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魔人「・・・間違いでは?」
Part5


143 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/10(土) 15:41:47.09 ID:M/aPIXcv0
姫様「・・・酷い目にあった」
メイド「お疲れさまっス・・・」
姫様「ったくよぉコイツにだけは飲ませるんじゃねぇよ・・・」
兵士「遠ざけといても、いつの間にか缶持ってるんですよ・・・」
姫様「ああもう、酔うに酔えねー・・・」カシュッ
女兵士「・・・zzz」ムニャムニャ
魔人「・・・愛されているんですね」
姫様「・・・まぁな、姫だし」ゴクゴク
魔人「言い切りますか」
姫様「・・・ぷはっ。だって、事実だかんなー」
姫様「姫として生まれた私は、愛される運命なんだよ」
姫様「・・・自慢じゃねぇぞ?どーとって貰っても、けっこーだけどな」
魔人「・・・・・・・・・」

144 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/10(土) 15:50:50.72 ID:M/aPIXcv0
姫様「・・・・・・・・・」
姫様「・・・気持ち悪い・・・」
魔人「えぇっ!?もう!?ど、どうしていつもいつも管理して飲めないのですか!?」
姫様「後先考えないのも・・・、うぷ、これヤバい・・・」
魔人「ちょ、が、我慢してくださいよ!?だ、誰か洗面器を!」
王様「・・・・・・・・・」
先輩A「・・・・・・・・・」
先輩B「・・・・・・・・・」
先輩C「・・・・・・・・・」
魔人「全員潰れてる・・・!?なんでこう揃いも揃って酒に弱いんですか!?」
勇者「おい」
魔人「大変ですよ、勇者さん、姫様が・・・」
勇者「俺、寝るから」
魔人「畜生駄目人間がっ!!」

146 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/10(土) 16:03:23.87 ID:M/aPIXcv0
兵士「姫様もお酒弱いですからね・・・」
魔人「ど、どうしましょう。とりあえずトイレに・・・」
メイド「ねーさん、とりあえずそっちの腕持って・・・」
姫様「・・・うぅぅ」
魔人「もう少し我慢できますか?トイレまで・・・」
姫様「がんばる・・・」
兵士「じゃあ、俺がおぶっていきましょう」
姫様「うぃ〜・・・、兵士、頼んだ・・・」
兵士「お任せくださいー・・・」タッタッタ・・・
魔人「・・・ふぅ。どこぞの不良勇者と違って、頼りになる青年ですね」
メイド「・・・か、かっこいい・・・」
魔人「・・・へ?」
メイド「やっぱ、カッコいいっスよねぇ、彼・・・。そう思わないっスか!?」
魔人「へっ、あ、まぁ、カッコいい、ですね・・・」

148 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/10(土) 16:10:34.11 ID:M/aPIXcv0
メイド「なんなんスかねぇ、なんか・・・、兵士の中の兵士というか・・・」
魔人「そ、そうですか・・・?」
メイド長「・・・あらあら?姫様は?」
魔人「吐き気を催したので、兵士さんに連れられてトイレに」
メイド長「あらあら。それなら心配要りませんね。では、私は部屋に戻りますので・・・」
魔人「え、は、はい。・・・この惨状、どうしましょうか・・・」
メイド長「放って置いて大丈夫ですわ。では、おやすみなさい」スタスタ
魔人「・・・メイド長、お酒強いんですか・・・?」
メイド「・・・いや、それはもう恐ろしいので、頑なに皆飲ませないだけっス・・・」
魔人「・・・そ、そうですか・・・」
メイド「・・・と、言うわけで、私も、限界、っス・・・」ガクン
魔人「あ・・・」
魔人「・・・・・・・・・」
魔人「・・・なにこのカオス・・・」

150 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/10(土) 16:16:06.66 ID:M/aPIXcv0
勇者「・・・ぐー、ぐがー」
王様「ごー、ごー」
女兵士「・・・zzz」スースー
メイド「・・・ぐぅ、むにゃむにゃ・・・」
魔人「・・・結局、一人酒ですか・・・」カシュッ
魔人「・・・ん」
魔人「・・・ぷはぁ。まったく、下戸が集まって、なにが酒盛りですか・・・」
魔人「・・・・・・・・・」ゴクゴク
魔人「・・・ふぅ。・・・酔えないというのも、損なものです・・・」
兵士「・・・あ、あれ?みんな寝ちゃったんですか?」
魔人「・・・あ、違っ、あぅ、コレはその・・・!」
兵士「あー大丈夫大丈夫、分かりますよ。全然飲んだ気になれないでしょ?」
兵士「俺も、いっつも余るんですよ。酔えないのって、損ですよね」ストン
魔人「・・・・・・・・・」

