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女勇者「勇者になんて、生まれたくなかったんだよ?」
Part4


327 :1:2009/05/17(日) 09:45:13.70 ID:XniUpB330
【宿屋】
主人「いらっしゃいませ。3名様でしょうか?」
魔法使い「いえ、4人です。空いていますか?」
主人「大丈夫ですよ。…!そちらのお子さんの怪我は…?」
戦士「うむ…魔物に噛み付かれてしまってな」
主人「ひどい怪我だ…どうぞ、こちらの薬草をお使いになってください」
戦士「おお、ありがたい」
主人「お部屋は2階になります。どうぞごゆっくり」
戦士「うむ。行こう、魔法使い」
魔法使い「はい…」
すたすた
すたすた

328 :1:2009/05/17(日) 09:49:28.61 ID:XniUpB330
すっ
女勇者「すぅ……すぅ……」
戦士「…血は止まったようだな」
魔法使い「はい。勇者様の傷ついたお姿は、何度見ても心苦しいですね…」
戦士「……俺達が、もっと強くならなくては」
魔法使い「…そうですね」
戦士「…魔法使い、勇者殿を頼む」
魔法使い「わかりました。また、稽古ですか?」
戦士「ああ。…今日も、俺があそこで一撃で倒せていたなら、勇者殿に怪我をさせることもなかった」
魔法使い「…それは、私達も同じことですよ」
戦士「…」
戦士「では行って来る。僧侶にもよろしく言っておいてくれ」
ガチャ
バタン!

329 :1:2009/05/17(日) 09:52:32.74 ID:XniUpB330
【町の外】
魔物が現れた。▼
戦士「俺がもっと強くならなくては…!」
ばしゅっ
ズバァッ!
戦士「強くならなくては、誰も守ることなどできん!」
ズバァッ!
ばきっ
ぐさっ
戦士「もっと強く…!」
ぐしゃっ!
魔物を倒した。
戦士のレベルがあがった!▼



戦士「もっと強くならねば…!」

330 :1:2009/05/17(日) 09:55:36.60 ID:XniUpB330
【宿屋】
ガチャ…
魔法使い「おかえりなさい。ありがとうございます」
僧侶「遅くなっちゃってすみません。お店開けてもらうのに時間かかっちゃって…」
魔法使い「いえ。勇者様も今は眠っておられますから」
僧侶「勇者さま…」
女勇者「すぅ…すぅ…」
僧侶「…」
僧侶「私のMPも回復しましたから、魔法で回復しますね」
僧侶「回復魔法(大)…」
ぱぁぁぁ
女勇者「すぅ……すぅ……」

332 :1:2009/05/17(日) 10:01:04.83 ID:XniUpB330
【翌朝】
女勇者「ままぁ……ママぁ……」
僧侶「……ふぇ…?」
女勇者「…ママ……あれ?」
僧侶「あ…勇者さま、おはようございます」
女勇者「えへへ…おはよ」
僧侶(勇者さま、毎朝起きる時にうなされてますね…)
僧侶(寂しいでしょうに…私達の前ではほとんどそんな姿を見せない)
僧侶(もっと、私達に甘えてもいいのになぁ…)

335 :1:2009/05/17(日) 10:04:30.39 ID:XniUpB330
女勇者「う〜ん」ごしごし
僧侶「ふふ、まだ眠いでしょう?もう少し寝ててもいいんですよ?」
女勇者「ねむぅい…」ぐしぐし
僧侶「今日はこの町にいるみたいですからね。ゆっくり寝ましょう?」
女勇者「うん…」
僧侶「…お体は、もう大丈夫みたいですね」
女勇者「うん、だいじょぶ…」
僧侶「よかった。じゃあお休みなさい」ぽんぽん
女勇者「ん…」
僧侶「勇者様」
女勇者「ん?」
僧侶「…」ぎゅ…
女勇者「……えへへ。僧侶ちゃん、ママみたい…」

337 :1:2009/05/17(日) 10:06:56.16 ID:XniUpB330
ガチャ
戦士「ふぅ…。ん?勇者殿はまだ寝ておられるのか」
僧侶「はい。一回起きたんですけど、眠いって」
戦士「そうか。昨日は疲れただろうしな」
僧侶「はい。戦士さんは、どこ行ってたんですかぁ?」
戦士「俺か?俺は稽古だ」
僧侶「ふぇ?!き、昨日の晩からですか?」
戦士「うむ」
僧侶「ひぇぇ…す、すごいですね」

