女勇者「勇者になんて、生まれたくなかったんだよ?」
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Part3
211 :
1:2009/05/16(土) 22:04:10.71 ID:
KjaZkCw/0
女勇者「どう?かわいい?」くるくる
魔法使い「ええ。よくお似合いですよ勇者様」
僧侶「はい。すっごく可愛いですぅ」
女勇者「えへへ…戦士くん。ありがとう!ずっとずっと、大事にするからね!」
戦士「ああ…。これだけ喜んでくれて良かった」
僧侶「さぁ、勇者さま。明日も早いですから、今日はもう脱いでお休みしましょう?」
女勇者「えー。やだよぅ」
僧侶「ほらほら、わがまま言わないんですよ?明日になったらそれを着て旅立ちましょう」
女勇者「むぅ…寝るときもこれがいいなぁ…」
魔法使い「まぁ、いいんじゃないでしょうか?せっかくのプレゼントなのですし」
戦士「そうだな。明日からはきちんと寝間着で寝るんだぞ?勇者殿」
女勇者「はぁい!やったぁ!」
213 :
1:2009/05/16(土) 22:09:19.64 ID:
KjaZkCw/0
女勇者「じゃあ、もう寝るね?おやすみなさぁい」
僧侶「はい、おやすみなさい」ニコ
魔法使い「おやすみなさいませ、勇者様」
戦士「おやすみ」
女勇者「えへへ…戦士くん、ありがと!」
戦士「そう何度も礼を言われるのも困ったものだな」
僧侶「ふふ、良いじゃないですか。喜んでくれて」
戦士「そうなのだが…」
魔法使い「二人とも、お静かに…しっ」
戦士「ん?」
女勇者「くぅ……すー……」
214 :
1:2009/05/16(土) 22:15:40.32 ID:
KjaZkCw/0
僧侶「もう寝ちゃったんですかぁ…。寝つきがいいですね」
戦士「疲れていたのだろう。勇者殿にとって、今日という日はあまりに重い」
僧侶「そうかも知れませんね。あれ?戦士さん、どこに行くんですか?」
戦士「うむ。少し稽古を」
魔法使い「こんな夜更けにですか?」
戦士「日課でな。それに、やらなければならない」
戦士「勇者殿をお守りするには、俺達が強くならないといけないからな」
僧侶「!」
215 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/16(土) 22:22:58.92 ID:x2ZCE6tC0
泣ける
216 :
1:2009/05/16(土) 22:24:33.82 ID:
KjaZkCw/0
魔法使い「…戦士さんの言うとおりですね」
僧侶「私も…ちょっとだけ魔法の練習してこようかな」
戦士「ちょっとまってくれ」
僧侶「ふぇ?」
戦士「勇者殿がもしも目を覚ましてしまったとき、一人ではかわいそうだろう」
戦士「それでなくても母親から離れて寂しいはずだ。二人はそばにいてやってくれ」
僧侶「そうですね…わかりました」
魔法使い「戦士さんも、遅いですから気をつけてくださいね?」
戦士「うむ。では行ってくる」
218 :
1:2009/05/16(土) 22:31:21.89 ID:
KjaZkCw/0
【翌日】
僧侶「ふわぁ…。よく寝たぁ…ん?」
僧侶「きゃっ!」
僧侶「び、びっくりしましたぁ〜…どうして勇者さまが私のベッドに…?」
女勇者「すぴー…すぴー…」
僧侶(それにしても可愛い寝顔だなぁ…)
僧侶(こうして見ると、ほんとにただの女の子みたい…)なでなで
女勇者「すー…う、ぅ…?」
僧侶「あ…起こしちゃった…」
219 :
1:2009/05/16(土) 22:36:13.21 ID:
KjaZkCw/0
僧侶「おはようございます、勇者さま」ニコ
女勇者「ふぇ……ママ…?」
僧侶「うふふ、違いますよぅ。私は僧侶。寝ぼけてるんですか?」
女勇者「…あ…おうちじゃない…」
僧侶「どうしたんですか?怖い夢でも見ました?」
女勇者「んん…」ごしごし
