Part1
女勇者「強くてニューゲームっ♪」
http://takeshima.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1241224682/
1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/02(土) 09:38:02.54 ID:
N/8UczAI0
チュンチュン…
女勇者「ふわぁ…もう朝かぁ」
女勇者「さっき帰ってきたばっかりなのにな」
女勇者「これで…何回目だっけ?前ので5、6…?あ、今回で6週目かぁ」
女勇者「あはは…また繰り返しか。…さて、頑張ろうかな」
4 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/02(土) 09:41:12.72 ID:
N/8UczAI0
コンコン
ガチャ
母「おはよう。…おきなさい勇者」
女勇者「おはよ、ママ」ニコ
母「あら?もう起きてたのね、珍しい」
女勇者「うん。なんか目が覚めちゃって…」
母「そう。今日は旅立ちの日だものね……」
女勇者「そうだね。今日は旅立ち。…今日も旅立ち…」
8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/02(土) 09:44:06.75 ID:
N/8UczAI0
母「今日も?」
女勇者「うん、今日もー。えへへ…ねぇママ」
母「なに、勇者?やっぱり…旅立ちがこわい?」
女勇者「ぜんぜん?」
母「本当?怖いなら……」
女勇者「無理しないでって言ってくれるの?」
母「……」
女勇者「あはは、そうだよねー。わかってるよ。ごめんなさいママ」
母「勇者…ごめんなさい」
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/02(土) 09:47:20.20 ID:
N/8UczAI0
母「勇者、なにかあったの?大丈夫?」
女勇者「うん、ちょっと。色々とね。考えることがいっぱいあって」
母「……ママに言ってごらんなさい?力になれるかはわからないけれど…」
女勇者「…ママ」
母「なぁに?」
女勇者「私、もう…疲れちゃったぁ」
母「え?」
女勇者「もう疲れたよ、ママ……もういやだぁ…」じわ
10 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/02(土) 09:49:50.64 ID:
N/8UczAI0
母「どうしたの?何があったの?」オロオロ
女勇者「ママぁ…私、もう行きたくないよ」
母「……」
女勇者「…えへへ、勇者なのに…こんな事言ってごめんね?…」ぽろぽろ
母「……」
女勇者「ちゃんと行くから許してね?…ちゃんと行くからね」
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/02(土) 09:53:25.29 ID:
N/8UczAI0
母「勇者」
女勇者「はい…」ぐしぐし
母「憎むなら、私を憎んで…あなたを勇者として産んでしまった私を…」
女勇者「…!」
母「ママのせいで、あなたを泣かせる事になる事は…もう、覚悟していた」
母「それでも、あなたは勇者として旅立たなければならないの。だったら…」
母「せめて、私を憎んで…」
女勇者「……ママ、ごめんなさい」
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/02(土) 09:54:21.06 ID:vaf5YL2KO
前は10回だったから今回は過去ですね
24 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/02(土) 09:56:18.11 ID:
N/8UczAI0
女勇者「大丈夫、私はママを憎んだりしないよ」ニコ
母「…勇者」
女勇者「だから、ママもそんな顔しないでね?」
女勇者「じゃあ…行ってきます」
母「…行ってらっしゃい。勇者、必ず生きて帰ってきて…」
女勇者「あはは、その心配はいらないと思うよー。じゃあね!」
母「…?」
ガチャ
バタン!