343 ::2009/05/17(日) 10:25:33.04 ID:DPKUg6p0O
僧侶「大丈夫なんですか?あまり無理しないで下さいよぅ…」
戦士「ああ。今日は一日この町に滞在するしな。大丈夫だ」
僧侶「でも…。ほら、怪我してるじゃないですか」すっ
僧侶「回復魔法(大)」
ぱぁぁぁ
戦士「…済まない」
僧侶「戦士さん、あまり自分を責めないで。勇者様が怪我をされたのは、戦士さんのせいじゃないですよ?」
戦士「うむ。…しかしまぁ、面白い情報も聞けたしな」
僧侶「面白い?」
戦士「ああ。たまには息抜きも必要だろう」

347 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/17(日) 10:31:12.82 ID:DPKUg6p0O
戦士「この町は夜になると、カジノが開く」
僧侶「カジノ…って、なんですか?」
戦士「大衆向けの賭場だ。なかには強力な武器などの景品もあるらしい」
僧侶「へぇ、面白そうですね。勇者様の傷も癒えたし、夜になったら行きたいなぁ」
戦士「子供のうちから賭博など覚えて欲しくはないが、たまの息抜きだ。これくらい許されるだろう」
僧侶「ふふ、そうですね」クス

406 :1:2009/05/17(日) 13:24:38.82 ID:XniUpB330
【夕方】
女勇者「うーん…できないよぅ」
魔法使い「だめですよ。詠唱は魔法の初歩の初歩なんですから」
女勇者「だってぇ…魔法使いちゃん達はえいしょー?してないよ?」
魔法使い「私達も頑張って修行しましたからね。ほら、勇者様。もう一回」
女勇者「えーっと…ブツブツブツ」
ガチャ
魔法使い「あ、戦士さんに僧侶さん。お帰りなさい。どちらへ行かれてたんですか?」
戦士「うん?ちょっと下見にな」
魔法使い「下見?」
戦士「ああ。たまには息抜きも必要だろう。勇者殿、稽古はそのへんにして、遊びに行こうか」
女勇者「え?あそび!?」

412 :1:2009/05/17(日) 13:31:55.40 ID:XniUpB330
トテトテ
女勇者「ねぇ、どこ行くの?お買い物?」
戦士「いや…勇者殿は買い物が良かったか?」
女勇者「んーん。どこでも良いの。ずっと遊びに行ってないから嬉しいなぁ」
戦士「そうか…息抜きも必要だからな」
女勇者「えへへ。戦士くん、なにして遊ぼうか?」
女勇者「ボール遊びにしようかな?それとも鬼ごっこ?」
女勇者「ままごとも良いかなぁ。家族ごっこ」ニコニコ
戦士「ままごと…は遠慮しておこう」
女勇者「えー…私がお母さんで、僧侶ちゃんは子供で」
戦士「着いたぞ。ここだ」
女勇者「ここ?うわぁ…ピカピカしてるね。おっきぃ建物…」

418 :1:2009/05/17(日) 13:44:40.84 ID:XniUpB330
【カジノ】
女勇者「うっわ!すごい!人もいっぱい!」
戦士「はじめてだろう。俺も遊ぶのははじめてだ」
女勇者「私も。見るのもはじめて!」
戦士「今までためたお金で余裕もあることだしな。ほら、これで遊んでくるといい」
女勇者「わぁ、500Gも?!すごいねぇー…あ、あれは僧侶ちゃん?」
戦士「ああ、僧侶も先に遊んでいる。勝てば強い武器ももらえるようだから、頑張ってな」
女勇者「はぁい!僧侶ちゃーん」トテトテ
戦士「たまには、こういうのも悪くないだろう。俺も遊ぶか」

422 :1:2009/05/17(日) 13:49:58.98 ID:XniUpB330
女勇者「僧侶ちゃん、どう?楽しい?」
僧侶「……うぅぅ……どうして2のダブルアップでAが出るんですかぁ…ひどい…」
女勇者「ねぇ、僧侶ちゃんはなにしてるの?」
僧侶「ふぇ?!あ、ああ、勇者さま。いらっしゃったんですね」
女勇者「うん!今日は遊ぶんだって!これはなに?」
僧侶「これはポーカーと言って、配られたカードで役を作るんですよ。勇者さまもやりますか?」
女勇者「うん!教えておしえて!」
僧侶「ふふ、わかりました。ベットはどうします?」
女勇者「これ!」
僧侶「あ、500G。まだメダル買ってないんですね。じゃあ私のメダル10枚あげますから、これで勝負です」
女勇者「うん!」

424 :1:2009/05/17(日) 13:54:47.01 ID:XniUpB330
さっさっさっさっさ
女勇者「わぁ。見てみて、僧侶ちゃん。ぜんぶ一緒!」
僧侶「本当。フラッシュですね。ふふ、さすがに運がいいですぅ。ダブルアップしますか?」
女勇者「だぶる?何?」
僧侶「次のカードが、配られたカードより強いか弱いかを予想するんですよ」
女勇者「へぇ…。当てたらどうなるの?」
僧侶「もらえるメダルが倍に倍になっていくんです」
女勇者「すっごいね!やるやる!」
僧侶「はい。じゃあ、ダブルアップお願いします」ニコ
さっ
女勇者「J。見て、Jだって」
僧侶「Jは11っていう意味ですよ。ちなみにQは12、Kは13です」

