Part8
164 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2012/04/08(日) 01:08:13 ID:
Kh7fgBHQ
勇者「秘密道具、魔法使いちゃんがくれた粉! ふぅーーー!」パァ
騎士「ちょ、不安満点の道具じゃないげほっ」モワモワ
勇者「うっわ凄い舞ってげほ、ごほ」
騎士「ごっほげほ……なんのごほ、粉ごほ」パタパタ
勇者「げっほごほ……さあごほんごほん」パタパタ
騎士「神経毒ごほだったらげほどうするごほ」パタパタ
騎士「ダメだけほ……ここ離れたごほ早い」パタパタ
165 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2012/04/08(日) 01:10:18 ID:
Kh7fgBHQ
騎士「ふう……やっと落ち着いた」
勇者「いやーはは、びっくりだね」
騎士「そーだな。どんな危険な物かも知らないでなー」ギリギリ
勇者「ご、ごへんなひゃい」
騎士「全く……普通は疑うところだろう」
勇者「うー……だってこういう気持ちすら初めてで……不安だったんだもん」モジモジ
騎士(……なにこの小動物可愛い)
166 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2012/04/08(日) 01:12:07 ID:
Kh7fgBHQ
騎士「初めからそういう素直な気持ちで行ってくれればいいものを」ギュウ
勇者「騎士君……?」
騎士「……ん」チュ
勇者「ん、む……んん」チュパ
騎士「……」
勇者「騎士……君」ポォ
騎士「え、なんで俺キスしたの?」
勇者「えっ」
167 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2012/04/08(日) 01:14:07 ID:
Kh7fgBHQ
騎士(なんだこれ……頭がぼーっとする……それに勇者可愛い)
騎士(落ちつけ、何かがおかしいし勇者可愛い……ダメだ気をしっかり勇者抱きたい)
騎士「ってさっきの粉媚薬か何かか?!」
勇者「……」
騎士(はっ……! 勇者が俯いたまま反応が無い! 勇者のうなじエロい大丈夫か?!)
勇者「騎士君……あたし……何だか」ハァハァ
騎士(はい強制イベントー勇者ペロペロ)
168 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2012/04/08(日) 01:15:36 ID:aBqooI1Q
wktk
169 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2012/04/08(日) 01:16:18 ID:
Kh7fgBHQ
……
戦士「なんだ? 二人して昨晩はどうしたんだ?」
勇者「えへへへ〜何でもないよ〜」ギュウ
騎士「うがー……」
戦士「そして騎士のかつてない苦渋の顔」
戦士「今度は勇者に押し倒されたのか?」
騎士「うがーーー!!」
勇者「えへへへー」ギュウ
騎士「あれは事故だからな! 事故だぞ!!」
勇者「えへへーそれでもいいよー」ギュウ
騎士「うがああぁぁぁ!」ガリガリ
戦士「お、おお凄い頭を掻き毟って……他人が見たら精神いかれたと思うだろうな」
170 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2012/04/08(日) 01:19:37 ID:
Kh7fgBHQ
騎士「……」ユサユサユサ
魔法「あらあら、今までにない形相でどうしたというのだい?」ニヤニヤ
騎士「お前が……お前が変な物を渡さなければ」ユサユサユサ
僧侶「騎士さん、落ち着いてください! そんなに魔法使いさんの肩を掴んで全力で揺らさないで下さい!」
魔法「私は構わないよ」ニヤニヤ
騎士「心底楽しそうな顔だな!」ユサユサユサ
魔法「心外だね。悩める少女を助けただけよ……君もしっかりと楽しめたのだろう」ニヤニヤ
騎士「御互い意識朦朧とした中だけどな!」ユサユサユサユサユサ
魔法「朦朧……?」ピタ
騎士「……勇者が粉を吹いて盛大に舞って、二人して何度も咳き込んだんだが?」ピタ
魔法「ちゃんと用法容量は教えたよ?」
騎士「……勇者」
171 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2012/04/08(日) 01:21:44 ID:
Kh7fgBHQ
戦士「僧侶は熱が引いて明日には動けはする感じだとよ」
勇者「えへへへ〜〜」
戦士「お前幸せそうだな」
勇者「うん、とっても!」
戦士「そりゃあ良かったな」
戦士「ちゃんと告白はできたのか?」
勇者「う、い、一応は」
戦士「そうかい。じゃあその様子だと騎士もOKしたのか」
勇者「」
172 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2012/04/08(日) 01:22:16 ID:WG6tHq9g
これは・・・騎士がハーレム方向に一直線に進んでやがる・・・!