42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/02(土) 10:00:46.67 ID:
N/8UczAI0
女勇者「あんな事言って飛び出してきちゃったけど」
女勇者「…とにかく頑張るしかないよね。私がしっかりしないと」
女勇者「とりあえず王様に話しに行って、次は酒場かぁ」
女勇者「今回は…うーん、どうしようかな」
女勇者「久しぶりに王道で行こうかな。確か1週目も同じメンバーだったっけ」
女勇者「戦士くん、僧侶ちゃん、魔法使いちゃん…」
女勇者「うん、これで行こう!」
56 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/02(土) 10:05:39.51 ID:
N/8UczAI0
【酒場】
女勇者「6回目ともなると、さすがに要領もつかんできたかな」
戦士「…む?」
女勇者「すいませーん、あなた、戦士くんですよね?」
戦士「くん…?いかにも、俺が戦士だが…君は?」
女勇者「えっと、私は今日旅立つことになった勇者です。仲間を探してくれるんですけど…」
戦士「ふむ、では同じ志を持つ者同士だな。よければ俺も同行させてもらえないだろうか」
女勇者「ホント?一緒に行ってくれる?」ニコ
戦士「もちろんだ。出来る限り力になろう」
女勇者「えへへ、相変わらず頼りになるなぁ」
58 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/02(土) 10:07:26.26 ID:
N/8UczAI0
誤字
女勇者「えっと、私は今日旅立つことになった勇者です。仲間を探してくれるんですけど…」
↓
仲間を探してるんですけど
62 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/02(土) 10:10:30.81 ID:
N/8UczAI0
女勇者「よかったぁ。断られたらどうしようかと思ってたんだよー」
戦士「まさか。俺のほかにも力になりたい者はたくさん居る」
女勇者「みたいだねー。うん、実はもう声をかけようと思ってる人はいるんだ」
戦士「そうなのか?」
女勇者「うん!僧侶ちゃん、魔法使いちゃん!」
僧侶「!」ビクッ
魔法使い「え…私ですか?」
女勇者「うん!ぜひ二人に力になって欲しいんだけど、いいかな?」
魔法使い「ええ。私でよろしければ、ぜひお供させていただきます」
僧侶「え、えっと…私なんかでいいんでしょうか…?」オロオロ
65 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/02(土) 10:14:56.12 ID:
N/8UczAI0
女勇者「よーし!これで4人そろったね!」
戦士「うむ。魔王を倒し、世界に平和を取り戻すため頑張ろう」
女勇者「そうだねっ。さて、まずは装備を整えようか」
僧侶「そうですねぇ。私も防具が欲しいなぁ」
女勇者「僧侶ちゃんは大事な回復要因だもんね。死なれちゃ困るしなぁ」
僧侶「死…って…」
魔法使い「ゆ、勇者様…?」
女勇者「あ、ごめんごめん。とにかく、装備は整えとかなくっちゃねってこと」ニコ
70 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/02(土) 10:19:13.04 ID:
N/8UczAI0
女勇者「戦士くんは武器を強化しようか!しっかり二人を守ってあげてね」
戦士「うむ。しかし俺はこの鉄の剣があるが…」
女勇者「んーん、今買える最強のものにしようよ」
戦士「おお、それはありがたい。しかし所持金が足りないのでは…?」
女勇者「えへへ、それは大丈夫だよー。いっぱいあるから」
戦士「そ、そうか?ではお言葉に甘えさせてもらおう」
女勇者「うん!甘えて甘えて♪」
戦士「勇者殿の装備はどうするんだ?」
女勇者「あ、そうだね。じゃあ…戦士くんのお下がりをもらっちゃってもいいかな?」
戦士「うむ。もちろんだ」
71 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/02(土) 10:20:15.40 ID:
N/8UczAI0
女勇者は鉄の剣を装備した!