女勇者「うん。ちょっとだけ…ごめんね?」
僧侶「良いんですよ。ママじゃなくてごめんなさい」
女勇者「んーん。…おはよう、僧侶ちゃん」ぐしぐし
僧侶「はい、おはようございます」ニコ
221 :
1:2009/05/16(土) 22:38:43.34 ID:
KjaZkCw/0
戦士「勇者殿、起きたか。おはよう」
女勇者「あ、戦士くん。おはよ」
戦士「うむ。起きてすぐで悪いが、そろそろ出発しなければ。用意しよう」
女勇者「はぁい…。ふわぁ…」
僧侶「さぁ、勇者さま。がんばって起きましょう。顔を洗わなきゃ」
女勇者「うん」むくっ
すたっ
トテトテ
トテトテ
223 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/16(土) 22:42:01.53 ID:7DryVlFd0
和むな〜
支援
224 :
1:2009/05/16(土) 22:42:42.47 ID:
KjaZkCw/0
【数日後】
女勇者「あ、あれが次の町?」
魔法使い「そのようですね。あそこは魔法が盛んな町なんですよ。占いなどで有名ですね」
女勇者「わぁ。占いって私はじめてー」
僧侶「私もですぅ。楽しみだなぁ」
魔法使い「そうですね。占い師は珍しいですから」
戦士「よし、先を急ごう。とりあえず町に着いたら散策だ」
女勇者「うん!お腹もすいたー」
僧侶「ふふ、じゃあまずご飯も食べましょうね」
トテトテ
トテトテ
227 :
1:2009/05/16(土) 22:48:19.94 ID:
KjaZkCw/0
【占い師の町】
がやがや
女勇者「わぁ…人がいっぱいだねぇ」
魔法使い「本当ですね。今までのどの町よりも人が多そう」
僧侶「みんな占いしてもらいに来てるんでしょうか?」
魔法使い「どうでしょう?とにかく行ってみますか?」
戦士「勇者殿、どうする?先に休憩を取ってもいいが」
女勇者「うーん…どうしよ?どうしたらいいかなぁ」
女勇者「…」きゅるるる
戦士「…よし、先に食事にしよう。散策はその後だ」
僧侶「クス…そうしましょう」
229 :
1:2009/05/16(土) 22:53:24.21 ID:
KjaZkCw/0
・
・
・
僧侶「わぁ。このリゾット美味しいですぅ」もきゅもきゅ
女勇者「ねぇ、見て。私のハンバーグも美味しいよ?」
僧侶「ホント、美味しそうですねぇ」
女勇者「えへへ、一口あげる。はい、あーん」
僧侶「ありがとうございます。あーむ」ぱくっ
女勇者「ね?美味しいでしょ?」
僧侶「ええ、とっても。私のも一口あげましょうか?」
女勇者「うん!ちょうだい!あーん」
僧侶「熱いからちょっとお待ちくださいね。ふー…ふー…」
僧侶「はい、あーん」
女勇者「あむ…」
僧侶「どうですか?美味しい?」
女勇者「……あつい……」じわ
232 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/16(土) 23:00:22.19 ID:
wXh2I2XqO
さるさん喰らった。
魔法使い「勇者様、占ってもらうのはなにがいいですか?」
女勇者「ふぇ?うーん、なんだろう」
魔法使い「考えてないんですか?」
女勇者「一個だけ決まってるけどね!」
魔法使い「まぁ。それは?」
女勇者「えっとねぇ、世界を平和にできますか?って」
魔法使い「ふふ…勇者様は本当に勇者様ですね。でも、それは私達の頑張り次第ですよ」
女勇者「そうだね!頑張らなくちゃ!」
魔法使い「あとは?もうないんですか?」
女勇者「あ、あと一個だけ決まってる!」
234 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/16(土) 23:10:43.18 ID:
wXh2I2XqO
女勇者「えっと…私、みんなが大好きだからね?」
女勇者「戦士くんも、魔法使いちゃんも、僧侶ちゃんも!」
