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女勇者「強くてニューゲームっ♪」
Part3


289 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 01:36:08.63 ID:03o1SKIUO
【魔物の棲み処】
女勇者「ここだね。前の洞窟よりは明るいけど、みんな気をつけてね」
僧侶「はい…」
魔法使い「あ、勇者様!前から魔物の群れが!」
戦士「む!」チャキッ
女勇者「ホントだ!結構多いね、皆気をつけて…!」
戦士「勇者殿?剣を収めてどうするつもりだ?」
女勇者「え?数が多いから魔法で片付けようと思って。いくよー」
魔物「ぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃ!」
女勇者「即死魔法(最大)」
どさどさどさ…
魔物の群れを倒した!

290 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 01:38:52.80 ID:03o1SKIUO
女勇者「よし、これで全部だね。…あ、魔法使いちゃん、危ない!」
魔法使い「え?」
魔物「ぐぎゃー!」
ばしゅっ
魔法使い「…う…ううぅ…!」
魔物「ぐるるる…」
女勇者「後ろにも居たんだ…気づかなかったよ。えいっ」
ぐしゃああ!!
魔物「がっ……」
魔物を倒した!

291 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 01:39:23.98 ID:rE7UjNwtO
一人旅で全クリ経験あるなら確かに仲間は戦力としては必要ないよなぁ

296 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 01:46:25.46 ID:crV4E5BoO
>>291戦力としていらなくても一人で長旅なんてしてれば心がおかしくなっちまうもんだ
しかもループ系なら余計

294 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 01:43:54.63 ID:03o1SKIUO
女勇者「魔法使いちゃん、だいじょうぶ?」
魔法使い「つ…!すみません、腕に傷が…」
女勇者「あ、血が出てるね。大丈夫、これくらいならすぐ治るよ」
魔法使い「回復していただけますか…?」
女勇者「うん。回復魔法(小)」
魔法使い「…治った…。すみません、ありがとうございます」
女勇者「ううん。全然いいよ。私も気づけなくてごめんね」
魔法使い「勇者様の足を引っ張ってしまいました…」
女勇者「へ?ううん、全然そんなことないってば!」

297 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 01:49:15.78 ID:03o1SKIUO
女勇者「皆が居るから、私も頑張れてるんだしさ!ね?」
魔法使い「…そうでしょうか。私は勇者様の邪魔になっているようにしか…」
女勇者「そんな事ないんだよ?ホントに。私だって、なんでも出きるわけじゃないんだから」
魔法使い「…」
女勇者「一人で旅なんて、できないんだからさ」
女勇者「ほら、先を急ごう?もうすぐ攫われた子供の部屋だよ」
戦士「…勇者殿」
女勇者「ん?」
戦士「勇者殿は、以前一人で旅をしたことがあるのか?」
女勇者「うん、一回だけね。4週目だったかな?」

299 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 01:51:45.59 ID:03o1SKIUO
女勇者「?それがどうかした?」
戦士「…いや、いい。先を急ごう」
女勇者「…?」
戦士「ここが、子供が捕らえられている場所か」
女勇者「うん、そうだね!早く助けてあげよう!」
ガチャ…
きぃぃ…
バタン!!
子供「!!助けて!お姉ちゃん、助けてぇ!!」

301 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 01:56:57.25 ID:03o1SKIUO
魔物「…!!勇者か…!」
女勇者「そうだよ。さぁ、その子を返してくれる?」
魔物「そうはいかん…」
僧侶「なぜ…なぜその子を攫ったんですか?!」
魔物「ふん、わかりきった事を。食べさせるためだ」
僧侶「食べさせる…?」
魔物「貴様らとて同じだろう。自らの飢えを凌ぐため、他の命を絶つことなど」
僧侶「!」
魔物「さぁ…取り返したくばかかって来い。俺を殺せば子供は取り返せるぞ」

304 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 02:03:04.89 ID:03o1SKIUO
僧侶「食べさせるって事は…まさか、自分の子供に…?」
魔物「貴様らの知るところではない。早くしなければ人間の子供の命はないぞ」
僧侶「そんな…!」
女勇者「よし、行くよ!」
僧侶「!」
女勇者「…っせい!!」
女勇者の攻撃!
魔物の腕が切り落とされた!
魔物「が…!」
女勇者「えいっ!」
ぐしゃっ
ずばっ
がこっ
ずばぁん!!
魔物「…っ……っ」
僧侶「…勇者…さま…」

305 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 02:06:59.92 ID:03o1SKIUO
女勇者「次で終わりだね!」
魔物「か…ひゅ……ひゅ…!」
僧侶「…!!」
女勇者「せいっ!!!」
ぐしゃぁぁぁ…
魔物を倒した!
女勇者「よし、と。親はこれで終わりだね」

