Part6
90 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2012/04/07(土) 22:18:10 ID:
7SLZ3QkY
……
騎士「よし、完全回復!」
勇者「おおー!」
戦士「こっちは準備できたぞー」
僧侶「本当にもう大丈夫なのですか?」
騎士「……あれだけレバーやらほうれん草やら食わされれば大丈夫さ」
魔法「しっかり全部食べてくれるものだから、何処まで食べられるかつい試したくなってね」
騎士「一食丸々ほうれん草はいじめかと思った」
戦士「流石にあれはあたしもドン引きだわ」
91 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2012/04/07(土) 22:20:14 ID:
7SLZ3QkY
魔物の群れが騎士に蹴散らされた!
勇者「色々とあったけど町に到着!」
騎士「やっと調子が戻ってきた感」
戦士「あれでか……なんかまた騎士が強くなっている気がするな」
魔法「そうねぇ……まあ、出会った時よりもずっと強くなっているのは確かだね」
騎士「そうか?」
騎士(あんまり実感はないんだけどなぁ)
僧侶「それでは私達は」
戦士「あいよ。こっちも宿屋に向かってるわ」
92 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2012/04/07(土) 22:22:17 ID:
7SLZ3QkY
女神(……そのような事が)
騎士(やっぱり、俺はまだまだ未熟ですね)
女神(珍しく殊勝な様子だと思いましたがそういう事とは……)
女神(貴方は人の理から外れて生きているからこそ、様々な事を経験しているでしょう)
女神(それと同様に、人の理に収まる事で経験する事が欠落しています)
女神(悲観する気持ちは分かりますが、これも一つの経験とし自分の中で大切にしていくのですよ)
女神(貴方はもう、一人ではないのですから)
騎士(ええ、そこはもう本当に痛感していますよ)
93 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2012/04/07(土) 22:24:17 ID:
7SLZ3QkY
勇者「あれ? 珍しく早いね」
騎士「今日くらいは早めに切り上げようと思ってな」
僧侶「そういえば……騎士さんは何かを思い出していたりしませんか?」
騎士「なんにも。いきなりどうした? 何か寝言でも言っていたとかか?」
僧侶「いえ……あの要塞での戦いの時、色々と呟かれていたので……」
勇者「そうなの?」
騎士「あの時は俺も必死でよく覚えていないなぁ」
騎士(そういえば必死だった上に失血で意識が朦朧としていたからなぁ……危ない危ない)
94 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2012/04/07(土) 22:26:13 ID:
7SLZ3QkY
宿屋
戦士「……」
騎士「……」
勇者「前衛と後衛で分かれたね」
騎士「というかもう三人、二人部屋がデフォルトになりつつある件」
戦士「いや、正直言って四人部屋って結構珍しいからな」
勇者「今時、そんな大勢で旅をする人っていないもんねー」
95 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2012/04/07(土) 22:28:10 ID:
7SLZ3QkY
勇者「ふっふふふ」
騎士「なにその不敵な笑みは」
戦士「あー……そういえば久しぶりだし、騎士は初めてか。頑張れよ」
騎士「なにその言い方怖い」
勇者「騎士くーん!!」ガバァ
騎士「うぉっ」ガチャガチャ
96 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2012/04/07(土) 22:29:55 ID:tACvi9Os
今度こそパンツ脱いでイイよね
97 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2012/04/07(土) 22:30:12 ID:
7SLZ3QkY
勇者「魔法使いちゃんや僧侶ちゃんが引くからできなかったけども……」ギュゥ
勇者「あァ……」ギュウ
戦士「あーあー始まった」
戦士「ラヴラヴねー熱い抱擁ねー」
騎士「いや、確かに抱きつかれてるけど」ギュウ
騎士「効果音がおかしい! 御互いフルプレートの鎧だぞ?!」ギュウ
勇者「あァん……この滑るようなフォルム……装飾よりも機能性を追及しつつも、目が覚めるような美しさ」ウットリ
騎士「勇、者? 勇者? おい、戻って来い! 勇者ーーーー!」
戦士「本性だからどうにもなんねーよ」
99 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2012/04/07(土) 22:32:37 ID:
7SLZ3QkY
騎士「何これ?」
戦士「鎧大好きなんだよ。装備も装備者も」
勇者「鎧'`ァ'`ァ」
騎士「何それ、鎧フェチ?」
戦士「だいぶ前からだし、無機物だからフェティシズムってやつじゃね?」
勇者「中の人も大好きだよ!」
騎士「中の人とか言うな!」
100 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2012/04/07(土) 22:34:08 ID:
7SLZ3QkY
勇者「別に普通だよー」ギュウ
戦士「今度はあたしか」
勇者「うぇへへ……」ギュウ
騎士「なんか以外というか予想外な一面だなぁ」
勇者「もうねー……鎧着ている人萌える」ギュウ
戦士「こいつガチで言ってるからな」
騎士「鎧脱いだ人は?」
勇者「私服いいよねっ。ギャップが堪らないよね!」
騎士「わーぉ」
101 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2012/04/07(土) 22:36:26 ID:Mi7.yaCQ
私の息子も皮の鎧を着込んでいるのだが、どうかね?