173 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2012/04/08(日) 01:23:15 ID:
Kh7fgBHQ
戦士「おいおい何だよそりゃ……」
勇者「あ、あたしの所為じゃないよ! 魔法使いちゃんの秘密の道具だよ!」
戦士「いや、キスせがんだのはその前なんだろ」
勇者「ぁー」
戦士「ま、どっちにしろ答えは出さないか断るんじゃねーの」
勇者「えぇ?!」
戦士「だって騎士はもうあたしらと共に、魔王を倒す事を考えているんだろ?」
戦士「その上でそう言われたらまあそうなるだろうよ」
勇者「う〜」
174 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2012/04/08(日) 01:25:16 ID:
Kh7fgBHQ
戦士「んじゃまーあたしはあたしで騎士に決闘を挑んでみるかねぇ」
勇者「え、今更するの? 見た限りでもとっくに追い越されてると思うよー?」
戦士「そりゃああたしも思うさ。なら尚更直接力量の差を知りたいじゃねーか」
勇者「ふーん」
騎士「はぁ……朝から疲れた」ガチャ
戦士「そんなところに悪いが決闘だ。騎士がどんだけ強くなったか知りたい」
騎士「ああ……なんて災難な休暇だ」
勇者「……ちょっと待って戦士ちゃん。その決闘に他の他意は無いよね?」
戦士「あ? そりゃあ予約不可の凄腕の剣士だったらあたしだって唾つけるさ」
勇者「なーーー!」
175 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2012/04/08(日) 01:27:15 ID:
Kh7fgBHQ
戦士「開始と同時に剣が弾かれていた件」
勇者「騎士君ぱねぇ」
騎士「俺すげぇ」
戦士「試しにあたしから全力で打ち込みしてみた」
勇者「騎士君余裕で捌ききる」
戦士「騎士ぱねぇ」
騎士「俺やべぇ」
戦士「お前どんなドーピングをしたんだ?」
騎士「俺失格ぇ」
勇者「スポーツ選手?」
176 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2012/04/08(日) 01:29:18 ID:
Kh7fgBHQ
戦士「ま〜いいや。これで初めてだよ」
戦士「上司やら何やら。立場ある相手以外に負けるのは」
騎士「そうか?」
勇者「はっ! ダメだよ! 戦士ちゃんダメだよ!」
勇者「騎士君……魔王を倒した後でもいい。あ、あたしと付き合って下さい!」
騎士「何でここで告白?! 昨晩も言ったが俺は約束をするつもりはない。というより約束なんてできない」
戦士「残念、勇者。決まりだな」
騎士「なあ、さっきから何の話だ?」
戦士「あたしが完全にお前に惚れたって話だ」
騎士「ふーん……えっ」
177 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2012/04/08(日) 01:31:17 ID:aBqooI1Q
あとは僧侶のみ…!