351 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 09:58:04.01 ID:03o1SKIUO
村の子供「お、お姉ちゃん……」ビクビク
女勇者「よしよし、かわいそうにね。大丈夫だった?」
村の子供「…うん…」
女勇者「怖かったでしょ?さぁ、お姉ちゃんと一緒に帰ろう?」
村の子供「……」
女勇者「さぁ?行こう?」
村の子供「ひ…」
女勇者「?」
村の子供「びぇええん!!」
女勇者「あ…」

352 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 10:02:12.74 ID:03o1SKIUO
僧侶「大丈夫、怖くないですからね?大丈夫大丈夫…」なでなで
村の子供「ひ、ひぐ…うえぇぇぇん…」
僧侶「…お姉ちゃん達と一緒に帰りましょうね?もう怖くないからね」
村の子供「…うん……」
女勇者「ねぇ…私、怖いかな?」
魔法使い「勇者様…」
女勇者「…だって、魔物倒さないと、この子は食べられちゃったんだよ?」
魔法使い「そうですね。…勇者様は間違っておりませんよ」
女勇者「…じゃあ。どうして私が怖がられるの…?」
魔法使い「……」
女勇者「私だって…好きでこんなに強くなっちゃったわけじゃないのにね?」
魔法使い「それは…」
女勇者「えへへ…いけないいけない。また愚痴こぼしちゃったね」
女勇者「……しょうがないのに」

357 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 10:06:39.66 ID:03o1SKIUO
女勇者「皆、悪いけど少しだけ外に出ててくれる?」
戦士「む?勇者殿は戻らないのか?」
女勇者「あそこの物陰に魔物の子供が隠れてるんだ」チラッ
戦士「…勇者殿、本当に子供の方も倒すのか」
女勇者「…このまま放っておいたら、魔物の子供は村を襲うかもしれないよ?」
女勇者「しかも今度は、親を殺された恨みで人を襲うかもしれない…」
戦士「……」
女勇者「倒しとかないと…ダメだと思うんだ。戦士くんはどう思う?」
戦士「勇者殿の………」
女勇者「…私の?」
戦士「勇者殿の、好きにしてくれ」
女勇者「…!」

359 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 10:10:38.81 ID:03o1SKIUO
女勇者「わかったよ…。じゃあ戦士くん、みんなを連れて外に出ていてくれる?」
戦士「…了解した」
女勇者「……ごめんね?」
戦士「…それが、勇者殿の正義なら…何も言わん」
女勇者「……」
戦士「さぁ行こう、魔法使い、僧侶。子供をしっかり見てやってくれ」
僧侶「は、はい!」
魔法使い「わかりました。行きましょう」
子供「…うん」

363 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 10:13:58.19 ID:03o1SKIUO
トテトテ
ガチャ
バタン!!!
戦士「……」
僧侶「戦士さん…勇者様だって、好きでやってるんじゃないんです。わかってあげて…」
戦士「わかっている。勇者殿が間違っていないことはわかっているんだ」
僧侶「…勇者様はもう、5回も同じことを繰り返しているのですから…」
戦士「…そうだな。もう慣れてしまっているのかもしれない」
魔物『ぐがぁぁぁ!!!!』
ばしゅっ
魔物『が…う………っ』
どさっ
戦士「……」

365 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 10:19:13.41 ID:03o1SKIUO
戦士「我々は……」
魔法使い「…?」
戦士「本当にこの旅に必要なのだろうか」
魔法使い「戦士さん、そんなこと…」
戦士「俺は正直、勇者殿の正義についていく自信がない」
僧侶「…」
戦士「強さなどもってのほかだ。俺たちは勇者殿の足手まといにしかならない」
僧侶「そうですけど…でも、私たちももっと強くなれば…」
戦士「……俺はこれ以上、耐えられそうもない」
僧侶「……」

368 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 10:24:06.95 ID:03o1SKIUO
ガチャ…
女勇者「お待たせぇ…ごめんね」
戦士「終わったのか」
女勇者「うん。…かわいそうだけど、仕方ないよね」
戦士「……そうだな。さぁ戻ろう」
女勇者「うん!」
戦士「それから勇者殿、村に戻ったら話がある」
女勇者「へ?なんだろう?」
戦士「とても重要な話だ。帰ったら話そう」
女勇者「…うん?わかった…」
ざっざっざ

372 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 10:28:18.90 ID:03o1SKIUO
【北の村】
村の子供「ままぁ!」
村人「あぁ…私のかわいい坊や…!!」
村の子供「ママぁ〜〜!!!」
女勇者「うんうん。よかったね。さぁ戦士くん、大事な話をしに行こうか」
戦士「うむ。とりあえず宿に戻ろうか」
女勇者「そうだね。立ち話もなんだし、疲れたしね」
戦士「そうだな」

373 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 10:32:11.64 ID:03o1SKIUO
【宿屋】
女勇者「…で…お話ってなに?」
戦士「…勇者殿。単刀直入に言う」
女勇者「うん…」
戦士「ここで、パーティーを解散しよう」
女勇者「…!」
戦士「…どうだろうか」
女勇者「…どうして?」じわ…