102 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2012/04/07(土) 22:36:34 ID:
7SLZ3QkY
騎士「つまり前衛職バンザイか」
勇者「うん♪ あー戦士ちゃんの私服とか見てみたーい」
戦士「最低でも魔王を倒さないとな」
勇者「ぶー! でもまあいっか」
勇者「うぇへへ……貴重な鎧分も増えて、あたし幸せ♪」
騎士「ミー?」
戦士「ユー」
103 :
Here is not Pink's bookmark:2012/04/07(土) 22:38:15 ID:
7SLZ3QkY
騎士「そんな目で見られていたのか……やばい、興奮してきた」
勇者「でも寝巻き姿はなんかどうでもいい」
戦士「基準わっかんね」
騎士「というかそれこそ、鎧と服ってそれだけでギャップがある気がするんだけど……」
勇者「えーそうかなぁ」
104 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2012/04/07(土) 22:40:20 ID:
7SLZ3QkY
――……
「*****? *****じゃないか!」
「久しぶりだなぁおい! お前は変わっていないな! 女神様との契約ってやつか?」
「懐かしいなぁ*****。お前が魔王を倒した後の祭りを覚えているか? 俺もあの場にいたんだぜ」
「いやぁ*****のしどろもどろな演説。今でも笑っちまうよ!」
「もう、あれから十年も経っちまったんだなぁ」
魔王を倒し一夜が明けた。
そして二週目の旅が始まり、郷友と再会した時の事。
自分にとっては一晩眠った程度だった。
もう……戻る事はできない。
自分の置かれている立場を再認識するばかりであった。
105 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2012/04/07(土) 22:42:24 ID:
7SLZ3QkY
魔法「そういえば剣の練習をしていないのだね」
騎士「戦士が付き合ってくれないんだ」
戦士「いやもう勝てねーのがみえてるんだもの」
僧侶「え? そんな簡単に追いつけるものなのですか?」
勇者「やー追い越してるし、まず有りえないんだけどね」
戦士「お前本当に何者なんだよ」
騎士「さあ?」
106 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2012/04/07(土) 22:44:15 ID:
7SLZ3QkY
騎士「騎士って名乗ってる自分が言うのもあれだけど」
騎士「戦士はどうして騎士と名乗っていないんだ?」
僧侶「そういえばそうですね……何か理由でもあるのですか?」
戦士「兵士とか騎士ってのはさぁ、国があって初めて存在するものじゃんか」
戦士「だから魔王討伐部隊の中に騎士としていると、国やその騎士自身の売名行為的な感じになるって事でさ」
魔法「でも本音は討伐部隊が何かしらの失態をした場合、その非難を受けるのを避けたい、とかだったりしてね」
騎士「ああ……なるほど」
戦士「まーそっちが正しいとはあたしも思うけどな」
勇者「そしてあたしは何も成し遂げていないのに勇者として追い立てられ」ブツブツ
107 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2012/04/07(土) 22:51:18 ID:
7SLZ3QkY
魔法「不満だったのかい?」
勇者「せめて旅に関するスキルを身につけさせて欲しかったよぉ」
戦士「あんたはちゃんとやれてるよ」ヨシヨシ
魔法「私としては普通に、ああ、勇者だなぁと思ったけれどもね」
僧侶「何というか、勇者としての気質が溢れているのですよね」
騎士(俺なんて剣術すら知らずに追い立てられたからなぁ)シミジミ
戦士「なんか騎士が感慨深げに……」
