Part7
237 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/10(土) 23:12:46.84 ID:
M/aPIXcv0
魔人「・・・・・・・・・」
姫様「・・・あの、ねーちゃん・・・?」
魔人「・・・・・・・・・」
姫様「・・・こ、腰が、好きなの・・・?」
魔人「・・・・・・・・・」ブチーンッ
姫様「・・・っ!い、いま、すっごい怖い音が、聞こえた、ような・・・」
魔人「・・・姫様」クルリ
姫様「ひぃ!?つ、冷たい!!冷たすぎるぞその顔っ!!??」ガクガク
魔人「・・・あら、冷、たいん、ですかぁ・・・?」ゴゴゴゴゴ
姫様「お、落ち着くんだねーちゃん・・・、あの、足!足悪くなるか、ら・・・」
魔人「大変ですねー、冷たいなんて。暖めてあげましょう」
魔人「あなたのために、魔法を、使いましょう」パチン
姫様「待て、大丈夫!冷たくない!ベリーホット!いや汗だくで熱い熱ぅぅぅぅぃぃぃい!!??」
238 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/10(土) 23:15:53.31 ID:rTnijOju0
魔人ちゃん、やっちゃってください
239 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/10(土) 23:16:27.20 ID:A2xY9EfAO
ひぐらし()の羽生みたいな角したので脳内再生
250 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/10(土) 23:49:59.17 ID:itvfHtbbO
>>239
羽生×→羽入○
人の嫁の名前勝手に間違えるな。
240 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/10(土) 23:24:56.49 ID:
M/aPIXcv0
ーーー城・廊下
魔人「・・・すいません、帰りまでおぶってもらって・・・」
兵士「い、いえ、気にしないで・・・」トボトボ
魔人「・・・ふ、服まで、、借りてしまって」
兵士「い、いいんです、ただのシャツですし、姫様のじゃ、着れないでしょうから・・・」トボトボ
魔人「・・・・・・・・・」
兵士「・・・・・・・・・」トボトボ
魔人「・・・な、何故、黙るのですか・・・」
兵士「い、いえ、決してそんなことは・・・」トボトボ
魔人「・・・浴室へ行けば、私の服がありますから・・・、寄ってもらえれば・・・」
兵士「あ、じゃあその服を姫様の部屋へ持ってきたほうが、良かったですね。すみません」トボトボ
魔人「い、いえ、助かりました。その、そっちには下着もーーー・・・って」
兵士「ーーー!」カァァ
魔人「・・・なな、なんでもありません・・・!」カァァ
兵士「そっ!そそそうですか・・・!」トボトボ
241 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/10(土) 23:27:09.08 ID:E9IqpfI8O
エロ展開どんどんこい
242 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/10(土) 23:29:46.32 ID:jimVL6cp0
兵士は役得だなーいいなーくそが
243 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/10(土) 23:30:00.37 ID:
M/aPIXcv0
ーーー翌朝。メイド館・自室
チュンチュン
魔人「・・・結局、一睡も出来なかった・・・」
魔人「・・・・・・・・・」
魔人「・・・彼には、とんでもない迷惑をかけてしまいましたね・・・」
魔人「それに、あんなところを・・・」
魔人「〜〜っ」バッ!
魔人「・・・死んでしまいたい・・・、このまま死んでしまいたい・・・」バタバタ
メイド「・・・おはよ〜っス。あ、やっぱりここにいたっすか。ふあぁ」
魔人「・・・お、おはよう」
メイド「雑魚寝したままメイド長に起こされて、皆で片付けしてきたっス・・・」
メイド「・・・姫様が居なかったのが納得いかねーっスよねぇ。後で、王様にチクろ」
魔人「・・・今は、あの方のお名前はださないでください・・・」
メイド「・・・?なんか、あったんスか?」
245 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/10(土) 23:40:00.65 ID:
M/aPIXcv0
メイド「・・・あれぇ?この湿布、どーしたんスかぁ?」
魔人「あ・・・、昨日あなたが落ちた後、ちょっと」
メイド「えぇ?大丈夫なんスか?どんくらい・・・」
魔人「軽いそうです。一日湿布貼っておけば大丈夫だと」
魔人「・・・丁度、休みで良かった。いきなりお仕事を休むわけにも行きませんからね」
メイド「大したこと無くて、よかったっスねぇ。どこで転んだんスか?」
魔人「・・・い、いろいろです。本当に、色々ありまして・・・」バタバタ
メイド「ふーん?まぁ、深くは聞かないっスが・・・。・・・ばふぅ。ベッドはいーっスねぇ〜」ボスン
メイド「あー・・・、もう一眠り、するっスかねぇ・・・」
魔人「それなら、私は出ますよ。ごゆっくり」
メイド「えー?いーっスよ気ぃ使わなくて・・・。あっ、そうそう、ねーさんねーさん!」ギシ
魔人「なんです?」
メイド「あの、昨日、私が寝た後なんスけど・・・」
メイド「兵士さんと、一緒に居たっスよね?」
247 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/10(土) 23:46:54.68 ID:
M/aPIXcv0
魔人「ぶふぅ!」
メイド「ど、どーしたんスか?」
魔人「・・・いえ、なんでも・・・」ゴシゴシ
メイド「はぁ・・・。で、どーなんスか?居たっスよね?」
魔人「え、ええ、まぁ・・・。ザル同士、お酒を頂きました」
メイド「いーなぁ、ねーさん。お酒強くて。私、すーぐ眠くなっちゃうんスよねぇ・・・」
魔人「・・・そ、そんな良くも、ありませんよ」
メイド「はぁ、やっぱり、兵士さんお酒超強いんだな・・・」
魔人「・・・ええ、彼は、強かったですね。かなり」
メイド「・・・まっ、出来ねーこと言ってても仕方ねーっス!本題はここからなんスけど・・・」
メイド「・・・彼、私のことなんか言ってなかったっスか!?」
魔人「え・・・、なにをですか?」
メイド「なんでもいーんスよぉ。ただ、私のこと、なにか話さなかったかって・・・」
魔人「・・・い、言ってなかったと思いますが・・・」
248 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/10(土) 23:46:57.92 ID:rnCeYUphO
阿修羅bar?