374 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 10:35:42.37 ID:03o1SKIUO
戦士「…すまない。俺たちが未熟なせいだ」
女勇者「そんなことないよ?」
戦士「先ほどの皆と話し合ったのだが…」
僧侶「…」
戦士「俺たちはもう、勇者殿についていくことができない」
女勇者「……どうして……」ぽろぽろ
戦士「勘違いしないでほしい…。勇者殿が間違っているのではないんだ」
女勇者「…う……」ぽろぽろ
戦士「俺たちが心も強さも未熟であるがゆえに、勇者殿の正義についていけないのだ…」

379 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 10:40:19.06 ID:03o1SKIUO
女勇者「そんな事ないよ……そんなことないのに…」ぽろぽろ
戦士「…勇者殿は間違ってはいない。勇者殿の強さも正義も、間違ってなどいない」
戦士「さっきの魔物にしてもそうだ。割り切らねばならぬのだろう」
戦士「…勇者殿の言ったとおり、仕方ないのだ」
女勇者「じゃあ…!」
戦士「俺たちは勇者殿のように強くない。もちろん、精神力も然り」
戦士「…俺たちでは、勇者殿の枷にしかならん…」
女勇者「いやだ…!!やだよぅ…!!」ぽろぽろ

382 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 10:45:21.39 ID:03o1SKIUO
女勇者「見捨てないで……!一緒に来てよ…!!」ぽろぽろ
戦士「すまない…」
女勇者「皆が…みんないないと、わたし…ま、魔王なんて…倒せないよぅ…」
戦士「勇者殿は、一人で旅をしたこともあるのだろう…?」
女勇者「…!」ぽろぽろ
女勇者「でも…でも、みんないないと……」
女勇者「またひとり…?ねぇ、わた、し、また…ひとりでいくの…?僧侶ちゃん…?」ぽ
ろぽろ
僧侶「…ごめんなさい」
女勇者「まほうつかいちゃん…も…?」
魔法使い「申し訳ございません…」
女勇者「…うぅ…うぐ…」
女勇者「うあぁぁあああん!!」ぽろぽろ

385 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 10:51:10.91 ID:03o1SKIUO
戦士「それでは…ここでお別れだ」
女勇者「皆…おねが…わたし…わたしを、おいていかないで…」
戦士「勇者殿」
女勇者「ひぐ……え、えぇん…」
戦士「仲間として最後にひとつだけ。勇者殿は間違っていない」
女勇者「…え…」
僧侶「そうですよぅ。勇者様の強さは、きっと世界を救うために必要」
僧侶「勇者様の強さは正義です。間違ってなんかいません…」
女勇者「強さ…正義…」
魔法使い「勇者様は、ご自分の信じる正義を貫いてください」
魔法使い「そして…勇者様の正義についていけない私たちをお許しください…」

389 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 10:56:54.07 ID:03o1SKIUO
戦士「…行こう」
女勇者「…行っちゃうの?本当に行っちゃうの…?」
戦士「…すまん」
僧侶「…ごめんなさい」
トテトテ
女勇者「……う…ぐ…」ぽろぽろ
魔法使い「……失礼します」
トテトテ
トテトテ
女勇者「…戦士くん…待って…」
戦士「勇者殿…勇者殿は自分の強さをしっかり持っていてくれればいい」
女勇者「…待って」
戦士「では、失礼する」
女勇者「待って」
ガチャ
バタン!!

397 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 11:03:08.90 ID:03o1SKIUO
女勇者「……」
女勇者「……いけない。泣いてちゃだめだね」ぐしぐし
女勇者「私は勇者なんだから。こんなところでメソメソしてちゃダメなんだ」
すっ
女勇者「強くなろう」
女勇者「皆も言ってくれたじゃない。私の強さは正義だって」
女勇者「一人でも泣かないくらい、強くならなきゃ」
女勇者「一人で誰にも負けないくらい、強くならなきゃ…」
女勇者「私は強くなるよ。一人で世界中の魔物と戦っても負けないくらい」
女勇者「……強くならなきゃ」

399 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 11:07:12.95 ID:03o1SKIUO
トテトテ
ガチャ
女勇者「この村にももう留まる必要もないな」
村人「あの、勇者様…!!」
女勇者「あ…あの子のお母さん」
村人「本当に…ありがとうございました…!!」
女勇者「いえ…お子さんも無事でよかったです」
村人「はい、おかげさまでこの子も…本当になんとお礼を言っていいか」
村の子供「…」こそ
女勇者「…」ニコ
村の子供「お姉ちゃん」
女勇者「うん?なぁに?」
村の子供「ありがとう…」

402 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 11:11:16.07 ID:WFNndghBO
寂しいよなぁ…