151 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/10(土) 16:27:25.04 ID:M/aPIXcv0
魔人「・・・あ、姫様は・・・」
兵士「姫様なら、少し戻した後寝てしまったので、部屋に送っておきました」
兵士「こっちに戻ってくるよりも、お部屋のほうが近かったので」カシュッ
魔人「そうですか、ご苦労様です」
兵士「いえいえ。・・・あ、かんぱーい」
魔人「え、は、はい。か、乾杯」
カツン
兵士「・・・・・・・・・」ゴクゴク
魔人「・・・・・・・・・」チビチビ
兵士「・・・ふはぁ。やっぱり、誰かと飲むってのは、いいもんですねー」
魔人「・・・まったくです。いつもいつも、一人酒しか出来なくて・・・」
兵士「あはは、お酒強そーですもんね。・・・いやーでも助かった。こんな綺麗な人にお相手してもらえて」
魔人「おっ、お相手だなんてそんな・・・、滅相もないです・・・」

152 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/10(土) 16:33:13.12 ID:M/aPIXcv0
兵士「こちらに住むことになったんでしたよね?」
魔人「ええ。・・・まったく何から何まで、お世話になりっぱなしで・・・」
兵士「いえいえ。それに、メイドさんとして働かれるなら、むしろお世話になるのはこちらのほうです」グビグビ
魔人「はぁ・・・、そう言っていただけると・・・」
兵士「確か、条約で住むんですから、無理に働く必要は無いはずでしょう?」
魔人「・・・王様達にも言われましたが、流石に肩身が狭いので・・・」ゴクゴク
兵士「そんな、気にしなくていいのに」
魔人「・・・ぷは。気にしますよ、流石に。それに、暇を持て余す性分なんです」
魔人「家事は元々好きですから、こちらとしても都合がいいんですよ」
兵士「はぁ、そうですか。・・・真面目なんですねぇ」
魔人「・・・この城の人たちが、不真面目すぎるんだと思いますが」
兵士「あはは、言い返せませんね、それ」
魔人「・・・・・・・・・」ゴクゴク
兵士「・・・ん」グビグビ

159 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/10(土) 17:12:28.46 ID:M/aPIXcv0
兵士「・・・どうですか、ここでの生活は」
魔人「・・・まだ、二日しか経っていませんから、なんともいえませんが・・・」
魔人「思っていた以上に、楽しいです」
兵士「・・・それは良かった」
魔人「・・・正直、ここまで受け入れてもらえるとは、思っていなかったのです」
兵士「え・・・」
魔人「私は、『魔人』です。そしてあなた方は、『人間』です。私は・・・」
魔人「・・・少なくとも私は、あなた方を『人間』と括れる程度には、区別していました」
魔人「文化は違うし、感情も違う。別々の種族なのだから、と、思っていました」
兵士「・・・過去形、ということは?」
魔人「・・・んっ」グビッ
魔人「・・・ふは。よく、分からないのです」
兵士「・・・・・・・・・」
魔人「あなた達はそれくらい、素直に私を受け入れてくれているので・・・」

160 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/10(土) 17:18:24.50 ID:M/aPIXcv0
ーーー自分たちは別々の種族。それはもう、当たり前に、違う。
     共通点はあっても、決して『同じ』ではない。
     不思議だった。『同じ』ではないものが、さも『同じ』ように生活しているのかが。
     どれだけ『同じ』に見えたところで、それは、『そう見えるだけ』で、
     まったくの別物なのでは、ないのだろうか。
兵士「・・・ん」ゴクゴク
魔人「・・・・・・・・・」
兵士「・・・ぷは。・・・僕らも、別に区別していないわけではありませんよ」
魔人「え・・・」
兵士「これは、物凄く変な言い方ですけど・・・、『ちゃんと、差別しています』」
魔人「・・・どういう、ことですか」
兵士「僕は、あなたのことを『魔人』だと思っていますし、面と向かって『あなたは魔人です』といえます」
兵士「それが、あたりまえだからです。あなたは『魔人』だし、僕は『人間』です」
魔人「・・・・・・・・・」