108 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2012/04/07(土) 22:53:32 ID:
7SLZ3QkY
勇者「そろそろ中ボスだね」
騎士「中ボス……?」
騎士(そういえばこの辺りに何時も占拠される古城があったが……まだ残っているのか)
騎士(いや、今までの流れだと……いやいやまさかそんな)
戦士「お、見えてきたな」
僧侶「ここに、魔物が……」ゴクリ
騎士「やっぱり要塞だった件」
魔法「あら立派なつくり」
109 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2012/04/07(土) 22:55:51 ID:
7SLZ3QkY
騎士「要塞多すぎだろ……常識的に考えて」
戦士「記憶を失ったお前が常識とほざくか」
勇者「あはは、確かにそうだね」
魔法「遊んでいないで行くよ」
僧侶「流石に緊張してきました……」
騎士(まあ、側近とか四天王クラス以下は全員小物だし俺を知らないだろうし大丈夫だろう)
110 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2012/04/07(土) 22:57:32 ID:
7SLZ3QkY
ボス「ガハハハハ! よくぞ殺されに来たな!」
ボス「下等な人間如き、我が手で屠ってくれわ!」ヒュパ
生首「さあ! かかってく、る……」ゴロンゴロン
騎士「……」スラン
戦士「ひでぇ」
勇者「酷いよ騎士君」
僧侶「流石にそれは……」
魔法「うん、あんまりだと思うね」
騎士「あれ、なんか非難されてる?」
111 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2012/04/07(土) 22:58:26 ID:Mi7.yaCQ
騎士道精神に反するww
112 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2012/04/07(土) 22:58:59 ID:fT5APg.k
自分を知ってるのは魔王だけってモンスターズ+の漫画思い出すな
吉崎観音の
113 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2012/04/07(土) 22:59:18 ID:
7SLZ3QkY
勇者「なんだろう……あたしこのままじゃいけない気がする」
戦士「というかあたしら全員、騎士に依存しているからなぁ」
魔法「そうだね……騎士には少し下がってもらっでもいいかな?」
騎士「頑張ったら出る杭打たれたでござるの巻き」
僧侶「そ、そういう意味ではないのですが」
騎士「言わんとしている事は分かっているから、気分を害しているってわけじゃないよ」
114 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2012/04/07(土) 23:01:22 ID:
7SLZ3QkY
魔物の大群が現れた!
魔物A「ゲッヘヘ! あの要塞を落とすのに体力を消耗したところを狙う! なんという策略か!」
魔物B「汚いなさすが魔物Aきたない! 俺はこれで魔物Aを軍師と呼ばざるを得なくなったなあまりにも孔明過ぎるでしょう!」
戦士「ならしにぁー丁度いい!」
勇者「消耗している騎士君は背後に回って!」
騎士「一戦につき一合すらも打ち合っていなかったけど?!」
魔法「まあまあここは私達に任せたまえ」
僧侶「そうです、これぐらい私達も頑張らないと! 負んぶに抱っこと言うわけには行きません!」
115 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2012/04/07(土) 23:03:12 ID:
7SLZ3QkY
ワーワー
騎士「……」ボー
カエンマホウ・キョウ!
騎士「……」ボー
ユウシャマワリコメ! リョウカイ!
騎士「……」ウズウズ
サガッテ!ライゲキマホウ・キョウ!
