女勇者「勇者になんて、生まれたくなかったんだよ?」
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Part10
441 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/18(月) 16:40:39.34 ID:
9Y8JypViO
女勇者の身体から小さな光は、
弱々しく輝きながら仲間達に降り注ぐ。
魔法使いの傷が回復した。
僧侶の傷が回復した。
戦士は生き返った。
女勇者は力尽きた。▼
443 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/18(月) 16:44:33.15 ID:
9Y8JypViO
戦士「……俺は……?」むく
戦士「っ!!」がばっ
戦士「魔王は!?勇者殿は…!?」
僧侶「…」
魔法使い「…」
勇者の母「…う…うぁぁぁ……!!!」
女勇者「 」
戦士「勇者殿?」
女勇者「 」
戦士「なんだ…?どうなっている!?」
女勇者「 」
戦士「勇者殿!!!」
445 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/18(月) 16:44:43.60 ID:yiTYFpIXO
あぁ…
446 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/18(月) 16:45:31.77 ID:63nwbfPV0
これは辛いな…
448 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/18(月) 16:46:50.20 ID:uVbo2lO2O
戦士がつらすぎる
449 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/18(月) 16:47:31.42 ID:
9Y8JypViO
戦士「俺は…守れなかったのか…?」
戦士「勇者殿を守れなかったのか…!!」
戦士「…!!!」ぎり…
戦士「うおおおおおおお!!!!」
戦士「くそ…!!」
戦士「くそ!!!」
戦士「勇者殿…済まない!!」
戦士「うおおお…っ!!!」
僧侶「戦士さん…!」
450 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/18(月) 16:47:41.79 ID:oA3WS8ku0
戦士の立場が・・・
451 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/18(月) 16:48:51.60 ID:DNbkoPdG0
戦士お前が…
455 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/18(月) 16:52:29.45 ID:queRrG8aO
戦士…
456 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/18(月) 16:57:44.11 ID:
9Y8JypViO
戦士「……俺は…何と言う事を……!!」
戦士「この剣で…勇者殿からいただいたこの剣で……!!!」
戦士「……!!!」チャキ
僧侶「戦士さん!!」がばっ
戦士「離してくれ、僧侶。俺は…勇者殿を守れなかったばかりか…」
戦士「正義をもなくしてしまった…!!」
戦士「もはや…」
魔法使い「戦士さん!!」
戦士「…」
魔法使い「勇者様から、伝言があります…」
459 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/18(月) 17:06:52.58 ID:
9Y8JypViO
戦士「…勇者殿から…?」
魔法使い「はい。瀕死の状態…喋る事もままならない状態で、あなたに伝えて欲しいと…」
魔法使い「必死に話していました。聞いてくれますね…?」
戦士「うむ…」
魔法使い「勇者様は…自己犠牲回復魔法で、私達を助けてくださいました」
戦士「…そう…なのか。あの、勇者にしか使えないという……」
513 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/18(月) 19:23:16.78 ID:
9Y8JypViO
魔法使い「…勇者様は、私達に…ありがとうと」
戦士「……」
・
・
・
女勇者『ごめんね…?』
女勇者『最後まで、迷惑かけちゃって…』
女勇者『…えへへ、こんな事言ったら怒られちゃうかな』
女勇者『あのね…本当はね?』
女勇者『勇者になんて、生まれたくなかったんだよ?』
518 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/18(月) 19:28:18.76 ID:
9Y8JypViO
女勇者『本当は……戦いたくなかったし…』
女勇者『綺麗な服を着てみたりも…したかったなぁ……』
女勇者『……でも』
女勇者『戦士くん…僧侶ちゃん…魔法使いちゃん…』
女勇者『みんなに会えて…みんなが一緒に居てくれたからねぇ…』
女勇者『私、勇者に生まれてよかったなって…思えるなぁ…』
525 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/18(月) 19:33:39.06 ID:
9Y8JypViO
女勇者『戦士くんの正義を教えてくれて…』
女勇者『…ずっと、守ってくれて……』
女勇者『えへへ…。やっと、私が守る番だねぇ』
女勇者『……』
女勇者『ねぇ、戦士くんが起きたら……伝えてね……』
・
・
・
魔法使い「今まで、ありがとう」
戦士「…………」
526 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/18(月) 19:34:29.50 ID:kY1cvYYmO
携帯の液晶が故障したみたいだ。
画面がゆがむんだ。
527 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/18(月) 19:35:11.07 ID:JO3DEEV/O
勇者…(´;ω;`)ブワッ
528 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/18(月) 19:35:17.13 ID:dClhCf72O
これからのこと考えると……
530 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/18(月) 19:40:15.96 ID:7uI4VqT4O
目から汗がとまらないんだがどうしたらいい?