164 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/10(土) 17:40:17.66 ID:M/aPIXcv0
兵士「僕らは別に、あなたを『人間』扱いしようとも、気を使って『魔人』扱いしないようにもしていません」
兵士「・・・なのになぜここまであなたを受け入れる・・・、失礼。受け入れる、というのは変ですね」
兵士「そうだなぁ・・・、『一緒に居る』って感じでしょうか」
兵士「僕らは別の種族なのに、こうも自然に、一緒に居られるのだと思いますか?」
魔人「・・・どうしてでしょう」
魔人「やはりどちらかが、無理に合わせているからでしょうか・・・」
兵士「・・・違いますよ」
兵士「同じなんです、結局。『魔人』も『人間』も、同じ」
魔人「・・・同じ?」
兵士「食べますし、寝ます。お酒も飲みます。話して笑って、呆れます」
兵士「誰かを想ったり、心配したり、怒ったり、そしてまた、笑ったり・・・」
兵士「・・・僕らの違いなんて、そんなに多くあるわけじゃないんですよ、きっと」
魔人「・・・・・・・・・」

167 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/10(土) 17:47:16.21 ID:M/aPIXcv0
兵士「・・・それでも、『魔人』と『人間』、分かれているのだから、まったく同じではないんでしょうね」
兵士「そうだなぁ・・・」
兵士「・・・似ている、というのは、どうでしょう?」
魔人「ーーーっ」
ーーー似ている。
     私とあなたは、似ている。
     『魔人』と『人間』は、『同じ』ではなく・・・、
     似ている。
     一緒に居れば、一緒に見える。
     それは、別物ではあっても、
     偽物では、ない。
兵士「・・・なぁんて、はは。ちょっと、説教臭かったですね。すいません」
魔人「・・・いえ。非常に参考になりました」
兵士「そうですか?なぁんだ、もっと楽しい話がしたかったのに」グビッ
魔人「私は、『人間』のことは、よく分かりませんから・・・」

170 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/10(土) 17:55:11.63 ID:M/aPIXcv0
兵士「なにか、好きなことはないんですか?趣味とか」
魔人「趣味は・・・、掃除と、洗濯と、お料理と・・・」
兵士「・・・ほんと、真面目な方なんですね、あなたって」
魔人「真面目だなんて、そんな・・・。ただ、ほんとに好きですから・・・」
兵士「もっと、自分勝手な趣味はないんですか?自分にするための趣味とか・・・」
魔人「・・・お風呂が、好きです」
兵士「お風呂?温泉じゃなくて?」
魔人「ああ、いや・・・、温泉も好きです。唯一、のんびり出来るところかも」
兵士「へぇ・・・。もっと普段から、のんびりすればいいのに」
魔人「そういう性分なんです。無理してるとか、そういうわけではないので、こればっかりは」
兵士「なるほど。・・・じゃあ、城の大浴場はもう入りました?」
魔人「いや、実はまだ・・・。興味はあったんですけど、言い出せなくて・・・」
兵士「言ってくれればいくらでも案内しますって。ただお湯張ってるだけですが、広くていいですよ」

171 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/10(土) 18:03:42.47 ID:M/aPIXcv0
魔人「・・・そうですか。いいですね、楽しみ」
兵士「確か自由に使って良いはずだから、お好きなときにどうぞ」
魔人「昨日はシャワーを頂いただけでしたから・・・」
兵士「・・・気になります?大浴場」
魔人「・・・じ、実は物凄く・・・」ウズウズ
兵士「はは。本当に好きなんですねぇ・・・」グビッ
魔人「お、お恥ずかしいです・・・」
兵士「いやいや、気にしないで。・・・そうだ、今から入ってきてはどうですか?」
魔人「え・・・、い、いいんですか・・・?」
兵士「ええ。僕ももう、寝るだけですし。・・・あ、僕は兵舎の風呂を使うので、気にしないでいいですよ」
魔人「そ、そういうわけではなく・・・、せっかくの大浴場を、一人で使うなど・・・」
兵士「あはは、むしろ、一人で使うからいいんじゃないですか?」
兵士「大浴場を、独り占め。今しか出来ないかも」ピンッ
魔人「・・・あ」