女勇者 鉄の剣 E
攻撃力 301 → 304
74 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/02(土) 10:26:55.17 ID:
N/8UczAI0
僧侶「わぁ…戦士さん、かっこいいなぁ」
女勇者「大丈夫だいじょーぶ!僧侶ちゃんにも買ってあげるからね!」
僧侶「え、ホントですか?」ぱぁっ
女勇者「うんっ。えっとぉ…まずは法衣だよね。それから金の杖と…」
僧侶「え、えぇ?こんなに…良いんですか?」
女勇者「もちろん!大事な仲間だもん」
僧侶「えへへ。ありがとうございます」ニコニコ
魔法使い「……」もじもじ
女勇者「もう、魔法使いちゃん、心配しないで!ちゃんと用意するに決まってるじゃない」ニコ
魔法使い「え!…そ、その…あつかましくてすみません…」
女勇者「いいのいいの!」
76 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/02(土) 10:30:34.93 ID:
N/8UczAI0
女勇者「これで装備も全員整ったし、準備万端だね!」
戦士「勇者殿、本当にその古い剣だけで良いのか?防具は?」
女勇者「私?うん、これでいいよー」
戦士「そうか…勇者殿がそれでいいのならば構わんが…」
僧侶「…勇者様」
女勇者「うん?どうしたの僧侶ちゃん」
僧侶「その…もしかして勇者様は、戦いがお好きでないんでしょうか…」
女勇者「へ?どーして?」
77 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/02(土) 10:35:07.74 ID:
N/8UczAI0
僧侶「装備も最低限のものですし、なにより…」
女勇者「?」
僧侶「勇者様が、この戦いを望んでおられないような気がして…」
魔法使い「…そうですね。私もそう感じておりました。どこか、旅立ちを嫌がっているような…」
戦士「勇者殿…戦いは嫌いか?」
女勇者「……好きじゃ、ないかな…」
戦士「……その顔を見ればわかるな。勇者殿、戦闘は俺達に任せてくれ」
女勇者「え?」
戦士「勇者とは言え、戦いを避けたがる女の子に無理やり戦わせるわけにはいかない」
79 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/02(土) 10:38:24.43 ID:
N/8UczAI0
女勇者「えへへ…ありがとう。でも、私も戦うよ」
戦士「…無理はするな」
女勇者「うん。でも私は勇者だからね。私だけワガママで戦わないなんて、許されないでしょ?」
戦士「それはワガママではない。勇者殿は、望んで勇者に生まれたわけではないのだから」
女勇者「そうだね。それでも、私には勇者に生まれた責任があるから」ニコ
戦士「……勇者殿」
女勇者「だから、私も戦うよ。一緒に頑張ろうね!」
僧侶「……勇者様は、強いんですね」
女勇者「あはは、そんなことないよー。平和を取り戻したいのは私も一緒だし」
80 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/02(土) 10:40:08.51 ID:
N/8UczAI0
戦士「よし、では出発しようか」
僧侶「はい!」
魔法使い「参りましょう」
女勇者「あ!ちょっと待って!」
魔法使い「?勇者様、どうなされましたか?」
女勇者「えっとね、…皆に、話しておかなきゃならないことがあるんだぁ」
僧侶「?」
女勇者「えへへ…怖がらないで聞いてくれる?」
82 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/02(土) 10:44:58.27 ID:
N/8UczAI0
女勇者「実はねぇ……?私は、もうこの旅を5回終えてるの」
戦士「?」
女勇者「なんて言ったら良いのかな?もうね、魔王を倒したこともあるんだ」
魔法使い「勇者様…何を仰っているのですか?しっかりしてください」
女勇者「本当なんだよ?えっとねぇ、私、魔王を倒して、また旅立ちの日に戻ってを」
女勇者「もう5回繰り返してるの。今回で6回目の旅立ちなんだー」
戦士「…その話が本当だとして、記憶を持ったまま繰り返しているのか」
女勇者「うん。記憶だけじゃないよ?強さだって魔法だって、お金だってほら…」じゃら
戦士「…」
84 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/02(土) 10:48:40.98 ID:
N/8UczAI0
戦士「……」
女勇者「混乱させるような事言ってごめんね?」
僧侶「……」
女勇者「ただ、みんなには言っておきたかったから…」
魔法使い「……」
女勇者「……だから…」
91 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/02(土) 10:59:06.90 ID:
N/8UczAI0
女勇者「えっと、えっとね…だからもう、私…レベルも80近くあるんだ」
女勇者「……ごめんなさい。こんな事言われても、わけわかんないよね」
戦士「…いや、すまない。…その、少し混乱していただけだ」
僧侶「そそ、そうですよね。勇者様は勇者様ですよぅ。ね、魔法使いさん?」
魔法使い「…はい」
女勇者「…ありがとう。ごめんね、旅立つ前にこんな事言って。さ、行こうか」
戦士「うむ。我々も、足手まといにならぬよう精一杯ついていこう」
女勇者「……うん!」ニコ
94 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/02(土) 11:03:12.43 ID:
N/8UczAI0
【城の外】
戦士「それでは先頭は勇者殿に任せて、俺達はサポートしよう」
僧侶「はい!勇者様、回復はお任せくださいね」
魔法使い「私などの魔法がお役に立つとは思いませんが…精一杯助力いたします」
女勇者「そうだね。みんなで力を合わせて戦っていこう!」
僧侶「はい!」
魔法使い「…あ!さっそく魔物があらわれましたね」
魔物「ぐるる…!」
魔物があらわれた!