怖そうな飲み屋だな
249 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/10(土) 23:47:08.78 ID:rTnijOju0
あわわわわわわわ!
やっぱ、魔人ちゃん連れてかえるうぅぅぅぅぅ
253 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/10(土) 23:53:07.02 ID:
M/aPIXcv0
メイド「・・・ちぇっ、なぁんだ。まだまだアピールが足りないっスかねぇ・・・」
魔人「・・・あ、アピール、ですか?」
メイド「ええ。・・・ねーさん、誰にも言っちゃ、駄目っスよ・・・?」
魔人「なにを・・・?」
メイド「これから言うことをっスよぉ。耳、貸してっス」チョイチョイ
魔人「・・・?ええ・・・」
メイド「・・・いーっスか。絶対、ぜーったい内緒っすからね?」
魔人「・・・ええ、分かりました」
メイド「・・・私、彼のことが、好きなんスよ」ボソッ
魔人「ーーーっ」
ーーーその瞬間。
私のお腹の中に、
とてつもなく重くて冷たい氷の塊が、
ズドンと落ちた。
255 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/11(日) 00:02:22.58 ID:
hoXyjvcT0
ーーー一瞬で蘇る、昨夜の記憶。
彼と話したことの、一音一句が、
まるで録音したテープレコーダーのように再生し、流れる。
メイド「・・・だから昨日は、惜しいことしたなーって」
魔人「・・・す、き?」
メイド「あぁー、私もねーさん見たく、お酒が強ければなぁ・・・」
魔人「・・・かれの、ことが・・・」
メイド「・・・そうそう、で、なんの話しました?昨日!」
魔人「・・・っ」
メイド「彼のこと、実はよく知らなくて・・・、話す機会もなかなか無いっスから・・・」
メイド「・・・何でもいいんス!助けると思って!この通り!!」
魔人「私は・・・」
魔人「・・・覚えて、いません」
ーーーとっさに、嘘をついた。
257 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/11(日) 00:11:59.05 ID:
hoXyjvcT0
魔人「・・・っ!違っ・・・」
ーーー何故、嘘をついたのか。分からない。
ただ、とっさに、昨日の私と彼との会話を、
知られたく、なかった。
彼女に教えることを、私の体のどこかの部分が、
拒否している。
メイド「・・・そっスか。残念っス・・・。ねーさんも、潰れちまったんスか?」
魔人「・・・はい、実は」
メイド「なーんだ、それじゃ仕方ないっスねー。他をあたるしか・・・」
魔人「・・・き、昨日は・・・!」
メイド「はい?」
魔人「・・・皆さん、潰れてしまっていたから、彼は、一人だったのでは・・・?」
魔人「一番お酒が強いのは、彼、なんですから・・・」
メイド「・・・なるほど。じゃー、意味ないっスねぇ・・・。はぁ。残念」
ーーー焦る心とは反対に、口からは、淡々と嘘が溢れる。
次々と吐き出す嘘の苦さを噛み締めながら、
私は体をくの字に折り曲げて、叫びそうになるのを堪える。
258 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/11(日) 00:17:49.13 ID:
hoXyjvcT0
魔人「・・・っ」
メイド「・・・ねーさん?どーかしたっスか?」
魔人「・・・すいません、気分が・・・」
メイド「えぇ!?大丈夫っスか?すぐトイレに・・・」スッ
魔人「・・・!」
パシンッ
メイド「・・・え」
魔人「・・・あ」
メイド「・・・ねーさん・・・?」
魔人「・・・た、ただの二日酔いですから。大丈夫です」
メイド「でも、足も悪いのに・・・」
魔人「・・・本当に、大丈夫ですから」
魔人「・・・あなたは、寝ていてください。・・・では」
メイド「は、はぁ。じゃあ・・・。お大事に・・・」
259 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/11(日) 00:26:39.07 ID:
hoXyjvcT0
魔人「ーーーげほっ」
ーーー便器に向かって、吐いた。
吐いても吐いても、お腹の中の氷は外へと出てくれず、
ますます、重さと冷たさを増していった。
魔人「・・・はぁ、っは、ぁ・・・」
ーーー手を振り払ったときの、彼女の表情が、
まぶたにこびりついて離れなかった。
まだあどけなさの残るその顔に、あんな怯えた表情を乗せたのは、
私だ。
魔人「はぁ、は・・・、・・・う、うぅ、う、く・・・」ボロボロ
ーーー何故だろう。
彼女は初めて会ったとき、あんなに幸せそうにチョコレートを齧っていたはずなのに。
何故だろう。
そんな彼女に、恥ずかしげも無く嘘をついて、あんな表情をさせてしまって。
魔人「・・・うぅ、うぅぅううぅぅぅうぅうぅぅぅぅ・・・っ!!」ボロボロ
ーーー何故だ。
何故あの優しい手を、振り払ってしまえたのだ。
魔人「・・・うぅっ・・・うぅうぅぅわぁぁぁぁぁぁぁっ・・・!!!!」ボロボロ
ーーー私が、『魔人』だからか。
260 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/11(日) 00:29:30.84 ID:HCP+5VB+O
せつない…
261 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/11(日) 00:29:52.69 ID:OJ795AVh0
あ、あるぇー?