魔法使い「ありがとうございます。私も、勇者様が大好きですよ」ニコ
女勇者「えへへ…。だからね、こう聞くんだよ」
女勇者「みんなと、ずっと一緒に居られますか?」
236 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/16(土) 23:14:27.27 ID:/vl0iORpO
>女勇者「みんなと、ずっと一緒に居られますか?」
うわあああああああああ
237 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/16(土) 23:16:51.69 ID:b85CVnCv0
あああああああああああああああああああ
その先を知ってると鬱だな・・
今気づいたけど話を10週目から始めるって相当上手い作りだったんだな
シリーズの成り行きでなっただけかもしれないけど
304 :
1:2009/05/17(日) 08:41:04.07 ID:
XniUpB330
保守thxでした
再開します
魔法使い「ずっと一緒に…ですか」
女勇者「うんっ!ずっと一緒がいいの」
魔法使い「ふふ、そうなるといいですね」
女勇者「きっとそうなるよね?」
魔法使い「ええ、きっと。そのためにも、早く世界を平和にしないとね」
女勇者「うんっ!」
戦士「さて…そろそろ食べ終わったか、勇者殿?」
女勇者「終わったー!ごちそうさま!」
戦士「よし。それでは町に行こうか。占いも行かないとな」
女勇者「あ、ちょっと待って戦士くん」
戦士「む?」
女勇者「えっとねぇ、アイスも食べたいなぁ。いい?」
戦士「…では、食べ終わったら出発しよう」
女勇者「えへへ、戦士くんは優しいなぁー」ニコニコ
306 :
1:2009/05/17(日) 08:45:54.18 ID:
XniUpB330
【占いの館】
ガチャ
女勇者「ここが占いのお店?」
戦士「そうだ。邪魔をする」
婆「いらっしゃい…。おや、珍しいお客さんだね…」
戦士「?」
婆「まぁ座りなさい…ゆ」
女勇者「はぁい。しつれいしますっ」ぽふっ
婆「お嬢ちゃん、その年で旅してるのかい…大変だねぇ…」
女勇者「うんっ。楽しいけどね!みんな一緒だから!」
婆「ふぉっふぉっ…そうかいそうかい。良いことじゃ。どれ、わしが占ってみようか…」
女勇者「おねがいしまぁす!」ニコニコ
307 :
1:2009/05/17(日) 08:47:20.31 ID:
XniUpB330
>婆「まぁ座りなさい…ゆ」
誤字か?すいません
ゆってなんだ…そんなん打った覚えもない
309 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/17(日) 08:50:13.87 ID:YSeel4BlO
>>307
電車ン中でニヤニヤしちまったじゃNEEEかwww
310 :
1:2009/05/17(日) 08:51:09.27 ID:
XniUpB330
婆「……」
女勇者「……」
婆「……」
女勇者「……」わくわく
婆「なんじゃ…これは…?」
女勇者「ふぇ?」
婆「そなたは、何者じゃ…」
女勇者「わたし?わたしは勇者なの!」
婆「……勇者様じゃったか。不思議な色を持っておるな」
女勇者「え?なにか変なものついてる?」きょろきょろ
311 :
1:2009/05/17(日) 08:59:15.55 ID:
XniUpB330
婆「人には誰しもそれぞれ色がある…。後ろにおるお仲間にも…」
女勇者「そうなの?みんな何色?」
婆「僧侶は桃色…慈愛に満ち満ちた優しい色じゃ」
僧侶「えぇ、ピンクですか!えへへ、嬉しいなぁ」
婆「魔法使いは蒼。凛々しさと聡明さを兼ね備えた、強い色…」
魔法使い「私、凛々しい…ですか?」
婆「戦士は真紅。闘争心だけでなく、誰かを守る強さを持っておる…」
戦士「俺は赤か。では、勇者殿は?」
婆「…わしには見えぬ。ただ、1色ではない」
女勇者「?」
