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魔王「……来ちゃったっ」 勇者「えっ」
Part5


829:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/03(日) 05:50:04.26 ID:uIBlg1kT0
勇者(ま、また盗みにっ……! ダメだ! 完全に上に乗っかられた! 身動きとれない!!)
勇者「フガフガ!」
女盗賊「し、静かにしやがれこのバカ! くそっ!」
勇者(ど、どうすれば……! でも動けないし……! ……んっ? なんだこの2つのお山は……)
女盗賊「こ、これで! 黙ってくれ!」パフパフ
勇者「ほわあああ!」
勇者(や、柔らかい! でもなんだこれ! 目の前真っ暗で見えない!)
女盗賊「」パフパフ パフパフ
勇者「ほおおおっ!」コォォォ

833:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/03(日) 05:57:45.66 ID:uIBlg1kT0
勇者「ほあっ……!」ピクッ
勇者「……」
女盗賊(……よ、よしっ! なんとか静かになったみてェだな)
勇者「……」
女盗賊(金目の物……金目の物)ゴソゴソ
勇者「……待ちたまえ」
女盗賊「」ビクッ
女盗賊「な、なんだよテメェ! まだ意識あったのかよ!」
勇者「下らないとは思わないのか? 盗みなど。いやむしろこの世界がくだらないと」
女盗賊「は、はァ? 何言ってんだコラ、頭狂ったのか!?」
勇者「俺は今すごく冷静だ。むしろこんなに冷静な自分が怖い」
女盗賊「な、なななんだよテメェ気色悪ぃ……」

839:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/03(日) 06:05:35.03 ID:uIBlg1kT0
勇者「考えてみて欲しい。そのような下らないことをするより、もっと有意義なことがあると思わんかね?」
女盗賊「……な、なんだよ」ゾワッ
勇者「さ、さっきの……ほら……」
女盗賊「あぁ?」
勇者「……パ、パフパフするやつ! あ、あれは素晴らしい……」
女盗賊「テ、テメェ……中々気持ち悪ぃんだな……」
勇者「い、いいから!! パフパフ! パフパフしてよ!!」
女盗賊「う、うわっ!! なんだよテメェ!! ちょ!! 近づくな!!」
勇者「パフパフしてくれよお!!!!」
女盗賊「う、うわあああ!! 助けて!! 誰か助けて!!!!」
魔王「……そのお望みなら……私が叶えてあげるよ……」フルフル
女盗賊「え?」
勇者「あっ」
魔王「ザキ! ザオリク! ザキ! ザオリク! ザキ! ザオリク!」
勇者「ぐっはぁ! いぇーい! ぐっはぁ! いぇーい! ぐっはぁ! いぇーい!」バタンッ スクッ バタンッ スクッ バタンッ スクッ
女盗賊「お、おい!! や、やりすぎじゃねェか!? 大丈夫なのかそれおいィ!!」

843:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/03(日) 06:13:52.77 ID:uIBlg1kT0
魔王「……ふんっ!!」
勇者「い……いつ……いつから起きてたの……」
魔王「『……待ちたまえ』のあたりから」
勇者「……申し訳ありませんでした」
魔王「あなた!!」
女盗賊「なっ!! えっ!?」ビクッ
魔王「こんな目に会いたくなかったら、今後一切私達を狙わない方がいいよ」
女盗賊「わ、わかってるよ!! こんな目に会うのはもうごめんだ!!」
女盗賊「こ、こんなやつの顔に押し付けられるあたしのスライムがかわいそうだ……」
スライム×2「……」パフパフ
勇者「えっ?」
女盗賊「……じゃ、じゃあなっ!!」ガチャ
魔王「……これが、真実だよ」
勇者「…………か、神様のバッキャロー!!」
魔王「」ツネリ
勇者「あいたたたたたっ!!!!」

846:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/03(日) 06:22:50.90 ID:uIBlg1kT0