178 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2012/04/08(日) 01:31:29 ID:
Kh7fgBHQ
騎士「おかしい! なんでそうなった!」
戦士「お前のが強かったじゃん」
騎士「そこ?! そこだけ?!」
勇者「凄い偉い人ぐらいだよね。戦士ちゃんが勝てないのって」
騎士「というかそれ、戦士より上の階級が凄い偉い人しかいないとか?」
戦士「……っは! そういえばそうだっ!」
騎士「えっ」
勇者「戦士ちゃんは何とか佐で、その上の人って何とか将っていう人達ばっかりだよねぇ」
騎士「えっ」
179 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2012/04/08(日) 01:33:13 ID:
Kh7fgBHQ
騎士「と、とりあえずその話はおいとくにしろ、色々と基準とかがおかしいだろ」
戦士「そんなん個人の価値観だろ」
騎士「いや、ちゃんと御互いにだな……」
戦士「勇者と魔法使いはどうなんだよ」
騎士「……」
戦士「つー訳でよろしく」
騎士「軽くないか?! 何で?! 普通こんなものなのか?!」
180 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2012/04/08(日) 01:35:15 ID:
Kh7fgBHQ
戦士「つってもあたしは初めてだからよろしくっ」
騎士「ええぇぇ……」
戦士「んだよ、嫌そうだな」
騎士「自己嫌悪の渦中にいるんだよ!」
戦士「据え膳食わぬは男の恥って言うだろ」
騎士「というか何で俺なの? 何時の間にフラグ立ててたんだ?」
戦士「そりゃ各々に聞いてくれよ」
戦士「つーかあたしの目からしても、今のお前は高い水準にいると思うぞ?」
騎士「えー?」
181 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2012/04/08(日) 01:37:09 ID:
Kh7fgBHQ
騎士(町人Aだったんだけどなぁ)
戦士「そりゃ顔は普通だとは思うが、身を挺して僧侶を守ったり」
戦士「料理できるわ優しいわ。時々微妙な時はあっけどあたしらを気遣ってくれるし」
騎士「……そう言われると気恥ずかしいな」
戦士「そうかー?」ヌギヌギ
騎士「[>escape」
戦士「逃がさねぇよ」ガッシ
182 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2012/04/08(日) 01:39:15 ID:
Kh7fgBHQ
騎士「」
魔法「騎士の目が死んでいるのだけども一体何があったんだい?」
戦士「わりい、ムリヤリ食ってもらった」
僧侶「?」
勇者「食った、の間違いじゃないの?」
戦士「いや、流石に……あたしはこういうの疎いからさ。騎士に任せっきりだった」
魔法「あら。それはそれは」ジー
騎士「……何だよ」
魔法「戦士の意外な一面に萌えたのだろう?」ヒソ
騎士「」ビク
183 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2012/04/08(日) 01:39:57 ID:tE0AWjc2
爆発しろ
184 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2012/04/08(日) 01:41:17 ID:
Kh7fgBHQ
騎士「今日は一人にしてくれ……」
魔法「あらそう? 僧侶も回復したのに残念だね」
僧侶「あの……本当に何があったんですか?」
戦士「昨日があたしでその前が勇者が迫った」
僧侶「え、ええぇ?!」
勇者「えへへへー」
魔法(私は話を聞いているから多少は平気でしょうが……硬派な彼には酷な話よねぇ)
戦士「てか、僧侶がそんな驚く事か?」
僧侶「あ、い、いえ別に何でもないデスよ?」
魔法「ほう……」ニヤリ
185 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2012/04/08(日) 01:43:16 ID:
Kh7fgBHQ
勇者「ま、まさか僧侶ちゃんまで……」
戦士「本当に鞍替えかー」
僧侶「そそそそういう言い方をしないで下さい!」
戦士「だってなー……あんだけ熱弁振るっていたのになー」
魔法「僧侶は騎士の事をどう思ったのだい?」
勇者「どういう事?」
魔法「いやね、国に居る想い人を蹴るほど騎士に惹かれるところがあるって事じゃないか」
戦士「あ、聞いてみてー」
勇者「ぅー倍率上がるのは芳しくないけど聞いてみたい」
僧侶「ああぁぁあぁ魔法使いさん?!」
186 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2012/04/08(日) 01:45:20 ID:
Kh7fgBHQ
僧侶「うぅ……多分、お話しても皆さんにはあまり伝わらないとは思いますが」
僧侶「あの要塞で騎士さんが決死の覚悟で私をお守り下さった時なのですが」
僧侶「はっきりと聞いた訳でもないですが……守り抜くや奪われて、といった事を呟いていまして」
魔法「生死を掛けた戦闘で過去の記憶がフラッシュバックでもしていたのかもしれないね」
僧侶「正しい事は分かりませんが……ただうわ言のように呟きながら戦う騎士さんの背中が」
僧侶「勇ましくも寂しくもあり、胸を締め付けられる思いでした」
僧侶「もしかしたら……私達四人がいても尚、あの方の心は孤独なのかもしれない……」
僧侶「何か支えになりたい、力になりたい……あの方の傍らに居たい」
僧侶「そう思っている内に、騎士さんの事で頭がいっぱいで……」
僧侶「もう何と言いますか。籠手を外して素手で触れて欲しい、その手を握り返して傍に居ますと伝えたいのです」
勇者戦士魔法「」
187 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2012/04/08(日) 01:47:14 ID:
Kh7fgBHQ
勇者「純粋だ……純情だ……」
戦士「何てこった……聖女がここにいる……」
魔法「ぐ……自覚しているが、こうも煌々とする光に照らされては、いかに自分が汚れているかを思い知らされる」
僧侶「ちょ、何を言っているのですか?! ああ、そんな崇めるような仕草をしないで下さい」
勇者「いやーもう……四人しかいないのに十人くらいいる倍率になってそー」
戦士「ちっと、流石に勝てる気しないわ」
魔法「……」
僧侶「……ま、魔法使いさん?」
魔法「おふざけの話はいいにしても、僧侶も自分の気持ちを騎士に伝えておくべきだろうね」
勇者「え、何でこのタイミングで真面目モードに」
魔法「孤独を感じている、って所は同感。まあ……それに行動する事まで考えていなかったがね」
魔法「何より、騎士の記憶の断片でも触れられたのは僧侶だけだからね。そういった意味でも支えられるのは僧侶だけだろうね」
188 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2012/04/08(日) 01:49:16 ID:
Kh7fgBHQ
騎士「俺……何やっているんだろう」
騎士「ダメだよなぁ……こんな事」
騎士「もっと意識を強く持たなくては」パンパン
騎士「何があろうと次こそはしっかりとっ」グッ
僧侶(これダメじゃないですか?! 私、不戦敗ですか?!)
