勇者「うんっ。明日、皆で出発するの!」
詩人「この詩では…少女は祠へ向かう」
女勇者「ほこら?」
詩人「そう…。行きなさい。あなたの大切なものが、そこにある…」
女勇者「…?」
詩人「あなたの大切なものの一つ。それが全てではないけれど…」
詩人「…答えを構成する一つの要素。それだけでは不完全」
女勇者「うーん。よくわかんないけど…ありがとう!行ってみるね!」
詩人「…」ニコ
68 :
◆r3yksmPHg2 :2009/05/18(月) 00:57:35.81 ID:
Se5xjmHY0
【祠】
トテトテ
女勇者「うわぁ…こんなところがあったんだぁ」
女勇者「なんだろう?さいだん?」
トテトテ
女勇者「……あのおねえちゃんが言ってた、大切なもの…って、なんだろう?」
女勇者「…」
『守るべきものを守る力…』
女勇者「なんだか…声が聞こえる…?」
女勇者「誰だろう…?」
70 :
◆r3yksmPHg2 :2009/05/18(月) 01:01:23.34 ID:
Se5xjmHY0
『欲するものは…?』
女勇者「え?」
『欲するものは?』
女勇者「えっと……わかんない。ここに来いって言われたから…」
女勇者「私は…」
『…魔王を倒したいか』
女勇者「うんっ!」
『…仲間を守りたいか』
女勇者「うんっ!」
77 :
◆r3yksmPHg2 :2009/05/18(月) 01:10:46.55 ID:
Se5xjmHY0
女勇者「えっとねぇ…。私は、なにより皆をまもりたいなぁ」
女勇者「…今までずっと、私が弱いせいで…迷惑かけちゃったから」
女勇者「だから、私は…強さよりも、みんなを守る力がほしい!だめ?」
『…ならば授けよう』
女勇者「ありがとう!」
『力を伴わない正義は虚しい』
女勇者「ふぇ?」
『心だけでは、誰も救えない』
女勇者「……?」
『心しておくが良い…』
『……勇者よ、力を授けよう。勇者にのみ許される、究極の魔法を』
ぱぁぁ……
女勇者「…!」
女勇者は自己犠牲回復魔法を覚えた。▼
78 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/18(月) 01:11:23.38 ID:LvjGhwZ90
それはらめえええええええええええええええええ
79 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/18(月) 01:11:56.88 ID:re/abdbO0
メガンテですねわかります
80 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/18(月) 01:12:19.71 ID:4U9zuyml0
メガザルだろ
81 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/18(月) 01:12:25.17 ID:63nwbfPV0
1週目エンドか…
82 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/18(月) 01:12:45.90 ID:JO3DEEV/O
ああああああああ(´;ω;`)ブワッ!!