騎士「……」バッ
勇者「ああ、騎士君が未だかつてない勢いで魔物の首を撥ねていく!」
魔法「凄い勢いでフラストレーションが貯まっていったみたいだね」
戦士「どんだけ堪えが利かないんだ」
僧侶「まだ半数も居たのにもう全滅……」
騎士「……ふう」スッキリ
116 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2012/04/07(土) 23:04:17 ID:fT5APg.k
NINJAか
117 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2012/04/07(土) 23:05:18 ID:
7SLZ3QkY
勇者「小さい町だなー」
戦士「ま、行商のルートとしてもあんまりだからな」
騎士「流石に聖堂は無いのか」
魔法「物資を買ったらすぐに宿屋かい?」
僧侶「何かするにしても何もないですからねぇ」
騎士(数百年前から発展していないだなんて……)
118 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2012/04/07(土) 23:07:25 ID:
7SLZ3QkY
戦士「もはや三人部屋と二人部屋が鉄板だな」
僧侶「町の規模からして三人部屋すら無いかと思っていたぐらいですからね……」
勇者「……それにしてもこれは由々しき事態だよ」
僧侶「騎士さん……」
戦士「まあ、ダメだろうな」
魔法「……ふふ」ジー
騎士(何だろうこの部屋が監獄に見える)
119 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2012/04/07(土) 23:09:18 ID:
7SLZ3QkY
魔法「あぁ……待ち望んだ展開が遂に……」ズリ
騎士「なんでにじり寄る?」サ
魔法「ふふ……男と女が一つの部屋にいるならやる事は一つじゃないか」ズリ
騎士「信頼の証とか言ってた格好良い魔法使いに戻ってくれ」
魔法「大丈夫、しっかりとリードして上げるから」ヌラ
騎士「舌なめずりしないでくれ!」
121 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2012/04/07(土) 23:11:52 ID:
7SLZ3QkY
魔法「ふふ……そんなに嫌なら窓から逃げ出せばいいのに」ギュウ
騎士(ほんの一時の関係ならそうするさ!)
魔法「あら……随分と鼓動が早いのね……緊張しているのかい?」スリスリ
騎士「待て、マジで勘弁してくれ。こういうのはよくない」
魔法「大丈夫。ちゃんと避妊魔法をかけてあるから」スリスリ
騎士(え、そんなのあるの未来すげぇ)ズリ
魔法「あら……中々良い物を持っているじゃないか」ヌラ
騎士「わーぉ」
122 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2012/04/07(土) 23:13:23 ID:
7SLZ3QkY
――……
「ふふ……何を遠慮なさっているのですか?」
「もしかしてこちらの経験はあまりないのでしょうか?」
「ふふ、それでしたら不肖私めが勇者様の……あ!」
気付けば夜の草原を旅の荷物を抱えて走っていた。
あの場に留まって尚、欲情を抑える事なんてできないだろう。
二週目、魔王を倒した勇者として再度旅をする。
多くの人々が自分に敬意と期待の眼差しを向ける。その一方では貴族達は夜伽相手に差し出してきた。
だけどそれを受け取る訳にはいかなかった。
この時代に生きる事ができない自分が行為に至るのは、あまりにも無責任な上に軽率だ。
何よりも彼らは俺の肩書きの栄誉欲しさでしかないのだ。
123 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2012/04/07(土) 23:15:25 ID:
7SLZ3QkY
魔法「ふ、ふふふ……」ツヤツヤ
騎士「……」
戦士「かつてない笑顔だなぁおい」
魔法「それはもう……当然じゃないか」ギュ
騎士「……っう」
勇者「騎士君が汚されたぁ!」
僧侶「ゆ、勇者さん!」
124 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2012/04/07(土) 23:17:22 ID:
7SLZ3QkY
騎士「……いや、俺の意思の弱さが招いた結果だ」
戦士「まー仕方ねぇよ。女のあたしでもこいつにはドキっとする時あんだもの」
戦士「男のあんたにぁー無理無理」
勇者「むぅ、緑一点を独り占めなんて」
魔法「ふふふふふ。実に充実した一晩だったよ」
僧侶「ま、魔法使いさん! 不潔です!」
騎士「あれ、俺軽蔑されるかと思ったのに」
戦士「いやもう、魔法使いと二人きりって時点で見えていたオチだからな」
125 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2012/04/07(土) 23:19:07 ID:Ga.c4geE
なぜエロシーンカットしたし