魔法(ここに面白い効果の粉薬があるのだが)
僧侶(使いません!)
戦士(つってもなんだかんだで押しに弱いからなぁ)
勇者(あー……確かに)
189 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2012/04/08(日) 01:51:10 ID:
Kh7fgBHQ
騎士「……」ッフォンッフォン
騎士(こういう時こそ素振りだな)ッフォンッフォン
騎士「……」フォンフォンフォンフォンフォン
僧侶(凄い勢いで素振りをしているのですが?!)
戦士(あー分かるわー気持ち落ち着けたい時とかさー)
魔法(なるほど、ストレスが蓄積されていたのだね)
勇者(僧侶ちゃん……流石に可哀相)
僧侶(嫌なことを言わないで下さい!)
190 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2012/04/08(日) 01:53:34 ID:
Kh7fgBHQ
勇者「いやーここのお店の料理も美味しかったねー」サスサス
戦士「あの肉、たまらなかったなぁ」
魔法「あ、騎士。言い忘れていたのだけど君の荷物は、二人部屋の方に移しておいたから」
騎士「……何故?」
魔法「ふふふ」ニヤニヤ
騎士(まさか魔法使い……いや違う、この顔は楽しみではなく既に楽しいだ!)
騎士「……っは!」バッ
僧侶「っな、なんでしょうか……」ビク
魔法「ふふふ」ニヤニヤ
騎士(そんなオチだろうと思ったさっ!)
191 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2012/04/08(日) 01:55:22 ID:
Kh7fgBHQ
戦士「ちゃっかり騎士を向こうに追い立ててたんだな」
魔法「当然じゃないか」ニヤニヤ
勇者「凄い楽しそー」
魔法「さぁて……彼がハーレムを取ってしまうか否か」
戦士「取るだろ」
勇者「取るだろうね」
魔法「しかしそこには苦渋の決断が存在する……明日、彼がどんな顔で出てくるのやら」ニヤニヤ
戦士「あたしが言うなって話だけど難儀なもんだよなぁ」
勇者「そうだねー……流石にこれで僧侶ちゃんだけ断る事はできないもんね」
192 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2012/04/08(日) 01:57:18 ID:
Kh7fgBHQ
僧侶「私は……私も騎士さんの事をお慕いしています」
騎士「わー色々と端折ったー」
僧侶「うぅ、騎士さんを前にしたらもう何を言えばいいか」カァ
騎士(あれ……?)
僧侶「そ、その……三人と比べて、私なんて魅力的ではないと思います」
騎士(おかしいな……)
僧侶「た、例え一夜限りの仮初の恋だとしても、その……私を貰って頂く事はできないでしょうか?」
騎士(最後が一番まともだなんてっ)
193 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2012/04/08(日) 01:59:16 ID:
Kh7fgBHQ
……
僧侶「……」ジー
騎士「僧侶?」
僧侶「やはり……駄目なのですね」ギュウ
騎士「……何がだ?」
僧侶「また……そう寂しそうになさるのですね」
僧侶「私達にはそれを埋める事ができないのですね」
騎士「……」
騎士「僧侶、ありがとう」ギュ