魔王のときとは全然違うくなってきたぞ…
262 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/11(日) 00:30:31.31 ID:tR0wab1O0
ま、視点が変われば、視点以外も変わって見えるもんだ
つまりは支援
263 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/11(日) 00:31:15.58 ID:lugqDfWIO
こういうときこそ
優しく抱き締めるぜ!
メイドのほうを
265 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/11(日) 00:40:20.07 ID:
hoXyjvcT0
魔人「・・・・・・・・・」ゴシゴシ
ーーー彼女と目を合わせるのが辛くて、城内を散歩することにした。
昨日は忙しなく人が行きかっていたのに、今日はもぬけの殻。
大方皆、昨日の酒盛りで疲れて眠っているのだろう。
魔人「・・・・・・・・・」
魔人「・・・そうだ、彼のシャツは・・・」
魔人「・・・っ。・・・後で、誰かに頼んで届けてもらいましょう・・・」
魔人「とにかく、今は・・・」
兵士「・・・あれ?魔人さん?」
魔人「ーーー」
兵士「どうしたんですか?・・・面白いでしょ、誰もいない城って」
兵士「早く目が覚めたから、散歩しているところなんですよ、俺。魔人さんも?」
魔人「・・・どう、して」
魔人「・・・どうして、このタイミングなんですか・・・」
268 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/11(日) 00:44:40.61 ID:
hoXyjvcT0
兵士「え?」
魔人「・・・いえ」
魔人「私も、そのようなところです」
兵士「・・・?あれ、なんか顔、青くないですか?」
魔人「・・・っ、実は、二日酔いで、少し・・・」
兵士「へぇ、大変だなぁ。お酒強いって聞いてましたから、昨日の・・・」
魔人「・・・・・・・・・」
兵士「・・・いえ、失礼」
魔人「・・・なぜ、謝るのですか」
兵士「え?あ、いや、その・・・。流石に、無礼を重ねすぎたかと・・・」
魔人「・・・シャツ」
兵士「へ?」
魔人「シャツ、洗ってお返ししますね。では・・・」タタッ
269 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/11(日) 00:50:08.52 ID:
hoXyjvcT0
兵士「あの、ちょっ、・・・魔人さんっ!」
魔人「・・・!」ビクッ
兵士「・・・あの、大声出してすいません。・・・ですが、その」
兵士「・・・また、酒に付き合ってもらっても、よろしいですか・・・?」
魔人「・・・・・・・・・」
兵士「昨日、あなたと飲んだ酒は、その・・・」
兵士「・・・旨かったので」
魔人「・・・ッ」
兵士「も、もしよろしければなんですけど、はは・・・」
兵士「・・・や、やっぱり困りますよね。その、あなたには楽しくなかったかも・・・」
魔人「・・・楽しかったに・・・」
兵士「え?」
魔人「・・・楽しかったに、決まってるじゃないですか・・・」ボソッ
ーーー氷は融けずに、お腹の中にいる。
重さと冷たさを持って、そこにいる。
271 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/11(日) 00:56:50.42 ID:
hoXyjvcT0
兵士「今、なんて・・・」
魔人「・・・失礼します」タタッ
兵士「ま、魔人さん・・・?おーいっ・・・」
ーーー彼への感情は、理解できないものだった。
昨日の湯船の中から感じていた感情だ。
それは、彼の背中で彼の体温を感じていた時から、
さらに熱いものとなっている。
私はこんな感情を持ったことが無かった。
初めてなのだ。これがなんなのか、分からない。
分からないからこそ、怖い。
怖くて、彼から逃げる。
魔人「・・・はぁ、はぁ」ピタリ
魔人「・・・はぁ、はぁ、はぁ・・・」ズズ・・・
ーーーいっそ、この熱が、私のお腹の氷ごと、
嘘まみれの醜い私の体を、
すべて燃やし尽くしてしまえばいいのに、と思った。
その死に方はたぶん、とても安らかで、気持ちのいいものだから。