172 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/10(土) 18:05:36.12 ID:tTVtLKJIO
きっとゲームとかでいうエルフなんだろうな

173 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/10(土) 18:10:10.41 ID:M/aPIXcv0
兵士「・・・お」
魔人「・・・あ、い、いや・・・。・・・ん」ゴクゴク
魔人「・・・っぷは。えっと、その・・・」ウズウズ
兵士「・・・はは。良いじゃないですか、我慢しなくて。・・・ん」グビグビッ
魔人「・・・・・・・・・」
兵士「・・・ぷは。・・・よっと、それじゃ」カラン
魔人「・・・ど、どちらに?」
兵士「大浴場の鍵、取って来ます。ザルですから、酒盛りのときの鍵当番はいつも俺なんです」
魔人「そ、そんな!じ、自分で行きま・・・、あっ」フラッ
兵士「・・・っとと」ダキッ
魔人「・・・!」
兵士「あっ・・・、し、失礼。大丈夫ですか?」
魔人「・・・え、ええ・・・、ご、ごめんなさ・・・い」ドキドキ

174 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/10(土) 18:12:02.31 ID:rnCeYUphO
ん〜いいねぇ
魔人さん可愛いよ魔人さん

175 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/10(土) 18:13:59.43 ID:AvKScaE40
エロ展開にいつのまに突入したのかと焦ったしえんn

176 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/10(土) 18:14:08.10 ID:rTnijOju0
わぁぁぁぁぁぁああああ!!!!!
魔人ちゃん!!!な、何?ドキドキって

177 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/10(土) 18:14:11.39 ID:u6hPUj3+P
ドキドキ

178 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/10(土) 18:28:05.24 ID:eiFNde7EO
支援。

179 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/10(土) 18:45:37.31 ID:M/aPIXcv0
兵士「・・・いえ。倒れなくて、良かった」スッ
魔人「な、なんでだろ、こんなこと・・・。わ、私も、ザルですから、こんなこと・・・」
兵士「・・・もしかして、友人と飲む酒はなんちゃら、っていう」
魔人「・・・あぅ」
兵士「・・・はは、嬉しいです。あなたを酔わせることが出来て」
魔人「・・・っ。よ、よよよよくそんな、恥ずかしいセリフを・・・!!」
兵士「あれ?俺はただ、仲良くなれて嬉しいっていう・・・」
魔人「・・・っ!そ、そうですか、そそそれはああありありがとうございます」ドキドキ
兵士「じゃあまぁ、とにかく、鍵を取りに行って来るので」
魔人「いや、わ、私も行きます。そんな、私が入るんだから・・・」
兵士「え?いいですよ、すぐソコですし・・・」
魔人「だ、駄目です。そこまでご厄介になるわけには・・・」
兵士「はぁ、まぁいいですけど。真面目というか強情というか・・・」

180 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/10(土) 18:47:07.49 ID:qxYZtoyE0
魔人があああああぜええええええ

181 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/10(土) 18:49:39.32 ID:oedGWuT60
一緒に入っちゃえ

182 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/10(土) 18:55:33.95 ID:M/aPIXcv0
ーーー大浴場・前
兵士「・・・じゃ、この鍵を、さっきの場所に戻せば結構ですから」
魔人「はい、必ず」
兵士「俺は、部屋に戻りますね。おやすみなさい」
魔人「あ、あなたは入らないのですか?」
兵士「え?だって、男湯と女湯は別れてますけど、気味悪いでしょ?」
魔人「そんなことは・・・、大浴場は、個人のものではありませんし・・・」
魔人「入りたくないのであれば別ですが、独り占めできるのは男湯も同じですよ?」
兵士「・・・それじゃ、お言葉に甘えますかね」
魔人「是非、そうしてください。・・・あっ」
兵士「え?」
魔人「べ、別にさっきのは、い、一緒に入りたいという意味ではあああありませんから・・・!」
兵士「ぶっ!?わっ、わかってますよそんなの・・・!!」

183 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/10(土) 18:57:17.25 ID:rTnijOju0
・・・・・・・

184 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/10(土) 19:01:43.27 ID:qxYZtoyE0
>>183
どんまい。