428 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/17(日) 13:58:44.14 ID:XniUpB330
僧侶「次のカードはどう思いますか?」
女勇者「Kだと思う!」
僧侶「へ?そうじゃなくって、上か下か…」
さっ
女勇者「ほら、Kだよ!」
僧侶「わぁ…お見事ですぅ…。もう一回?」
女勇者「やるやる!次はKより上か下かってことだよね?」
僧侶「はい」ニコ
女勇者「上!」
僧侶「…え」
さっ
僧侶「…ジョーカー…すごい」

432 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/17(日) 14:01:22.61 ID:GX+OAoqBO
もしや「運」のパラメータが…

433 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/17(日) 14:02:40.52 ID:XniUpB330



女勇者「見てみて、こんなにいっぱい!!何枚だろうこれ?」
僧侶「1600枚…ですね」
女勇者「ねぇ、すごい?これすごい?」
僧侶「ふぇぇ……すごすぎですぅ…!!」
女勇者「はい、あげる!」
僧侶「え?えぇぇ!?」
女勇者「これ、僧侶ちゃんのだもんね。私も自分のメダル買ってくるー」
トテトテ
僧侶「あ、あはは…」

443 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/17(日) 14:13:39.05 ID:XniUpB330
女勇者「すいませーん。これでメダルくださいなー」
バニーガール「あら。こんなところに来たらダメでしょうお嬢ちゃん」
女勇者「えー。いいもん。戦士くんたちと遊びにきたんだよ?」
バニーガール「保護者の方と一緒なのね。はい、交換しましょう」
女勇者「これでおねがいしまーす」
バニーガール「500Gで、25枚ね。はいどうぞ」
女勇者「ありがとー!えへへ、今日は遊ぶんだよ!」
バニーガール「ふふ、いいわね。がんばって」
女勇者「うん!さっきも当てたから頑張る!」
バニーガール「お嬢ちゃんに、運命の女神様が微笑みますように」ちゅっ
女勇者「なぁにそれ?投げキス?」
バニーガール「おまじないよ。ここではね、運命の女神様に嫌われちゃうと大変なの」
女勇者「ふぅん。ありがとー!」
トテトテ

444 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/17(日) 14:17:59.45 ID:XniUpB330
トテトテ
戦士「……」
女勇者「戦士くん、どうしたの?」
戦士「俺は…自分の未熟さを猛烈に反省していたところだ」
女勇者「…どうしたの?そんな顔しないで?」
戦士「勝負事は何においても、引き際が大切だということを…なぜ失念したんだ…!」
戦士「これしきの勝負に勝てなくて、何が戦士か…!」
女勇者「そんなに落ち込まなくても大丈夫だよぉ。遊びなんでしょ?」
戦士「む?そうなのだが…」

445 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/17(日) 14:20:13.93 ID:Mb/bBJ3HO
六周目を読んだ後だと和むわー
八歳児に慰められるとか、もうね。

446 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/17(日) 14:20:53.63 ID:5W5tOasrO
八歳に慰められる戦士wwwww

447 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/17(日) 14:21:04.89 ID:+Uc5LLfsP
戦士ざまぁねーなww

448 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/17(日) 14:25:21.45 ID:G+KWGBkeO
戦士可愛いなwww

449 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/17(日) 14:26:05.32 ID:XniUpB330
女勇者「戦士くん、戦士くん」
戦士「うむ?」
女勇者「戦士くんに、運命の女神さまが微笑みますように」ちゅっ
戦士「……」
女勇者「おまじないなんだってー。知ってる?」
戦士「…勇者殿、恩に着る。もう一度立ち上がろう」
女勇者「えへへ、がんばって!」
すたすたすた
戦士「すまないが、もう1勝負。レートはさっきの倍だ」
女勇者「おー!頑張って戦士くん!」

451 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/17(日) 14:32:48.37 ID:XniUpB330
女勇者「んん…いっぱいあって迷うなぁ。どれが楽しいんだろう」きょろきょろ
トテトテ
女勇者「あれ?なんだろうあの人だかり」
トテトテ
ざわざわ
がやがや
魔法使い「…スロットも面白いですね」
ガチャン!
ぐるるるるるる
ばしっ!ばしっ!ばしっ!
ギャラリー「おおおお!」
魔法使い「また揃いました…。これで元手の100倍はいったでしょうか」
じゃらじゃらじゃらじゃらじゃら
魔法使い「すみません。メダルの入れ物をもうひとつ持ってきていただけますか?」
女勇者「うわぁ…すごいなぁ、魔法使いちゃん。戦士くんに見せてあげたい」