531 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/18(月) 19:40:17.45 ID:Zs86eH9y0
あああああああああああああ
532 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/18(月) 19:40:47.54 ID:
9Y8JypViO
戦士「…勇者殿。俺は…守れなかったんだ」
女勇者「 」
戦士「…大切なものを守り抜けずに……何が正義か……」
女勇者「 」
戦士「……母上。…勇者殿を、一度だけ抱かせてはもらえないだろうか」
勇者の母「はい…。抱いてやって下さい」
戦士「…」すっ
女勇者「 」ぶらん…
戦士「…なんと小さい……なんと冷たい身体だ……」
536 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/18(月) 19:46:48.43 ID:
9Y8JypViO
戦士「勇者殿。済まなかった」
ぎゅ…
戦士「守ってやれなくて…済まなかった……!」
ぎゅ…
戦士「……」
僧侶「戦士さん。違うでしょ…?」
戦士「……ああ。……勇者殿」
女勇者「 」ぶらん…
戦士「今まで、ありがとう」
543 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/18(月) 19:57:16.56 ID:
9Y8JypViO
勇者の母「戦士様。僧侶様。魔法使い様」
戦士「…」
勇者の母「本当に…ありがとうございました」
僧侶「お母さん……」
勇者の母「あなた達に会わなければ…この子は、世界を救えなかったでしょう」
魔法使い「…」
勇者の母「…私からも、お礼申し上げます。ありがとうございました…」
戦士「…勇者殿を、お守りできませんでした。申し訳ありません」
勇者の母「…いいえ。最後に一つ、わがままを聞いていただけませんか?」
546 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/18(月) 20:04:47.22 ID:
9Y8JypViO
【町外れの丘】
勇者の母「ここが良いですね…」
戦士「…良い場所だ」
僧侶「本当。綺麗……」
魔法使い「これが、私達の望んだ世界……」
戦士「…勇者殿にも見せてやりたかった。母上、ここで良いですか?」
勇者の母「はい。ここで眠らせてあげて下さい…」
549 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/18(月) 20:10:44.20 ID:
9Y8JypViO
・
・
・
戦士「もしも生まれ変わるなら…今度は、幸せに生きて欲しい」
僧侶「…そうですね。今度は、普通の女の子として…」
魔法使い「…勇者様はきっと、もう一度勇者に生まれたいと思いますよ」
勇者の母「はい。だって…こんなに素晴らしいお仲間と一緒に居られたんですから…」
戦士「…そうだな。その時はどうか、勇者殿にも…この景色を見てもらいたい…」
僧侶「…………………」すっ
551 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/18(月) 20:18:16.37 ID:
9Y8JypViO
戦士「?…どうした、僧侶」
僧侶「……勇者様の為に、お祈りを」
魔法使い「お祈り…ですか?」
僧侶「…はい」
僧侶は女勇者の墓の前に膝をつき、
目を閉じて祈りはじめた。▼
僧侶『主よ…。私の声をお聞き下さい』
僧侶『…どうか、勇者様の魂をお救い下さい』
僧侶『勇敢で、憐れな勇者様をお救い下さい…』
僧侶『どうか、彼女が本当の正義を見つけられるよう…』
僧侶『勇者様を、お救い下さい』
552 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/18(月) 20:18:58.78 ID:Q3ixRqAI0
あぁ、そうくるか・・・
553 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/18(月) 20:22:21.88 ID:dDyitgYsO
そうだったのか
556 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/18(月) 20:25:53.39 ID:
9Y8JypViO
勇者の母「…皆さん、本当にありがとうございました」
僧侶「…」ぺこ
魔法使い「…これから、どうするおつもりですか?」
僧侶「私は…教会に戻ります。迷える人々と…そして、勇者様のために」
魔法使い「…そうですか。私も故郷に戻ります。平和になった世界を、一緒に過ごそうかと」
僧侶「戦士さんは…?」
戦士「俺は…旅に出る」
僧侶「え…また旅に?」
560 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/18(月) 20:35:41.73 ID:
9Y8JypViO
戦士「うむ。正義とは何かを…見つけたい」
魔法使い「正義…」
戦士「力が足りなかったせいで、俺の正義は貫けなかった」
戦士「結局、思いだけでは守る事は出来なかった」
戦士「…だから俺は、戦士を見つけたい。今度は、剣を置いて」
魔法使い「剣を置くんですか…?」
戦士「…俺には、もう必要ない。二度と握る事はないだろう」
僧侶「…剣が要らない世界になった事も、戦士さんや勇者様の正義があったからですよ」
戦士「…」
567 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/18(月) 20:40:14.25 ID:
9Y8JypViO
誤字すみません…
戦士を見つける→正義を見つける
565 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/18(月) 20:39:21.45 ID:
9Y8JypViO
戦士「それでは…僧侶、魔法使い」
戦士「ここで、パーティーを解散しよう」
僧侶「はい。それでは…。皆さん、元気で…」
魔法使い「失礼します。また、いつか…。今度は、戦いではない場所で」
勇者の母「…皆様、本当にありがとうございました…」
・
・
・
568 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/18(月) 20:43:34.32 ID:
9Y8JypViO
・
・
・
戦士「皆、行ってしまったな」
戦士「…勇者殿。これでもう我々は、再び会う事はないだろう」
戦士「俺も、勇者殿や仲間達と旅が出来てよかった」
戦士「…ありがとう」
すた…
すた…
『ありがとう』
戦士「…?」
すた…
すた…
ポロン…
573 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/18(月) 20:56:35.82 ID:
9Y8JypViO
剣が眠る墓の前で
吟遊詩人は謡い伝える
始まりと終わりを知りながら
戦い続けた少女の物語を
朝と昼が繰り返すように
戦い続けた少女の物語を
大きな疵とドレスを身に纏い
戦い続けた少女の物語を
少女が最後に得たものは
深紅の剣
桜色の愛
藍色の理
無色の正義
吟遊詩人は謡い伝える
この詩を綴ったのは一人の少女…
575 :
◆r3yksmPHg2 :2009/05/18(月) 20:57:56.56 ID:
9Y8JypViO
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【SCENARIO】 ○○ ○○
【WRITER】 ○○ ○○
【CHARACTER DESIGN】 nanashi
【SPECIAL THANKS】 VIPPER
【PRESENTED BY】 ◆r3yksmPHg2
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ニア強くてニューゲーム
保存して終わる
保存しないで終わる
585 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/18(月) 20:59:29.41 ID:5cQYhMG6O
楽しませてもらった
>>1超乙!!!!!!!!!!
586 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/18(月) 20:59:37.61 ID:kKxaSfbLO
終わってしまったか・・・・・・
乙!
587 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/18(月) 20:59:39.82 ID:aZAbbFSA0
>>1
乙。久しぶりにいい話に出会えて感謝。
591 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/18(月) 21:00:31.89 ID:6k8IbyAn0
イイハナシダナー
10週目で勇者が"初めて出会えた素晴らしい仲間"っつってたのは見なかったことにしよう
611 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/18(月) 21:10:15.44 ID:
9Y8JypViO
もう言って良いよね?
皆さんがお察しの通り、1週目にあたります。
物語構成の矛盾点については…見なかった事にして下さい
いけにえの町イベント等の被る描写は割愛。
全部のイベント入れたら書ききれないっぽいので…
>>591
その矛盾点に関しては回収出来たら良いな
でもこのシリーズはもう書かないかも知れませんので…
それでは、誤字脱字・保守多いなかお付き合いありがとうございました。
620 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/18(月) 21:14:33.52 ID:CEGoo85l0
>>1ありがとう、本当にありがとう