95 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/02(土) 11:05:25.57 ID:
N/8UczAI0
女勇者「えへへ、この魔物、必ず最初に出会うんだよー」
僧侶「そうなんですかぁ…。勇者様、お気をつけて…!」
女勇者「ありがとー!えいっ」
ぐしゃあっっ!!!
魔物をたおした!
僧侶「………ひ………」
98 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/02(土) 11:09:36.97 ID:
N/8UczAI0
僧侶「…あ……あ」
魔法使い「そんな…なんの変哲もない攻撃で……」
戦士「…魔物が……爆ぜた…?」
女勇者「うわぁ…返り血浴びちゃったよー……気持ち悪いなぁ」ふきふき
戦士「……」
女勇者「よし!さぁ、先を急ごうか」ニコ
戦士「う、うむ。最初の目的地は北の洞窟だったな」
僧侶「…そ、そうですねぇ。近くの村が被害を受けてるって言ってましたね」
99 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/02(土) 11:12:20.91 ID:
N/8UczAI0
女勇者「えへへ、被害って言ってもそんなにたいしたもんじゃないよ」
魔法使い「え?そうなんですか?」
女勇者「うん!時々農作物を荒らされるだけらしいしね」
戦士「だけ、か」
女勇者「さぁ、入り口も見えてきたね。行こうか」
僧侶「は、はい…」ビクビク
女勇者「さぁ、出発ー!」
ざっざっざっ
101 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/02(土) 11:16:47.83 ID:
N/8UczAI0
魔法使い「かなり薄暗いですね。勇者様、足元にお気をつけくださいね」
女勇者「ありがと。でもだいたい覚えてるから大丈夫だよ」ニコ
戦士「そうか、もう6回目か…」
女勇者「うん。みんな、私の後ろについてきてねー」
僧侶「…は、はぃぃ」
女勇者「?どうかした、僧侶ちゃん」
僧侶「あ、あの…勇者様ぁ…お願いがあるんですけど」
女勇者「なんだろ?」
僧侶「えと、私の…ワガママなんですけど、その…最後列は…怖いですぅ」
女勇者「!」
僧侶「ご、ごめんなさい!こんなワガママ言っちゃって…」
103 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/02(土) 11:20:38.11 ID:
N/8UczAI0
女勇者「あはは、良いよいーよ。じゃあ私の後ろに来てくれる?」
僧侶「ご、ごめんなさい…」オロオロ
女勇者「戦士くん、最後列お願いしていいかな?」
戦士「うむ。引き受けよう」
女勇者「ありがと。頼りになるねっ。後ろからの襲撃は任せるよー」
戦士「了解した」
女勇者「よーし、もうそろそろ最奥部だね。みんな、戦闘の準備しておいてね」
戦士「なに?もう最奥部なのか?」
女勇者「うん!迷わなければ案外短い洞窟だからね」ニコ
戦士「……」
戦士(俺達は……必要なのか…?)
105 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/02(土) 11:23:18.15 ID:
N/8UczAI0
女勇者「はい、とーちゃく!皆、準備はいーい?」
僧侶「だ、大丈夫ですぅ」びくびく
魔法使い「はい。今までほとんどMPを使う機会もなかったので」
戦士「……」
女勇者「戦士くん?だいじょうぶ?」
戦士「う、うむ。では行こう」
女勇者「そだね!さっさと済ませちゃおう」ニコ
ギィ……
バタン!!