勇者「……はぁ、なんかあんまり疲れが取れてない……」
魔王「当たり前でしょっ」
勇者「ううっ……」
勇者「……で、今日はどうする?」
魔王「……そ、だね。ひ、久しぶりに、ゆっくりしよっか! なんて! へへっ」
勇者「え? 特訓は? 次の町までのランニングは?」
魔王「た、たまには無くてもいいんじゃないかなっ? ま、丸一日暇な時があっても!」
勇者「……ど、どうかしたのか? 頭でも打ったか?」
魔王「そんなに私は鬼畜な存在なの?」
勇者「い、いや……いつもと違うから、何かあったのかと思って……」
魔王「べ、別に何もないよっ?」
勇者「そ、そう? ……なら、いいんだけど」

849:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/03(日) 06:26:58.03 ID:uIBlg1kT0
魔王「……」
勇者「……」
魔王「……」
勇者「……な、何もすることがないな」
魔王「そ、そだね!」
勇者「や、やっぱり特訓しようか?」
魔王「……あっ、わ、私! ちょっと宿屋に忘れ物してきちゃった! 取りに行ってくる!」
勇者「えっ?」
魔王「じゃ、じゃあね! そこで待ってて! すぐに戻ってくるから!」
勇者「う、うん……わ、わかったー」
勇者「……なんなんだ?」

851:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/03(日) 06:34:49.92 ID:uIBlg1kT0
宿屋
魔王「……」
魔王「……」カキカキ
ガチャッ
魔王「」ビクッ
宿主「おや? まだいらしたんですか?」
魔王「あ、び、びっくりした……」
宿主「あの、部屋を片づけたいのですが……」
魔王「も、もう少しだけ待ってもらえないかな? それと一つだけ頼みがあって」
宿主「……頼み? なんです?」
魔王「この手紙を……この部屋に置いたままにしておいて欲しいんだけど」
宿主「……手紙? まあ、それくらいなら、別にいいですけど。今日中に受取人は来るんですよね?」
魔王「た、多分」
宿主「……わかりました」

854:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/03(日) 06:40:09.28 ID:uIBlg1kT0
勇者「魔王遅いなー……」
勇者「特訓でもしとこうかなー、暇だな……」
勇者「……」ジャキッ
勇者「やっぱりかっこいいなあ」ニヤリ
勇者「ほっ! そりゃ!」ブンッ
勇者「……ウズウズしてきた」
勇者「特訓……しに行ってもいいよな?」
勇者「町の外なら探せばすぐ見つかるし……魔王なら頭も良いし……俺が特訓したがってたのも知ってるし。
   せっかくの新しい武器を持て余すのももったいないし……」
勇者「……」
勇者「……よしっ!」ジャキッ
勇者「」タッタッタッタ

856:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/03(日) 06:43:08.35 ID:uIBlg1kT0
町の外
勇者「ほっ!」ザシュッ
魔物「ぎゃあっ!」グタッ
勇者「魔王がいないと、一回一回魔物を探し出さないといけないから、効率が悪いな」
勇者「なんだか物足りない……」
勇者「おーい! 魔物ー! でてこーい!」タッタッタッタ
勇者「……うーん」
勇者「これは思ったより時間がかかりそうだな」
勇者「……おーい!」タッタッタッタ

857:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/03(日) 06:46:31.48 ID:uIBlg1kT0
勇者「ハァ……ハァ……なんだこれ……効率が悪すぎる……」
勇者「レベル上げって……こんなにも大変だったのか……」
勇者「これは……一旦魔王のところに戻って手伝って貰った方が……」
勇者「って、えっ!? も、もう夕方じゃん!! いつの間に!?」
勇者「やばいやばいやばい……夢中になりすぎてて気付かなかった……」
勇者「ま、魔王はどうしたんだろう……やばい、きっと怒ってるだろうな……」
勇者「町の外って分からなかったんだろうか……」
勇者「……」
勇者「と、とにかく早く戻らないと!!」

860:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/03(日) 06:57:03.16 ID:uIBlg1kT0
勇者「おかしいな……どこにもいない」
勇者「朝いた場所にもいなかったし……もしかして宿屋にいるのか……?」
勇者「……行ってみよう」
勇者「」タッタッタッタ
宿屋
勇者「あの」
宿主「ん?」
勇者「○○号室って、今人います?」
宿主「……ああ、手紙の受取人かい?」
勇者「はい? 手紙?」
宿主「それなら、部屋に置いてあるから勝手に入っていいよ」
勇者「……えっ?」

862:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/03(日) 07:00:07.04 ID:uIBlg1kT0
勇者「……なんだろうあの人。手紙とか何とかよくわからないこと言ってたな」
勇者「おっ、ここか……」ガチャッ
勇者「おーい、魔王ー! いるかー?」
勇者「……っかしいなー」
勇者「……ん?」
勇者「……て、手紙が置いてある……」
勇者「……」
勇者「……」スタスタ ペラッ
『勇者へ』
勇者「!?」

869:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/03(日) 07:09:47.33 ID:uIBlg1kT0
勇者「……な、なんだよこれ……」カサッ
『ー果たし状ー』
勇者「は? 果たし、果たし状!?」
『よくぞここまで辿り着いた!! 勇者よ!! そのことは褒めてやろう!!
 貴様が今いるその町の隣には、何を隠そう魔王の城が建っているのだ!!
 つまりは栄えあるラストダンジョンへと貴様は後一歩のところまで来ているのだ!! ふははは!!
 そこでだ!! 我はその城にて貴様を待つことにした!! 貴様が真の勇者であると自覚しているのであれば!!
 全力で我の城へと辿り着いてみせよ!! 待っておるぞ!!!! ふーっはっはっは!!
 
                                          魔王より      』
勇者「な、なんだこれ……」
勇者「ってことはなんだ……今、魔王はそこにいるってことなのか?」
勇者「俺に何も言わずに!? か、勝手に行っちまったのか……?」
勇者「…………くそっ!!」
カサッ ヒラ、ヒラ
勇者「……ん? あれっ? もう一枚あるのか……?」

874:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/03(日) 07:25:49.84 ID:uIBlg1kT0
勇者「……」
勇者「……」カサッ
『なんて、まあ、1枚目が魔王の表の顔ってことにしておいて欲しいな。
 そしてこれが、魔王の裏の顔。1枚目に書いてあることは、本当だよ。
 私は今、その町の隣にある私の家にいる。そこで、勇者を待ってる。
 この手紙の訳は、勇者に1つのお願いと2つの謝りたいことがあったから。
 謝りたいことの1つ目は、こんな形で勝手に行ってごめんなさい。どうしても、顔を合わせて言うことができなかったから。
 そして2つ目は、逃げ出してごめんなさい、私は、ある時気付いたの。勇者は、どんどん強くなっていってる。
 そしてその強さが、多分、もう私を超えてるってことに』
勇者「な、なんだって!?」
『それでね、怖くなったの。私が負けるとかそういうことじゃなくて、
 勇者との闘いが、本当に間近に迫ってるんだって思って。
 あのね、こんなこと言うと魔王失格かもしれないけど、裏の顔だから許して下さい。
 私ね、もう勇者のことをただの勇者として見れなくなってるんだ。
 きっとね、私には勇者を本気で倒そうとか、そういうのはできないと思う。
 もう、闘うことはできないと思う。だからね……これが、お願いしたいことなんだけどね、
 勇者の方から、私を倒しに来てほしい。私は勇気が無くて、勇者の元へは行けそうにないから、
 勇者の方から私のところへ来て欲しい。そして……私の命を、奪って欲しい。
 それが、勇者にお願いしたいこと。……じゃね、一方的でごめんね、旅、すごい楽しかったよ。
                                           魔王より      』
勇者「は? ……何言ってんだよ……」
勇者「……ふざけんなよ!! ……」グシャッ

880:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/03(日) 07:34:12.03 ID:uIBlg1kT0
勇者「……そんなの……そんなの俺だって同じなんだよ……」
勇者「勝手なこと言ってんじゃねぇよ!!」
勇者「俺だって……俺だって……」
勇者「くそおおおおおおおっ!!!!!!」ダッ
宿主「あ、お客s」
勇者「ふざけんなああああああ!!!!!!」タッタッタッタ
宿主「あっ……ふう、これでやっと掃除できるよ」
宿主「……ん?」
宿主「……なんか、床に水滴が落ちてるな……」
宿主「……ま、いいか、サッと拭いておこう」

881:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/03(日) 07:38:46.10 ID:uIBlg1kT0
勇者「おおおおおおおっ!!!!!!」ズバッ
魔物「ぎゃああ!」
勇者「」ヒュッ クルッ
勇者「どけええええ!!!!!!」ザシュッ
魔物「ぎえええっ!」
魔物「ガァァッ!」ザシュッ
勇者「ぐっ!! いってえ……」
魔物「グガアアアッ!!!」
勇者「くそっ……くそおおおおお!!!!!!!」ザシュザシュッ
魔物「グフッ!!」
勇者「ふう……ふう……」タッタッタッタ

882:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/03(日) 07:44:29.96 ID:uIBlg1kT0
勇者「おりゃあああ!!!!!」ザシュザシュザシュ
魔物「がはっ!!」
勇者「……もうちょっとだ……もうちょっとのはずだ……!!」タッタッタッタ
『魔王「ザオリク!」』
勇者「くっ……なんなんだよ……ちくしょう……」タッタッタッタ
『魔王「メラミ!!」』
勇者「うおおおおおおおおおお!!!!!」ズバァッ
魔物「ぎっ!!」
勇者「……ぜえ……ぜえ……」タッタッタッタッタッタッタッタ

884:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/03(日) 07:49:24.14 ID:uIBlg1kT0
ッバーン!!
勇者「はぁ……はぁ……やっと……着いたか……」
魔王の城
勇者「……魔王は、どこにいるんだ……」
勇者「やっぱり……最深部だよな」
勇者「……行くしかないか……」
勇者「……」
勇者「」タッタッタッタ

903:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/03(日) 08:41:04.82 ID:uIBlg1kT0
最深部
魔王「勇者は……きっと勇者は今ここに向かって来てくれてる……」
魔王「あの手紙を読んで……私の……私の命を奪いに……」
魔王「……ぐすっ……あっ、ダメ……ぜ、絶対……」
魔王「泣がないっで……決めだんだから……」ウルウル
魔王「うぅっ……勇者ぁ……私……私……」
魔王(ダメだ……私……今更、あの手紙に書いたことを……後悔し始めちゃってる……)
魔王(殺してなんて……そんなの……いや、嫌だっ……嫌だよ……勇者ぁ)

904:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/03(日) 08:41:30.81 ID:uIBlg1kT0
勇者「はぁ……はぁ……」タッタッタッタ
勇者「もうちょっとだ……あと少しで魔王に……!」タッタッタッタ
勇者「くっ……さすがに……疲れてきたな……」タッタッタッタ
勇者「ん? ……あの扉は……」タッタッタッタ
勇者「おりゃああっ!!」
バーンッ
魔王「……ゆ、勇者……」
勇者「ハァ……ハァ……」
勇者「ぐっ……ハァ……ハァ……やっと……やっと見つけたぞ……魔王!!」

905:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/03(日) 08:41:53.86 ID:uIBlg1kT0
魔王「ゆ、勇者!」
勇者「お前を……お前の望み通り!!」
魔王「ま、待って!!」
勇者「俺は……お前を……倒しに来たんだ!!!!」
魔王「待って!! 待って勇者!!」
勇者「待てるかよ!!!! せっかく決めた覚悟を!!!! 揺さぶるつもりか!!!!」
魔王「でも!! でもっ!! わた、私!! やっぱり……!!」
勇者「うおおおおおおおおおおおおっ!!!!!!!!!」
勇者「まおおおおおおおおおおおおおおおおおおうっ!!!!」タッタッタッタ
ザシュッ!!
魔王「!! ゆ……勇……者……」

908:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/03(日) 08:42:41.68 ID:uIBlg1kT0
勇者「ハァー……ハァー……」ヒュー
魔王「……」
勇者「……」ジャキッ
魔王「……ゆ、勇、者?」
魔王(あ、あれ……? 私……斬られてない……?)
勇者「今こそ魔王は死んだ!!!!! そして我が目的は達成された!!!!! 今、この瞬間に!!!!!」
勇者「しかし!!!!! まだ終わっていない!!!!!」
魔王「えっ……?」
勇者「我の言葉を聞け!!!! 屍と化した魔王よ!!!!!」
魔王「ゆ、勇者?」
勇者「我は!!!!! 一つだけ魔王に言い忘れていたことがある!!!!」

909:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/03(日) 08:43:10.42 ID:uIBlg1kT0
勇者「……」スタスタ
魔王「えっ? ちょ、ちょっと、何?」
勇者「……魔王」
魔王「……な、何?」
勇者「……好きだ」ニコッ
魔王「……えっ!?」
勇者「……俺は、魔王が、好きだ」
魔王「……ゆ、勇者……?」
勇者「だから、ずっと俺の側にいてくれないか。魔王」

911:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/03(日) 08:43:36.89 ID:uIBlg1kT0
魔王「……そ、そんなの……無理……無理だよっ!!」
勇者「……無理じゃないさ」
魔王「む、無理無理!! 無理だよ!!」
勇者「どうして?」
魔王「わ、私と勇者は、魔王と勇者で!! 勇者が魔王の城に辿り着いたら!! 魔王を倒さなくちゃいけなくて!!」
勇者「……」
魔王「そういう風に運命が決まっていて!! それは誰にも覆せなくて!! だから、だから……!!」
勇者「それがどうした!!!!!!!!」
魔王「」ビクッ
勇者「……忘れたのか!!!!! 少なくとも!!!!!! 俺はその『普通』とやらを!!!!! 威風堂々と侵したやつを知っている!!!!!!!」
魔王「えっ? えっ?」
勇者「お前のことじゃないか!!!!! 魔王よ!!!!!!!!」

913:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/03(日) 08:44:39.63 ID:uIBlg1kT0
勇者「……だから、俺は確認しなければならないことと、行動しなければならないことが一つずつある」
勇者「魔王よ、……貴様は、勇者に負けた!! しかしその因果関係は断ち切れまい!!
   幾千幾万と倒し倒されの関係が続いてきたのだ!! ここで終わりな訳がない!!」
勇者「そこで魔王に問う!! 魔王は、勇者より弱いか!!」
魔王「……な、なにを」
勇者「弱いのか!!!!」
魔王「……よ、弱いよ!! 私は勇者に負けたんだもん!!」
勇者「…………そうか」フッ
魔王「な、なに!? なんなの!?」

915:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/03(日) 08:45:18.58 ID:uIBlg1kT0
勇者「ではお前のすべきことはただ一つだろう!!!!」
魔王「す、すべきことって…………ハッ!!」
勇者「そうだ!! この俺を倒す!! その目的を持って!! 旅に出ろ!!
   弱き者が強き者を打ち砕き、世の支配層を覆すこの戦争を!! 再び魔王の手により、復活させてみせろ!!!!」
魔王「……ゆ、勇者……」ブワッ
魔王「勇者……!!」
勇者「これで確認は終えた!!!! 残るは、行動のみ!!」
勇者「……魔王、そこで、待っててくれ」
魔王「うん! ……うんっ!!」

917:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/03(日) 08:46:21.34 ID:uIBlg1kT0
ガチャッ
勇者「……来ちゃったっ」
魔王「……勇者ぁっ!!!!」ダキッ
終わり