婆「何色も何色も塗り重ねられ…それぞれが同調しあってひとつの色となっておる」
婆「その中には、暗く悲しい色もあるようじゃ…」
女勇者「ふーん…?よくわかんない」
313 :
1:2009/05/17(日) 09:03:59.18 ID:
XniUpB330
女勇者「じゃあね、聞きたいことがあるの。いい?」
婆「なんでも言ってごらんなさい…」
女勇者「みんなと、ずっと一緒に居られる?」
婆「ふむ…少し待ちなされ…」
女勇者「…」
婆「……?」
女勇者「?」
婆「こりゃ…わしの腕も鈍ってきたかの…?」
女勇者「え?どうしてー?」
婆「そなたに言っておく…占いなど、所詮占いでしかない」
女勇者「うん、そうだね」
婆「年寄りの婆の言うことだと思って、怒らずに聞いておくれ…」
315 :
1:2009/05/17(日) 09:15:36.77 ID:
XniUpB330
婆「そなたは…世界から取り残される…いや、世界を取り残すのかの…?」
女勇者「んー?何?どういうこと?」
婆「こんな可笑しな答えは初めてじゃ…ただ、興味深い…」
女勇者「おかしなこたえ…」
婆「そなたは全てを見るじゃろう…美しいもの、醜いもの、すべてを…」
婆「同じ物語を何度も何度も、繰り返し引き継がれる記憶…」
婆「探しなさい…求める正義、求めざる正義を…」
女勇者「ねぇ、戦士くん。なんか難しいこと言ってるよ?なに言ってるの?」
戦士「…いや、すまない。俺にも少し…」
婆「ふぉっふぉ。わしにもわからんよ。耄碌した婆の言うことじゃ」
婆「わしも引退かのぅ…?ふぉっふぉっふぉ」
316 :
1:2009/05/17(日) 09:21:07.94 ID:
XniUpB330
婆「たいした話でもないのに、よくここまで付き合ってくれたねぇ…」
女勇者「ううん、楽しかったよ!ね?」
僧侶「ふふ、そうですねぇ。よくわからなかったけど」
魔法使い「人に色なんてあったのかぁ。おもしろいですね」
戦士「うむ。結局、勇者殿は何色なのだろうな」
女勇者「わたし、ピンクが良かったなぁ…」
僧侶「私の色ですね。ふふ、勇者様はまだ透明なんですよきっと」
女勇者「そうなのかなぁ…?」
婆「ふぉっふぉ。それでは、気をつけての」
女勇者「うん!ありがとー!またね、おばあちゃん!」
ガチャ
バタン!
320 :
1:2009/05/17(日) 09:28:45.63 ID:
XniUpB330
【数日後・物語中盤】
女勇者「ふぅ……ふぅ……疲れたぁ…」
戦士「大丈夫か?もうすぐ次の町だ」
女勇者「大丈夫。でもここ、痛いよぉ…」さすさす
僧侶「勇者さま、ごめんなさい。MPがあったら回復するんですけど…」
女勇者「ううん、だいじょうぶ。へいきだよ」
僧侶「町に着いたら、すぐに手当てしましょうね」
女勇者「うん…」さすさす
トテトテ
トテトテ
322 :
1:2009/05/17(日) 09:32:29.25 ID:
XniUpB330
【新しい町】
女勇者「着いた…すっかり夜になっちゃったね…」
僧侶「戦士さん、勇者様をよろしくおねがいします。わたし、薬草買ってきますね!」
戦士「うむ。よろしく頼む。勇者殿、先に宿に戻っていようか」
女勇者「……」
戦士「勇者殿?」
女勇者「痛い……戦士くん、だっこ…」
戦士「…わかった。ほら、行こう」
女勇者「…ん」
すたすた
すたすた
323 :
1:2009/05/17(日) 09:35:53.60 ID:
XniUpB330
すたすた
すたすた
魔法使い「戦士さんも怪我をなさってるのに…大丈夫ですか?」
戦士「俺は平気だ」
魔法使い「もし疲れたり痛み出したら代わりますよ」
戦士「いや…もう、勇者殿も寝てしまっているようだしな」
魔法使い「…本当」
女勇者「すぅ……すぅ……」
魔法使い「かわいそうに…早く手当てしてさしあげないと…」
戦士「…まずは宿で休ませよう。僧侶が帰ってくれば回復もできる」
すたすた
すたすた